UmeeTでは、理科三類以外から医学部医学科への進学選択を成し遂げたいわゆる“医進”勢3人との座談会を開催!
お集まりいただいた方々はこちら。
本記事は文三から医学部医学科へ進学された野呂さんにフォーカスしてお送りします!
進学選択の過酷な情報戦をどのように勝ち抜いてきたのか?
履修どうやって決めた?
おすすめの授業は?
授業はどう受けたらいいの?
医進を成し遂げた3人が語ります。
本日はよろしくお願いします!早速ですが、文三に入学しながらなぜ医進しようと思ったんですか??
文三に入ったのは、単純に合格最低点が一番低くて入りやすかったからですね。
高2までは理系のクラスにいたんですが、高2の後半頃に心理学への興味が湧いてきて、じゃあ文系でいいなと思い高3で文転しました。
高3の私は毎回模試もD/E判定ばかりだったので、文三しかないかなと思って受験して合格しました。
医進する人って余裕で合格するような人ばっかりかと思ってました…
それで医学部を目指し始めたのはどういった経緯が?
入学した後に何か新しい目標がないと頑張れないなと思って、まあ医学科を目指しておけば基本的にはどの学部にも行けるので、とりあえず医学科を目標に掲げておこうと思って目指し始めました。
そのモチベーションで続けられるものなんですか?!
大学入学当初は公認心理師の資格を取ろうと思っていたのですが、1S始まった頃公認心理師について調べたところ、資格をとるのが大変で専門性が求められる割に待遇がよくないということがわかったんですよね。
私の人生の目標は自分の足で立つことだったので、公認心理師ではなく医師を本気で目指そうと考えました。
報酬面だけではなくて、患者さんの心身のケアに診断や投薬という形でダイレクトに関われるのも魅力的でした。
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医学科を目指そうと思ってから、授業の選び方なんかは相当気をつけられていたと思うのですが、実際どうやって履修を決めていたんですか??
Twitterと逆評定を本気で読み込んで決めてましたね。Twitterで優上が出たって言う話題があったら、「これは割と希望あるな…」という感じで。
僕も主な情報源はTwitterと逆評定でしたね。
ただ、逆評定って高得点を取りたい人と単位さえ取れればいいと思っている人の情報が混在していてあまり参考にならないんですよね…(笑)
だから逆評定で目星をつけて、その授業をTwitterで血眼になってエゴサした上で履修を決めていました。授業内容も大事ですけど、先生のキャラクターを見定める人間観察力みたいな部分も高い点数を取りたいなら重要になってくると思います。
逆評定だけじゃなくて、95点優上、100優上取れるかっていう指標も欲しいですよね。
分かる。医進用逆評定欲しい(笑)
作ったら売れるかな(笑)
僕の全体的な取り組み方としては、1年生のうちはまず必修を頑張って2年生になったら総合科目に力を入れるのを意識していました。
あとは、授業が自分に合っているかどうかを重視していました。
私は基本的にレポートが嫌いで試験が得意なので、評価方法が試験一発な授業は好きでした。あとは授業内の発言や質問など、曖昧な指標が入っていると不安なので敬遠していましたね。
自分はレポートの方が得意だったので、レポート評価の授業だったり実習系の授業を多くとるようにしていましたね。
私は自分のしたい勉強ができればいいやというスタンスだったので、もっぱら自分が何に興味があるかっていうところで悩んでいましたね。
もちろんTwitterや逆評定でも探していましたし、先輩にお話を伺って履修を決めた科目もありました。
1Sは詰めこんだんですよね。それで1Aはちょっと守りに入って、勉強以外のこともできるかなと思っていたんですが、まあぶっちゃけTwitterの浮上時間が増えただけでしたね(笑)
それで自分が何をしたいのかについて本気で悩み出した2Sは、法学部の持ち出し科目も取りながら、進学先の1つとして検討していた計数工学科に進学した時にやっていけるように、何個か潜りながらやっていました。ちゃんとTwitterへの浮上時間も減らしていました(笑)
時間割がガチプロだよね…
おすすめの授業とか何かありますか??
1Aで履修した法Ⅱ(石川健治先生)とボーカロイド音楽論(鮎川ぱて先生)はどちらもすごくコンポーズされていて、文脈の回収など工夫が凝らされており面白かったですね。
駒場で受けた授業の中で一番良かったかもしれないなと思うのは、新井先生の力学Bですかね。
私も取ってた!
