はじめまして。新入生の皆さんはご入学おめでとうございます。
さて、この記事を開いたきみは地獄の受験期の唯一の楽しみがスポーツ観戦だったり、人知れず行う筋力トレーニングだったり、大学生活で花開くであろう遅咲きの青春のイメージトレーニングだったりするかもしれない。
或いは元々フィギュアスケートに興味があり、先日行われた世界大会のような男子4回転ノーミス時代の到来、ジュニアまでひしめく日本女子選手の層の厚さに胸を熱くする同志かもしれない。
ひょっとすると昨年度界隈で大きな話題を呼んだ某スケートアニメを入り口に自分も好きな曲に合わせて氷上で踊りたいという欲求に駆られたのかもしれない。
そして、大学に入ったら新しい自分になりたいが、やったこともない運動なんてできるんだろうか。周りに変な目で見られないか。
そんな期待と不安を胸に抱えているのかもしれない。
安心してほしい。
スケート部では『運動部でのかけがえない青春』『スケートの奥深い魅力探求』『自己表現』『新しい自分との出会い』全てを得ることができる。
まずは1、2分ほどで、そもそもここ数年で爆発的な市民権を得たフィギュアスケートは何が他のスポーツと違うのか、なぜ今「大人が」次々にハマっているのか、ぜひ知ってほしい。
その上で東大でスケートをするということの楽しさを伝えたい。
そしてこの記事を読み終えたとき、諸君の足が自然とスケート部の新歓練習に向かっていることを願っている。
東大生諸君は知っているだろうか。
ここ数年でフィギュアスケートを取り巻く世間の環境は一変した。ここ1、2年でも変わった。
今やフィギュアスケートは世界で活躍する日本人選手も多く、ジュニア選手にも将来への期待が向けられている。もはやフィギュアスケートはマイナースポーツではない。
国外に目を向けても、10年前には想像もできなかったような複数種類の4回転ジャンプが当たり前の男子フィギュア、かつて挑戦・成功する選手が少なかったトリプルアクセルに続々と挑む女子フィギュアの世界が展開している。
トップレベルの世界は常に進化し続けているのだ。
趣味層もアツい。大学生どころか社会人、あるいは退職後にスケートを始める人は意外と多い。
運動能力や筋力がそれほどなくても楽しむことができるのもスケートの大きな魅力の一つ。ガンガン運動したい人から趣味として好きな曲で演技を楽しみたい人まで、幅広い楽しみ方が許されている。
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よく、フィギュアスケートはスポーツか?芸術か?という議論がなされる。
敢えて言おう。選手側から見たとき、フィギュアスケートは明らかにスポーツである、と。
「え…いやフィギュア見る上で私美しさがめっちゃ好きだし点数順位よりも心に響く演技が好きなんですけど…」
と今引いたあなた、話はここからなんです。もちろんフィギュアスケートは芸術です。
「は?さっきスポーツって言うたやん?」
はい。言いました。
フィギュアスケートの練習風景には貸切練習でもしない限り音楽はない。ひたすら技術の反復練習をすることがほとんどだ。
そして試合では技の難易度や出来栄えで点数がつく。何をしたら何点、が決まっているのだ。
この点でフィギュアスケートは明らかにスポーツであり、体操競技に近いかもしれない。
一方で、技術がある人は動きに無駄がない。最小限の力でスマートに技を決め、走る姿は美しい。サッカーのボールの扱いや野球や水泳のフォームと同じ。正しい姿勢は美しい。
そして演技は曲の解釈や振り付けの力で、技術だけではない選手の個性や魅力を強くアピールできる。
「美しさは圧倒的な正しさ」という某名言も、フィギュアスケートが曲を表現する芸術であり、身体技術で得点を競うスポーツでもあるというおいしいとこ取りの二面性から来るものだ。
「やって楽しい見て楽しい」芸術×スポーツ、最強じゃね?
ということで、フィギュアが他のスポーツと違うところを3つだけに絞って簡潔に述べよう。
多くのスポーツは相手がいて、持てる技術の限りをぶつけ合って勝負する。フィギュアも大会では演技の得点を競い合う…
…が、戦う相手は他の選手ではない。できないことがあった過去の自分だ。
そして何より試合という普段と違う舞台で普段できることができない、今、ここにいる自分との戦いだ。
技のレベルは関係ない。自分がどれだけ努力を重ねたか、それが練習でできたのか、さらにその努力を大舞台で披露できるまでに熟達できたか。
試合はなるべくしてなるものではない。
試合中の一瞬一瞬が過去を超え、今を律し、未来に挑む戦いなのだ。
そんな醍醐味は他では味わえない。
フィギュア、とは氷上の軌跡を描くことに由来する。軌跡の数だけ技がある。
ジャンプやスピンと同様にターンや足の運び一つ一つに名前があり、これができたら次、次、とステップアップに飽きることはない。ストイックに頑張る人間にとって、これらの身体技術の習得は非常にやりがいのあるものになる。
さらにフィギュアスケートには初級から8級までのレベルが設定されている。
大学からのスケーターは男女共に現役中の3級取得が上級目標となってくる。この頃には実に半回転から2回転まで最低8種類のジャンプと最低5種類のスピンができるようになっている。
入り方や組み合わせ、変形などを習得すれば当然できる技の数も指数関数的に増加するのだ。(ちなみにオリンピックに出るようなプロ選手は大体7,8級。彼らの神具合がよ〜くわかる数字だ)
残念ながら世の中は話のおもしろい人間が注目されやすい。特に関西に行けば「おまえおもんない」は死を意味する。
大学でのサークル活動についての話題になったとき、メジャーなものはへえそうなんだで終わる。
フィギュアスケートは違う。
マイナーすぎればどこから掘り下げていいかわからず、やはりへえそうなんだで済まされたりする。
フィギュアスケートは違う。
近年のスケートの知名度人気度に対して、実際に身近にスケーターはなかなかいない。
このギャップがスケーター自身への興味関心に繋がり、豊富なネタ提供が可能になるのだ!!初対面の印象だって「スケートやってる人」でバッチリ覚えてもらえる。
なんなら家族や友達、パートナー(未来も可)とスケート場に遊びに行く時、
今世紀最大のドヤ顔ができる。
圧倒的差別化!コーナー(バッククロス)で差をつけろ!
