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「日本のキャリア・働き方に多様性を」女性のキャリア研究を経て辿り着いた結論とは【東大→ベンチャーインタビュー】

2021.11.26

ベンチャー特集第1弾!

「新しい働く価値観を作り、女性のキャリアの可能性を広げたい」

かつてUmeeTで、井の頭線と競争していた竹内さんは、

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男子校の化身
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2017-01-27

ベンチャー企業で活躍するビジネスパーソンになっていました。

女性のキャリアに興味がある方や、将来のキャリアに迷っている学生必読です!

学生証
  1. お名前:竹内美晴(たけうちみはる)
  2. 所属:株式会社サーキュレーション

京都出身、東京大学文学部行動文化学科社会学研究室卒業。戦後70年間の大卒女性のキャリアと司法・経済・文化など外部要因を紐づけた研究を通して「前例をつくる」ことの重要性を認識。
自分が公私両どりで能力を研鑽して働きつづけたいと思いベンチャーでの成長を期待し、加えて既に新しい働き方を企業に啓蒙できるベンチャーに新卒3期生として入社。約3年コンサルタント、リーダーを務めたのち、2021年2月から広報に異動。

なんでベンチャーへ?

筆者
筆者

本日はよろしくお願いします!

早速ですが、ベンチャー企業をファーストキャリアに選んだ理由をお伺いしても良いでしょうか?

竹内さん
竹内さん

まず、私の就活の軸は2つありました。

1つは女性のキャリアの前例を作れる環境か。もう1つは、社会の制度を変えうる仕事か、というものでした。

竹内さん
竹内さん

1つ目の女性のキャリアの前例に関する話をすると、

私の世代は、性や属性に縛られないキャリア形成への意識が高まっている世代だと思っていて。ワークライフバランスの偏りや、長時間労働を前提とする働き方はもはや「女性」だけの問題ではなく、働く私たち全員の生き方にも影響するという認識も広がってきているのではないかと思います。

そう考えた時、女性のキャリアの前例を作り、選択肢を増やしていくのは、我々世代の大事な役割のような気がして。

筆者
筆者

なるほど。

竹内さん
竹内さん

何事にも、絶対に1番最初に挑戦するファーストペンギン*が存在するんですよ。

*ファーストペンギン
ペンギンの群の中で一番最初に、天敵がいるかもしれない海に飛び込んで獲物を探すペンギンのこと。
初めてのことに挑戦する人を指す言葉。
竹内さん
竹内さん

でも、このファーストペンギンに誰がどのタイミングでなるのか?がめっちゃ大事なんです。
さらに言えば、その後に続く集団がいかに早く「黄金の3割」*を越すか?も同じくらい大事。

*黄金の3割
組織のなかでマイノリティの割合が3割となったときに、組織全体の文化が傾くという理論

竹内さん
竹内さん

できるだけ早い段階でファーストペンギンが出て、さらに続く集団が現れないと20、30年社会の変革が遅れていく

だから私は自分も働き続けるし、女性を含めた人の様々なキャリアの前例を増やす側に、なりたいと思ったんです。

すでにご活躍されてる先輩は山ほどいると思うんですけど、起業や独立、副業、学び直しも含めてもっと多様なキャリアが現実的な選択肢になれば、多様な生き方がしやすくなるんじゃないかなと。

筆者
筆者

なるほど。視座が高いです…

2つ目の「社会の制度を変えうる仕事」という軸を見出したきっかけもお伺いしたいです。

竹内さん
竹内さん

1番は、「制度が変わらないと社会は変わらない」と卒論の研究を通じて感じたのがきっかけでした。

私は戦後70年間の大卒女性のキャリアを研究するために、60年間続く東大女子同窓会であるさつき会*の冊子に掲載されている就活エピソードを卒論の題材にしていたのですが、男女雇用機会均等法の施行前後で全く様子が違うんです。

*さつき会
東京大学女子ネットワーク・コミュニティ(東京大学女子卒業生・女子学生同窓会)https://www.satsuki-kai.net

竹内さん
竹内さん

男女雇用機会均等法の施行前はそもそも男性のところにしか企業の就活募集用のハガキがこないとかざらにあったそうです。

高卒と同じ待遇なら雇うと言われたこともあるそうで、同じ学び舎で勉強する男性同期と同じスタートラインにすら立てなかった。だからか、上の世代には資格で働く士業を選んだ人が結構多い。

確かに当時は社会通念もあって結婚したら退職する女性が多く、どうせ採用するなら長く働ける人を優先したいという企業の都合もあったのかもしれませんが、文字通り性別でフィルターがかけられていた時代だったと思います。

