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東大生姉弟が起業して、LGBT就活サイトを作った理由・前編【誰もが自分らしく働けるように】

2017.07.30

こんにちは、ライターのゆみです。

最近は就職活動をしていますが、気楽な大学生活の終了と自分で働かなければいけない責任感から不安で震えが止まらない毎日を送っています。

日本の過剰なサービス文化(「おもてなし」とも言う)が嫌で日本での就職活動から逃げていた私ですが、

今回は、そんな私の宿敵とも言える「就活サイト」を運営する会社を立ち上げた東大生にお話を伺ってきました。

でも、ただの就活サイトの会社ではありません。

その名も「JobRainbow」

Rainbowという言葉が示唆するように、「すべてのLGBTが自分らしく働ける職場に出会えること」を目指して立ち上げられた会社です。

※LGBT…レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)を指す言葉。セクシュアルマイノリティの基礎知識については、この記事に詳しく書いてあります

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東大のサークル
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りほ
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2017-01-23

就活を経験した者として、就活はどんな学生にとっても大変だと思います。

「自分のやりたいことはなんだろう」とかもっとシンプルに「働きたくない…」とか悩むはずです。

悩まない人は…それはすごいねって思います。おめでとう。

が、LGBTの学生は、それらに加えてさらに、

「自分を差別する人はいないだろうか」

「カミングアウトするべきか、そもそもできるような環境なのか」

など、LGBT特有の悩みも出てくると思います。

そうしたLGBT求職者への情報提供サービス、求人サービスを運営する「JobRainbow」。

LGBTの学生も、そうじゃない学生も、熱い信念と賢い戦略を兼ね備えた、「JobRainbow」さんのお話を聞いていってください。

学生証
  1. お名前:星賢人さん
  2. 経歴:東京大学情報学環教育部特別研究生2年。2016年1月に「JobRainbow」を立ち上げ、3月にウェブサイト運営を開始。多数のメディアに取り上げられる。
学生証
  1. お名前:星真梨子さん
  2. 経歴:東京大学法科大学院。弟の星賢人さんとともに「JobRainbow」を立ち上げ、取締役を務める。
学生証
  1. お名前:本荘 悠亜さん
  2. 経歴:東京大学文学部4年。東大のセクシュアルマイノリティサークルtoposの運営も行う。「JobRainbow」ではインターンとして星姉弟とともに活躍。なんとピアニスト。

トランスジェンダーの友達は就活を諦めた

ーこんにちは、今日はよろしくお願いします!

さっそくですが、星さんが「JobRainbow」を立ち上げたきっかけを教えていただけますか?

賢人さん:よろしくお願いします!

賢人さん:私自身ゲイの男性なのですが、私は中学生くらいの時から「自分はちゃんとした職業に就いた大人になれるのかな」というところにすごく不安を感じていました。

同性を好きになる人っていうのは、テレビとかではオカマとかオネエとか馬鹿にされたり笑われる対象でした。だからロールモデルというのがあまりいなくて。

でも、そんな時にインターネットに出会いました。

そこでLGBTっていう言葉や、世界にはLGBTでかつ活躍している大人もたくさんいるってことを知って、

別にタレントとかじゃなくてもいいんだって、職業にも普通に就けるんだって、未来に初めてすごい希望を持てたんですね

で、大学は立教に通って、セクシュアルマイノリティサークルの代表をやったりしていました。

そこでトランスジェンダーの友達ができたんですね。彼女は高校までは男性として過ごしたけど、そのあとに一年間浪人して性別適合手術を受けて、女性として大学に入っていました。

彼女は大学生活を女性としてすごく謳歌していたんですけど、就職活動っていうのが大学3年の終わりから始まりました。

「トランスジェンダーはいらない」

賢人さん:彼女が就活をしていく中で、エントリーシートの性別欄に男女どちらに丸をつければいいのか、とか、スーツも男性と女性とはっきり分かれているから自分らしい格好ができなかったりとか、困ったことが結構あったみたいで。

いいなあと思っていた企業に面接をしに行って、トランスジェンダーであることを説明したら、「うちではあなたみたいな人いないんで」と言われて、すぐに帰らされてしまったこともあったそうです。

