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「家具市場を塗り替えたい」ダンボールでおしゃれ家具をつくる東大生に語ってもらった。

2022.02.07

4月。新生活への期待に胸を躍らせ、勉強にもサークルにも意欲を持って、東大に入学したばかりの頃……。

上クラ「ダンボールで家具を製作する学生の団体に入ってます!」

私(????)

なんじゃそりゃって思って見てみたら……おしゃれ!

ダンボール製とは思えない。

ということで、ダンボール家具メーカー「カミカグ」を起業した東大生に突撃してみました。

学生証
  1. お名前:和田亮佑
  2. 職業:ダンボール家具メーカー「カミカグ」代表
  3. 経歴:文科三類→工学部建築学科→休学→東大大学院工学科建築学専攻→カミカグ創業

カミカグとは何ぞや?

筆者
筆者

さっそくですが、どんな活動をされているのでしょうか?

和田さん
和田さん

活動は大きく2つですね。カミカグが1つ。

筆者
筆者

(あれ、カミカグだけじゃないの…?)

和田さん
和田さん

カミカグでは、ダンボールで家具、特にスツールをつくって販売してます。

注:スツール…背もたれや肘掛けがない椅子のこと

これがスツール。
筆者
筆者

なぜダンボールで……と聞きたいのですが、長くなりそうな予感がするので後で聞かせていただきますね(笑)

スツール以外につくったりはしていないんですか?

和田さん
和田さん

そうですね、実際のところ、ハンガー掛けとかいろんなものをつくったりはしてるんですけど。

こういうのあったらいいよねっていう単純に楽しい気持ちで、みんなで考えたりする感じです。

カミカグの公式インスタグラムより。
和田さん
和田さん

ただ、商品ラインナップをめちゃめちゃ増やしてく方針かっていうと現状そうでもなくて。

今はわりとスツールメインで考えてます。

それが一番コンセプトとしてわかりやすいので。こういうあんまりない形のもので、ダンボールだけどオシャレじゃないですかっていう。

筆者
筆者

なるほど。もう1つの活動についてもお聞きしたいです。

和田さん
和田さん

エシカル商品を扱った、インスタグラムのアカウントやウェブサイトをつくってます。

ただ、最近カミカグから切り離して、学生団体として活動するようになったので、最近は僕もあまり関わっていないのですが。

注:エシカル…環境や社会に配慮した商品のことを、エシカル商品と呼ぶことがある。

筆者
筆者

具体的には、どんなことをアカウントで発信されているのですか?

和田さん
和田さん

環境にやさしい商品をつくってる企業さんにインタビューして、それを記事にしてます。

エシカルの商品ってけっこう高くなっちゃうから手を出しづらい。だから、まずプレゼントから始めてみましょうかって企画もあります。

活動その2。
和田さん
和田さん

グループの軸として「エシカルのものを広める」っていうところがあって、それは他社さんの製品を紹介することも、カミカグみたいなプロダクトを僕たちが作るということも含んでます。

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ダンボール家具をつくり始めたのは東大の授業から

筆者
筆者

ところで、なぜダンボール家具をつくり始めたのでしょうか?

なかなか無い発想だと思うのですが…。

和田さん
和田さん

えっと、詳しく話すと、アントレプレナー道場 っていう、起業に興味ある人が集まる授業があって、僕は大学2~3年生の時に1回とったんですよね。

全学年履修できるそうです!知らなかった。
筆者
筆者

その時から、カミカグを考えていたんですね!?

和田さん
和田さん

違う違う(笑)

筆者
筆者

あら?

