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【東大王】後藤弘さんに会ったら、クイズもポーカーも勉強もなんでも究める超絶ストイック東大生だった

2023.09.14

後藤弘さんを知っていますか?

名門開成高校に在学中、テレビ番組『高校生クイズ』で準優勝を収め、文化祭ではミスター開成コンテストでグランプリを取得。

席次1位に輝いた開成高校を卒業後、現役で東京大学に進学し、現在はクイズ番組『東大王』で活躍するかたわら、ミスター東大コンテストにも出場中。
しかもどうやら、ポーカーのアジア大会で優勝したとか、GPAが満点だとか……

そんな、天から二物も三物も与えられたスーパー東大生、後藤弘さん。

今回は後藤さんにUmeeTがインタビューしてきました!

クイズのことはもちろん、普段の東大での生活や世界大会で活躍する趣味のポーカーについて、そして出場中のミスター東大についてまで、後藤さんの素顔を暴いていきます。

学生証
  1. お名前:後藤弘さん
  2. 所属:東京大学工学部システム創成学科Cコース4年
  3. 好きな食べ物:かき氷

──今日はよろしくお願いします!
後藤さんは高校1年生の時に開成高校代表として『高校生クイズ』で準優勝され、一躍有名人になったことと思います。クイズはいつから始められたんですか?

中1の時に開成のクイズ研究部に入ったのが最初です。それからもうかれこれ10年くらいやってますね。

元々、僕が小学生の頃に開成のクイ研が高校生クイズで活躍していて。僕は小学生の頃からクイズ番組に出たいと思っていたので、そのためには開成のクイ研が一番いい環境なんじゃないかなと。

──素人的な質問ですが、あれだけ多くの問題に答えられるんだから、やっぱり勉強量は凄まじいんですよね?

そうですね。問題集1冊に1000問弱くらい載っていて、それを1年あったら二桁冊くらいは覚えなきゃいけないから…1年で何万問とかですね。

──そんなに!?!?クイズ舐めてました…

──開成は高校生クイズの強豪校だと思いますが、クイ研ではやっぱり皆さん高校生クイズを意識しているんですか?

普段やっているのと高校生クイズだと傾向が違うので、普段から高校生クイズの対策をしてるわけではないですが、やっぱり高校生クイズの前になるとみんな意識し始めますね。

──あ、同じクイズでも傾向が違うんですね。

そうですね、普段部員が対策して臨むのはむしろ、テレビには映らないようないわゆる「競技クイズ」の大会です。

テレビ番組だと運が絡んだりバラエティ的な要素があったりするので、別の対策をする必要があって。

──そうなんですね。勝手に、一年中高校生クイズのために活動してるのかと思ってました。

全然そんなことはないんです。直前1ヶ月とかで対策をしています。

──1ヶ月!そんな短期間で準優勝したんですか!?あんな大舞台なのに…

いわゆる女子力問題と言われるものがあって、女子のファッションやコスメに関する問題が出てたんです。

僕は知識がゼロからのスタートで本当に何もわからなかったので、普段買わないファッション雑誌を読んでみたり、妹に聞いてみたりとかして、付け焼き刃の知識でなんとか臨みました。

──そんな苦労があったんですね(笑)
準優勝時には、1位になった共学校のカップルに対する「男子校の友情ではカップルの愛は突破できない」の名言(迷言?)も話題を呼びましたよね。

人生で唯一Twitterでトレンド入りしたやつですね。
男子校なんて、クイズで負けたら何も勝てないですから(笑)

『東大王』とクイズ生活

──大学に入ってからは『東大王』にも出演されて。

高校生の頃から、大学生になってもクイズ番組に出たいと思っていたので、1年生の時にオーディションと筆記試験を受けました。

──後藤さんは高校生の時点で既にすごい量の知識があったと思いますが、今でもクイズの勉強は続けられているんですか?

