大変お久しぶりです。UmeeT初代編集長の杉山です。
30歳になりました。たまげています。だいぶ時をかけた気分です。
タイトルから、「お、東大卒が金持ちになりすぎてお金配りたくなったんか?」と思った方。違います。他の東大卒30歳と比べると年収は平均ちょい下くらいだと思います。
にもかかわらず、「1%奨学金」という試みに加わりました。
「1%奨学金」とは、【収入の1%】を毎月 誰かに贈る取り組みです。
応募に制限はありません。奨学金といいつつ、学生でなくても、学ぶことに使わなくても構いません。
給付型なので、返済もいりません。
Google form等指定されたフォームに、贈る側が考えた質問を記入するだけ。贈る側は自分が応援したいと思った人を、あらかじめ決めていた人数だけ選んで、振り込みやpaypayで月ごとに収入の1%を贈ります。
とっても単純でしょう?
この記事では、
・なぜ「1%奨学金」が始まったのか
・なぜ「1%奨学金」に僕が加わったのか
書いていきます。
ぜひあなたにも、受け取る側か、贈る側になってもらいたいのです。
「1%奨学金」は単なる物好きの道楽、ではないと思っています。
これから広がっていくムーブメントであり、「新しい常識になる何か」です。
この物語は、マイナス41℃の北国で育った、僕より2歳年下の女の子から始まります。
「1%奨学金」を始めたのは、應武茉里依(おうたけまりい)という女性です。
中学生の頃、リーマンショックの後に父親がリストラされ、その後 両親が離婚。母親のパートの収入だけでは生活保護と同水準。いわゆる「貧困家庭」で育ちました。
進学も危うい中、給付型奨学金のおかげで生きてこれました。中高大あわせると約900万円にのぼります。
貸与型と違い 給付型なので、一切 返済義務がありません。
20歳のときに日本一周し、23歳のときに世界一周をしました。
たくさんの優しさをもらったそうです。
まりいさんは、「もらった恩は返すものではなく送るもの」と考えていました。「いつか財団を作りたいな…」と、ぼんやりと思っていたのですが
それじゃいつできるか分からない、今やれる形で始めよう、と決意しました。
そこで2018年4月から始まったのが「1%奨学金」です。
初年は1名のみの募集でしたが、
社会人2年目の2019年は、2人。
社会人3年目の2020年は、3人。
奨学金を贈る側も増やしていくことで、毎年一人以上、採用人数を増やしていくのが目標だそうです。
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そんな問いが浮かんでいるかもしれません。
しかし現に、この奨学金を受け取った人の人数は既に80人を超えました。 まりいさんが6年続けただけでなく、これまでに延べ30人が贈る側として参加しました。僕もその一人です。
まりいさんはこの問いに、当初はこう答えたそうです。
・これまでの人生でたくさんの恩を受け取ったから
・恩は返すものではなく送るものだと教わったから
・これまで恩をくれた人たちに、しっかり受け取ったということを伝えたかったから
ここまでは、奨学金に救われたまりいさんだからこその言葉だと言えるかもしれません。
さらに、「1%奨学金」を始め、続けていくなかで、新たな答えも生まれたといいます。
・贈与は幸せの要因になると知っていたから
・本来うまれるはずのなかったコミュニケーションにワクワクするから
・奨学生の人生が少しでも進んだら嬉しいから
・その中に「わたし」という存在があったら嬉しいから
・生きててよかったな、って思う瞬間を もらえるから
これらはお金の寄付や、ボランティア支援をしている人には、納得がいくかもしれません。
・「自分が満たされている」という実感を得られるようになったから
こう思える人はそんなにいないかもしれません。
現に、まりいさんには幼い子供もいて、決してお金に余裕があるわけではない。そのはずなのに、人に贈ることができる余裕を持っている……。
「お金に余裕があるほど、見返りなく人に贈れる」わけではないと、誰もが直感的に理解できるはずです。
そこからさらに一歩進んで、まりいさんは最近、こう考えるようになったそうです。
Facebookの「1%奨学金」の投稿に
「私には到底できない」「尊敬します」「私は自分のことばっかりでした」というコメントをもらった時に
この人たちは たまたま まだ「もらった恩ゲージ」が一定量を超えていないだけ、と思っていた。
でも違った。
『世界は贈与でできている』(近内悠太さん著)を読み進めていくと、
大切なのは、どれだけもらったか、ではなく、どれだけ気づけたか、だと知った。ゲージを貯める必要なんてなかった。
つまり 私は 受け取ったことに気づくための、想像力が他の人よりもちょっとだけ豊かだということ。想像力に豊かにしたのは「苦しかった経験」と「たくさん外に出たこと」だと思う。
みなさんはどう思いますか?