和田さん
和田さん

アントレ道場って、第1弾・第2弾に分かれてて各1単位ずつって形になってるんだけど、僕は2~3年生の時、第1弾だけとってたんですね。

で、僕は院試終わってから1年半休学してたんですけど、大学院戻ってきた時に、単位なんかないかなって探して、「あ、これ残ってるな」ってなって。しかも僕、休学中に起業していたんですよ。

「起業してたし、たぶん成績とれるだろうな」っていう考えで受講したのが最初でしたね。

筆者
筆者

ええっ……カミカグの原点は点数狙いの履修だったんですか(笑)

和田さん
和田さん

第2弾の内容としては、4人くらいのチームで事業案をつくりましょうっていうのがあって。

その時に与えられたテーマが、学生の課題を解決するサービスみたいなのをつくることでした。

筆者
筆者

なるほど。学生の課題からダンボールにつながっていくんですね。

和田さん
和田さん

僕らのチームでは、来週までに一人ずつ案を持ってきましょうってことになって。

僕はまあ、家の中でふと2日前くらいに考えてて。

筆者
筆者

2日前くらいに。まあ私も大学の課題なんてそんなもんですけど。

和田さん
和田さん

たぶんみんな、例えば大学生のマッチングアプリとかバイトが見つかるサービスとかそういうやつをやってくるんだろうなって思ったんで、全く別のことやりたいなって思って。

僕建築学科だし、「物」だなと思って。身の周りの物で作れて、かつ学生の課題に直結するような物はないかなって考えました。

筆者
筆者

自分の専攻から攻めていったんですね。

2日間でやりたい事業を組み立てていった。
和田さん
和田さん

それで、僕当時一人暮らししていたんだけど、洗い物を入れる籠みたいな物を、引っ越しの時使ったダンボール箱の上に置いて使ってたんですね。ちょっとしたスペースがあったので、そこに。

それって見た目良くないし、なんか嫌だ。でもサイズがぴったり合ってたんで使ってたんです。家具ほしくて探してたけどサイズや好みに合うものがなかなか見つからないし。

筆者
筆者

家具が見つからなくてダサいダンボールをそのまま使っていたと(笑)

和田さん
和田さん

じゃあ安くてめちゃめちゃデザイン性のよいものを、サイズとかをほとんどオーダーメイドできる状態でつくれたらいいなっていうのをそのときぼんやり思ってて。

それで「安いっていったらダンボールじゃね?」ってなって。

筆者
筆者

な、なるほど…?

和田さん
和田さん

それで、ダンボールをレーザー加工機で切り取って積み重ねていけば、たぶんすごい気持ち悪い曲線もつくれるし、こだわったものもつくれんじゃないかなって思って。

筆者
筆者

気持ち悪い曲線(笑)

和田さん
和田さん

そういう考えで、ダンボール家具って案を授業に持って行ったのが最初ですね。

たまたまその4人チームの中で案を出した時に、「いいね」って言ってくれる人がたまたま3人いて(笑)

だからチームとしてダンボール家具を扱おうってなったのがその時なんですね。

筆者
筆者

なるほど。カミカグはそうやって始まったんですね。

和田さん
和田さん

その授業は、事業を考えて、投資家の人たちの前でプレゼンするっていうのが最終目標なんですけど、面白いねとは言ってもらえたけど結果は来ませんでした。

ただ、終わった後に「つくりたいね」って声はありました。僕も思ってたし、チームの子も言ってくれてました。

和田さん
和田さん

それで、ダンボール板をネットで200枚注文して。

筆者
筆者

ええっ?すごい急展開!行動はや!

和田さん
和田さん

来たダンボールを100枚くらいひもで縛って、渋谷のレーザー加工機を貸してくれるところを予約して、そこで8000円くらいかけて1個目を作ったのが最初です。

ダンボールを衝動買い(?)する人って、世界にどのくらいいるんだろう……。
筆者
筆者

私だったら、「おもしろそうだな」「つくってみたいな」で終わってしまいそうです。

わざわざ自費でダンボールを買ってまで、つくってみようとしたのはなぜでしょうか?

