年が明け、入試が近づく季節になりました。
今回、受験情報メディア「ポケット予備校」(注1)のメンバーである7人の東大生が、受験生の皆さんに向け、共通テストの徹底分析と対策についてまとめました。
東大の2次試験対策についても書きましたので、ぜひ受験勉強の参考にしてみてください!
また、2021年も新型コロナウイルスが流行しています。受験生の皆さんもぜひ体に気をつけると共に、入試日程や形態にも影響が出る可能性がありますので、自らの受験形態に合わせて最新情報を確認するようにしてください。
(注1)WEBメディア「ポケット予備校」では、東大入試においてそれぞれの教科で優秀な成績を収めて合格した文系理系合わせて7人のメンバーが、おもに高校~大学受験で役に立つ情報を発信しています。詳しくはこちら。
今年から新しく共通テストが始まります。
まだ共通テストは実施されたことがなく、過去問から傾向を分析することができない中、最も信頼のおける資料としてプレテストがあります。これは共通テストに向けた検証用のテストで、共通テストを実施する大学入試センターが実施したという立ち位置から、共通テストの傾向や対策を考えるのに最も重要な存在と言えます。
今回、私たちメンバーがプレテストを解いてその傾向や対策を分析しましたので、ぜひ参考にしてください。なお、プレテストは2回実施されましたが、より新しい30年度の方をメインに分析しています。
共通テスト対策全体として、プレテストを解いておくことを強くオススメします。
繰り返しますが、これは共通テストと同じ団体が実施した検証用のテストです。共通テストの傾向を知る上で最も信用できる問題だと思われるので、受験生の皆さんもぜひ自分で実際に解いてみて感覚を掴むことが大事です。
国語全体の分析としては、現代文に変化があるが、古文漢文ではそこまで大きな変化はない、と言えます。
現代文では、センター試験よりも図や表、引用といった資料を見て解く問題が多くなり、また問題の問われ方も変わりました。センター試験では本文に傍線が引いてあって、「どういうことか」「なぜか」といった問い方がほとんどでしたが、プレテストでは文章全体を読んで考える問題や、穴埋め問題、さらには表現技法を聞く問題なども出題されました。
このような現代文への対策としては、まず漢字問題への対策をすること、そしてたくさんの資料を処理する力をつけるためにプレテストや共通テスト問題集などで練習することが有効です。また表現技法なども勉強したほうが良いですね。
対して古文漢文では、問題の聞き方や問われる種類が多少変わった点などはありますが、求められる基本的な力は変わりませんでした。古文では文法、古文単語、敬語、古文常識などを抜かりなく習得すること、漢文では句形・漢字・漢詩の3つの基本をしっかりとマスターすること、といった王道な勉強が共通テストでも有効だと考えています。
数学は本質的な部分ではセンター試験と大差ありませんが、問題文を読み解くのに時間がかかるような問題になったことで時間制限がより厳しくなったと言えます。これは数学的な面での変化ではないですが、試験という形式ではやはり重要な変化ですので、共通テスト対策問題集などでこのある種「素早い読解力」を身につけるよう対策しましょう。
また個別の分野としては、データの分析を疎かにしないようにしましょう。2次試験ではほぼ出ない分野なので後回しにしがちですが、共通テストではちゃんと出る部分なのでしっかりと対策しましょう。以上をまとめると、基本的には共通テスト問題集と、加えてセンター試験過去問も有効だと考えられます。
まず共通テストの英語では配点が大きく変わり、リーディング100点+リスニング100点の200点満点となり、リスニングの重要度が今まで以上に高くなります。
リーディングでは、プレテストでは発音・アクセントや文法・語法といった単純問題が減り、「図表・文章読み取り」タイプの問題が非常に増えました。ただ、そのタイプの問題も本質としては読解問題ですので、今まで通り王道の英語の対策、つまり基本的な英単語・文法・語法の確認と、ひたすら英語の文章を読む練習をして英文読解に慣れることが重要です。
共通テスト問題集やセンター過去問が有効ですが、特にセンター過去問では、資料の読み取りという点で共通テストと類似性が高い「大問4」を中心に過去問演習を行うことがオススメです。
リスニングに関しては、センター試験より問題の分量が多くなり、プレテストでは1回しか音声が流れない問題もあったことなど、難易度も少し上がると考えてます。対策の方向性として、1回で聞き取れるようになる、そして複雑な問題を解けるようになる勉強をしていくのが良いです。
