東大の男子のうち多くを占める、名門男子校出身者たち。
輝かしいその経歴とは裏腹に、彼らの多くが抱える問題があった……
今日は男子高出身者たちの盛大な「こじらせ」を、この方に語っていただこう!
ここに一枚のライフライン(充実度×年齢)がある。 男子校出身の東大生である筆者のものなのだが、自分で描いてみて驚いた。
充実度の上下が全て女子に関連しているのである!
このグラフは男子校の闇を見事に体現していると言えるだろう。
東京大学に一定数存在する男子校出身者たち。彼ら、いや僕たちは迷える子羊である。
中学二年生の頃、周りを見てようやく女子がいないことに気付く。そして女子なんてうざいだけだと騒いでいた小六の自分を恨む。
中三から高一にかけては絶望する。女子がいなくては彼女を作ることも、恋をすることも出来ない。帰り道、共学の高校生カップルが手をつないでいるのを見て、一人こぶしを握ることしか出来ない。
この過程でアイドルに恋するもの、二次元の嫁を見つけるもの、はたまた男に恋するもの、様々な道の外れ方をするものが現れるが……
こうなってしまってはもうこじらせ道を抜け出すことは出来ない。
高二からは勉強して、優秀な大学に入れば彼女が出来ると、華のキャンパスライフを夢見始める。
大学に入れば女子がいる→女子がいれば彼女が出来る。
幼稚な三段論法は、鏡を見ることなく、勉強机の上でたてられる。
お勉強だけは得意な男子校生は無事難関な大学受験を突破し……
次章:いよいよ六年ぶりに生身の女子と対峙する!
女子と話したのははるか昔の記憶。必死でどんな話をしていたのか思いだそうとするが、なにも思いだせない。
そうこうしているうちに、共学出身の男たちが女子との会話を始めてしまう。 話の波に乗り遅れ、辺りを見渡すと、自分と同じく乗り遅れている男を発見する。
勇気を出して話し出してみれば、意気投合。よく聞けば彼もまた男子校出身なのである。
いつまで経っても男子校は男子校という仏の手の中を抜け出せない・・・ ここで男子校出身者の頭に過るのが……
「やっぱり男子校最高なんじゃね!?」
という考えである。
お猿さんたちでウキウキ騒いでいた動物園時代に想いを馳せ始めるのだ。 話せもしない女子がいても仕方がない。むしろ無駄に気を遣う分邪魔ではないか。
……ここまでが大学に入学後半年の男子校出身者の心情の変化である。
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共学出身者からすれば、すでにまったく理解できないことばかりなのではないだろうか。そう、男子校出身者の悩みは男子校出身者にしかわからないものなのだ。
しかし悲劇はここで終わらない。さらに男子校出身者はこじらせを増していくこととなる。
ここでキーワードとなるのが「童貞」という言葉である。この言葉が男子校出身者に重く重くのしかかってくることとなる。 「童貞」とはいわずもがな、女性との性体験をしたことがない男性に与えられる、もっとも恥ずべき称号である。
男子校出身者は彼女すら出来たことがない者がほとんどなので、もちろん童貞ざんまいだ。童貞同士で群れていればなんの問題も起こらないが、大学にいればそういうわけにはいかない。共学出身者たちはすでに童貞を卒業済み、または大学に入ってすぐに彼女をつくって経験済みといったように童貞にプレッシャーをかけてくる。
まだこれだけならいい。なぜなら彼らは違う人種の生き物なのだから。しかし…
いよいよ焦りを生むのは、男子校出身者の中にわずかに存在するイケメンの存在である。彼らはその美貌を武器に男子校を物ともせずに彼女を作り、気付けば童貞ではなくなっている。 ある男子校出身者は言った。
容姿に恵まれなかった男子校出身者たちは、ようやく女子との会話にも慣れてきたところで、ついに彼女を作ろうと行動し始める! そして……
瞬く間に勘違いをして、振られる。
諸行無常の響きあり。その後生まれる「童貞首脳会談」と銘打たれたLINEグループ。悲しき童貞たちがそこで幾夜となく、女に騙された話やデートの誘い方、恋愛とはなにかなどいうテーマについて語りあうのである……
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「東京大学の学生証を頭に貼って歩けば女が寄って来る」とは陳腐な東大ジョークであるが、男子校出身東大生は藁をもすがる想いでこの考えを信じざるを得ない状況にある。
もし在学中に彼女が出来なければ、次は大手企業に就職し、ゴールドカードを頭に貼って歩く心づもりなのだ。 ぜひともこの話を大げさだと言って笑わないでいただきたい。
東京大学に入ったにも関わらず、恋愛という幸せを享受できないままこじらせ続けている男子校出身者が多数いるという事実を受け止め、どうか女性には迷える子羊たちに救済の手を差し伸べてあげて欲しいと心から願う。
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