和田さん
和田さん

それはいい質問だね(笑)

和田さん
和田さん

今まで大学生生活やってく中で、最初につくらないとダメだなって僕思ってて。

みんなたぶんアイデアはあるんだけど、アイデア段階までならみんなやると思うんです。

中には実際につくる人も半分くらいいるかもしれないけど、たぶん結果が良くなくてとか周りのリアクションが良くなくて止めちゃう人がほとんどじゃないすか。

その一歩先まで行ってみないとたぶん進む動力にならないと思ってて、それが一番デカいかな。

まずはつくらないとダメ。
和田さん
和田さん

たぶんここがきっかけなんじゃないかなってことをちょっと話しますね。

大学3年の時に起業に興味あった関係で、1回ビジネスプランコンテストみたいなのに出たことがあって。

筆者
筆者

おおっ。アントレ道場といい、やっぱりこの時からビジネス関係にけっこう首つっこんでるんですね(笑)

和田さん
和田さん

KINGっていうサークルが主催の、いろんな大学の人が100人くらい集まってやるビジコンなんだけど、チーム戦だったんですよ。

その時も僕の考え方は基本的に、「つくっちゃえば勝ちだろう」ってところがあって。

筆者
筆者

えっ、ビジコンで発表する製品を自分でつくったんですか?

和田さん
和田さん

そう、企業さんのところに行って、こういうのつくらせてくださいってことを伝えました。

コンテストではオリンピックセンターに閉じ込められて合宿するんですけど、俺たちのチームだけ勝手に1回飛び出して(笑)

筆者
筆者

そんなことできるんですか。

主催者もびっくり?
和田さん
和田さん

これは100%優勝でしょって思って自信満々でプレゼン行ったら予選落ちして(笑)

筆者
筆者

あらら…。

和田さん
和田さん

ただ、その時に俺ワクワクしてて、「すごいものできそう」「今までにないやつだから特許とか取れそうだよね」って話をよくしてたんですよ。

そしたら同じチームの他大の人が「東大の人はさすがでっかいこと言いますね~」みたいなことを言ってきて。

筆者
筆者

なんか煽ってくる人が来た!!

和田さん
和田さん

こいつまじでなんなのって思いましたね。

筆者
筆者

ですよね。

和田さん
和田さん

俺は東大とか関係なく、特許取れそうだとか、つくったらめっちゃ面白いとか思ってました。

でもその人は頭の中で、たぶん特許は取れないって思ってたんですよね。

だから、超悔しいから絶対つくってやろうって思って。

筆者
筆者

なるほど。見返してやろうと?

和田さん
和田さん

で、俺コンテスト終わった後もその商品の開発チームに混ぜてもらって、2年半一緒にプロセスを見させてもらって。

和田さん
和田さん

実際今特許取得済み。

筆者
筆者

行動が早い!?

件の商品。比較的暗い空間でもメイクができる、自然光のスペクトルが出るライトだとか。
和田さん
和田さん

俺は特許取ってないんだけど、その会社さんが取って、市場に出回ってます。

だから、実装まで行けば絶対誰でも認めてくれるし、そこまでは絶対できるって思ってます。

脇で見てて批評することって誰でもできるんだけど、形にするところまでやんないのめっちゃダサいなって思ってるから、まわりがやらない中でも俺は絶対そこまでつくるっていうのはすごい強く意識してます。

筆者
筆者

 かっこいい…!

和田さん
和田さん

つくることで莫大に儲けたいというよりも、僕はアイデア段階を形にすることがすごく好きなんです。

ダンボールの有利な属性・不利な属性

筆者
筆者

ところで、ダンボールに耐久性があって家具に向くだろうっていうのは、もともとご存じだったんですか?

和田さん
和田さん

そうっすね、めちゃめちゃ知識があったというわけじゃないんだけど、いわゆる断面方向というか波がある方向に乗っけたら、100キロ200キロくらいなら持つんだろうなっていう直感はありました。

丈夫そうな予感。
筆者
筆者

強度実験をしていたりはするんですか?

和田さん
和田さん

しました!

普通のスツールだったら1.2トンまで行きました。

筆者
筆者

1.2トン!!??

ゾウ乗りますよね??

