[広告]
こんにちは、苔です。
突然ですが、下記の中にあなたが観た映画はいくつありますか?
『告白』、『モテキ』、『おおかみこどもの雨と雪』、『君の名は。』、『怒り』、『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』…
これらはどれも超話題作となった映画の数々ですが、実はこれらの作品全ての企画・プロデュースに携わった超敏腕プロデューサーがいらっしゃるのはご存知でしょうか。
…その名も、川村元気さん。
企画やプロデュース以外に、ご自身も小説家として『世界から猫が消えたなら』などのベストセラーを執筆されているというのでさらに驚き。
出す作品出す作品がどれも話題となっている、今最も勢いのある川村元気さん。
そんな方が10/15(日)に東京大学の本郷キャンパスで開催される「FM FESTIVAL2017 未来授業」というイベントで授業をされる、という情報を聞きつけ、この度インタビューに行って参りました。
『AIは産業・社会の何を変えるのか?』というテーマで、各分野のフロントランナーの方々が大学生を対象に授業をしてくださるという夢のようなイベントで、川村元気さんは講師の一人として講演をしていただきます。
「こんな貴重な機会があるなんて、少し興味あるな…」と思った方、どうぞ最後までご覧下さい!
今回の「未来授業」のテーマが『AIは産業・社会の何を変えるのか』ということで、まずは人工知能について伺ってみました。
「人工知能のことよく知らない…」という方はこちらの記事がオススメ。
─川村さん、本日はよろしくお願いします。早速ですが、まずは川村さん自身が人工知能というものをどう考えているか教えていただけますか?
まず、人工知能について考えることは、人間そのものについて考えることだと思っています。
例えば人工知能って、コンピュータに記憶をたくさん詰め込んでいって作るものですよね。
記憶を詰め込んでいくことでコンピュータがどんどん人間のようになっていくのだとしたら、人間も「記憶」から出来ているのだともいえます。
僕は「何を覚えていて、何を忘れてしまったか」ということや、「忘れたいのに忘れられないこと、忘れちゃダメなのに忘れてしまうこと」がその人を形成しているんじゃないかなと考えているんですよね。
人工知能は、そういうことを考えるきっかけにもなりますね。
─人工知能が発達した場合に人間はどう変わっていくのか、川村さんなりの考えをお聞かせください。
僕は、それほど人間は変わっていかないと思うんですよね。
今だって、正月に初詣行ったりとか御守り買ったりとか、科学では証明できないことをしている人が大半じゃないですか。インターネットで何でも分かる時代なのに。
だから人工知能が発達した場合は、そういう人工知能がカバーできない「証明できないけれども確かにそこにあるもの」に人間は寄っていくような気がしています。
─人間はそう簡単には変わらないわけですね…。
「人工知能がカバーできない」人間の性質ってどういうところがあるんでしょうか?
やっぱり理屈では割り切れない部分が人間らしさだと思いますし、そういうところが人間の根本的な欲望なんだと思うんですよね。
機械が取って代われない職業ってマッサージとかだと思うんですよ(笑)、機械にマッサージされてもあんまり満足できないし、やっぱり人間にして貰いたいと思うじゃないですか。
でもそれが何故かと聞かれると、言語化できない。
説明はできないんだけど、でもやっぱり人間にやってほしい。
やはりそういう言語化できなかったり、理屈で割り切れない部分が人間の性質なんだと思いますね。
ここで「人工知能がカバーできない人間の性質」に関して、川村元気さんの著書である『理系に学ぶ。』より、松尾豊先生と川村元気さんの対談の一部分を抜粋してみます。
松尾 人工知能の活用範囲を仕事に当てはめて考えるなら、対面の仕事は基本的に人間の方がいいと思っています。…どんなに人工知能が発達しても、人間は結局、人間と触れ合わずには生きていけない。…人工知能との両立が進めば進むほど、人間はより人間らしい仕事に特化できると思います…だから、「英語やプログラミングはもういいから、人間力を鍛えなさい」と言いたいですね。
川村 オンラインの世界から出てきて、オフラインで人と接していくことが改めて重要になるんでしょうか?
松尾 そうだと思います。…自分と異質のものを理解し尊重することは、国際的に活躍するため、そして人工知能社会を生き抜いていくために、大きな武器になるはずです。
(『理系に学ぶ。』129,130ページより)
人工知能の発達は、同時に人間らしさがどこにあるのかを考え直すきっかけにもなります。
みなさんの思う「人間らしさ」って何でしょうか?