私も履修してました。
すごく分かりやすいんですよね。生徒の立場に立って考えてくれて。
(良い意味で)大学の教員らしからぬところもあり、「1Sは気合ですよ!」とか言われて、そういうフランクなところも含めて好きでしたね。あと自己肯定感がすごく上がる。心のオアシスのようでした。
先生:「この物体にかかっている力はなんですか?」
生徒:「重力」
先生:「素晴らしい!」
みたいな(笑)
私はオンライン授業になってから受けたんですけど、スライドもめちゃくちゃ分かりやすかったです。途中で「可愛い画像を見ると集中力が上がりますから」って言って猫の画像を見せてくれて楽しかったです。
あとは”先進科学”っていう実習系の授業もおすすめで、最初の選抜で20人に履修者が制限されるので、優3割規定がないんです。しかも気鋭の若手の先生による授業なので内容もすごく面白い。取って良かったなと思う授業の1つですね。
授業の受け方について何か気をつけていたことはありますか??
僕はとりあえず前の方で授業を受けるように徹底してましたね。自分の肌感覚ですが、きっと成績って教室の前の方に座っている人から順に高いんじゃないかなっていう気がしています(笑)
実は東大生って個々人の能力の差はあまりないと思っていて、本当に意識の差の部分で点数が変わってると感じることが多いです。
めっちゃ分かる、前3割規定あるよね(笑)
仲の良い友達が後ろで授業を受けたいって言っても、心を鬼にして(笑)、絶対に前の方で受けるんだっていう姿勢でいるようにしました。
「多少キモいと思われてもちゃんとやるんだぞ」っていう自分へのプレッシャーを自ら生み出すっていうのが大事だと思います。気持ちとしてはハリーポッターでいうところのハーマイオニーみたいな感じです。
すごい分かる。周りに宣言してちゃんと頑張っているところを見せておかないと自信もなくなっちゃうと思う。
人に頑張っているところを見られると、「自分ちゃんと頑張ってる。このまま頑張ろう」って思えるから、優等生万歳だなって思います。
みんな教室だと後ろの方うるさいとかツイートしてるけど、そんなのは最前列に座れば解決する問題だと思ってます(笑)
あと先生と目が合うから話がすっと入ってくるし。良いことづくめなんですよね。
私も前に座ってましたね。
私は中高の頃から授業は教員との対話であると考えていたので、私語とか内職とかゲームとかしている場合ではないと。
であれば最前列が一番対話環境として良いですよね。
それに前に座っているとガチ勢フレンズができるっていう良いこともありますし。1回政治Ⅱの授業で、面白いツイッタラーのガチ勢の子とエンカしようとしたら、その子も前の方に座っていて、そしたらその周りに居た5人くらいも全員ガチ勢ツイッタラーで「君がラワイルなのか」っていう話で盛り上がるっていう(笑)
それから毎週その子達と授業前に会話していましたね。
医進した人たちで後ろの方に座ってる人は多分いないんじゃないかなと思いますね(笑)
私はもちろん最前列に座りながら、先生が大事って言ったところに印をつけたり、「ここテストに出そうだなー」を感じたところをレジュメにメモっておいたりしていましたね。
私は授業を楽しむことを主眼に置いて、先生の言っていることは基本的に冗談も含め細大漏らさずメモしてましたね。
これは記憶のフックになりますし、面白い授業をする先生ってwittyに細かいところから大きな文脈まで持っていってくれるので本当に面白いんですよね。
もちろんエッセンスだけまとめるのも大事なんですけど、そうなってくるとすごくカラッカラになっちゃうんですよね。やっぱりオアシスが欲しい、草を生やしたいんですよ(笑)。
加えて、授業中は自分なりの授業展開への予想と先生の言うことをつきあわせて、昇華させていくことを意識していました。
偏見(予断)なしにテクストを読むことはできないと、しばしば言われます。
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野呂さんが医進を目指す中で一番大変だったことはなんですか?