問題としては共通テスト問題集で良いと思いますが、2回流れる問題も含めて全て1回で聞き取って答えるようにするのが良い練習方法でしょう。逆に、復習する時や見直しをするときは何度も聞いてその問題はカンペキだと言えるレベルまで仕上げましょう。1つ1つをしっかり仕上げて次に進むことで、リスニングのレベルが上がります。
プレテストでは問題の問い方に若干の変更がありました。
変更点の例として、解答に関係のない情報があえて与えられてある点、図が差し込まれていない点(誘導が少ない)、予想される現象を用語で答えさせる問題や該当するものを全て選ぶ問題もあった点などが挙げられます。
このように、本質的に物理の試験としてセンター試験と同じではあるものの、問題の形式に少し変化が見られるので、それに対応した対策が必要です。具体的には、図が少なく文章が多いので、文字情報の処理に慣れておくこと、 実験の問題や説明を求める問題が多いので与えられた設定からなるべく誘導なく考察する力を磨くこと、物理用語や有効数字についても抜かりなくチェックすること、などです。
化学では、理論、無機、有機の各分野が出題されることや問題の難易度自体はセンター試験と変わらないといった印象です。
ただ、数学と同様、問題文の増加と、表や実験の手順を読むというセンターにはあまりなかった系統の問題が増えたことで、時間制限が厳しくなりました。
そこで対策としては、センター試験で有効だった、基本的な知識の暗記の徹底といったベーシックな勉強に加えて、時間制限を厳しくした練習も重要でしょう。
また共通テスト問題集などでは分野別の問題などもある場合があるので、苦手な分野がある場合はそこを重点的に対策しましょう。センター試験問題を使って解くときは、制限時間を50分と厳しくして練習する、といった対策もオススメです。
世界史では、問題の種類がかなり変わりました。センター試験では「AがBをした」といった単純な一問一答タイプの問題がほとんどでしたが、共通テストでは図や資料、議論や授業といった多様な問題タイプがあり、それらを読み取ることを前提に作られていて、センター以上に解答に時間がかかる可能性があります。
明治あたりの古い言葉の引用文を読んで解く問題や、正しい選択肢が複数から1つ選べばよく、かつどれを選ぶかは次の問題に影響するという目新しい出題スタイルも見られました。
対策としては、世界史の基礎的な知識が最重要なのは変わらないので、引き続き一問一答や教科書の読み込みを進める一方で、地図やグラフをにしっかりと対応するために資料集をよくチェックするようにしましょう。また新しい問題形式は慣れてないと困惑して時間を取られてしまうので、共通テスト問題集などを使って形式になれるようにしましょう。
日本史ではまず、資料読み取りタイプの問題が飛躍的に増加し、それに伴って単なる知識問題が減少しました。このため、制限時間としても若干厳しくなることが予想されます。ただ、知識は共通テストだけでなく2次試験でも大切ですので問題が減っても引き続きしっかりと覚えていきましょう。
また、共通テストでは時代の流れの理解が重視されるようになりました。すなわち、より大きなくくりとして古代、中世、近世、近代、現代などのように、各時代を区分するものは何かを理解する必要があります。時代を意識することは2次試験対策でも必須の感覚で、一石二鳥なので、2次試験でも意識しながら勉強していきましょう。
このような日本史の対策としては、教科書を基本に据えてしっかりと歴史の流れを捉えるようにしてください。ここが全ての基本です。加えて、問題として対応するために、共通テスト問題集などやセンター試験過去問も活用すれば良いでしょう。
地理では問題の形式が少し変わった程度で、本質的な部分ではセンター試験と大差ありません。問題の形式が変わった点としては、日本史と同様、資料読み取りタイプの問題が増加した点や、生徒が討論している形式の問題が出題された点などが挙げられます。
しかしこれらも結局は「問題の見た目」が変わっただけで、問題の本質が「基礎的な地理的知識を元に思考する」ことであるのはセンター試験と変わりません。
プレテストを見る限り、最低限の地理的知識を軸として、与えられた情報を分析するというセンター試験で求められるものと同じ力を磨けば、十分に対応できるでしょう。このため、センター試験の過去問が問題としてはとても有効です。これに加えて、共通テスト用の問題集を解いて形式に慣れれば良いでしょう。
ポケット予備校による共通テスト対策の各科目の詳しい解説はこちらから!
