「みんなレンガの家に籠って安心してるだけ。
必死でレンガの家を探して、吹き飛ばされる藁の家を無視して、レンガの家を見つけたら最後、そのまま閉じこもって中から出ない。外がどうなっていようと意にも介さない。
東京に生まれ育ちとりあえずコンサルを目指す。彼らの目は死んでいます。彼らは現実に生きていない。
彼らは、狭い狭い仮想現実に生きているんです」
そう語るのは、スーパー東大生の比嘉(通称・きゅん)さん。
「とりあえずコンサル」を批判する風潮は一部に見受けられますが、彼らを「目が死んで」いて「仮想現実に生きて」いると、ここまで痛烈に批判する人も珍しいのではないでしょうか。
「だいたい、今はレンガの家でも吹き飛ぶ。覚悟してオオカミに立ち向かう必要があるんです」
彼は一体何にそんなに怒っていて、そして「仮想現実に生きている」とはどういうことを指しているのでしょうか。
比嘉さんにとって、”「東京」に憧れ、とりあえずコンサルを選ぶような人々”は、「自分だけは助かろうとして思考停止している人たち」なのだといいます。
「トーキョー」や「コンサル」というものに、「安定」や「キラキラしたもの」という虚像を描き、勝手に憧れてしがみつく。それを達成したが最後、自分の安定した世界の中だけで生きていくのだと。
自分の世界に閉じこもったが最後、その外で何が起こっているか見ようともしないと。
彼らが大事に抱えている、「綺麗で安定した、しかし限られた世界」を比嘉さんは仮想現実と揶揄しました。
しかし現実には「生々しい」世界が広がっています。
彼らが仮想現実に生き、見ないように蓋をして閉じ込めてきたものの中には「生々しい」ものたちが溢れています。けれど、この「生々しさ」こそが生の実感を与えてくれるのだと比嘉さんは説きました。
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「東京にいると生きている実感を持てない」
そう比嘉さんは言います。
すれ違う人の他人感が強く、周りを歩いてる人は全部AIなんじゃないかと疑ってしまうほどに。似たようなビルが建ちすぎて、今この目の前のビルなくなっても気づかない。
何もかも、自分さえも「互換可能」なのだと思えてしまう。
東京でわたしたちが普段目にするのは、すでに完成されたもの。
でも、それらが今の形をとるまでには、もっとぐちゃぐちゃした過程があったはず。そこをすっ飛ばしているから、東京では「生きている実感を持てない」のではないかと。
実際、この「生きている実感」を得ようと飛び出した人たちを、UmeeTでは何人も取り上げてきました。
東京から出て他の日本の市町村の現実を見たり、世界中を旅してみたり。「生々しさ」を得るにはたくさんの方法があります。
そんな「生々しい」体験を得ることが出来る(あくまで)選択肢の一つとして、ソフトバンクの地方創生インターン”TURE TECH“があります。
TURE-TECHは、次の時代を創る“変革リーダー”を目指す学生のためのインターンシップ・プログラム。
情報テクノロジーが持つ無限の力を信じ、情報革命で人々を幸せにすることをミッションに置くソフトバンクでは、
革命を必要とする現場に学生の皆さんを連れてゆきたいと思います。
ICTを用いた課題解決の提案を、直に地方自治体に行ってもらうことで、自分自身の可能性を知り、「あなたにしかできない革命とは何か」を深く掘り下げてもらいたいのです。
この”TURE TECH”に昨年参加した比嘉さんとソフトバンク採用・人材開発統括部長の源田泰之さんに、このインターンについて対談してもらいました。
「TURE TECH」では、インターン生同士でチームを結成し、実際に地方自治体に出向いてICTを用いた政策を提案するというインターンです。以下の比嘉さんの記事に去年の様子が具に書かれているので、気になる方はこちらをお読みください。
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源田氏(以下、源):今までのソフトバンクのインターンには、通信インフラやグローバル事業に興味がある学生の応募が多かったのですが、TURE-TECHインターンには、そうじゃない学生の応募が多かったんです。
”地方や暮らしに密着した課題を解決していきたい”って人も多くて。いろいろな目的で参加した人がいたと思うけれど、実際参加してみてどうだった?