はい、中高での競技クイズと東大王とでは出る問題のジャンルが違うので、東大王には東大王の対策が必要です。

高校の時は耳で聞いて早押しするのがメインでしたが、テレビはビジュアル重視なので、目で見て答える問題が多いです。

──ビジュアル問題というと、東大王では地球の上空写真からどんどんズームインしていって表示される世界遺産を当てる問題なんかがありますよね。

その問題で言うと、世界遺産が全部で千何百個かあるんですが、それを一から覚える勉強をしています。1日何個、と決めて毎日覚え続ける

──すごい、ずっと受験勉強やってるみたいですね…。

楽しくはありますよ(笑)

あとは、耳で音楽を聴いて当てる問題の対策で、聴いたことはあるけど題名を知らないクラシック曲を集めたYouTubeの再生リストを作って覚えたり。

競技クイズでは多くの人が使っているような問題集がありますが、テレビのクイズは定番のものがないので、出そうなジャンルをネットで漁って対策しています。

──クイズが強くなるには、やっぱりそういう地道な努力が必要なんですね。

強い人はそういう作業を毎日やってる人が多いですね。

僕は競技クイズは高校でやめてしまいましたが、大学でもやり続けてる人は本当にすごいなと尊敬しています。東兄弟とかがそうですね。

──彼らも高校生クイズで活躍していましたよね。

高校生クイズもそうですが、彼らとはテレビに映らない競技クイズの大会でよく会うような仲でした。中学生の時に大会の決勝で戦ったのが最初です。

──あ、そんなに昔から親交があったんですね!

界隈の中で強い人は大体大会で会うので知り合いだったりしますね。狭い界隈なので。

──東大王のメンバーとはプライベートでの交流はあるんですか?

結構あります。ご飯に行ったり、謎解きとか卓球、ボルダリングで遊んだこともあります。

コロナ禍で大学のサークル活動があまりできなかったのもあって、僕にとっては東大王がサークルのような存在でもあり、チームメイトでもあり、という感じです。

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今と昔、クイズへの向き合い方

──10年もの間クイズを続けてきた中で、クイズに対する姿勢や向き合い方は変わりましたか?

そうですね、中高時代は知識を詰めていくこと自体がモチベーションになっていたんですが、大学に入ってからはもう競技クイズはやっていなくて、どちらかというと知的好奇心ドリブンというか。知らない領域を理解したい、という思いでやっています。

中高の頃は例えば、小説の名前は知っていてもどういう話か全くわからない、みたいな状態だったんです。

今は、例えば小説を実際に読んでどういう話か知りたい、作者の作風を知ってみたい、とか。大量の知識を詰め込むのも競技としての楽しさはあったんですが、今はもう少し本質的なところを知りたいというモチベーションがあります。

──なるほど。年齢の影響なんですかね?

そうですね…それもあるし、大学の教授のようないわゆる教養人と話していて、こういう人かっこいいな、と憧れたのもあると思います。

ポーカーの腕も一流

──後藤さんはクイズの他にもポーカーをやられているということですが、それはいつから始めたんですか?

始めたのは高1くらいですが、その頃は開成の同級生とゆるゆるやっていました。
今年に入ってから大会で優勝したいなと思い始めて、春休みを使って短い期間でばーっと勉強しました。

──勉強、なんですね。それは練習みたいな感じではなく?

そうですね、座学みたいな要素がたくさんあります。英語の方が情報が多いので、英語の本を読んだり、海外の動画を見たりして家で勉強しています。

あとは、日本で最初にポーカーの大会で優勝した木原直哉さんとテレビの共演がきっかけで知り合って、まだ右も左もわからない状態だった頃に勉強法を教えていただきました。
メディア出演の機会がなかったらできなかった繋がりなので、とてもありがたいと思っています。

──春から勉強を始めて、もう全国大会で優勝したと聞きましたが…

はい、JOPTという、国内だと規模が一番大きい大会です。

ポーカーって種目がたくさんあって、陸上みたいに、100m、400m、110mハードル、みたいなイメージなんです。

一番花形の種目は競技人口が多すぎて、短期間で勉強しても優勝は難しいと思ったので、僕は競技人口が少なめの、まだ戦略が確立されていない種目に挑戦しました。

3種目で1位になれていて、ここからも増やしたいなと思っています。

──3種目!!始めて半年で!?