生きている以上、何ももらっていない、わけがない。
親にもらったり、先生にもらったり、友達にもらったり、あるいはそもそも自然や世界にもらったり。
なぜ僕が「1%奨学金」に昨年から加わり、【毎月の収入の1%】を【2人】に【1年間】毎月給付しているのか。
僕なりにお答えします。
まず、僕自身がお金をあまり使わなくても満足できる性質で、今は余裕があると思えているから。
そして、ただただお金を贈り続ける大人たちと出会ったから。
一般的にお金をもらったら、何かしらの形でお返しするのが普通ですよね。
なのに、彼らは見返りを求めないんです。ひたすらgive。give&give。
衝撃でした。
そういう人ってほとんどいないけれど、僕はその恩恵を受けてきました。
贈るってカッコいいな。僕もやりたい。
これが1%奨学金に参加する一番の理由です。
僕は「1%奨学金」に出会う前から、NPOに所属し(NPO法人おりがみの副理事長をしています)、別のNPOのマンスリーサポーターもしています(10代の孤立を解決する認定NPO法人D×P(ディーピー))。
寄付だけでなく、「1%奨学金」もやりたいと思ったのは、
まりいさんと同じく「本来うまれるはずのなかったコミュニケーションにワクワクするから」です。
会うはずのなかった人と、奨学金を通して友達になり、応援できる。
これは団体への寄付では得づらい良さです。
しかし、なにより、「1%奨学金」が素敵で面白いと思うから、参加しました。
冒頭に書いた通り、「1%奨学金」は単なる物好きの道楽、ではないと思っています。
ムーブメントとして広げたい。新しい常識にしたい。
受け取る側、贈る側双方の幸せのために、ひいては、寄付文化が弱いと言われるこの国のために。
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本記事に合わせて、僕と、友達が3人、応募を始めてくれることになりました!
1人ずつ紹介していきます。
気になる人に応募してみてください!全員に応募したって構いません!
まずは2年目に入った僕の募集です。
【毎月の収入の1%】円を【2人】に【1年間】毎月給付します。
詳しい募集要項はこちらから!
初期の東大UmeeTで、伝説的な記事を多数書いてくれた「男子校の化身」こと金佐くんが参加してくれました!
今も色あせないこの記事も、ぜひとも読んで欲しい。
詳しい募集要項はこちらから!
一緒にオンラインメディア「京大360°(サンロクマル)」の立ち上げに参加してくれた髙取さんが、今や弁護士になって、加わってくれることに! バリおもろい人!
詳しい募集要項は公開され次第添付します!
はじめましてで「1%奨学金」の話をして、即座に興味を持ってくれた東大卒の的場くんも今回から加わります! うれしすぎる!
詳しい募集要項は公開され次第添付します!
とっても嬉しいです。考え方も立場も違うけれど、贈ってみたいと思えるあなたを尊敬しています。
こちらのページをぜひ読んで、フローの通り、まずはまりいさんとオンラインで話してみてください。僕も是非、一緒にお話ししたいです。
読んでみてどうでしたか?
思うことがあったら、反対意見だったとしても、ぜひ拡散してほしいです。
ではまた、いつかお会いしましょう。
それがどれくらい先か分かりませんが、次にUmeeTでお会いするときは、「1%奨学金」がもっと広がっていますように。