以上、共通テストの攻略を解説してきました。ここからは、東大受験生向けに、東大の2次試験攻略に特化した内容を解説していこうと思います。
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目標点はもちろんのことながら、高ければ高いほどいいです。もちろんそれは、当日の失敗した時のクッションがより大きくなって安全だからです。
また、自分の戦略に沿った目標点があるんだ、という人も、それに従うべきでしょう。ただ、そうは言っても目標点を決める基準も欲しい、というような受験生も多いと思うので、ポケット予備校が考える目安となる点数や考え方を紹介しようと思います。
まず、共通テストは9割を目標として良いでしょう。今年も例年通り、共通テストが110点、2次試験が440点で、1:4ですので、直前期を除いて共通テストにたくさん時間を使うのは良い戦略ではないでしょう。9割ほど取れば合格には不足ないですので、例えば850点/900点のような、あまり高い点数を目標にしなくても大丈夫です。
次に2次試験ですが、これはズバリ、前年度の平均点くらいを目安にするのがオススメです。その理由は次の2つです。
1つ目は、失敗のクッションがあり、かなり安全だからです。
平均点は多くの年で、文系なら合格最低点まで+20点~25点くらい、理系なら+30点以上の余裕があります。模試などで実感しているかもしれませんが、東大入試で20点、30点の余裕があるというのはかなり大きいです。
これだけの余裕を持っておいたら、本番で多少失敗しても、クッションがあります。
2つは、目標を高めに設定したほうが失敗してもいい点数が期待できるからです。簡単に言えば、例えば、50点を目標にして50点をとるより、80点を目標に実力を上げて、それを達成できなくても70点を取る方が高得点ですよね?
目標を高くすると、実力のゴールが変わります。そうやって実力を上げる過程で、低い目標を超えてしまう事はよくあります。このような理由で、前年度の平均点を1つの目安にすることをオススメします。2021年度の入試だと、2020年の平均点数から次のようになるでしょう。
まず、東大には後期試験はありません。なので、併願校は東大以外の大学になりますね。最も多いパターンは、私立では早慶上智やMARCH、国公立では旧7帝大 + 一工医の中期後期などです。東大が日本トップレベルの大学だとすると、併願としても多くの受験生がこのあたりのレベルになるでしょう。
ただ、国公立大学の中期後期は枠が少ないことも多いので、私立も受けるという受験生が多いという結果につながっています。
これに加えて、地方の受験生は、家族の方針なども考えて、地元の大学を受ける、という場合もあるでしょう。
さらに、海外大学の受験をする受験生も少数ながらいます。編集者の友人にも、東大にもアメリカの大学にも受かって、現在留学している人がいます。
このように、東大には後期がないものの、併願校にはたくさんの選択肢がありますので、ぜひ自分の併願校を検討してみてください。
国語全体としては、考えすぎると時間があっという間に飛んでいく、という特徴があります。大量の課題を素早くこなすようなタイプというより、こっちの表現の方がいいかな、などと考えていると無限に時間を食われる、というタイプです。
そのため、ちゃんと各科目で時間配分を大まかに決めて、その中である程度の仕上げで次に進む、ということが大事です。
現代文では、論理力が求められる、というのが最大の特徴です。具体的には、論理的読解力と論理的表現力が問われています。東大の現代文はほぼ2つのパターンしかなく、「どういうことか」か「なぜか」が問われます。それぞれは本質的に、類似な内容を本文から探し傍線部を言い換える、そして因果関係を整理して表現するということが求められていて、そのように解くのが定石でしょう。
120字問題も、2つのパターンのどちらかであることがほとんどで、その範囲は本文全体を踏まえることになっています。そのため、より広い範囲で類似点を探すなり因果関係を整理するなりすることが求められます。
このような力を身につけるには、過去問をじっくり解くことがオススメです。1つ1つの問題に対して、どちらのパターンの問題か分類し、定石に従って本文を読んで表現できるようになりましょう。
加えて、2017年以降、読解問題が5問から4問に減ったことで漢字の配点が大きくなったと考えられています。1問2点と予想する予備校も多いため、漢字の対策も抜かりなくやるべきです。
古文漢文は、問題文の難易度自体はセンターレベルに近いので、共通テストに向けた基礎的な力が身についていれば、あとは問題演習を繰り返せば良いでしょう。基礎的な力とは、古文だと文法、古文単語、敬語、古文常識など、漢文では句形・漢字・漢詩などです。
問題演習をする際には、東大古典に対応した答え方を身につけましょう。東大古典では出題のパターンに典型例があり、語句問題、現代語訳問題、内容説明問題の3パターンが多いです。
