【東大現代文】某予備校の得点は58点??模範解答って本当に正解??【東大現代文解答コンテスト】

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模範解答の王者を決めたい(東大現代文で)

2月も半ば。受験シーズン真っ盛りだ。

来週はついに東大入試である。

私たち東大生も、かつては予備校の模範解答を参考にして受験勉強をしてきた。

しかし思い返せば、予備校によって模範解答は全く異なっていた。

「本当に同じ問題の答案なの!?」と思うこともしばしば。

現代文は特にひどい。

数学だったら式が違うくらいだが、なにせ現代文は最後の答えまでが違う。

このままでは受験生を助けるどころか戸惑わせてしまっているのではないか。

一体、どれが正しいんだ?

闘ったら、勝つのはどれなんだ?

AKA本なの?T進なの?S台(AO本)なの?K合なの?Y々木なの?

この状況をなんとかしなかればいけない。

私たちは使命感に駆られ、模範解答の王者を決めることとした。

そこで、現役東大生を集めて、予備校の模範解答を徹底検証することにした。名付けて、

東大現代文模範解答コンテスト!!

東大受験を突破してきた東大生なら安心できる。

まさに東大が選んだ人材こそが現役東大生なのだ。

その現役東大生が選ぶのだから間違いない。

それでは、これからコンテストの一部始終を一緒に見てみよう!

東大現代文模範解答コンテスト実況中継

コンテストの始まり ―東大現代文の模範解答No1を決める―

都内某日、UmeeT編集長が料理長を務めるすぎ山食堂に、理系6名、文系6名、合計12名の東大生が集まった。

彼らの目的はそう、【東大現代文解答例コンテスト】の審査に他ならない。

1

すぎ山食堂に集う東大生たち

 コンテストのルールは以下のとおりである。

  • 【参加予備校/出版社】AKA本、T進、S台(AO本)、K合、Y々木(ビッグネーム!)
  • 【使用する問題】昨年度の第1問(内田樹氏の「反知性主義者の肖像」)
  • 【ルール1】審査員は問題文を読んでから、模範解答を読み比べ、3点満点で点を付ける。
  • 【ルール2】時間の都合上、第一問の設問(一)、設問(二)、設問(五)のみで評価する。
  • ※得点の算出方法の詳細については記事末参照。

至ってシンプルである。

模範解答同士、正々堂々と勝負するしかない。

正面からのガチンコ勝負である。

今宵、模範解答たちの熱い闘いの火蓋が切って落とされたのだ……!

2

世の中には本当にたくさんの模範解答がある

審査風景 ―心はいまでも受験生―

審査を開始してすぐ、会場は静寂に包まれた。

並みいるライバルたちを倒して東大受験を突破してきたツワモノ達である。

やはり審査がはじまるとその集中力は凄まじい。

と、思いきや。

「こんなに難しかったっけ?」「よくわからんなー」という声が漏れる。

なに?ツワモノ達が夢の跡か?

しかし数分すると、

「この喜び久しぶり!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「受験生のときより現代文解けるようになってるかも!!!!!!!!!!!!!!」

次第に会場のボルテージは高まっていく(冷静に見るとすごい光景だ)

さすがである。これが日本の受験戦争というものなのか。

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編集長も真剣に解いてます

本文を読み込む視線もギラギラと光る。

模観回答を品評するペン先にも力が入る。

そう、東大生たるもの、問題と常に真剣勝負で向き合うのだ。

それが東大生としてのプライドである。

模範解答の真剣勝負に、東大生たちも正面から向き合っていく。

ピロリロリンピロリロリン。「終了です。」

約束の時間が来たようだ。審査は終わり、集計が始まる。

果たして、優勝したのはどの模範解答なのか。

2

審査の集中力はダテじゃない……!

結果発表 ―優勝したのはどの模範解答だったのか―

さて、いよいよコンテストの結果発表である。

ドコドコ┗(^o^)┛ドコドコ┏(^o^)┓ドコドコ┗(^o^)┛ドコドコ┏(^o^)┓ドコドコ┗(^o^)┛ドコドコ

だだん!!

優勝は、T進さんでした!!

おめでとうございます!!88点!!(すごい)

 

〜現役東大生からのコメント〜

『要素がてんこ盛りという印象です。』
『さすがという感じですかね!!』
『いつ勝つの?今でしょ!』

 

準優勝は、Yゼミさんです!!