ー えっ…

賢人さん:そういうことが積み重なり、彼女は就職活動を続けられなくなってしまって、大学も辞めてしまいました。

その当時彼女はホルモン治療とかをしていたんですけど、そういう治療や手術って保険がきかないことが殆どで、すごくお金がかかるんですね。その費用を捻出するために、彼女はセックスワーカーとして働いていたんです。

大学を出たら会社で正社員として働きたいと思ってたけど、結局仕事がないならということで風俗を続けることにしました。大学を卒業しても正社員になれないのなら、学費が勿体ないということで大学を辞めたんです。

そういうのを私は間近で見ていて、もちろんセックスワーカーもちゃんとした仕事だけど、就きたい仕事にトランスジェンダーであることが理由で就けないっていうのはすごく問題だなって思いました

ー 星さん自身も就活をなさっていたんですよね?

賢人さん:そうですね。

私自身も就活をしていた時に、情報収集においてすごく不便だなあと思うことが多かったです。

まず、企業がLGBTフレンドリーであるかの情報って、どこにもまとまってなかったんですね。

いちいち気になった企業の採用ページを開いて、「ダイバーシティ」の欄があったらそれを開いて、「LGBT」とか「性的志向と性自認を差別しない」とかそういう文言を探したりして。

ー うわ、大変すぎる…

賢人さん:あと、インターンに参加したりしていたんですけど、そうするとただ採用ページの文言だけではわからない、職場に入ってみないとわからないことが結構あることに気づいて。

例えば社員の方に「星君、彼女いないの?」とか聞かれて、「いないです」って言うと、「え、じゃあ最近別れたの?」ってなって。

「今までいたことないです」って言うと、「え、もしかして同性愛者か…?」みたいになって。

だったらもう「最初からカミングアウトをしたらいい」と思って面接でゲイだということを言ってみると、嫌な顔をされるところもあれば、めっちゃウェルカムみたいなところもあって。

でもそういうのが、実際に受けてみないとわからない。情報が出回ってないから。

ー 確かにそれは大変ですね…。初めからLGBTを受け入れないようなところだって分かっていればそもそも受けないですもんね。

調べようにも情報なくて行ってみないとわからないって怖いですね。

賢人さん:そうですね。

実際、非LGBT学生が就活に困難を感じているのが6%であるのに比べて、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルの学生だと40%、トランスジェンダーの人だと70%という研究データ(注)もあります。

※注…Nijiiro Diversity, Center for Gender Studies at ICU 2016 より

こういう差が生じるのは、やっぱり情報不足だっていうのが大きいと思うんですね、

私も例えばMicrosoftでインターンをしていたんですけど、そこはすごいLGBTフレンドリーで、福利厚生がしっかりしていたり、LGBTのサークルがあったり。でもそういうのは実際に中で働くまでわからなかった。

もっとこういう細かなLGBT関連の情報を、LGBT当事者に共有したいと思い、会社を立ち上げました。

「ichoose」に掲載されている日本マイクロソフトのインタビュー記事。

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会社の口コミサイト「JobRainbow」

ー 具体的にJobRainbowさんはどういった事業を展開されているのでしょうか?

賢人さん:今は、仕事情報サイト「JobRainbow」、求人サイト「ichoose」、そして企業さんをLGBTフレンドリーにするための研修やコンサルティングを行っています。あと、LGBT学生向けのキャリアイベントを開いたりもしています。

JobRainbowは情報のプラットフォームみたいな感じで、いろんな人が自分の働いた経験をもとに、会社の口コミを載せることができます。

今は250社くらいの情報が載っていて、ユーザーは全体で5万人、そのうち学生が1.5万人です。

ー 5万人!?すごい…。でも会社にとって悪い口コミとかもありますよね?

