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とある多浪(二浪)系女子の独白「我が二浪」

2022.10.25

はじめまして、UmeeT新人記者兼東大多浪交流会会員の多浪系(二浪)女子ふな子です。この記事を読もうとしている奇特な皆さんは、きっと「ふな子って誰?」と思っていらっしゃるはずです。(思っていなくても、無理にでもそう思ってください。)そこで、まず私ふな子について簡単に説明させて頂こうと思います。

2001年にこの世に生を受け、なんやかんやあって特色・前期・後期合わせて4回京都大学を受け、見事に全落ちした挙句逆ギレして東京大学を受け、2022年4月に東京大学文科三類に見事入学を果たした底辺中の底辺東大生、それが私です。

高校時代のふな子(制服がブレザーだったため、ずっとセーラー服に憧れていました。)

ところで皆さん、いきなりではありますが、東大全体における多浪生の割合はどれくらいだと思いますか?答えは3.9%(2020年、東大研究室)だそうです。これだけを聞いても、多浪生は東大の中でもかなりのレアキャラであることが分かります。

では、「多浪女子」の割合は?詳しい数値は分かりませんが、東大全体で女子の割合が2割であるということを考慮すれば、3.9%よりもかなり低いということは間違いありません。つまり、多浪女子はレアキャラ中のレアキャラ、超希少種なのです。

そこで、僭越ながら私ふな子が「多浪女子」に親しみを持っていただくべく、盛大な自分語りをかましていこうと思います。

大学入学後のふな子(未だにセーラー服への憧れあり)

ここまで読んで、「何こいつ、おもんね」と思った方、安心してください。あなたの感性は至極真っ当なものですから、そっとこのページを閉じてすぐに記憶から消してください。ただ、もし「この記事を読んでやるよ」などと思ってくださる優しい方がいらっしゃいましたら、最後までお付き合い頂けると非常に嬉しいです。

と言いつつ、正直、「今日の晩御飯何にしよっかなー」的などうでもいい思考によって頭の9割方が占められている私では、ネタがまったく思いつかなかったため、サークルの先輩・同期・多浪仲間にネタの創出を丸投げした結果(御迷惑をお掛けしてしまい、本当に申し訳ございませんでした。)

1.(女子なのに)二浪してまで東大に入った理由

2.二浪時代の心境や環境

3.多浪女子に対する偏見はあるのか

の三本立てで記事を書くこととなりました。(おまけに多浪サッカーレポもあるよ!)

1.(女子なのに)二浪してまで東大に入った理由

二浪してまで東大に入った理由は、多浪交流会代表多一浪さんの記事から引用させていただくとすれば、「なんとなく」です。

4浪東大生が語る長い言い訳「なぜ、人は浪人するのか?」
ネタ
4浪東大生が語る長い言い訳「なぜ、人は浪人するのか?」
多一浪
多一浪
2021-10-28

第一志望にこだわってるけど、その理由は大学の特定の「物」に惹かれたからではない

具体的に物として提示できるものでない、付加価値・情報的な「虚の部分」に惹かれてしまった可哀想な人たちです。

まさにこの通りです。「東大に入ればきっと人生が好転するはず」そんな思いが、この大学に入学した理由です。ただ、これだけではざっくりしすぎているため、もう少し深堀りしてみましょう。

そこで重要となっているのが、私の最初の第一志望校・京都大学に対する志望動機です。五月祭の東大多浪交流会ブースで販売していた冊子「東大多浪」では、「高校一年生当時傾倒していた作家さんが、京大出身で、その作家さんと同じサークルに所属したいと思ったから」などという可愛らしい理由を書いていました。

五月祭や駒場祭で発売している「東大多浪」

もちろん、これも理由の一つではあるのですが、本当はもっと根深い理由がありました。それは「他者から認められたい、必要とされたい」というものです。

まだまだ大人しかった中学時代、コミュ障を拗らせていた私はクラスメイトとの対話を放棄した挙句、修学旅行先で一緒にホームステイする子を決める際に、「ふな子ちゃんとは何を話していいか全く分からないから、一緒にいても楽しくないし、一緒に居たくない。」という理由でクラスの女子全員から一緒にホームステイすることを拒否されました。このような事態になるなんて、当時の私はよっぽど酷い人間性をしていたのでしょう。