それぞれで外してはいけないポイント、例えば主語を抜かない、などといった解答上のポイントは、問題集の解答と自分の解答を照らし合わせて自分に足りてない部分を埋めていくようにしましょう。共通テストに向けた素地があれば、10数年分ほどやれば十分だと思うので、本番の傾向に最も近い過去問を使って対策するのが良いでしょう。
文系数学については、出題範囲が微分積分、図形と方程式、場合の数・確率、整数、ベクトルの5つにかなり集中しています。文系の受験生はこれらの分野を特に重点的に対策しましょう。
一方で理系数学では、20年度は複素数の目立った出題もなく、確率の問題が3年連続で出題されていないなど、出題される問題の傾向が変化しています。今までの最頻出分野などに囚われずどの様な問題が来ても対応できる、穴のない基礎力と応用力が必要とされています。
それぞれ個別の対策はもちろんありますが、受験数学対策について広く語ると、1:基本問題の解法の暗記、2:1を使った応用レベルの問題演習、3:過去問の演習という3つのステップが王道だと考えています。
入試で出題される問題のほとんどは、受験数学で「基本問題」とされる問題の組み合わせですから、1で基本問題の解法を暗記することは全ての基礎となり、とても重要です。
どのくらいのレベルかと言いますと、教科書に乗っているような公式や解法などです。教科書に載っているような公式や解法は基礎の基礎ですが、東大数学で力を発揮するにはそれらを自分で再現できるレベルが望ましいです。
例えば理系数学では、三角関数の定義式が過去東大の入試でも聞かれています。入試で出るから証明を暗記しよう、ということではなく、それくらい基礎のところから入試はスタートするのだから、きちんとマスターしておくべき、ということです。
これを十分にマスターしたら、それを実際の問題で使えるようにするために、応用レベルの問題集でそれを使って解いてみましょう。ここにきて、「入試問題といえども本当に基本解法の組み合わせに過ぎないんだ」と気付くと思います。そして最後に、東大過去問を解いていきましょう。
2の延長線上にあるのでやることは変わりませんが、注意すべきポイントが3つあります。
まず、必ず記述で解きましょう。数学は最後の答えの数値が合っていれば満足してしまいがちですが、本番では記述も解答の一部として採点されますので、練習の段階からしっかりと記述を書けるようにしておきましょう。
2つ目は難しい問題より、一般レベルの問題を優先することです。近年は東大数学は易化していることもあり、割合として一般レベルの問題の方がずっと多いです。
難問を解き切ることよりも、一般レベルの問題をしっかり解けるようにすることがまず優先です。難問については、部分点を取れるような練習をする、くらいでも大丈夫です。そもそも一般レベルが解けないと難問も解けないので、当たり前と言えば当たり前ですが。
最後は、時間を測って解くことです。やはり東大数学は時間制約が厳しいので、練習の段階でもそれを想定して準備しましょう。
東大英語は、東大国語とは対照的に、大量の課題を素早くこなすタイプの時間制約が厳しい試験です。そのため、処理速度を上げてできるだけ多く正確に解くことが大事です。英語は文理共通して配点が大きく、また実了に対して点数が安定しやすいので、得点源にできれば合格が大きく近づきます。ぜひよく対策したいです。
リーディングについては、処理能力がモノを言います。英文を早く読んで早く解くためには、まず英語の基礎力が1番大切です。
速読することや英語の言語感覚によって意味を掴むといったことも確かに大事ですが、その全ての根底には基礎力がないとダメです。あれだけ膨大な量の問題を解くのですから、基礎が抜けているとどこかでつまずく可能性が高くなってしまいます。基礎力とは英単語や英文法などですが、目安としてはセンター試験レベルで安定して9割が取れれば良いでしょう。
これができれば、あとは演習数を積み上げていくことが大事です。模擬試験や問題集など、たくさん解くことで処理速度を上げていきましょう。
ただ、直近の過去問くらいは時間を測って本番を想定して解きましょう。実際の試験時間と自分の解答のスピード感を照らし合わせて、本番でどれくらいのペースが良いのかを自分の中で確立していくことが大事です。
リスニングについては、まず実際の試験会場が理想的なリスニング環境とは言いがたく、多くのCD音源よりスピードは速く、訛りのある話者が話したりします。とても音がこもり、さらに反響するという問題もあります。そのため、日頃の勉強の時から、音源よりスピードを上げて聴くとともに、わざと壁に音を当てたり、耳栓がわりにイヤホンをつけたりして、若干聞き取りにくい環境を意図的に作って対応した方がいいでしょう。
リスニングは向こうの読むスピードに合わせて解くしかないので、処理能力というよりは正確に聞いて解答する力の方が大事です。
世界史については、まずもって知識の暗記が大前提です。一問一答の第3問だけでなく、第1問、第2問でも当然ながら知識をベースに解答します。
