突然ですが、水面下で『探偵!UmeeTスクープ』というどこかで聞いたような企画が始動していたことをご存知だったでしょうか?
UmeeTに所属するライターが読者の方から頂いた依頼を全力で解決していこうというこの企画。
『探偵!UmeeTスクープ』という名前で決定しました。今後どんどん読者からの依頼を解決していく予定です!
そして今回ようやく第一弾を公開することが出来ます。
記念すべき第一号のご依頼はこちらです!
ご依頼ありがとうございます!
依頼内容について少し補足させていただくと、東京大学の学生は主に「本郷キャンパス」と「駒場キャンパス」という2つのキャンパスに通っています。
そして主に1、2年生の間教養を強要されるのが「駒場キャンパス」であり、その最寄り駅が京王井の頭線の駒場東大前という駅なのです。
渋谷から各停で2駅という近さながらも、悲しいことに急行が停まりません。
その結果生まれるのが次のようなツイート
「駒場 急行」でTwitter検索を少しかけただけですぐに見つかります笑
そして何より辛いのが吉祥寺方面、もっと言えば永福町以西の急行停車駅から通学する生徒です。わざわざ永福町駅で悔しさに身を震わせながら急行から降り、各駅停車に乗り換えなければいけません。
このように駒場生を長年苦しませ続けている「駒場各停問題」
男子校の化身が調査してまいりましたので、御覧ください!
不満ばかり言っていてもキリがないので、京王電鉄の広報の方に電話をしてみました。
僕「もしもし、私東大UmeeTという団体でライターをしている男子校の化身(もちろん本名で言いました)と申します。先日ある東大に通う生徒から京王井の頭線の急行がなぜ駒場東大前駅に停まらないのかという不満の声を聞きまして、調べたところ多くの学生が同様の不満を抱いていることがわかりました。急行を駒場東大前駅に停車出来ない理由を教えて頂くことは可能でしょうか?」
京「多くの方から駒場東大前駅に限らず、同様のご意見を頂くのですが、当社としましては個別の対応というものは控えさせていただいております。ただお客様からの貴重なご意見として、参考にしております。」
急行に飛ばされる駒場東大前駅さながらのスルーを受け、一瞬にして取材は絶たれてしまいました。
その後、いくらか粘ったのですがやはり参考にしかしてもらえませんでした…
しかしこれくらいでは諦めません!
<次章> 突撃!東大鉄道研究会!
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東大生は東大生といっても、鉄道に超詳しい東大鉄道研究会の部員なら何か違う意見を持っているのではないか?
鉄研の人ならこの問題の真相を解き明かしてくれるのではないか?
そんな期待を胸に話を聞いてきました。鉄道研究会の方々で話し合っていただいたので、その総意として捉えてください。
僕「井の頭線急行が駒場東大前駅に停まらない理由についてどのようにお考えでしょうか?」
鉄「京王電鉄様のHPによると、駒場東大前駅の乗降車数は2015年は38767人と、急行停車駅である永福町駅や久我山駅と同程度あるいはそれ以上の人が利用しています」
僕「確かに乗降車数だけで見たら完全に急行停車駅のそれですね」
鉄「また井の頭線急行が運転を開始した1971年の前年、1970年の東京都の統計を見ると、乗降客が多い方から渋谷駅、明大前駅、下北沢駅、吉祥寺駅、駒場東大前駅、久我山駅、永福町駅となっていて、このうち駒場東大前を除いた各駅が急行停車駅となり、現在も変わっていません。
つまり、駒場東大前駅は当時から乗降客数が多かったにもかかわらず停車駅から外されています」
そんなに昔から駒場東大前は酷い目にあっていたのか!これは東大生への嫌がらせ説浮上か!
鉄「これには3つほど理由が考えられます」
鉄「現在、多くの列車で急行は始発駅(渋谷または吉祥寺)を各駅停車の直前に出発し、手前を走る各駅停車に中間の永福町駅で追いついて接続し、終点でもう1本手前の各駅停車の直後に到着しています」
2本前に出た各駅停車と急行がちょうど同じくらいの時刻に終点に到着するようなダイヤが組まれているということですね。
鉄「駒場東大前駅に停車させるとなると、急行の所要時間が数分増えます。井の頭線には各駅停車を追い抜ける線路が永福町駅にしかないので永福町で確実に追いつく必要が出てきます」
急行の所要時間が増えてしまうと、たしかに急いで永福町まで行かないと各停との連絡が出来なくなってしまいます。特に駒場東大前だと学生がわんさかしているので乗り換えにはかなり時間を取られそう…
鉄「京王線急行と京王線の調布・府中方面の連携が問題になってきます。先ほどの乗降客数のデータでは、明大前駅の乗降客数の多くを京王線との乗換客が占めていました。井の頭線を京王線の調布方面から渋谷駅へのアクセス路線として捉えるならば、明大前駅と渋谷駅の間をできるだけ速く走った方がよいと言えます」
調布方面から渋谷を目指す人からすれば、当然明大前〜渋谷間は邪魔以外の何物でもないです。下北沢でさえ億劫に感じることでしょう。これは受け入れざるを得ないです…
鉄「駒場東大前駅が渋谷駅から近すぎるため、急行を止めることが難しいという理由です。急行に混雑が集中しすぎるのを防ぐため、渋谷・駒場東大前駅間だと急行を停車させるには距離が短すぎるのかもしれません」
急行は目的地になるべく人を早く送り、なおかつ乗降者を分散させることが目的です。そのように考えると駒場東大前は乗降者数が多いが故に逆に急行を停めてしまうと急行としても役割を果たせなくなってしまう危険性があるということです。
僕「言われてみれば確かに仕方ないかなぁと思うことが多いんですよね。だからといって許容出来るかというと別問題で、東大生のみならず、多くの高校生も利用する駅なので日本の未来に目を当てるのであれば、なんとか急行を停める努力をして欲しいものです」
鉄「考えうるのは時間帯限定の特別停車だと思います」
僕「あーそういえば入試や学祭の時は臨時で急行が停車してますね!あの感じを通常でもやってもらえると助かります」
鉄「駒場東大前駅のホームは広くないので、通常の平日でも特定の時間(4限、5限終了時や高校の終業時間)に激しく混雑しています。臨時停車の実績を踏まえると、これらの時間帯だけでも急行が特別停車するという混雑対策ならば取れるのではないでしょうか」
学生が利用者の大半を占めるので、混雑する時間帯も自ずと限られてきます。ガラガラの時もあれば、ギュウギュウの時もあります。だからいつも停めてくれとは言いません。必要な時だけでいいんで停めてください。
どうにかなりませんか、京王電鉄様!!!
鉄道研究会の皆様、調査協力ありがとうございました。
渋谷に向かう際の話に限定して考えると、「急行が来ないなら走ってしまえ」という鳴かないホトトギスを殺してしまう織田信長的発想に至る人も多いと思います。
これが「渋谷爆走問題」です。
要は渋谷に行くのに「電車に待って乗る」と「走る」のとではどっちが早いのかという話。
もしこれで走るほうが早いなら、急行とかこっちの方から願い下げですからね!
この命題を体を張って検証してきました。
注目の出走表はこちら!
〈次ページへ続く〉【検証】駒場渋谷間 爆走女子vs鈍行井の頭線!