ゾウがスツールに乗ってる図
筆者
筆者

スツールとしての強度は十分すぎるほどですよね(笑)

和田さん
和田さん

ただまあ改善点はいろいろあるんだけど。安定性とかね。重さ自体でいうとそのくらいはいける、ってことですね。

筆者
筆者

ダンボール恐るべし…。

耐久性以外にも、ダンボールがスツールに向いている点ってありますか?

和田さん
和田さん

そうだね。基本的には、有利な特性としては3つあると思ってて。

1つ目は、家具として見た時の耐久性が十分な材料である。

あとは、軽い。単純に軽い。どっしりしてるわりに軽い。

もう1つは、資源ごみに捨てられるから、捨てやすいってことが大きいかな。

筆者
筆者

いろいろありますね。実はけっこう向いてるんですね。

SDGsとの繋がりも意識しているそう。
和田さん
和田さん

まあ一方で、弱点もあると思ってて。

まず水に弱い。強いやつもあるっちゃあるんだけど、基本は弱い。

筆者
筆者

ダンボールって紙ですもんね。

和田さん
和田さん

あとは、衝撃とかに弱い。落とすとへこんだりする。

それはね、現状だとたまにあります。

せっかくつくって「納品しよう」ってなった時に、運んでる人が落として、めっちゃへこんで、だめやんってなって作り直したり(笑)

筆者
筆者

わりと致命的な弱点じゃないですか、それ。長所短所が極端な気が……。

和田さん
和田さん

だから、そこは改善の余地がまだまだ必要かなあって思ってるところではあります。

耐水性がある素材で覆うなのか、外側に出てる部分に木とかを貼るなのか、そういうのはいろいろ選択肢があるっちゃあるんですけど。

筆者
筆者

なるほど。短所を抑えつつ、せっかくの長所を生かして製作していきたいですよね。

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住まいづくりから始める休学期間

筆者
筆者

ところで、大学院入ってから1年半休学されていたと。

休学中は何をされていたんですか?

和田さん
和田さん

休学の理由としては、修士で院試受かってというところまではストレートにいっていたので、なんかちょっと別のことしたいなっていうのがあって。それで休学届を出したのが最初なんですけど。

和田さん
和田さん

やっていたこととしては、最初の半年は、小屋をつくってそこで生活していたとか。

筆者
筆者

はい????

和田さん
和田さん

専攻が建築なんで。

筆者
筆者

え、いやそれにしても、小屋つくって住む…!?

当時の写真。鉄腕DASHかよ。
和田さん
和田さん

小屋をつくったのも、もともとつくろうと思っていたわけじゃなくて。

筆者
筆者

そうなんですか?

和田さん
和田さん

僕奨学金もらってたんですけど、休学すると支給が止まるんですよ。

 それで、「やべえバイトしないといけないし、今いる家は家賃高いから住めねえな」ってなって、解約しちゃって家がなくなったんですよ。

筆者
筆者

え、次の家見つけてから解約しましょうよ。

和田さん
和田さん

それで、「住む家ないんだよね」みたいな話を周りにしてたら、会社経営してる知り合いのおじさんが「ここに会社のスペースちょっと余ってるから、そこに小屋でもつくって住んだら」って言ってくれて。

筆者
筆者

まさかの助言。

和田さん
和田さん

「じゃあ住みます。金だけ出してください」って返答して、小屋をつくりました(笑)

筆者
筆者

まさかの実行。

和田さん
和田さん

建築専攻でも、実際には建築つくらないから、小屋とかつくることもあんま無くて。

同期でおもしろそうだねって人が12~13人集まって、みんなでわちゃわちゃつくってました。

楽しかったですねえ。

筆者
筆者

たしかにそれは楽しそうですね。同期で一緒に小屋をつくるとかやってみたい。そういう機会たぶんないけど(笑)

和田さん
和田さん

あとは、小屋の上にソーラーパネルつけて、発電して、水耕栽培みたいに発電した電気をつないで、野菜を育てて、みたいな実験をしたりはしましたね。

夢がある生活
和田さん
和田さん

ちゃんとはやってなかったんですけど(笑)

そっからとれた野菜でバーベキューとかいうところまで考えてたんだけど、そこまでいかず(笑)

夢がある生活.2
和田さん
和田さん

そんなことやって、インターンもちょっとやって、それからいわゆる起業みたいなことして、半年やって、また大学院に戻ってきたっていう。

筆者
筆者

起業は、カミカグとは別のものですか?

