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東大生協書籍部で売上1位を取りたい!UmeeTが挑戦してみた

2023.09.01

皆さんは生協書籍部で本を買ったことはありますか?

日々入り浸っている方もいれば、教科書を買うときくらいしか使わない……という方もいるかと思いますが、実は生協組合員証を見せると10%引きで本(なんと漫画も!)が買えるという学生の味方、生協書籍部。

そして生協書籍部といえば、近所の書店でもたまに見かける、「東大生協で一番売れた!」と書かれた帯。

※画像はイメージです

これがあると「東大生が一番買ってるのか!」と、なんだか説得力が増す気がします。

ということで、

私たちも1位を取りたい!!!

申し遅れました。UmeeT編集部のわかなです。
このたび、UmeeTのエッセイ連載『宇宙を泳ぐひと』(著/久保勇貴)が、太田出版のウェブメディア・OHTABOOKSTANDでの連載と合わせて、本になりました!

https://www.ohtabooks.com/publish/2023/03/22162235.html
【エッセイ・宇宙を泳ぐひと】第1回 あの日、宇宙人になれなかった僕へ
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【エッセイ・宇宙を泳ぐひと】第1回 あの日、宇宙人になれなかった僕へ
久保勇貴
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2020-02-19

著者の久保さんには、素敵な連載を書いていただいていたほか、クリスマスに呼びつけてしょうもないネタ記事に参加していただいたり(東大博士の無駄遣い!)と、いつもお世話になっています。

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2022-12-26

ということで、そんな久保さんの素敵な本に、UmeeTの力で「東大生協で一番売れた!」の帯をつけてみたい!!我々は立ち上がりました。

そうと決まれば話は早い。来ちゃいました。東大生協本郷書籍部。

やたら奥まった立地の本郷書籍部

早速、ここ本郷書籍部のことを最もよく知っているであろう店長の竹原昌樹さんに突撃して、1位のコツを聞いていきます!

本郷書籍部・店長の竹原さんに、生協書籍部の実情について聞いてみた

UmeeT
UmeeT

こんにちは!

突然なんですが、我々、ここ本郷書籍部で売上1位を取りたいんです。実際どれくらい売れれば1位を取れるものなんでしょうか?

竹原さん
竹原さん

えっとですね…正直そんなに多くないですよ。


ランキングは月ごと・ジャンル別で出しています。冊数としては、月にもよりますけど、少ない時だと20冊ぐらいでも1位になったりします

UmeeT
UmeeT

20!?(思ったよりずっと少なかった…)

竹原さん
竹原さん

年間で見れば100冊以上とかになってきますけど、ひと月だとなかなかね…。

正直言うと、教科書でもなかなか100冊売れないくらいなんです。本郷キャンパスは上級生校舎なので、駒場のように全員が必修で買うものとかはなくて。法学部や法科大学院だと司法試験を目指されてる学生さんが多いから教科書の売上も高いですが、他の学部のものだと教科書でも100冊売れるものはほぼないですね

以外と楽に1位が取れるのかもしれない…!?

東大生協ならではの特殊なマーケット

UmeeT
UmeeT

意外と売れないものなんですね。

竹原さん
竹原さん

要因として、マーケットとして大きくないというのはありますね。

東大という土地柄、観光客とかも来ますが、観光で来て本を買って行かれる方は多くないですから、顧客は基本学生さんです。その時点で数が限られてますし、その中で読書する人、さらに興味を持ってそのジャンルの本を買う人、となってくるとそのくらいになってしまうというのが現実です。

もっと多く買ってくれたらこちらもありがたいんですがね(笑)

UmeeT
UmeeT

全ジャンルを合わせたら、月どれくらい売れるものなんですか?

竹原さん
竹原さん

教科書シーズンでなければ、額で言うと月1000万円を超えるかどうかくらいですね。他の書店に比べればより専門的な書籍が売れるので、単価は高い傾向にあって、1000〜2000円くらい。単価2000円として計算すると…月5000冊くらいですかね。

数が大きくてわかりにくいですが、これかなり売れてます。
UmeeT
UmeeT

全体としての売上は結構あるんですね。

竹原さん
竹原さん

本って、おにぎりみたいに数個だけの中から選ぶというようなものじゃなくて、このジャンルの本の中でもこの先生のこの本じゃないとダメ、というのが各自にあると思うんです。同じ民法の本でも、この先生の民法の本が良くて、他の先生のものがあっても買わない。

そうすると幅広くいろんなものが必要なので、一つ一つの売上冊数はどうしても少なくなってしまうんですよね。

UmeeT
UmeeT

なるほど。おにぎりだったら5種類もあれば十分ですもんね。

私はツナマヨ派ですよ
竹原さん
竹原さん

そういうわけで、売り上げが少ないジャンルかつ少ない時期だと、実は数冊で1位が取れるレベルということもあって…何冊で1位になれるんですかと聞かれると言いづらいんですよね。

UmeeT
UmeeT

めっちゃ赤裸々に教えてくださってますけどね(笑)

UmeeT
UmeeT

マーケットが特殊な分、よその本屋と比べると違うところに山があるんですかね?

