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「スタートラインに違いがある」周囲の東大生とのギャップから見出した未来とは。【東大→ベンチャーインタビュー】

2021.11.26

ベンチャー企業特集第2弾!

人の人生が変わる瞬間の面白さに惹かれ、人材系ベンチャーでご活躍中の佐々木さんにお話を伺ってきました。

非大卒の両親の元で生まれ育ち、東大は当たり前の場所ではなかったと語る佐々木さん。

中高一貫校出身の友人たちとのギャップを感じる中、見出した思いとは。

学生証
  1. お名前:佐々木春希さん
  2. 所属:株式会社シェイク
    埼玉県出身。非大卒の両親の元に生まれた中でも教育機会を得て東大に現役合格し、文学部を卒業。在学中は、教育格差への問題意識から、地方の高校生の東大進学を支援する学生団体FairWindや、貧困状態にある子どもたちへの学習・居場所の支援を行うNPO法人Learning for Allで活動。人の可能性を広げるきっかけを作りたいとの想いから、人材育成・組織開発を行うベンチャーに入社し、コンサルタントとして勤務。

なぜベンチャーへ?

筆者
筆者

本日はよろしくお願いします。

早速ですが、東大に入学されてからベンチャーに入社するまでの経緯を教えてください。

佐々木さん
佐々木さん

小学生の頃から勉強は好きでやっていました。

家がそんなに裕福ではなかったので、大学受験では国立に行こうと思っている中で、東大のオープンキャンパスに行って、憧れたのがきっかけですね。

高校は東大に行く人がほとんどいないようなところだったんですけど、なんとか合格できたという感じでした。

筆者
筆者

なるほど。

大学入ってからはどのように過ごされていたのでしょうか?

佐々木さん
佐々木さん

大学に入ってからは高校までの勉強との違いを知って。暗記とは違うんだな、みたいな。

大学には憧れが強くて入ったのが大きくて、勉強の目標とかもなくて。

両親も中卒と高卒だったので、自分自身大学がどういうところかあまりわかっていなかった感じはありましたね。

「先生」が憧れの職業の一つだったので、教職をとったりしていたんですけど、結局自分がどうなりたいのかとかがあまりなくて、就活が上手くいかず、人生の迷子になって1年留年しましたね。

筆者
筆者

その人生の迷子の中で今の企業を見出したきっかけはなんだったんでしょうか?

佐々木さん
佐々木さん

将来の選択肢としては、大学院進学、教員、地方公務員、一般企業があったのですが、学問はそこまで好きじゃないなと思ったり、教員の労働環境の厳しさの話を聞いたり、地方公務員は書類作成をしてるイメージが強かったりして悩んでいました。

そうなった時、自分自身の生い立ちを振り返ってみると、自分が東大に来るまでの環境では、大学に行くことは当たり前じゃないし、ましてや東大に行くとは思ってもみなかったんですよね。

だけど、東大に入ってみたら、中高一貫の人がたくさんいて、経済的に困っている人は多くないしで、結構ギャップを感じて

私は高校でも半分くらいの人は奨学金をもらっている環境にいたので、驚いたというか、悔しかったというか。スタート地点がここの人がいるのかと思って。

もちろん中高一貫で経済的に豊かな人が悪いわけじゃないんですけど、スタートラインに違いがあることに気づいて。
自分自身、そのギャップに気づいた側として、勉強ができない環境にいる子に何かできないかなと思って、最初の大学4年生の時にLearning for All*という団体に入ったんですよね。

*

「子どもの貧困に、本質的解決を」を掲げ、学習支援や居場所支援などの活動を行っているNPO法人

Learning for AllのHPはこちら→https://learningforall.or.jp

佐々木さん
佐々木さん

大学4年生の1回目,2回目で活動させてもらっていて、大学生ボランティアの採用選考に関わるようになっていった時に、人が変われるきっかけを作れるのが面白いなと思って

そういう人の人生が変わる瞬間が面白いなと思って、人材系の企業を探し始めたんですよね。

人材系となるとベンチャーばかりなので。

ベンチャーだから選んだというよりは行きたい業界がベンチャーだったという感じですね。

佐々木さん
佐々木さん

あと就活関連で言うと、自分自身は何を仕事にするか?に加えてどこで仕事をするかも結構悩んでいて。

彼氏が岐阜にいて、そっちに行く選択肢もあったので、岐阜の企業が集まっている説明会に行ったりもしたんですよ。それで、岐阜って愛知が近いので、自動車や飛行機関係のメーカーが多くて。

ある部品メーカーの会社の話を聞いた時に、女性の時点で一般職、事務職だと思われてるんですよ。

筆者
筆者

あーなるほど。

佐々木さん
佐々木さん

一般職が悪いわけではないですけど、男性と私の2人で話を聞いていて、私が、質疑応答の時間に、入社するまでに身につけておいた方がいい能力とか資格ありますか?って聞いたら、「女性はたおやかさがあればいい」って言われて。