和田さん
和田さん

別のことですね。僕はもともと建築やってたんで、建築のCGに関する事業でした。

たまに絵とかで見ません?建物の完成予想図とか。

 ああいうのをCGで作ってあげて、つくりたい店舗のイメージとすり合わせるっていうのをやってて。

筆者
筆者

いろいろなことをしていたんですね。

和田さん
和田さん

休学中にやることとしては、留学とかが普通だと思うんだけど、僕はわりととっ散らかってます(笑)

UmeeTの好物・変な人

進振りはわりとランダムに

筆者
筆者

学部生の時は、文三から建築学科に行ったんですよね。そのあたりの経緯もお聞きしたいです。

注:進振り…進学選択(旧・進学振り分け)のこと。東大では後期課程に進学する際に、2年夏までの成績を用いて志望学科を選択する。

和田さん
和田さん

休学の時もそうなんですけど、わりと僕の意思決定って適当なところがあって(笑)

筆者
筆者

(まさか進振りも適当…?)

和田さん
和田さん

ただ、進振りの時はめちゃくちゃ僕なりに人生悩んだ時期で。

東大入ったのも周りが入るからみたいな動機で。それで文三でけっこう楽しく大学生活送ってたけど、進路のことなんも考えてなかったなって思って。

筆者
筆者

進振りまで進路に悩む人、それなりにいますよね。私もその一人なんですけどね。

和田さん
和田さん

もともと歴史学者になりたかったんだけど、学者っていっても何すればいいかわかんないし、自分がずっと歴史の研究をやり続ける姿も全く想像できなくて。

どうしようかなって考えた時に、僕はたぶん今後の人生も悩むだろうって思って、そうしたら意思決定の段階ではわりとランダムに思った方向に進むのがいいんじゃないかなって。

筆者
筆者

なるほど……その発想は無かったです(笑)

和田さん
和田さん

その時に興味あったことを理系文系問わずワッと並べてみた時に、1つの選択肢としてあったのが建築。

めちゃくちゃ建築に興味あったとかじゃなくて、テレビでビフォーアフターとか見て、それで面白そうだなって思うくらいの感覚に等しいんですけど。

注:ビフォーアフター…朝日放送テレビ「大改造!!劇的ビフォーアフター」。建築上の課題を抱える家を、建築士らがリフォームし、その課題を解消するという番組。

ビフォーアフター偉大なり。
和田さん
和田さん

興味あったものを並べてみて、最終的に、考古学・歴史系と、経済、建築、この3つで出しましたね。経済学部を入れたのは、起業にも興味があったから。

3つの順番がどうだったかすら覚えてないけど、まあ感覚で出しました(笑)

筆者
筆者

そしたら、建築に決まったと?

和田さん
和田さん

そうそう、建築に通った。

筆者
筆者

建築にすごく思い入れがあったわけじゃない状態で建築入って、でも今はやってること建築関連が多いじゃないですか。小屋つくったりとか。

そこの心情の変化はあったんですか?建築愛が育ったとか。

和田さん
和田さん

どうなんすかね、でも逆に、今までめちゃくちゃ興味持ち続けてきた人に対するコンプレックスみたいなのはけっこうずっとありました。

筆者
筆者

コンプレックス、ですか。

和田さん
和田さん

最初のガイダンスの時に、「建物の匂いを嗅ぐのが好きです」って人とか、「5歳くらいのとき建築家の誰々さんの作品に興味もって建築を志しました」って人とか、めちゃめちゃ周りにいて(笑)

そういう人達にはやっぱ勝てないなっていうのは常々思ってて。

だから僕は、建築愛という点でみたら、ちょっと冷めてんのかなってのは思いますね。

筆者
筆者

ディープな世界なんですね(笑)