真梨子さん:そうですね。「会社はLGBTフレンドリーて言ってるけど、社内は全くそういう雰囲気じゃありません、とてもじゃないけどカミングアウトできません!」みたいな口コミもあります。

でも、「ここにこういった口コミが載っていたんですけど、お話を詳しく聞かせてもらいませんか」とむしろ会社側から問い合わせがあったものもありました

すごく大きな会社だったので超びびったんですけど、会社を訪問したら、

「これから本当に、LGBTの方々が働きやすい職場づくりをしたいと思っています。

このような口コミがあったことを踏まえて我々も変わっていきたいと思うので、相談させてほしい」

と。

ー すごい、口コミが企業側の改善にも繋がったんですね。

賢人さん:あれはめっちゃびっくりしたよね〜。

真梨子さん:うん。でも、そうやって、当事者が声を上げれば変わっていくこともあるんだ、企業が変わろうとすることもあるんだって改めて感じましたね。

賢人さん:JobRainbowには企業インタビューも載せているんですが、そこでもかなり深掘りするようにしています。

LGBT当事者側の目線からすると、きれいごとだけ書かれていても、それじゃあほかの就活サイトと変わらないってなってしまうので。

例えば、LGBTフレンドリーで有名な企業の社員の方を取材した時とか、「(LGBT的に)職場内で、ひっかかるような言葉がないわけではない」とぶっちゃけてくれました。

会社はLGBTフレンドリーであることをアピールしているので、そのブランディングには反するわけですが、学生にとってはすごく重要な情報ですよね。

どんな話でも、「ここはどうしても就活生のために載せたいんです、カットしたくないんです」って、企業にすごいお願いしています(笑)

スターバックスジャパンのインタビュー記事も。

あとは、普通、LGBTの就業の話って、ゲイの男性の声が大きくなりがちなんですよね。それは単純に男性に働いている人が多いっていうのもあるし。

でも、私たちは意識してトランスジェンダーとか、レズビアンの女性たちの声も載せるようにしています。

「LGBTの人たち」ではなく、個人の就活を応援する「ichoose」

ー 「JobRainbow」は企業の口コミや企業インタビューなどを載せている、仕事情報サイトとのことでした。

先ほどおっしゃっていた求人サイト「ichoose」は、「JobRainbow」とは何が違うのでしょうか?

「ichoose」公式ホームページ

賢人さん:まず「ichoose」を始めた経緯から話すと、今の時代、「LGBTでも分け隔てなく採用します!」って構えている会社は結構多いです。

でも、具体的にここまでこうやりますよ!って責任を持って発信している企業はあんまりなくて。LGBT当事者が本当に安心して就活に臨める、就職できる感じではないんですね。

だから、当事者が自分らしく働ける会社を探せるサイトとして、「ichoose」を去年の6月に立ち上げました。

真梨子さん:「ichoose」は「JobRainbow」の一歩先のサービスで、

「JobRainbow」で情報を得て、働きたいと思える企業が見つかったら、「ichoose」で実際にその企業にエントリーできる、というものです。

ー 自分のセクシュアリティを記入して企業に応募するんですか?

賢人さん:というよりも、セクシュアリティとかを申告したい方は申告できるっていう感じですねうちは別にカミングアウトを推奨しているわけではないので。

でも申告しておけば、例えばトランスジェンダーの方とかは、平日に治療やカウンセリングに行かなければならなくなった時に休みがおりやすかったり配慮してもらったりとか、ライフプランを入社する前から人事の方と話し合える環境にしやすくなります。

また、「人事の人にだけ自分のセクシュアリティについて知らせてほしい」「一緒に働くグループの人にだけ知らせてほしい」など、細かく選択することができます

ーカミングアウトの相手を選べるんですか!考えてみれば必要な機能だけど、そこまで配慮しているサービスって少ない気がします。

真梨子さん:ちなみに「ichoose」っていう名前にもすごくこだわりがあって、「I choose」、つまり「自分が選ぶ」っていうところを強調しています。

「LGBTの人」としてではなく、そういう「LGBT」っていう特徴を自分の1個性として持った「個人」、「i」のためのサイトにしたいという思いを込めて。

実は「ichoose」だけではなく会社全体としても、この「個人」「i」っていうのをすごく大切にしていて。これ会社の新しいロゴなんですけど。

ー かっこいい!!

真梨子さん:レインボーフラッグって、LGBTみんなで集まって、声を上げるっていうコンセプトじゃないですか。

それはもちろん必要な行動なんですけど、いつまでのその段階にとどまっていると、LGBTという分類ではくくれない個人がないがしろにされてしまう。

このロゴは、「LGBTの人たち」じゃなくて1人ひとりにフォーカスしたい、もっと1人ひとりを尊重したい、という意味を込めて、フラッグじゃなくて、1つずつ独立したクリスタルが並んでいるデザインにしました。

クリスタルの形も「i」を示しているんですよ。

賢人さん:あと、原石を示してもいて。これから磨けば光るよって。就活サイトでもあるので。

ー えっ、めっちゃいい、めっちゃすごい!!!!!どなたのアイディアなんですか?