とはいってもマニアックな知識が求められているわけではなく、教科書に書かれているレベルをしっかりと頭に入れれば大丈夫です。このとき、単純に単語を丸暗記するだけでなく、実際の問題では歴史に文脈の中で文章で解答することを踏まえて、文脈の流れの中で使えるようにしましょう。
問題の個別の攻略としては、第1問に比べて安定して解答できる第2問と第3問をちゃんと答えられるようになることをまずは重視しましょう。部分点狙いになりがちな第1問に比べて、しっかりと知識があれば満点に近いモノを作れる第2問は受験生の間で最も差がつく部分です。また第3問では単純な1問1答だからこそ、凡ミスなどをしないようにしましょう。
日本史については、世界史に比べれば暗記すべき知識はかなり少ないです。近現代では知識傾向が強めではありますが、全体的には、細かい知識より時代の本質や事象の背景が問われる傾向にあります。また全時代から満遍なく出題されることが多いです。
さて、このような日本史の対策としては、基本的には世界史と同じく、教科書に載っている基礎的な知識を、丸暗記ではなく、解答する時のことを想定して流れの中で覚えるようにしましょう。これができれば、いきなり過去問演習に移ってしまって大丈夫です。
他の科目だと基礎インプットと過去問演習の間に応用問題を解く段階が入ると思いますが、東大日本史は非常に特殊な傾向なので、東大過去問で対応するのが最も効果的だからです。
地理については、東大の地理では、地理の必要最低限な暗記知識を応用しつつ、グラフや表、問題文を分析して適切な答えを導くことが求められています。
まずは基礎知識の暗記からスタートしますが、東大入試ではマイナーなものはあまり求められず、共通テスト対策で頭に入れるレベルのもので十分です。その点、共通テスト向けの参考書は基礎知識マスターにうってつけです。
その後の対策としては問題演習に移っていくのですが、東大地理向けの問題集はそこまで多くないので、過去問を使うのがベストでしょう。追加で参考までに、東大地理ではPM2.5などの時事問題が出題されることがしばしばあるので、日頃からニュースを見てアンテナを高く貼っておきましょう。
物理については、一筋縄に公式を当てはめて答えにたどり着くような問題は少なく、「物理現象の本質を見抜く力」と「汎用性のある応用力」が求められます。言い換えれば、東大物理では、一見するとなぜ成立しているのかよく分からない現象などを理解する力が問われます。
この習得においては、教科書が最も重要で、よく分からない現象に通ずる公式や法則がいかに抽出されるかを詳しく解説した教科書をしっかりと読み込んで内容を理解してください。
なお、答案を記述するときには、数学で記述するようなレベルで丁寧に書く時間はあまりないと思うので、ショートカットとして、公式を活用することで記述字数を減らすことができます。問題との戦いでもある一方で時間との戦いでもあるので、記述についてもうまく書けるようにしておきましょう。
化学については、傾向としては、記号式の計算問題、短い記述、図を書かせる問題が中心です。時々少し長めの記述問題が出題されます。
東大化学で問われているのは、基本知識の暗記力、計算力、高度な考察力の3点だと考えられます。基本知識といっても基本問題集レベルで、計算力もある程度の小数の計算は早めにできるように練習した方が良いくらいです。
高度な考察力というのは、初めて見る物質に対して、問題で与えられた情報から、類推したりして知ってる内容に落とし込む力です。そこで対策としては、まずは教科書レベルの問題などで基礎事項をしっかりと自分の中に落とし込んでください。それをもとに応用レベルの問題集でそれを実際に問題で使いながら演習に慣れていきます。
ここで十分に力がつけば、過去問へと進むのが良いでしょう。今は共通テスト対策が優先されるかもしれませんが、特に直前期の過去問演習では、化学単体ではなく、理科として150分で問題を解くのがオススメです。本番を想定して時間配分も理科全体で練習するためです。
以上、UmeeTさんに協力いただき、ポケット予備校が作成した共通テスト攻略+東大対策のロードマップです。共通テスト攻略、そして東大合格を目指す全ての受験生の助けになれば幸いです!
最後に、WEBメディア「ポケット予備校」では、東大入試においてそれぞれの教科で優秀な成績を収めて合格した文系理系合わせて7人のメンバーが、おもに高校~大学受験で役に立つ情報を発信しています。「ポケット予備校」のホームページでは、この記事のそれぞれのトピックについてより詳しく解説していますので、さらに知りたい、と思った方はぜひ、ポケット予備校にお越しください!
ポケット予備校による共通テスト対策の各科目の詳しい解説はこちらから!
それでは、最初の共通テストまであと1週間ほど、東大2次試験まではあと1ヶ月ちょっととなりました。ぜひ、頑張ってください!みなさんの合格を心から願っています!