ただ、この経験をきっかけとして私の中で「誰かと一緒にいてもいい権利が欲しい、誰かに必要とされたい」という欲求が芽生え始めました。

修学旅行先イギリスの街並み(記憶には一切残っていません)

そんな中、「高等部の先輩が京大に合格した」というニュースが学校を駆け巡りました。私の在籍していた学校は中高一貫制の非進学校で、数年に一人京大合格者が出るかどうかというレベルでした。ですから、京大に合格した生徒は学校内では御神体扱い、在校生に向けた講演会へ引っ張りだこでした。

そして、高校一年生当時、京大に合格した先輩を実際に目にした際に、私の中で「あの先輩は先生方に必要とされているんだ、いいな羨ましい、私もそうなりたい」という感情が生まれました。

そこからは、先生方に必要とされることを夢見て(好きな作家さんへの憧れもスパイス程度にちょびっとだけ)ひたすら京大に執着し続け、冒頭にもお話した通り合計4回京大を受験した結果全落ちしました。

当時好きだった作家さんの本(物騒なタイトルばっかりだな…)

そこで諦めればよかったものの、今度は京大コンプを発症し(ここら辺については「東大多浪④」に詳しく書いてあります)、京大を見返したいという思いを胸に、「(現役京大の先輩方は既に数人おられたので)二浪京大は先生方に必要とされなくても、二浪東大なら先生方に必要としてもらえるに違いない」という思いを持ち、東大を志望するに至りました。

あとはほら、東大に志望を変更する旨を高校の先生方に伝えに行った際に、「東大に合格したらちょっといいとこの焼肉屋さんに連れていってあげる」って先生方が約束してくれたから…ね。

京都大学の校舎(2022年夏、撮影者ふな子)

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2.二浪時代の心境や周囲の反応

二浪時代の主な心境は「絶望」「あきらめ」「不安」の三つでした。前の二つについて詳しく述べすぎると、この記事を読んでくださっている優秀な東大生たる皆さんが、心に闇を抱えてしまい、私が各方面から訴えられるなんて事態になりかねないので、ここではスルーしておいて、今回は三つ目の「不安」について述べたいと思います。

浪人時代に書いたふなっしーとエジプト神メジェド(友達に見せたらヤク中ふなっしーと言われました。)

この「不安」、それこそ「実際に東大に合格できるかなんてわかんなーい!キャピ」的なものもありましたが、やはり「もし東大に合格できたとして、二浪している私を周囲の人達が受け入れてくれるのか」というものが一番大きかったです。

もし仲の良い人ができたとしても、自分が二浪していることを伝えたら相手はそのことを否定するのでは?ドン引きするのでは?そんなことを考えてはずっと悶々としていました。

しかし、一浪を終えてちょっと賢くなった私は解決策を編み出しました。それは、多浪を否定するネット記事を読むことです。もちろん、そういったネット記事に書いてあることは至って正論ですから、最初は落ち込んだりもしましたが、次第に、ネット上で正体の分からない人に正論でもって自分の存在を否定されているという事実に快感を覚えるようになり、

「そうか、もう既に堕ちる所まで堕ちているのだから、相手に二浪を受け入れてもらおうなんて烏滸がましいことを考えるのではなく、ただの底辺人間としてへらへら生きていこう」

と思えるような強靭なメンタルを獲得しました。

強靭なメンタルを手にしたふな子(イメージ図)

ただ、いざ東大に合格してみると、再びこの「不安」が出てきて、同じクラスの人達に二浪を打ち明ける時期を見誤った結果、9月に入った現在でもクラスの大半が私が二浪していることを知らないという事態に陥りました。そうして、かつて手にした強靭なメンタルはいとも容易く崩れ去り、二浪バレを恐れてクラス会に一切参加しないというなんとも言えない状態になってしまいました。あれ、なんだか中高時代を思い出すな…おかしいぞ。

さて、ここまで二浪時代の心境についてダラダラと述べてきましたが、ちょっと次の話題に移ろうと思います。「二浪時代の周囲の反応」についてですね。

まず、私の両親と高校の先生方は「二浪すること自体には賛成だが、志望校を変えることについては無謀であるため賛成しない」というスタンスでした。また、私の叔母は「二浪することには反対はしないが、京大に入学したいという信念を曲げることについては反対」。私の祖父母は父方母方共に既に他界しているため、今度イタコさんにでも聞いてみようと思います。

