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チリとメキシコのちょっと意外な食生活

2016.05.27

こんにちは。

高島りさこです。以前こちらの留学についての記事を書かせてもらいました。

【チリ】東大女子がぶっちゃける、異文化意識の「リアル」【無関心の刃】
社会・文化
【チリ】東大女子がぶっちゃける、異文化意識の「リアル」【無関心の刃】
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高島りさこ
2016-03-17

前回、チリ人の味覚の話をちょっと書きましたが、今回は留学中に垣間みた食にまつわる話について少し書こうと思います。

「チリの魚」「メキシコのスシ」について、実際に見てちょっと意外で面白いな、と思ったことをお話しします。

私の見たもの聞いたものだけを元に書いているので、情報源にかなり偏りがあるのを先に断っておきます…。

都市に住んでいる大学生が情報源の9割なので、それを念頭に置いて頂けると、イメージも湧きやすいかなと思います。

チリの魚のはなし

留学に出発する前、「留学体験記とかないかな〜」とネットで情報収集していたのですが、チリに留学する人なんて数が知れているので殆ど何もヒットしません。

バックパッカーの旅行ブログくらいしか出て来ないので、留学には全く役に立たないけれど、それを読んだりしていました。

大体「サンティアゴで待ちに待った新鮮な魚介類を食べました!(市場の写真付き)」なんて書いてあって、どうやらバックバッカーたちはサンティアゴに着いたらここぞとばかりに魚を食べに行くようです。

市場の野菜売り場。魚売り場はこの近く。

それを読んだ私も、「チリのサーモンとかよく聞くし、チリといえば魚!」と日本人としてはちょっと安心感もあり、期待もしていました。

が、なんと、チリ人は魚を全然食べないのです…。

実際家庭でどのくらい魚が食べられているのかまでは知りませんが、話を聞く限りでは、サーモンなんかはもっぱら輸出していて自分たちではあまり食べないそうです。値段もお高めだそうで、わざわざ食べたいものでもなさそうな雰囲気でした。

「どこどこの地方ではよく魚を食べるんだよ」ということを教えてくれたりもしますが、その地方出身の子でも、「魚は高いしそんな食べない」みたいなことを言っていました。

少なくとも、私の出会ったチリ人のなかで、好きな食べ物を訊かれて魚と答える人は、ひとりもいなかったのではないかと思います。

さらっと調べてみたところ、チリの漁獲量は世界10位(日本は7位)だそうです。それだけ穫っているなら食べればいいのになんて思ってしまいますけど、誰に聞いてもあまり食べないと言われてしまいます。

「これだけ海に面しているのにね〜笑」

というのは、私の言葉ではなく、とあるチリ人のおばさんの言葉です。なんだ、自分たちでも思ってるんじゃん。

チリに留学して知った、意外なびっくり情報でした。

市場のお魚たち。氷とか、ないの??

ところで、バックパッカーの方々にアドバイス(?)をしておくと、サンティアゴの市場で食べる魚介類が果たして新鮮なのか、一度考えてみてほしいです。

そもそも街自体海に面していないし、100kmほど内陸なので、日本で言えばわざわざ群馬の高崎で海鮮を食べるようなものです。

あと、市場にどしどし積み上げられている魚たちは、まさに死んだ魚の目をしていて、あれを食べるのかと思うと……あまり考えたくありません。

たしかに市場では色々な種類の魚介が売られていて、サンティアゴで魚介類が食べられることは事実だけれど、「新鮮な魚介類」が食べられるわけでは(たぶん)ないことを知って頂きたいです。

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メキシコのスシのはなし

長期休暇中にメキシコシティに行き、メキシコ人の友だちの家に泊めてもらいました。

一人暮らしで自炊をしない彼女はデリバリーのヘビーユーザーで、夜ごはんによくスシのチェーン店にデリバリーを頼んでいました。

彼女にはいつも頼むメニューがあって、

サーモンの刺身、枝豆、白ごはん

がお決まりのセットのようでした。

寿司以外のメニューもあるとはいえ、この玄人っぽい注文。

当たり前のようにedamames(複数形)を注文する姿はちょっと面白くて、日本食に詳しい物好きがいるものだなと思ったのですが、メキシコシティ基準でそれは特段変わったことではないようで、それにも驚きました。

スシチェーン店にあった、よく分からない紙。

なぜだかは知らないけれど、メキシコ人の生活への日本食の浸透度はとても高いようでした。

その友だちは自分のお決まりメニューがあるほどスシのチェーン店を利用しているし、自分の誕生日会もスシのチェーン店で開いていました。街を歩いていてもスシと書かれた店が至る所にあって、しかもお客さんでいっぱいでした。

もちろん、日本食と言っても大抵お味の方は…という感じで、日本食と言っていいのか怪しいメニューも多いですが、まぁそれはどの国でも同じでしょう。ほとんどのスシはいわゆるカリフォルニアロールで、「スシ」だと認識されているのはカリフォルニアロールの方ですし。

メキシコの日本食で特徴的だと思ったのは、メキシコ独自のソースや食材を使ってアレンジを加えているところです。

例えば、ふつうのカリフォルニアロールかと思ったら、薄くスライスしたマンゴーで巻かれていたり…。その上にサルサクシアゲ(クシアゲソース)なるもの(味はブルドッグソース)がかかっているので、コンサバな日本人にとってはチャレンジングこの上ない食べ物です。

メキシコ独自のソースとはどんなものかというと、チポトレとかタンピコとか(調べてみて下さい!)、ちょい辛のソースです。スシの上にちょこんと乗っていたり、下の画像のように中に入っていたり、はたまた白ご飯の上にドバっとかかっていたり…。

メキシコ人のソウルフード(?)のアボカドで巻かれてしまったスシ。中身は海老フライとタンピコソース。

味の方はというと、これはこれでちょっと美味しいかもしれないけど、やっぱり日本食として、お寿司として美味しいかはまた別の問題、という感想です。上の写真のアボカド巻きは10ロール入っているのですが、6個目あたりで飽きてきて、付いてきたクシアゲソース(なぜか醤油ではなかった)で味を変えてどうにか完食できました…。

それでも、休暇中に会ったメキシコ人の学生たちは「クシアゲ」とか「ヤキメシ」とかの言葉を当然のように知っていて、スシのチェーン店は好きで頻繁に利用すると言っていたので、日本食は若者のあいだで流行りの人気料理のようでした。

スシはともかく、串揚げや枝豆までも有名なメキシコシティ、なかなか手強いなと思わされました。

ちゃんとした日本食を食べられるお店もありました。
駐在員に人気(想像)。

おわりに

私にとって、チリで魚があまり食べられていないことや、メキシコで日本食が人気なことは、思ってもみないことでした。

留学を通して垣間みた意外な食生活の、ほんの一部ですが、興味を持っていただけたならとても嬉しいです。

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高島りさこ
はじめまして! 高島りさこです。UmeeTのライターをやっています。よろしければ私の書いた記事を読んでいってください!
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