JOPTで日本一になった時の写真

──そういえば、この前ポーカーの大会でベトナムにも行かれてましたね。

はい、この前はアジア大会(APT)に出場したんですが、1種目優勝できたので旅費と相殺してプラスになりました。タダで海外に行ける楽しさもありましたね。

──…え、さらっと言いましたけど、てことはアジア1位なんですか!?すごすぎない!?

1種目だけですけどね(笑)

──謙虚ですね…

ラスベガスで世界大会があって、これの優勝がポーカー界ではすごく価値のあるものなんです。これまでに日本人で1位をとった人がまだ7人しかいないので、8人目になりたいというのが今の大きな目標です。

──絶対なれますよ!!

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多忙な後藤さんの大学生活は

──今はクイズよりもポーカーの比重大きめで活動されているんですか?

うーん、クイズの方も月に何回かの東大王の収録のための勉強はやれるだけやって、浮いた時間はポーカーに回すような過ごし方をしています。

──両立されてるんですね。お話を聞いていると、普段とても忙しそうですが、時間はどうやって捻出されているんですか?

そうですね。時間の使い方は大学に入ってから変わったと思います。

東大王に出始めた頃で番組の勉強が大変な時に、大学の試験勉強が重なって「詰んだ」と思った時があって。

それまでは大学の課題を締切日まで放っておいて締切1秒前に提出する、みたいな生活を送っていたんですが、その時から、課題は出た瞬間にやる、試験勉強とかも1、2週間前から余裕を持って始めることで前日は23時ぐらいには寝られる、みたいな感じに変わりました。

──え、すご。

それまで一夜漬け人間だったのにね。

変わりたいな…僕も東大王出ようかな…by UmeeTフォトグラファー

──大学の課題のお話がありましたが、東大ではどこの学科に所属しているんですか?

工学部のシステム創成学科Cコースというところにいます。

──優秀な学科ですよね。

周りに優秀な人は多いですね笑。

起業している人も多くて、開成中高の同期で学科が同じ友人がAI関連で起業していたり。

周りで何かに夢中になってる人がいるという環境は刺激的で、学科選びはうまくいったなと思っています。

──進振りの時にシステム創成Cを選んだ理由は何だったんですか?

優秀な人が多いというのもそうですし、学科として情報系とかビジネスを中心にはしつつ、色々な分野を幅広く扱っているところに惹かれました。

クイズとも似ているかもしれないんですが、色々なことを幅広く知りたいっていうモチベーションが大きいですね。

学科はすごく仲がよくて、よく一緒に過ごしています。それが魅力で選んだところもあります。

──いいなあ…(筆者は人間関係が希薄なことで「砂漠」と呼ばれる法学部に所属しています)

まあ、逆に駒場時代は砂漠でしたよ。

──理一だから、クラスに女子が少なかったんじゃないですか?

女子は3人いたけど、2人はクラスの集まりにあまり来なくなって、結局1人でしたね。6年間の男子校生活を終えたと思ったら刑期が2年プラスされたみたいな。

──刑期(笑)
今の女子率はどのくらいですか?

50人中、女子が5人もいて、多いと思いました

──5人「も」……?

驚きましたよ!この世にはこんなに女子がいるのか!みたいな(笑)

──5/50は、世間から見たら十分男子校だと思いますよ…?

懲役10年なのかもしれない(笑)

まあ冗談で懲役と言いましたが、男子校の良さももちろんたくさんあって、男子だけのわちゃわちゃした空間で好きなことに没頭できるって環境はすごくよかったです。
なんだかんだ、生まれ変わってもまた開成に入るかも。

学業もパーフェクトらしい

──開成時代から学業成績の方もよかったと聞いたのですが…?席次1位だとか。

開成は定期試験でクラス順位しか出ないので、クラス内1位というのはわかっても学年順位はわからないんです。

ただ、一度定期試験で満点だったことがあって。満点ということは学年でも1位だということで、番組では「開成席次1位」と紹介してもらっています。

──定期試験満点ってヤバいですね!?