こうしてみると、二浪すること自体を否定する人は私の周りにはいなかったため、私はかなり恵まれた環境にいたと言えるのではないでしょうか。ただ、やっぱり女子の多浪が難しいことは事実だと思います。

京大入試恒例の折田先生像(2021年、撮影者ふな子)

3.多浪女子に対する偏見はあるのか

私一個人の経験のみとなってしまいますが、この偏見については、今のところ感じたことはありません。東大に入学してから今に至るまで、二浪していることを面と向かって否定されたことはありませんし、むしろ「浪人なんてしんどい経験を2年もして、大変だったでしょう」と労ってくださる方すらいて、なんかもう本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。皆さん本当に優しい方ばっかりで、ふな子涙が出そう。

最後に少しだけ、「多浪」と言うよりかは「二浪」に対する私の思いを述べさせてください。「二浪したことを後悔しているか」たまにこのような自問をすることがありますが、正直、後悔していないと言ったら嘘になります。10代の2年間を無駄に費やしたし、成人式にも出られなかったため振袖も未だに着ていない。高校の同期には置いていかれる。また、就職や結婚において二浪がハンデになることもあるのではと思う時もあります。

それでも、2021年の3月10日、二浪をさせてくれと親に頼み込み、この「二浪」という道を選んだのは紛れもない私自身です。それに、二浪をしたことで、今まで無個性だった私に「二浪」という個性がついた。この「二浪」という個性が人との会話の種となった。「二浪」を通じて知り合った人も沢山いる。この事は変えようのない事実です。

時には苦しみをもたらす「二浪」が私にとってはやっぱり愛おしい。これだから「二浪」は嫌いになれません。

入学式の時のふな子

これで、私の記事を終わりにしたいと思います。最後まで付き合ってくださった皆さん、本当にありがとうございました。

もし、私の記事を読んで多浪について興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、是非、東大多浪交流会のTwitter(https://twitter.com/ut_aro)を覗いて見てください。さらなる深淵があなたを待っていますよ…

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多浪サッカーレポ

先日(9月14日)、駒場キャンパス内で数年ぶりに多浪サッカーが開催されたため、多浪サッカーレポを書くという名目のもと、参加してきました。50m10秒代後半という素晴らしい俊足の持ち主である私ふな子は、もちろん得点係としての参加です。

多浪サッカーについて詳しく知りたいという方は、是非こちらの記事をお読みください!

【2浪は現役】「なんで多浪したの?」東大多浪交流会の人たちに話を聞いてみた
ネタ
【2浪は現役】「なんで多浪したの?」東大多浪交流会の人たちに話を聞いてみた
りほ
りほ
2017-07-25
(前列左から二浪、四浪、二浪。後列左から二浪、三浪、二浪、二浪。ピースが浪数となっています。後でもう1人二浪の方がいらっしゃいました。撮影者:ふな子)(私以外にも二浪女子がいて嬉しい…)

この多浪サッカーでは、浪数に応じて点数が入る仕組みとなっており(二浪なら2点、三浪なら3点…)、ゴールの数だけで勝負が決まる訳では無いというのが特徴です。

ちなみにチーム分けは、

Aチーム

前列右端四浪、他二浪

Bチーム

左端三浪、他二浪

いざ試合が始まると、両チーム共に四浪三浪にパスが集中し、白熱した展開となりました。両チーム共にゴール数ではあまり差がないものの、やはり四浪のいるAチームがリード。そのような状態で迎えた休憩時間中には、「多一浪(四浪)にぶつけてオウンゴールさせれば…」「自分も四浪すればなぁ」などの言葉が飛び交っていました。やはり、浪人するなら四浪以上を目指しましょう!

そして気になる結果はAチーム18点(4点×4、2点×1)、Bチーム12点(3点×2、2点×3)でAチームの勝利となりました。決めたゴール数は一緒なのに、6点もの差がつく。これが多浪サッカーです。現役生や一浪の皆さんも是非多浪サッカーをしてみてください!新たなサッカーがあなた方を待っていることでしょう…

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ふな子
よろしくお願い致します。
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