おめでとうございます!!82点!!

〜現役東大生からのコメント〜

『こちらも必要十分ですね。微差で2位になってしまいましたが素晴らしいと思います』
『Yゼミ出身なので自分で採点してホッとしました(笑)』

 

というわけで、優勝と準優勝が決まった。

圧倒的な差をつけた。

80点以上はこの2つしかなかった。

あっぱれである。

心から拍手を贈りたい。

 

模範解答の点数格差

ところで、最下位はどこだったのだろうか??

予備校の名誉のために名前は伏せよう……。

しかし、その点数は見逃すわけにはいかない!!

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模範解答だって東大に落ちる??

なんと、100点満点で58点しかとれていない!!

これでは、東大の本番で、受かるか落ちるかの瀬戸際ではないか……!

(東大生の風の噂では現代文の合格ラインは得点率60%前後と言われている)

なぜこんなことになってしまったのだろうか??

模範解答なのに!?!?!?

予備校名 得点(満点100点)
T進 88点
Y々木 82点
その他のどこか 74点
71点

58点 

現役東大生が見る東大現代文

問いと議論がよい解答への近道

最高得点は88点、最低得点は58点。

同じ予備校の模範解答なのに、なぜここまで差が出たのか。

審査をした東大生たち自身、あまりの格差にショックを受ける。

なにせ自分の通っていた予備校が最下位だった東大生もその場にいるのだ。

「俺はこの予備校に◯◯万円も払っていたのか……」という落胆の声が会場に響く……。

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良い答案と悪い答案の違いはどこだ!

しかし東大生はガッカリするだけでは終わらない。

この結果は東大生たちの好奇心をそそる。

「なぜ模範解答の点数には格差があるのか?」

審査を終えて、料理長の美味しいご飯を食べながらゆっくり談笑……といくわけにはいかない。

東大生たちが問題と解答を読み直し、審査基準についてズバズバ切り込んでいく。

その一部、設問1でなされた大激論をご紹介しよう。

設問(一)「そのような身体反応を以てさしあたり理非の判断に代えることができる人」(傍線部ア)とはどういう人のことか、説明せよ。

この問題を目の前にしたとき、まずは次のような問いを思い浮かべるべきだろう。

  • 「そのような」という指示語はなにを指し示している?
  • 「身体反応」を本文の言葉で言い換えると?

これくらいは東大生にとって朝飯前だ。

実際、最下位の58点の答案も、こういった基礎的なところはできている。

(これさえ出来てない模範解答があったらと思うと夜も眠れないくらい恐ろしいが…)

それでは、どこで差がついたのか?

差が出たのはツッコミの深み

差がついたのは、問いと意味理解の深さだ。

簡単にいうと、問題文や設問に深いツッコミをいれられたかどうかだ。

予備校で問われる問いと違って、東大生たちは次のように問う。

  • 「さしあたりってどれくらいの時間の長さなんだ?」
  • 「代えると言う日本語には、フランス語のrepresenterの意味があるんじゃないか?」
  • 「内田氏はレヴィナスが専門で現象学も学んでいるはずだから、身体感覚って言葉には独特のニュアンスがあるのでは?」
  • 「知の枠組みが刷新されることと、傍線部とは、どういう論理でつながっているんだろう」

東大現代文を目の前にした東大生は、まさに水を得た魚である

どんどんと切れ味の鋭いツッコミをいれていき、模範解答をどんどん斬っていく。

 

……自分の知的枠組みを作り替えることを喜びとする人。

例えばこの答案。

傍線部とは随分意味が変わってしまったことがひと目で分かる。

傍線部では「さしあたり…代えることができる人」なのに、なぜ「…喜びとする人」という着地になるのか。

また、そもそも喜びとするかどうかは本文ですら言及されていない。

(どこから読み取ったのかその場にいた一同、不思議でしょうがなかった)

……自らの知の枠組みが揺らぐままに内省できる人。

この答案も「さしあたり…代えることができる人」を言い換えているようには見えない。

また、よく見ると「内省」という言葉の意味合いも「身体感覚」という傍線部とは少し違う。

それだけではない。

「納得感を確かめる」ことと「知の枠組みが揺らぐ」ことを「ままに」で接続している点も本文の論旨と反している。

本文を丁寧に読むと、知の枠組みが揺らぐこと「すら厭わずに」納得感を確かめる、といった論理構造の方が正しいからだ。

 