和田さん
和田さん

普通は建築家っていうのになりたいって思うんだろうし。

でも僕は建築やりたいってのは思わなかったし、最終的に今も家具とかそういう、近くはあるけどスケールが違うものをやってますしね。

ゼネコンや建築事務所に就職する人が多いのだそう。
和田さん
和田さん

だから、建築愛みたいなところがすごく変わったというのはなかったけど、やってくうちに楽しいって思ったのはあって。

筆者
筆者

なるほど!関わっていくうちに興味が湧いてくるという経験は皆さんあるんじゃないでしょうか。

和田さん
和田さん

ものをつくっていくのはけっこう昔から好きだったし、いろいろ考えてつくったりするのがおもしろいなっていうのはありました。

でもめちゃめちゃ真剣にやってるかといえばそうでもないみたいな、そんな学生生活だった気がしますね。

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カミカグと和田さんの今後

筆者
筆者

今後の展望について教えてください。

和田さん
和田さん

ビジネスとしてしっかり考えていきたいっていうのはありますね。

だから、ダンボール家具ってものにどれだけの可能性があるのかはわからないけど、それこそ本当に家具市場の一角を塗り替えて、「木製家具、プラスチック家具・金属家具、ダンボール家具」みたいなポジションをとるってのは、めちゃめちゃ夢があるなって思ってるし。

筆者
筆者

木製家具やプラスチック家具・金属家具と並んでダンボール家具が家具屋に置いてある……私にはまだ想像できないですけど、実現したらおもしろそうですね。

和田さん
和田さん

あとは、学生の人達ともなるべくフラットな状態で関われるといいなあってのは思ってて。

俺が30~40代になると厳しいかなって思うけど(笑)

インターンって形式なのか、どういう形になるのかはわからないんだけど、うまいことやりたいですね。

エシカルやエコ意識についても、若い人たちの方が感度高いと思うから、うまくそういうのを取り入れながら良い形を探していければなって感じです。

筆者
筆者

なるほど。

ビジネスという形にしていきたいのには、何か理由はあるのですか?起業に興味があったというのはあると思いますけど。

和田さん
和田さん

娯楽としてやるんだったら、比較的簡単にできると思うんですよね。例えば、僕が他の企業に就職して、ダンボール家具を週末につくる「ダンボール家具職人おじさん」になるというのも、できるとは思う。ただ、それだとやっぱり広まらないと思うし。

そこはビジネスっていうでっかいフォーマットにのっけてやっていった方がたぶん広まるだろうなっていうのは、直感的にはありますよね。

ダンボール家具職人おじさん。これはこれでおもしろそうだけど、「やっぱり広まらないと思う」。
和田さん
和田さん

僕個人では時間にも能力にも限界があるし、「僕だけではできないことが、組織になるとできる」っていうのは必ずあると思ってます。

その上で、学生団体だと社会人になれば終わっちゃうっていうことを考えれば、たぶん会社という形態が良いんだろうなっていうのもありますしね。

筆者
筆者

なるほど。ダンボール家具を広めることや、事業を続けることを考えると、ビジネスという選択肢に行き着くんですね。

和田さん
和田さん

最終的に、ビジネスとして、ちゃんとお金が回ってみんなに対してもお金を渡せるって仕組みがつくれるようにするってのが僕の中でのゴールです。

今はほんとみんな無給でしのぎを削ってやってくれてるけど。俺も含めて(笑)

だから、どのように競争していくかが永遠の課題になるかなって思ってます。

筆者
筆者

和田さんは卒業されてもカミカグの事業主として進めていくのですか?

和田さん
和田さん

そうですね。とりあえず僕は就職しないし、これ一本でやってくって決めてます。

最悪「やばい金がない」ってなったら最初にやってたCGやってでも食いつないで、って思ってますね。

筆者
筆者

他のメンバーの今後に関してはどう思われているのでしょうか?