そしてその「人間らしさ」をどのような場所で発揮していきたいですか?
[広告]
─さて、川村さんはこの度東大で開催される「未来授業」に講師として出演なさるということですが、どういったことをお話しされる予定ですか?
僕は普段から「みんなが気にしているけど、何故か口に出さないこと」を見つけて、それを元に作品を作っているんです。
今回の授業では、それをどうやって発見しているか、そしてそれを映画や小説にするためにどのようなクリエイティブを発明していくのか、ということを話そうと思っています。
─みんなが気にしているけど、何故か口に出さないこと…。
それを「集合的無意識」というんですが、僕は皆さんの心のこの部分にアクセスすることを意識しながら作品を作っています。
─ …。(集合的無意識について調べる)
編集部注:
調べたところ「集合的無意識」というのは心理学者のユングが提唱した概念であり、人間の無意識の深層に存在するもので、集団の心に普遍的に存在する領域のことを意味します。
そう考えると確かに、『君の名は。』という映画も「どこかに自分の運命の相手がいて、それを探しているんだ」という多くの人が持ってはいるけど口には出さない心理にヒットしていると見ることができますね。知らなかった…。
ここで川村さんが集合的無意識に注目し始めるきっかけとなった、詩人の谷川俊太郎さんとの対談を紹介したいと思います。
川村 誰かとやると、自分の可能性がすごく広がりますよね。
谷川 そうです。やっぱり人間ってみんなで一つの脳を持っていますからね。心理学用語で“コレクティブ・アンコンシャスネス(集合的無意識)”という言葉がありますが、僕も言語の違いを超えても、人類全体の無意識にアクセスできればいいんじゃないかなとずっと思っていますね。
(『仕事。』204ページより)
(インタビューに戻ります)
─それでは、実際に「未来授業」ではどういうことを学生と話してみたいですか?
まずは、学生の思う集合的無意識を聞いてみたいですね。まあ、これに気づいて表現することができればクリエイターになれるんですけど(笑)
─(30秒ほど考えるも何も思いつかない)難しい…。でも、大学生の考えがもしかしたら川村さんの次の作品に活かされることもあり得るわけですね!
そうですね、期待しています!
また加えて、集合的無意識は映画作りに限ったことではない、ということを伝えたいですね。
何を新しく作るにしても、「みんなが思っているけど表現・実現していないこと」に注目するのはとても大切な姿勢だと思うんですよ。映画をプロデュースするにしても、スマホを作るにしても、政治にしても、本当に何でも。
そのことを学生達に伝えて、一緒に考えてみたいですね。
─なるほど、表現する場は何であれ、集合的無意識はどの分野にも関わってくるんですね…!
そして若い学生達に伝えたいことがもう一つあります。
今持っている価値観をたくさん崩して欲しいんですよ。
自分が持っている価値観とか当たり前がガラッと崩れた時に全く新しい自分が見えてくる。
若いうちは別に価値観が崩れたっていくらでも立て直せますから、自分の思い込みを崩す機会をたくさん作って欲しいですね。
そうやって価値観を新しいものに変えていけば、未来の色んなことにも対応できるんだと思います。
─この数十分間のインタビューの間に、すでにたくさんの価値観が崩れてしまいました(笑)。
本日はお忙しい中ありがとうございました!
皆さんの中に、「ずっと思っているけれど、形にできていない」ものはありませんか?
あるという人、それを形にするための方法を一緒に考えてみませんか?
ないという人、それに気づくためにはどうすればいいかを一緒に考えてみませんか?
10/15(日)、東大の本郷キャンパスで開催される「FM FESTIVAL2017 未来授業」。
人工知能研究のスペシャリストである松尾豊先生、日本のクリエイティブを牽引するプロデューサーである川村元気さん、そして霊長類研究の第一人者であり京大総長でもある山極壽一先生…
こんなに豪華な方々と一緒に「未来」について考えられる機会は滅多にありません。
未来を生きる学生として、未来に一歩踏み出してみませんか?
しかも今回は東大生の皆さんだけに、なんと「東大生限定シート」を用意していただいております。
こちらのフォームから必要事項を記入するだけです。
是非この恵まれた機会を活かしてみませんか?
締め切りは9月30日まで。
たくさんの方のご応募をお待ちしております!