筆者
筆者

えええ

佐々木さん
佐々木さん

だから地方に行くと女性は、能力は求められないんだなと思って、東京での就活をするようになったんですよね。

筆者
筆者

未だにそれが現実なんですかね。

佐々木さん
佐々木さん

自分的にもかなり衝撃でしたね。

私は幸い、それまであまり男女格差を強く感じたことはなかったんですよね。でも地方に行くと女性って男性の補佐としてあつかわれるんだなあって

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現職との出会い

筆者
筆者

具体的に今の会社に出会ったきっかけはなんだったんでしょうか。

佐々木さん
佐々木さん

iroots*でメッセージが来たのがきっかけでしたね。

話を聞いてみて、雰囲気も合うし良いなと思って入社しました。

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HP:https://iroots.jp

筆者
筆者

実際今働いていていかがですか?

佐々木さん
佐々木さん

すごく「いわゆるベンチャー」っぽい会社で、正社員は30人くらいで、自分から動いていかないと物事が動かないんだなと感じます。

役割に拘らないフラットな空気がある職場だなと思いますね。

この前も、例年だと30代の社員が担当するような仕事が自分のところに入ってきて、いろんな人を巻き込んでなんとかやり遂げる経験をしました。

筆者
筆者

このチャンスの多さもベンチャーの特徴なんでしょうか?

佐々木さん
佐々木さん

私は1年目の時にまずはやってみることを大切にしていて。そうすると社内の信頼を築くことができて、そういう風に期待をしてもらえれば面白い仕事をやらせてもらえる。そういった環境があるかなと思います。

佐々木さん
佐々木さん

あと、ベンチャーだとトップのカリスマ経営的なイメージがあるかもしれないですけど、うちはどちらかというと、みんなで組織を作っていく空気があると思います。

全社会議の機会で中期経営計画を話し合ったりとかみんなで決めていきますね。

会社の経営に携わりやすいのはベンチャーの特徴かもしれませんね。

みんなが組織づくりのためのプロジェクトに入ることになっていて。私は2つくらい入っています。

その1つに、会社の特徴的な制度として「721の制度」というものがあります。これは仕事の時間を7:2:1の割合で使いましょうというもので、7は本来の業務、2が会社の未来,組織を作っていくための仕事、1が自分の思いを実現するための仕事なんですよ。1の時間は、稼ぎはなくてよくて、新しい事業を構想したり、読書をしたりといったように、自分の視野を広げたり自己研鑽のための活動をすることができます。

取締役は、1の時間として、大学の講師として大学1,2年生向けに色々な企業と連携しながらキャリア教育を行っていたりします。

私はその1の時間をもっと使っていきましょうという「1推進プロジェクト」などを行っています。

筆者
筆者

なるほど。自分の今の仕事だけではなく、組織のための時間や自分の思いの実現のために活動する時間があるのは素敵ですね。

逆にベンチャーに入って大変だったことは何かありますか??

佐々木さん
佐々木さん

自由度や柔軟性の高さの裏返しではあるのですが、仕組みや組織体制が整っていない部分があることは大変だと感じます。

あとは若いうちから案件の責任者として大きな責任を持つのは大変だったりもします。若手が多いということもあり、上の人たちが若手に責任も数字も持たせてくれるんですよね。成長させようと思ってくれていることに対するありがたさと共に、大変さを感じる時もあります。

筆者
筆者

なるほど。若いうちから裁量権を持って働けるのは面白そうですが、責任へのプレッシャーも隣り合わせということなんですね。

佐々木さん
佐々木さん

そうですね。

あとベンチャーと大手の違いでいうと、大きいことを会社を通じて成し遂げられるか?と考えると、大手の方が日本全体に影響を与えられる面もあると思いますし、大手のその組織力を使って自分が成長できたりすると思うので、一概にベンチャーが絶対に良いとは言い切れないと思います。

筆者
筆者

なるほど。

自分に合った場所を選んでいくことが重要そうですね。

ベンチャー企業に向いていそうな人として特徴をあげるとするとどうでしょうか??

佐々木さん
佐々木さん

決まっていないことを楽しめる人が向いているなと思います。

決まっていないことに対して、「なんで決まってないんですか?」と問うよりも、自分で作っていかなきゃいけない世界なので。

自分が会社を動かしていく感覚を楽しいと思える人には向いていると思います。

あとは行動できる人。考えてばかりで動いていないとおいていかれる感覚はありますね。

あとがき

ベンチャー企業らしい会社の雰囲気をたくさん感じとることができるインタビューでした。

そして一口にベンチャーと言っても、一社一社独自の制度や雰囲気があるんだと感じました。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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ゆうな
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