きゅんさん(以下、き):正直言うと、チームの仲は良くなかったんです。
「お前ら何言ってるかわからないんだけど」みたいな感じで、めちゃくちゃ喧嘩しました。
源:そうだったんだ……。
普通の短いインターンだと、揉め事もなく「皆で力を合わせました!」って綺麗に終わることも多いよね。価値観の違う人たちと強制的に時間を共有する経験は貴重だし、さらけ出せるのもいいことですよ。
き:そんなスタートでしたけれど、チームが結束した瞬間ってのがあったんです。
地方創生の政策を考えるといっても、どこかふわっとしてるじゃないですか。相手の顔が見えないから。それを、実際にヒアリングしていくことで具体的な顔が見えてくるんですね。スーパーのおばちゃんとか。
市のリアルな現場を見て、「これはもう、やるしかない」っていう危機感をチームで共有したんです。その生々しさでチームが結束しました。
普通のインターンだと短期間の中でなんとかしなくちゃいけないんですけど、今回は一週間あったのでゆっくりでもいいかなって思えたのも気が楽でした。
最近よく言われているダイバーシティの本質って、人とゴキブリみたいなもんじゃないですか?
理解はできるけど受け入れたくない人。一緒にいなくちゃいけないから仕方なくいるだけ。まあ、僕がゴキブリ枠なんですけど(笑)
それでも一緒にチームを組む価値があるとみなされているからそこにいるんだなって。
源:雰囲気がすごかったもの。
関わる人みんながものすごく本気で。最後はスタッフも泣いてました。
チーム全員が当事者意識をもって取り組むのはすごいね。普通のインターンって何人かしらけてる学生もいるんだけど、このインターンでは一人もいなかった。
源:日本のインターン文化って海外と比べて弱いと思うんです。
ちょっとした課題を与えて解決するとか、アイデアソンとか、そんなものはどうでもいい!
海外の学生はしっかりインターンして社会で通用する経験を得ます。社会での学びっていうのは、経験を通して性格・精神的に影響を与える要素が結構あって、大学の勉強で得られる学びとは当然別なんですね。
勉強はできるかできないかが明確に測れるけれど、仕事は自分でどこまでやるか、つまり積み重ねの差なわけです。でも日本のインターンでは多くの場合そういう経験ができないので、そうであれば自分たちで作ればいいやって。
話を聞いてるとこの狙いは大成功でしたね(笑)
き:今の大学生が見ているものは大体完成した「きれいなもの」だと思うんです。
きれいなものができるまでのぐちゃぐちゃ感を見る機会ってのはなかなかない。だって大学って中学高校と違って、好きな奴らとだけつるめちゃうので、そういうのを経験する必要がないんです。
そういう意味で、今回のインターンは「経験する必要のないもの」を強制的に経験できたのでよかったです。スーパーのおばちゃんにインタビューとか何年ぶりだよ!っていう。
インターンの中では修羅場も多くありました。こんな生々しさはなかなか味わえません。
源:確かに、新しいサービスや驚きが提供されるときは、それが世に出るまでに裏でかなりの試行錯誤が行われています。いわゆる「修羅場」ってやつだね。その部分はめったに見られないし、それが経験できたのは良いことだと思います。
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源:”地方創生”がバズワードで終わらないようにしなきゃいけない。
ただ、今回のインターンの本質は”地方創生”じゃないんです。
き:僕もこのインターンの本質は、地方をなんとかしたいという強い思いではないと思いました。
なんなら僕、選考の面接で「地方嫌い」って通してもらえましたからね(笑)
源:(このテーマは)課題が身近でわかりやすいということが一つあります。
参加する人は、東京の会議室とは違う非日常感を得ることが出来る。現地の空気に包まれて、当事者意識を養うネタとしてまさにぴったりなんですね。
き:東京で仕事をしてる人たちは、関係性の中に溶けている人が多いように思います。求められる役割に支配されている。
このインターンを通して、学生はもちろん、かかわった社会人もソウルチェックができました。
「お前はなんだ?」ってお互いに問うという貴重な経験です。
源:確かに、社会人でうまくいかない人っていうのは、学生時代の成功体験の高さに依る気がする。
プライドと自身の虚像との闘いなんだよね。そんな中で、ちゃんと自分と向き合えるかどうかが大事です。そのためにも今回のインターンは学生・社会人ともにいいきっかけになったんじゃないかな。
き:実際、塩尻(2016年度のTURE TECHで訪れた長野県塩尻市)の職員さんも雰囲気変わったんですよ。
最初は「いやそれもうやったけど」とか「なに?」って感じだったのに、最後は……。
源:インターンを終えて、「価値観が変わりました」って言ってくれた人がいたんだよね。
当初は「社会で何かしら成功させていく経験をあたえられたら」なんて考えていたけれど、その想定を軽く超えていった。人の変わる瞬間に立ち会えたことを本当にうれしく思います。
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豊かで心地よい「東京」を離れて、生々しさを味わい、己が何者かを問い、そして生を実感する。
その選択肢はTURE TECHに参加する以外にもたくさんあります。
「仮想現実に生きている」かもしれないと思ったそこのあなた、今年の夏に「生きているという実感」を探しに行ってみませんか。
TURE TECHへ興味を持たれた方へ
インターンの申し込み締め切りは6/25に迫っています。
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