私は医進に関する情報面で苦労しましたね。
文三だったので身近に医進を成し遂げた先輩がいなくて、「自分は本当に医進できるんだろうか?」って何度も思ったし、医進を目指しているっていう実感がわかないまま過ごしちゃった時期もありました。
いかにして情報を手に入れるか・モチベーションを維持するかというところに苦労しましたね。
確かに情報は少ないよね。
”文系から医進”ってググっても全然出てこないし、身近な先輩に聞くと、「もうすっっごい難しいよ!」みたいな感じだし。誰かの質問箱でも「文系からの医進って可能ですか?」ってうのに対して、「絶望的です」とか「ほぼ無理です」って言い切られていて。
周りで誰もやったことないことだから、自分なんかに行けるんだろうかっていうネガティブな感情になったりすることはありましたね。
誰も居ない道を行く人は、周囲から悪気のない屈託のない脅しを向けられてしまうんですよね。
でもそこを乗り越えてパイオニアになるっていう、「誰も居ない道を行け」と本当に思いますね。
別にみんながパイオニアになる必要はないですけど、少なくともパイオニアを応援する人でいよう、足引っ張る人にならないようにしようと伝えたいです。
色々なネガティブな感情を克服できた大きな要因の1つは、
Twitterで「理三以外から医進した先輩が知り合いにいる人いたら連絡ください」って発信したら意外と連絡をくれる人がいたことですかね。
そこで繋がった方々に気持ちの面で応援してもらったり、履修や志望理由書、面接について詳しく教えてもらったりしたので、だいぶ心強かったです。そこが分かれ目だった気がしますね。
私も面接や志望理由書について、あらゆる手を使って先輩を探し出して色々お聞きしましたね。
先輩方には本当にお世話になったので、感謝の気持ちでいっぱいです。1年後、2年後には私たちのところにも連絡が来るかもしれないと思っていて、次の誰かちゃんと救わなくちゃって思いますね。
やっぱり求めるものは救われないとね。
こうやって連鎖して「輪廻」していくのはいいですよね。
先輩からしか情報を得られないっていうのは厳しいなあと思いますね。その大事なところをコネに頼らないといけない。もう少し大学側も情報を公開してくれてもいいのかなと思います。
将来社会に出たら、コネとか人脈を使いこなせるの大切じゃないですか。だからそういう能力も必要ということなのかなと個人的には解釈していました。
確かにそれを頑張れた人が今ここにいるっていう感じはあるよね。
大学は基本的に各個人が自由にする場所なので、大学っていう組織が制度的に介入する程度は慎重になった方がいいところもありますが、大学にも色々できるところはあると思いますね。
例えば、先輩と話せる機会を設けたりとか。もちろん学生の側で自主的に色々作られてるし、さらに作っていくこともできると思います。
今先輩と話す手段ってTwitterのDMとかですか??
そうですね。
答えてくれるのが優しいよね。
絶対忙しいはずなのにね。
自分との戦いで味方になるのは他の人だったりするんですよね。
人と話すなかで自分自身の目指しているところがクリアになってくるというか。
そういう先輩と繋がれたっていう点で、本当にTwitterには感謝しかないですね。
Twitter最高(笑)
やっぱりTwitter一列じゃないけど、現状Twitterを使いこなせないとかなり厳しいものがありますよね。どれだけ一次情報に当たれるかの勝負なので。
勇気を出せるかどうかがターニングポイントですよね。お忙しいなか先輩に時間取ってもらうのは本当にありがたいっていう気持ちを持ちつつも、積極的にアクションを起こさないと何も得られないので。
逆にそうやって時間割いてくださって色々教えてもらったからこそ頑張れるっていうのはあるかな。色々してもらったんだから絶対に成し遂げないとっていう気持ちになります。
野呂さんが、今後について何か考えていることがあれば教えてください。
自分はやっぱり臨床医になりたいと思っています。
何科とか考えているんですか?
心理学に興味があるので、絶対精神科に行こうと最初は、思っていました。
でも、この夏休みにいくつか医学系研究科の研究室を訪問させてもらったときに、そこで出会った先生方から「今のうちから進路をはっきりと決めておく必要はない」と言われて。
医学は頭のてっぺんから足の先まで網羅的に身体に関する知識を身につける学問だから、その中で自分の興味が二転三転する可能性もある。その時のために色々な方面にアンテナを張っておいた方がいいっていう言葉をいただいいて。
それからはどこにでもアンテナを張って、広く吸収しようと思っています。最終的には研修を経て決めていきたいです。
本当に色々な診療科があって、 それぞれ個性やカラーがあるので、まあ少々雑な言い方をすれば、誰もがどれか一個はハマるものがあると思います。
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いかがでしたでしょうか?
医進した3人が勉強面も情報面でもすごい苦労をされていたんだなということを強く感じました。自分自身のこれからに生かせるお話も多かったように感じます。
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