……こうしてミスの根本を探っていくと、あることに気付く。

東大生たちが問うていたことが、まさに点数の格差に直結している。

そういえば「身体感覚」の意味理解も、「知的枠組み」が論理的にどうつながるかも問われていた。

 

このように、本文で欠けたピースを問いによって埋めながら進むと、より本文の理解が深まる。

そうして、しっかりと本文の論理を辿っていくことで、模範解答を書くために必要な要素が揃ってくる。

問うて議論をしてから模範解答を比べてみると、その質には歴然とした差があることに気付くのだ。

 

模範解答を信奉してはダメ

たいていの受験生は模範解答を頼りに、自分の解答の出来を確かめたりする。

ここまで読んだ読者はそれがいかに恐ろしいかお分かりだろう。

優勝したT進とて100点満点ではないのである。

まして、最下位だった模範解答は58点しか取れていない。

模範解答という名でまかり通っている答案が優れていないこともあるのだ。

そんなものを頼りに勉強していては、入試本番で受かる答案を書けるかどうか分かったもんじゃない。

……じゃあ、いったいどうやって勉強すればいいんだあああ。

5

現実は厳しい

模範解答は議論の材料

模範解答を使った最良の勉強方法、それはその解答を疑ってみることだ。

問題を解いて、模範解答を眺めて採点して終わりではダメだ。

それは本当に妥当なのか、より精度の高い読みはないのかを問い続けるのが大事なのだ。

「答え」に「問い」をぶつけて初めて議論が始まる。

その議論を通して、物事の様々な側面が見えてくる。

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模範解答に物議を醸す東大生たち

受験勉強においても問い、そして議論するのが最も大事だ。

しかし、受験勉強は机に向かって一人で勉強してばかり……。

友達と喋るときは疲れてテレビの話しかしない……。

それじゃ、どうやって、友達と「問うて議論する」勉強をやればいいのか?

SchipとAnchorの出番

名乗るのが遅れてしまった。今回のコンテストは、UmeeTとSchipの共催であった。

……Schip??

説明しよう。

Schipは、東大生を中心として設立された団体である。

「解く」が中心になっている勉強を「問う」を中心に変えようとしている。

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Schipのメンバーのミーティング風景

 

そんなSchipでは、「問うて議論する」新しい東大現代文教材、Anchorを作った。

このAnchorを使えば、模範解答に依存せずに、自分の頭で東大現代文と真正面から向き合って勝負できる。

自分の頭で本文の意味内容と向き合い、読み取った意味を正確に伝わるように表現する。

その力を身につけることができるのだ。

自分の頭で考えて議論する

自分の頭で考えて議論する

 

Anchorは二つのことを意識して作っている。

一つは、常に自らの解答について議論し、問い続け、それをより良いものに更新し続けること。

もう一つは、単に受験現代文のスキルが身につくだけに終わらず、議論し問い続ける方法自体を学べる教材であることだ。

模観解答を眺めて満足してはいけない!
模観解答を疑い、さらに議論を発展させていくのが学びなのである!

模範解答が悪いのではない。

しかし、模範解答を信奉してはいけない。

受験は宗教ではない。

常に、自分の頭で考え抜くことが大切だ。

そうやって議論した先には、自分の頭で考え抜くことが好きな友達との楽しい大学生活が待っている。

よい問いが立てられると嬉しいもの

よい問いが立てられると嬉しいもの

 

Schip・Anchorについて

東大現代文解説Anchorはこちらで販売中↓↓↓
https://schip.me/anchor.html

Schipのホームページはこちら↓↓↓
http://schip.me/

今年度の東大入試現代文の解答速報もUmeetとのコラボ企画で作成予定!


※調査方法について
  • 時間の都合上、平成28年度第一問の中から、設問(一)、設問(二)、設問(五)の模範解答例のみを評価。

  • 「得点」について:評点の集計の際、設問によって点数の回答数にばらつきができたため、人数比の調整を行なった。その結果、各予備校/出版社の獲得評点の満点は90点となった。記事中では、わかりやすくするため、それを百分率に直し、100点満点に変換したものを「得点」としている。

  • 解答例出典
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ABOUTこの記事をかいた人

解くから問うへ Inqiuring based learning https://schip.me

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