竹原さん
竹原さん

そうですね。例えば紀伊國屋さんとか見ても、メインとなる位置にある本って文芸書じゃないですか。
うちの店を見てみると明らかに割合が違って、文芸書もありますが、それより教養系の新書がメインになってる。

顧客の中心は学生さんや先生方だし、外から来られる方も意外とうちの店にそういうものを期待して来てくれるんですよね。それで意識的に色を変えています。他の店に比べれば専門書の割合は相当大きいと思います。

生協で本を買うメリット

UmeeT
UmeeT

最近はネットで本を買う人が増えていますよね。

オンラインでおすすめされている本を買うときなんかは、リンクが貼ってあればそこから飛んでAmazonなどで買ってしまいがちです。

竹原さん
竹原さん

お金を気にしない人ならそうやってネットで買ってしまいますよね。うちは生協組合員であれば1割引になるので、そこを重視してうちに買いに来てくれる方もいると思います。

UmeeT
UmeeT

そうか、1割引になるんですね!専門書なんかは特に高いから、1割って大きいですよね。

竹原さん
竹原さん

そうですね、まあ200円くらいの差ではありますが。

ネットで在庫なんかも見られるので、そこから注文してもらえれば、大学に来る時に取りに来られますし。

UmeeT
UmeeT

授業のついでに受け取れるなら手間にもならないしいいですよね。東大生のみんな、生協で本を買おう!!

大学に行くモチベーションにもなるよ!!

お客さんはどうやって本を見つけてくるのか?

UmeeT
UmeeT

ネットで買う人も多い中で、「東大生協1位」のためにはここで買ってもらわないといけないわけですよね。ここで本を買う人の決め手って何なんでしょう。

竹原さん
竹原さん

何か目的があると言うより、来てうろうろした結果、興味があると思ったものを買うという人は一定数いると思いますね。それを楽しめる人が本屋さんに来るんだと思います。

竹原さん
竹原さん

一方で、本が何かで話題になってるんだろうなと思うことも多いです。

年配の方だとテレビとか新聞の書評を見て来られる方もいますし、若い方も若い方で、何かで情報を得てるんだろうなと思います。専門的な本でも、我々が気づかないような新刊に立て続けに注文が入って多めに発注する、ということがよくあって

授業で先生が紹介したのかと思いきや、授業がないような時期にまで…どこで情報得られてるんでしょうかね。

UmeeT
UmeeT

書籍部の方でも把握できていない動きがあるんですね。インフルエンサーとか…なんでしょうか。

竹原さん
竹原さん

わからないですね…

謎のインフルエンサーX
竹原さん
竹原さん

今はコスパの時代なので、「外したくない」という思いが強くなっているのかもしれません。買ったはいいけどハズレだったらどうしよう、という不安があるので、誰かがおすすめしてくれないと買う勇気が出ないとか。

昔は店頭に大量に積んでおくとよく売れるというようなこともあったんですが、今はそれよりも信頼のおける何かで発信されたものが届くと買うんだろうなと思います。みんなが何を信頼しているのか、我々もなかなかわからないんですが…

UmeeT
UmeeT

本屋さんが流れをつくる時代じゃなくなってきてる、ということですかね。

竹原さん
竹原さん

なのかなと思います。

何かこちらで策を講じたからパッと確実に売れる、ということはなかなかないですね。
まあでも、順位とかには意外と反応して買ってくれることもありますし、こちらもなるべく色々やってみるようにはしています。

竹原さん
竹原さん

「東大1位」の帯をつけさせてくれって依頼はやっぱり多いですよ。事実1位だったらOKを出しています。それをつけることで内輪でも売れることは意外と多いですし、外向きにも、東大生協で売れた=東大生が買ってる、となって興味を引くのを狙っているんだと思います。

ただ、そういう帯も何にでもはつけないようにしています。「この本が本当に1位なの?」みたいなものが増えると、ランキング自体の信用がどんどんなくなってしまうので。(作為的に)まとめて買ってるなあ、というのはこちらでもわかりますし。

UmeeT
UmeeT

そうですよね。帯、ほしいです。なんとかたくさん売りさばく方法はないだろうか…

生協書籍部はイベントを開催したいと思っているらしい

竹原さん
竹原さん

販促のために、一般の本屋さんではよく店を使って誰かゲストを呼んできてトークイベントをしたりしていますが、実はそういう企画をうちでもできたらいいなと思っているんです。
東大にはいろんな知識を持った人やいろんなことをしている人がいますし、そういう情報を店からも発信できたらいいなと。

うちはよその本屋さんのように、イベントに参加するには本を買ってください、というようなことはしていないんですが、無料参加にしておいてイベント当日に買ってくれた人にはサインするとか、色々やり方はあると思います。

UmeeT
UmeeT

よく本屋さんでやってるトークイベント!書籍部さんの方も意欲ありということなら、win-winでイベントを開催できそうな気がしてきました。勝ち筋が見えてきたぞ…?