真梨子さん:友人のデザイナーと一緒に作りました。

LGBTて言うと虹、虹って言われますよね。

もちろんみんなが集まると虹になるわけですけど、でも、1人1人に本当は違った個性、カラーがある

虹色の人がいっぱいいるわけじゃなくて、ピンクの人、水色の人、いろんな人がいて、集まって、LGBT、虹になるっていう。

それを表したいなと思って、こういうデザインにしました。

これはもちろん、うちの会社で働いている人たちも例外じゃなくて。

うちの会社には「LGBT」のくくりに入る人だけでなくて、ストレートの人も活躍してるし、LGBTに入っていない「Xジェンダー」の人もいます。

LGBT就活サイトやってますって言うと、「LGBT当事者の人が集まってやってる」って思われがちなんですよね。

もちろん当事者の人もいるんですけど、でもそうではない人もいて、1パーソンとしてやっているんだよ、っていうメッセージが込められています。

1パーソンとして。

Xジェンダーとは?

Xジェンダーとは「男女典型的な性別に当てはまらないアイデンティティを持つ人達」のことを指す日本独自の言葉です。英語圏ではXジェンダーに対応する言葉としてgenderqueer(ジェンダークィア、既存の男女とは異なるアイデンティティを持つ人々)、bigender(バイジェンダー、男女両性のアイデンティティを持つ人々)、agender(アジェンダー、自分には性別はないとする人々)などの単語があります。

一口に「男女典型的な性別に当てはまらないアイデンティティを持つ人達」と言っても色々な人がいます。

たとえば、自分は男女の中間の性別だと思う人(中性)、自分には性別がないと思う人(無性)、自分は男女両方の性別の要素を持っていると思う人(両性)様々です。

中には「身体とは反対の性別に近い感覚だけれど、完全に身体と正反対の性別とは言い切れない」と言うかなりトランスジェンダーに近いタイプの人や、「性自認(自分はこの性別だという自覚)が短期間で様々に変わる(不定性)」と言う人もいます。」

Xジェンダー憩いの場より引用。

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ビジネスとして持続させるための戦略

ー 「ichoose」に実際に載っている求人を見ると、キースヘリングの美術館とかかなり珍しいものもあるんですけど、載せる企業はどうやって声をかけていらっしゃるんですか?

キースヘリングとは?

ストリートアートの先駆者とも呼べる画家で、1980年代アメリカの代表的芸術家として知られる。シンプルな線と色とで構成された彼の絵は日本でも人気があり、キースの作品をプリントしたTシャツがユニクロスポルディング等から販売されることもあって広く知られている。」

Wikipediaより引用

(なお、美術館の求人は現在終了しているそうです。残念!)

賢人さん:キースへリングの美術館は、向こうからお声がけいただきました。

キースへリング自身がゲイの方で、HIVで亡くなってしまったんですけど。山梨に彼の美術館があって、ゲイの方が働いていて。それで日本のLGBTの就業状況に問題意識をもって向こうから連絡してくれた感じですね。

実は、うちから営業して載せている会社は今はほとんどなくて。

やっぱりLGBTの就業について問題意識を持った会社さんたちが連絡してきてくれることが多いです。

ー そうなんですね!じゃあかなりJobRainbowさんは企業の中では知れ渡ってるんでしょうか?

賢人さんそうですね。まず今LGBT向けの就活情報をやっているのが数社しかない上に、ウェブで求人を出すサービスをしているのはうちだけなので。

ウェブサービスに僕自身が詳しかったというのと、インターンしていた会社の人に初期の頃からSEOなどについてアドバイスをいただきながらサイト設計をしていたので、LGBT就活とか検索すると、大体1位か2位に出てくるんですね。

ー本当だ。

lgbt 採用」で検索するとなんと上位4つがJobRainbowさんのサイトです!

賢人さん:だからそれで企業からもどんどん問い合わせが来るって感じです。

「人権問題」だけではないLGBTへの「イケてる」アプローチ

ー 立ち上げてからどれくらいで問い合わせとか来るようになったんですか?

