こんにちは。ライターのわかなです。
突然ですが、先月、初めての「大学入学共通テスト」が実施されましたね。
今年から入試制度が変わる!!と騒ぐ世間、結局何が変わるのかわからない試験問題、コロナで実施できるのかすらわからない状況…
世の受験生は大いに翻弄されたことでしょう。そして今、誰もがこう思っているはずです。
結局、センターと何が違うの???
例に漏れず、私−−去年最後のセンター試験を受験した世代で、未だに共通テストのことをセンターと呼んでしまう典型的な老害−−もまた、そんな疑問を抱きました。そして、いいことを思いつきました。
センター試験といえば…
3年連続センター国語満点の神東大生がいた!!
現役、浪人時の2年連続でセンター試験の国語が満点だった東大生がいるとの噂を聞きつけ、編集部は取材に向かった。そこで2020年度のセンター試験の問題も解いてもらうと、期待に違わず、見事満点を叩き出したのだった…。
そんなわけで、今回はセンター国語3年連続満点の強者に2021年共通テストの国語の問題を解いてもらい、センター試験との違いや対策法について語ってもらいました。
また、記事後半では東大入試での国語の対策法やアドバイスについてもお話いただきました。二次試験を間近に控えた受験生は、必見です。
こんにちは。早速ですが、共通テストを解いていただきます。準備のほどはいかがですか?
そうですね、古漢の単語とか句型とかはちゃんと詰め込んできました。
わかなちゃんはどうですか?
…あ、私もやっぱやります?やり…ますよね、ですよね〜
昨年の記事では編集部の先輩がセンター国語を解かされていたので、私ももしかして…?と思っていましたが、やはり解く流れのようです。
お察しの通り何も対策してないですね。
国語には1年間全く触れていないので、古文漢文なんて頭から抜け落ちました…フィーリングを信じるほかありません。
それでは始めましょう。試験開始。
足掻く暇もなく、試験スタートです。
試験は東大前期教養学部生おなじみ、A方式で行いました。嫌な響き…思い出したくない記憶が蘇ってきますね。
【編注】A方式:東大前期教養学部公式のオンライン試験方式の一つ。各学生がモニター用の端末からZoomの部屋に入り、自身の顔・手元・PC画面の3点が写るようにモニターを固定して試験に解答する。
うわー、懐かしい問題…1年前の気持ちが蘇ります。あの頃はそれなりに楽しんでたような気もするけど、もう何かに追われ続ける生活はしたくありません。
あれ、ていうか「懐かしい」なのか…?これ、センター試験と大差ないような…
残り10分です。
やばいやばいやばいやばい
終了です。
なんとか解き終えました。時間ぴったりです。見直しをする余裕はどこへ…
いや〜〜…
(渋い顔)
(これは…どういう表情??)
さて、どうでしたか?
そうですね…センター試験との違いとしては、各大問の最後に新しい形式の問題が1つ追加されたという感じですね。
そうですね。体感としてそれほどセンターとの違いはなかった気がします。
うんうん。でも去年より試験時間はきつかったですね。ゆっくり見直しをする暇はありませんでした。
それでは採点してください。
今回は東進ハイスクールの自己採点ツールを使用しました。
計算し終わりました?
はい…(神妙な面持ち)
じゃあまずわかなちゃんから。
あの、本当に申し訳ないのですが…全く面白くない点数を取ってしまいました…
…おぉ〜。
すごく良いか、いっそすごく悪いかだったら面白かったのに…
いや、でも1年触れてなくてこれはすごいよ。
「1年やってない割にはまあすごい」ぐらいの点数、一番面白くないところを叩き出してしまいショックです。
ともかく、井上くんに移りましょう。
“一般人枠”の筆者に時間を使っている場合ではありません。
いきます…
あぁ〜〜
いや〜…(悔しげな顔)
いやあ惜しい…でもすごい!!