竹原さん
竹原さん

こちらも著者さんなどと関係を作っていきたいと思ってはいるんですが、人数が少ないものでなかなか忙しくて。

自分たち発信ではあまりできていませんが、場所貸しという形でならぜひ使ってほしいです。東大に関係がある方であればどなたでも!東大の本屋さんの中でイベントができるって、なかなかないと思うので。

UmeeT
UmeeT

めちゃくちゃいいじゃないですか!東大生も来やすいですしね。トークイベント、アリだな……

東大生協で本の売り上げを伸ばしたい東大関係者の方々、朗報ですよ!書籍部さん全面協力のもと、店内でイベントができます!

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ということで、イベントやっちゃいました

5月24日、東大生協本郷書籍部にて、

ほんとにイベントやっちゃいました!!

今回の書籍の著者・久保さんに加え、航空宇宙工学専攻の中須賀真一先生をお呼びして、店内のスペースでトークショーを行いました。

中須賀先生は、超小型衛星をはじめとする宇宙システムの研究を専門とする宇宙工学の権威です。過去にUmeeTでも取材させていただいています!

超小型衛星が世界を変える!東大航空宇宙学科・中須賀先生に直撃
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むっさん
2020-02-10

イベント開催に当たっては、竹原さんをはじめとする生協書籍部の皆さんに多大なるご協力をいただきました。

会場は小さなスペースでしたが、それだけにお客さんとの距離が近く、登壇者のお二人の魅力がとてもよく伝わる素敵な会になりました!

司会はUmeeT初代編集長・杉山大樹が務めました

生協1位を狙ってる方、そうでない方も、生協書籍部でのイベント、おすすめです!

トークイベントの様子は以下の動画でご覧になれます!

中須賀先生のお話が文系の筆者にも大変わかりやすく、エッセイ中の描写や表現を引き立てていました。イベントにお越しになれなかった方はぜひご覧ください。

そして、運命の結果は

「東大生協で1位を取りたい!」と勢いで書籍部に突撃してからトントン拍子に素敵なトークイベントを開くことができ、多くの方にご参加いただきました。

この月に狙いを定め、5月の1ヶ月間、UmeeT一同は全力で告知を行いました。

さて、文芸書ジャンルの5月ランキング、『ワンルームから宇宙をのぞく』は見事1位を取ることができたのか…?

運命の結果は……

ドキドキ……

_人人人人人人人人人_
> 1位  村上春樹 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

結果:学生メディアがどんなに頑張っても、村上春樹様には勝てない。

ちょっと…タイミングが悪かったようです。いや、あまりにも悪かったようです。村上春樹が新刊を出してしまいました。流石に春樹様は超えられないって…

でも村上春樹と本屋大賞に肩を並べての2位、凄くないですかね?太田出版の担当編集の方曰く、「ハルキに次いで2位は事実上1位」。ね、そうですよね!?!?

『街とその不確かな壁』(村上春樹)は、全国で2023年上半期のベストセラー1位(日販調べ)だそうです。よりにもよって……

1位を取ることは叶いませんでしたが、素敵なエッセイを本当に多くの方に読んでいただけて嬉しいです。

ご購入くださった方、イベントにご参加くださった方、ありがとうございました!!

…と、終わると思いましたか?

甘い!我々の挑戦はまだ終わっていません!

9月、今度こそ本郷生協書籍部1位を目指します!!!

書籍部さんにご協力いただき(ありがとうございます!)、9月もレジ横にて展開していただくことになりました。

さらに!9月に本郷生協書籍部にて『ワンルームから宇宙をのぞく』をご購入いただいた方には、著者・久保勇貴さん書き下ろしのおまけエッセイをプレゼントいたします!!(※駒場書籍部では行っていませんのでご注意ください)

こちらのおまけエッセイが手に入るのは全国でここだけ、そして2023年9月の今だけです!!

これが最後の悪あがきです。どうかこの本に1位の称号をください!

https://www.ohtabooks.com/publish/2023/03/22162235.html

こちらのリンクからご予約いただき、店頭に取り置きすることも可能です。

宣伝が長くなってしまいましたが、この本をぜひ多くの方に読んでもらいたいという気持ちゆえのことです。(UmeeTにお金は入らないのにこれだけおすすめしているんですから、わかってもらえますよね?)

ワンルームから壮大な宇宙を覗き見ながら、広大な世界の中のちっぽけな自分に目を向け、人生について、この世界について、考えさせられるような、そんな素敵なエッセイです。

UmeeTでも一部を試し読み可能です。ポチッと読んでみて、久保さんのやさしい言葉で紡ぎ出す世界を気に入った方は、ぜひこの機会にご購入を!

【エッセイ・宇宙を泳ぐひと】第1回 あの日、宇宙人になれなかった僕へ
学問・研究
【エッセイ・宇宙を泳ぐひと】第1回 あの日、宇宙人になれなかった僕へ
久保勇貴
久保勇貴
2020-02-19
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わかな
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