真梨子さん:もう最初からだったよね?

2016年1月に会社を立ち上げて、3月からサイトをスタートさせて、その時点でワールドビジネスサテライトさんとかに取り上げてもらって。

「JobRainbow」ニュースページより。

真梨子さん:私たちはLGBTと職場っていう分野で、NPOとしてではなく、株式会社としてビジネスとしてやっているのが珍しいのと、それを学生がスタートアップでやっているというダブルで注目されたんだと思います。

私たちが活動を始める前はNPOの方々がすごく地道な活動をされていて、そのおかげでいろんな企業のLGBTへの意識が高まっていたところだったんです。

そこで私たちは株式会社としてサスティナブルに取り組んでいけるように、って、ちょっと別の角度から入ってみたんですよね。

真梨子さん:私たちの強みかなと思うところは、学生・若者がその若者の感覚を大事にしながら運営していること。ターゲットであるLGBTの就活生や新卒の子たちと、すごく近い距離感、近い感覚であることです。

だから、サイトとかもイケてる感を重視したりしていて。

サイトがダサくて、見てくれた子が「自分はLGBTだから、こういうダサいところしか行けないのかな」とか思ったりしたら嫌じゃないですか。だから、おしゃれであることをすごい意識しています。

本荘さん:東京レインボープライドに出店した時も、外装とか見た目にもこだわって。

フリーハグをやったりとか、あんまり堅苦しくならずに、学生の感覚を大切にして、親しんでもらえるようなブランドづくりにこだわっています

東京レインボープライドでのお写真。笑顔がはじけています眩しい。

真梨子さん:今までLGBTは、「人権問題」として扱われてきました

社会がそういう人たちをまず認めていなかったから、「その人たちを助けてあげないと」っていう人権的なアプローチが必要だった。

でも同時にだんだんLGBTの存在をみんなが知ったり、実際に友達にカミングアウトされたりする中で、非当事者の中でもLGBTを受け入れる雰囲気が強くなってきて、

しかも若い人の間では、「人と違うこと=かっこいい」っていう価値観が強いから、それが正しい方向性かはわからないけど、「LGBTってかっこよくない?」みたいにまでもなってきてる。

こういう風に状況が変化していく中で、今は、

固くアピールするよりも、ナチュラルにもっとポジティブに、自分の1つの個性として受け入れられる雰囲気づくりをしたいと考えて、固くなりすぎない、おしゃれなデザインにこだわっています。

もちろん、まだまだ根強い差別や偏見があること、教育や法制度の枠組みから外れていることも事実。こういった「LGBTがかっこいい」みたいな流れも逆差別を生み出しかねないセンシティブな問題です。人権的な目線を通して、今後もバランス感覚を持ちながら取り組みたいですね


確固たる信念がありながら、時代の波に乗ってビジネスを展開している「JobRainbow」の方々。

記事中にもありましたように、8/5にLGBTフレンドリー企業の合同説明会を開催されるそうです。

イベントの詳細はこちらから。事前申し込みが必要なのでお忘れなく!

また、JobRainbowさんではインターンを募集中です。インタビューした者として、心の奥底深くからおすすめできる会社です。興味を持った方ぜひ応募してみてください!

また、8/1公開の後編では、

「LGBTフレンドリーで有名なところって大企業ばかり。結局高学歴の人しか入れないのでは?」

「LGBTブームが終わったらどうなると思いますか?」

ともっと突っ込んだ内容になっているので、是非そちらも読んでみてくださいね。

東大生姉弟が起業して、LGBT就活サイトを作った理由・後編【ビジネスでLGBTの背中を押したい】
キャリア
東大生姉弟が起業して、LGBT就活サイトを作った理由・後編【ビジネスでLGBTの背中を押したい】
ゆみ
ゆみ
2017-08-01

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(ライター:ゆみ、編集:りほ)

この記事を書いた人
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ゆみ
2018年に東大を卒業して、それからエストニアで働いています。今はブログをたまに書いているので、興味のある人は見てみてください(もちろん、UmeeTの記事も!)。 新卒で海外就職したこと、最初の会社は2ヶ月で退職したこと、エストニアでの働き方についてなどなど書いています。
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