後藤さん、大学の成績もすごくいいんですよね?

──4.00!?!?すごすぎませんか!?え、GPAって4点満点ですよね?

あの…ド直球な質問なんですが、どうやったらそんな成績が取れるんですか?参考にしたい学生も多いと思います。

うーん、最初にやることを全部書き出してかかる時間の合計を把握して、そこから逆算してタスクを配置しています。

──計画を立てるところまではいっても、続けるのが難しいんですよ…

まあ、筋トレみたいな感じで、勉強の習慣って続けていると慣れてきて徐々に身につくものだと思うんですよね。

最初は僕だったらクイズとか、好きな分野でなんとか毎日続けていると、だんだん体力がついてきて、苦手科目でもコツコツできるようになるかなと思います。

──結果を出している後藤さんが言うと、説得力がありますね…全国の受験生に届け。

まあ、先ほども言ったように高校までは僕も本当に一夜漬けタイプだったので…

中高生の頃は、中二病みたいな感じで、「勉強しないのにできる方がかっこいい」とか思ってたんですよ。そういう風潮あるじゃないですか(笑)

でも今思うと、東大だって首席で受かるくらいしっかり勉強すればよかったなと思います。

──受かってるのに「もっと勉強すれば良かった」って言ってる人初めて見ました。常にトップを目指す姿勢が素敵すぎる…

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ミスターコン出場にかける思い

──今はミスター東大コンテストに出場中ということですが。

はい、受験生をはじめ、頑張っている人たちを勇気づけられればと思って活動しています。

3年生までで単位を取りきれて、4年生は結構時間があったので、出るなら今かなと思って出場を決めました。

番組を通じて応援してくださってるような人たちとの距離が近くなって、イベントで実際に会ってお礼を伝えられるのがいいなと思っています。

──開成時代にもミスター開成コンテストでグランプリに輝いていましたね。

その時も、受験生の小学生が高校生クイズで知ってくれていて、声をかけてもらったのが嬉しかったです。

開成にしても東大にしても、同じ学校の後輩を目指して頑張っている人のことは特に応援したい気持ちがありますね。

おわりに

──幅広く活動されている後藤さんですが、将来はクイズやポーカーの道に進まれるんですか?

どちらも職業にするつもりはないのですが、生涯続けていきたいなとは思っています。

目下の目標はいろんなクイズの舞台で活躍することと、先ほども言いましたが、ポーカーの世界大会で優勝することですね。

その2つをいつまで続けるかはわかりませんが、何か夢中になれることをずっと続けていたいなと思っています。

──色々な活動に精力的に取り組んでいる姿、とても魅力的です!
ぜひ世界一になってください!後藤さんなら、すぐなってしまうような気がする……

──最後に、読者の方へのメッセージがあればお願いします!

そうですね、まず、ミスターコンに出場中なので、よろしければその応援をお願いします!

Twitter(X)とInstagramのフォローと、1日1回投票ができるのでそれもご協力いただけると嬉しいです。

受験生を含め、読者のみなさんの中で、何か目標に向かって頑張っている人はたくさんいらっしゃると思います。僕もこれからも目標に向かって努力を続けていこうと思うので、よかったら一緒に頑張っていきましょう!
努力する皆さんを少しでも勇気づけられたら嬉しいです

──ありがとうございました!

興味を持ったことには何でもチャレンジする後藤さんは、才能と着実な努力でどんな分野でも頂点に上り詰める、とってもストイックな方でした。

常に目標を持って努力を続ける姿に、筆者自身も勇気づけられました。

今後のご活躍にも期待しています!

後藤弘さんのSNSはこちら!

Twitter(X):@mrtodai3_2023

Instagram:@mrtodai3__2023

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女子校の申し子
2016-10-17
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