でも施行後の同窓会通信からは、ハガキが来ないことで悩んでいるという投稿が一切なくなったんです。少なくとも雇用の入り口で明らかに差別されることは激減して、悩みの内容が職場内の昇進や、出産・育児・介護との両立に移っていく様子が劇的でした。

制度1つでこれだけの人生が変わるのかと、この研究で、制度が変わることの重要性を強く感じました。

一方で、これって「制度を変えないとイレギュラーばかりになる」、つまりファーストペンギンの後にたくさんの人が続いたからこそ変化せざるを得なくなったという側面もあると思うんです。鶏と卵に聞こえますが、私は「前例が積み重なることで制度が変わり、制度が変われば社会全体が変わる」という仮説を持ちました。

それで、制度を変えるくらいの変革を起こせる最前線に行きたいと思いました。

これらの冊子以外にも、さつき会事務所には実に段ボール2箱以上分の会報誌のエピソードが溢れていた
筆者
筆者

なるほど。

そもそも女性のキャリアについて考えるようになったのはなぜですか?

竹内さん
竹内さん

母親の影響が大きかったですね。
私の母は出産のタイミングで1度退職していて。

いざ復職しようってなった時、育児をしながら働けて、かつ自分の積み上げてきたスキルを活かせる仕事が無かったらしいんです。

25年前の話ですが。

筆者
筆者

25年前となると、出産育児とキャリアアップを両立させる女性はまだまだ少ない時代ですよね。

竹内さん
竹内さん

そうですね。

その話を聞いた時、今まで母が想いを持って積み重ねてきた学業や職務経験やスキルが、出産・育児期間で「ブランク」、空白と表現されていることに衝撃を受けました。実際は「空白」になんてならないし、母の全ては私の人生に繋がっているのですが、ことキャリアという側面ではなぜか、お金を稼いでいない期間は「ブランク」と見なされてしまう。

私が女性として生きていく限り、母の時代のように産休や育休を「ブランク」だと思われない保証はない。そういう意味では、家庭内でのケア労働や再生産労働での経験も、職務上評価できる経験だという風に変わっていってほしいと思っています。

もちろん働いても専業主婦でも自分がその人生で幸せであると思えれば、その人にとってそれがベストなんだと思うんですが、私は個人的には働くのが楽しいので、ずっと長く働いていたいと思って。

そう考えた時に、先ほど言った2つの軸、女性のキャリアの前例を作ることと、社会の制度を変えることが私にとってすごく大切だったんです。

筆者
筆者

なるほど…

それで結局ベンチャーに辿り着いた理由はなんだったんでしょうか?

竹内さん
竹内さん

まず、2つの軸を叶えられる場所ってどこなんだろうと思った時に、「日本の大企業は難しいかも」と思って。

筆者
筆者

日本の大企業はないんですね…

竹内さん
竹内さん

誤解して欲しくないんですけど、別に大企業がダメっていうことでは全くないです。私は漠然と、30歳までに「これができます」という分野を作りたいと思っていて、この理屈だと、大企業で1つの職種を究めてもよかったんです。

でもベンチャー企業のインターンに行ってみると、「自分の成長が会社の成長になる」と生き生き働いている人が多く、経営陣との距離も近くて。良くも悪くも1人の能力が会社に与える影響がより大きいベンチャーの方が、若いうちに「自分がこれを頑張って会社が変わった」という貴重な経験ができるかもと思ったんです。

制度を作るという観点だと、官庁に行く東大生は多いと思うんですが、実際に多くの人がいる「会社で働く」ことで思考も変わるかもと思い、まずは事業会社で働こうと思いました。

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東大は自分の可能性を拓くための場所

筆者
筆者

ご家族に加え、東大での研究や先輩との出会いも、竹内さんのキャリアに大きく影響しているように感じました。

ご出身は京都とお伺いしましたが、そもそも東大に入ろうと思ったきっかけはなんだったんでしょうか?

竹内さん
竹内さん

小さい頃から自分の住んでいる世界とは違うところに行きたい気持ちがあったんですよね。

特に中学受験をして、地元から出るとそれだけ様々な背景を持つ人に出会えるということに気づいてからその思いは強くなって。

東大に行ったら、もっといろんな人と出会えるんじゃないかと思ったのが受験のきっかけです。

筆者
筆者

ジェンダー関連に明るい竹内さんに1つお聞きしたいことがあって。

私はいわゆる「東大女子」の1人なんですが、東大女子ってめっちゃ優遇されると感じることが多いんですよね。

家賃も補助してもらえるし、女性限定の就活イベントメールもたくさん来るし。

この優遇というか下駄を履かせてもらっていることに対して、どう向き合ってきたのか、どう向き合えばいいと思うかお聞きしたいです。

竹内さん
竹内さん

難しい質問ですね。そもそも今挙げられたようなことは、これまで構造的に女性が挑戦しづらかった領域を変えるための施策だったり、逆にその企業の採用方針がデフォルトで女性を想定していなくて特別枠扱いの可能性もあるし、「優遇」と一口には表現できないと思うんですよね。