和田さん
和田さん

まあ卒業して就職するのもいいと思うし、どういう形であっても今のメンバーに関しては全員応援したいとは思ってるんですけど。

「一緒にやってみたいって人がいれば一緒にできる形」になったら幸せかなって。

起業を考えている人へ、そして考えていない人へ

筆者
筆者

最後に、起業を考えている人に一言!お願いします。

和田さん
和田さん

なんかね、ちゃんと起業のこと考えてる人なら、たぶん今まで記事を読んでくれてたらわかると思うんだけど、俺は起業家としてもかなり変な方だと自分で思ってて。

ほんとに優秀な東大生だったら、たぶんもっとスピード感あると思うし。例えばウェブメディア立ち上げてめちゃめちゃ金稼いでいる社長とかいるから、俺以外のロールモデルはいるよって感じかな(笑)

東大在学中に起業した業界1位の社長にインタビューしたら、目から鱗だった。
キャリア
東大在学中に起業した業界1位の社長にインタビューしたら、目から鱗だった。
よみ
よみ
2021-02-18

↑ウェブメディア立ち上げてめちゃめちゃ金稼いでいる社長の好例

筆者
筆者

(ええ…アドバイスそれでいいのか…?)

和田さん
和田さん

あとは、まあ偉そうに言うんだったら、「何かしらやってみれば」っていうのはあって。

やってみるっていうのは案を考えるんじゃなくて、とりあえず何かつくって売るだとか運営するだとかってこと。何かやってみるのはすごい大事かなあってのはやっぱりしみじみ思いますね。

筆者
筆者

なるほど、頭の中で終わらせるのではなくて、まずは実行するのが大切だと。

和田さん
和田さん

あとは、やる勇気が出なかったら買ってみればいいんじゃない?って思います。

筆者
筆者

買ってみるって、原材料とかをですか?

和田さん
和田さん

そうそう。とりあえず購入ボタンを押してみたら?って思うんですよね。

俺も「段ボール200枚買って何になるんだろう、本当にできるかわからないのに」「1万何千円、そんなに安くはないし、怖いなあ」みたいな気持ちはあったけど、とりあえずポチって押してみて200枚届いちゃったら何かやんないとなって気持ちにはなるから(笑)

筆者
筆者

家に段ボール200枚……あってもどうしようもないですしね(笑)

和田さん
和田さん

まず身銭をきってみたら、「やんなきゃな」って気持ちになるかもしれないね。5千円でも1万円でも。

そういう感覚はないですか?

筆者
筆者

私ですか…??

このインタビューをした後にする返答ではないんですけど、私はどちらかといえば実践より理論に興味があるんですよね(笑)

和田さん
和田さん

なるほどね。でもそれはね、ほんとになんでもいいと思うんですよね。

「起業する人にメッセージ」とか言ってるけど、ぶっちゃけ起業しなくてもいいと思う。学者になりたければ学者になればいいし、サラリーマンになりたければサラリーマンになればいいと思ってて、それ全部正解だと思います。

和田さん
和田さん

だから別に俺は起業家になった方がいいよとは言わないし、起業家になるのなんか辛いからやめといたらとかも言うつもりはなくて。単純にやりたいことをやればいいと思うし。もちろん聞きたいことがあったら聞いてくれたら答えられる範囲では答えます!

それに、いろんな人に世話になったから還元したいって思いはあります。

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さいごに

やりたいことは行動に移す、浮かんだアイデアは製品として形にしてみる……これを実行してみるか机上の空論として終わらせてしまうかの違いは大きい。そう実感したインタビューでした。

一見「??」と思えるような行動や事業の数々も、「まず行動」という意識が根底に流れていたからこそできたのでしょう。

例えば「インスタの新アカウント・目指せフォロワー1万人」でも、行動としてはよいですよね。お金かからないし!(はい和田さんの受け売りです、ごめんなさい)

ここまで読み切った皆さんも、まずは一つ、思っていることを行動に移してみませんか?

ちなみに、カミカグは随時メンバー募集中だそうです!

連絡先はこちら↓

Twitter: @kami_kagu
instagram: @kamikagu
メール: info@kami-kagu.net

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