いや、2年経ってて192ってヤバすぎるでしょ。
古漢は知識を詰めて来ましたからね。現代文はしっかり新しい形式のところで引っかかってしまいました…
センターなら無限に満点が取れる井上さんが共通テストの新形式問題では間違えた、というのは、センター試験・共通テストにおいて「慣れ」が必要ということかもしれません。
ここまできたら満点とりたかったなあ…いや〜悔しい…
ともあれ、お疲れ様でした。
共通テストに変わって、何か対策法を変えた方が良いと感じた点はありますか?
そうですね、新傾向の問題は数問ありましたが、対策を変える必要はないと思います。ただ、知識力というより思考力勝負の問題が若干増えた気がするので、インプットよりアウトプット、つまり問題演習多めという意識を持ってもいいかなと思います!
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昨年の記事ではセンター国語の対策法について伺ったので、今年は東大入試の国語の問題について伺ってもいいですか?
了解です。まず一次試験と二次試験の違いですが…
現代文では、一次試験と二次試験で考え方をガラッと変える必要はありません。
一次試験の現代文では、本文に集中して細かい単語・助詞・接続語にこだわることと、文章の論理関係をつかむことが重要ですが、これが東大の二次試験でも要求されています。
それでは二次試験が一次試験と異なるところはというと、「自分で表現する」ことが求められる点です。しかし、論理的に書くことを意識しさえすればやることはそれほど変わらないため、難しく考える必要はありません。
東大の問題はシンプルで、「どういうことか」「なぜか」の2通りしか問われないため、ひたすら練習することで慣れることができます。傍線部の周りの読解ができているか、そしてそれを表現できているかが肝といえます。また、「なぜか」を問われる問題では、〈回答した内容→傍線部〉という因果関係が出来上がっているかどうかに注意しましょう。
古文・漢文では、助動詞などの一単語ずつにこだわって読むことが大切です。暗記しなければいけないことが多い一方で、一次試験に比べ文章が短くなって読解のウェイトは減るので、論理関係と一単語ずつへのこだわりをブラさずに知識をどんどん入れて、自分の持っているもので勝負する、という姿勢が大切です。
東大の問題は、知識だけでは解けないものが多いのも特徴です。単語の傍線部での意味がわからないときは、知識だけを基にせず、論理関係や傍線部の外にある似た単語の意味を参考にして解答するようにしましょう。
次に具体的な対策法についてです。
インプット…漢字、古文単語、句形など基本的なところ
やることは無限にあるので、他の勉強との配分も考えつつ、できる限り詰め込みましょう。できるだけ極めたいですが、完璧にいかなくてもそれほど気にすることはありません。
アウトプット…過去問演習
問題がシンプルなので、回数を積めば積むほどどう書けばいいのか掴めてくるはずです。繰り返しやるだけでなく、ちゃんと復習することが大事なので、復習できる分だけやるようにしましょう。
もう一つの要素…本番でいかに自分の力を発揮できるか
いわゆる「勉強」以外の要素です。ルーティーンを作って安心感を得たり、試験会場に早く行って気持ちを落ち着かせたりすることが大切です。
この記事を公開するのは二次試験直前になるので、受験生にひとことお願いします!
そうですね、僕は浪人だったので、まず浪人生へ。
浪人生はインプットの量は絶対に多いはずなので、それをどれだけ点数に繋げられるかが鍵です。
気持ちを落ち着かせることを疎かにせずに臨めば、表現できるものも現役生より多いはず。平常心を保っていきましょう!
そして現役生へ。
現役生はインプットしてるものが少ない分、持っているものを出すしかありません。
単語を一つ思い出せなかった、といったことを引きずらずに気持ちを切り替えて、1点でも多く取りましょう。入試では合格点さえ取ればいいのです。
今日はありがとうございました!!
いえいえ、来年はぜひリベンジさせてください笑
ぜひ!
受験から1年、忘れかけていた気持ちを思い出した気がしました。残りわずか、悔いを残さないように、受験生、頑張れ!!