企業としても画一的な人材ばかりではイノベーションが起きづらい、疎外感を感じずに働きやすい職場に優秀な人材が移ってしまうという課題もあり、積極的に採用や育成を試みているという背景もあります。

その前提の上で話すと、私は期待をかけられたら期待通り100%よりも上、120%を出さなきゃと思っています。

会社から本人の今の能力値以上に未来に期待してもらう機会は男女問わずあります。新卒採用も、将来の成長を期待したポテンシャル採用ですよね。確かに機会を与える側には、採用したり仕事を任せる思惑は色々あるのかもしれない。でも機会を与えられたことに引け目を感じて成果が出せなければ、期待してくれた人も、飛躍的に成長できたかもしれない自分も、自分がいなければその場で活躍していたかもしれない誰かも、皆幸せにならないじゃないですか。

そういう風にある意味「運良く」与えてもらったものに対して、120%を出していく、その姿勢が大事なんじゃないかなと思っています。

筆者
筆者

期待をかけられたら120%を出す。

すごく納得しました。

ベンチャーに入社してみて

筆者
筆者

実際に今の会社に入社されていかがですか?

竹内さん
竹内さん

ビジョンにすごく共感して仕事ができているので楽しいです。

サーキュレーションは、「世界中の経験・知見が循環する社会の創造」をビジョンとしている会社です。

株式会社サーキュレーションHP:https://circu.co.jp
竹内さん
竹内さん

サーキュレーションは、プロシェアリング*という事業でこのビジョンを実現しようとしています。
このビジョンに共感していて、社会のため、ビジョンのために働けている感覚が面白いです。

*プロフェッショナルの経験・知見で企業の経営課題を解決。
様々な分野の17,000名以上のプロフェッショナルの情報と8,000件以上のプロジェクト実績に基づくデータベースを保有。分析結果を元に、貴社の経営課題に合わせて、最適な経験・知見を提供します。世界中どこにいても、必要な時に必要なだけ、プロの知見を。それがサーキュレーションのプロシェアリングサービスです。(株式会社サーキュレーションHPより)

竹内さん
竹内さん

あと社風として、誰かが話す夢とかこれがやりたい!を誰も笑わない。むしろ、「それいいね!」と言い合う空気があるのもすごく好きですね。

竹内さん
竹内さん

ただもちろんいいことばかりではなくて。誤算もありましたね。

筆者
筆者

誤算?

竹内さん
竹内さん

ベンチャーは常に自分が変わらないと置いていかれてしまうんですよね。

過去の成功に固執するとだめで。成果を出した経験を悪い意味で引きずってしまうと、3,4年後の会社の変化についていけないんですよね。

筆者
筆者

なるほど。変化が激しい環境ということですね。

竹内さん
竹内さん

そうですね。

サーキュレーションが大切にしているフィロソフィーの中に「変化を楽しむ」という言葉があるんです。私も変なプライドを持たず、「この変化が起こったらどんな明るい未来が待っているだろう」と、常に変化をポジティブに捉えて、変化を取り入れていくのが大事だと思っています。

筆者
筆者

変化の激しいベンチャーを生き抜いていくための秘訣って何かありますか?

竹内さん
竹内さん

思うのは、素直になんでもやってみることですかね。

「こうしなさい」って言われたものは理由を自分なりに理解した上でまず取り入れてみて、合わなかったらやめる。まずはやってみて、ダメだったらやめる、このなんでも素直に一旦やってみるという精神は重要だと思います。

筆者
筆者

最後に就職先を検討している学生の参考に、ベンチャーに向いてるなと思う人物像を教えてください。

竹内さん
竹内さん

まずは、肩書きよりもその場所で自分は何を得たいのか、と考える人は合うと思います。

だから、「大手はイケてない、“ベンチャー企業”に行きたい」って思う人はもしかすると向いていないかもしれないですね。大手かベンチャーかという二元論で考えず、仕事を通して何を獲得するかを言語化して納得するのが大事です。

あとは自分の選んだ道を正解にできる人。自分の行動に責任を持てるかは重要だと感じます。大手はある程度仕組みができているので、その組織の中で効率を上げて成果を出していくことが大事だと思うんですけど、ベンチャーでは、仕組みはむしろ自分で作っていくものなんですよね。

そのアクティブさを持っている人や、自分が組織を変えていくということに面白さを感じられる人は向いていると思います。

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あとがき

自分も自分自身のキャリアや女性のキャリアについて、とても考えさせられるインタビューでした。

「ベンチャー企業に行きたい」学生は向いてないかも。という言葉が印象的でした。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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ゆうな
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