フィギュアスケートというスポーツの魅力についてとうとうと語ったところで、東大フィギュアスケート部の紹介に移ろう。
まずは新歓映像を見てほしい。登場するのは全員大学から始めた先輩たちであり、個人の目標や他の活動との兼ね合いの中で皆上手く時間をやりくりしている。
フィギュアスケート部の紹介動画を作りました!⛸✨
PVに登場している部員は皆大学からスケートを始めたメンバーです😆🌈ぜひご覧ください!🍀 pic.twitter.com/VNirr30wla
— 東京大学運動会フィギュアスケート部 (@utfigure2017) 2017年3月19日
見ての通り東大スケート部はれっきとした運動部。これはサークルとは異なり、東大生のみで構成され、東京大学運動会という公式組織から認められているということである、しかし!!!!!
東大スケート部は他大との交流が非常に活発な、インカレに極めて近い部でもある。…というのも、練習するリンクには他大のスケート部も練習しており、当然彼らとの交流が発生する。
マイナー競技と侮るなかれ、東大の外にも世界は広がっている。(※部活登録自体は他大生は不可)
しかも部内の男女比は1:3。現役部員はここ数年女子の割合が高いが、普段のリンクや合宿で指導してくださるようなOBGには男性も多く、男子部員同士の絆は世代を超えて強い。合宿だとOBGも入れて大体男女半々のときもあるくらいだ。
入学者の女子率がいまだに2割すら達成できない(17年度19.8%)我が東京大学の運動部としては信じられない健全な数字、男子にとっても女子にとってもありがたい環境だ!
加えてスケート部には運動部にありがちな「全員ガチでやれよ?ん?」的な息苦しさはない。
個人競技ということもあり、週2回の部練しか来れない人から毎日でも練習したい人まで、様々な部員が所属してもお互いにうまく仲良くやっていけるのだ。部員の中には3,4個ものサークルを掛け持ちしたり、資格取得や長期留学、海外インターンに挑戦したりする活動的な先輩もいる。
ちなみに上下の絶対的関係もない。
先輩は神様で言うことは絶対、なんてナンセンスな不文律もない。
建設的批判?どんと来い。部のために一番いい選択を一緒に考えようじゃないか…
東大スケート部は運動会という公式の組織でありながら、運動会随一の個人の自由度の高さを誇る部活であることがお分かりいただけるだろうか。
ここまで運動会「らしくない」点を強調してきたが、それは新しいことを始めるに当たって、
運動会だからついていけないし続かないかも…
という不安を払拭してほしかったからだ。
しかし逆に考えるんだ。運動会でもいいさって…
サークルとの違い、運動会であることの良さ。
それは先述したことと一見矛盾するが、上下関係の密度だ。
理不尽な慣習はスケート部は作り変えていく。しかし先輩後輩の関係は非常に強固になる。
個人競技なのに、と思うかもしれない。だがスケート部は部活であるがゆえに、そして東大スケート部では外部コーチを部として依頼していないために、技術の伝達は主に部員同士で行われる。非常に面倒見の良い先輩たちがつきっきりで教え込むこともあれば、やる気のある後輩が先輩をせっつくこともある。引退後5年を優に超える先輩にだって教えてもらえる。
当然、先輩に追いつき追い越す後輩や元々上手い後輩もたくさんいるが、何も技術を伝えるのは上から下に限らない。気づいたことは互いにアドバイスしあえる。
部活として個人がスケートとしっかり向き合い、自他の努力を認め、尊敬しあっているからこそできる上下関係だ。
そして何より、運動会の応援はすごい。普段一緒に練習する仲間が一人リンクに立つきみを力の限り応援してくれるし、OBGだって応援に来てくれる。
部活にコミットして活動することで、きみは自分の応援団に支えられて、一人でも氷の上で堂々と演技できるようになるのだ。
実績もあり、国公立大会女子団体優勝3連覇、男子団体も何度も入賞している他、男子に至ってはインカレ優勝も全く夢ではない。
各大会の各級において東大スケート部は非常に好成績を残しており、先輩らの指導が手厚く本人も努力家が多いことがおわかりいただけるだろう。まさに文武両道、才色兼備。
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もちろんなれる。場合によっては伝説になれる。
大学から始めるスケーターは頑張ると1.5回転のアクセルジャンプに挑戦できるようになるが、努力に限界はない。学生スケーターの中には過去3回転に成功したとんでもない選手もごく、稀にいる。
ジャンプが飛べなくてもいい。
美しいスピンや氷上を自在に滑る圧巻の演技だってできるようになってしまうのだ。
そして君達は東大生だ。大学生は考える。
何でもそうだが、大人から始めるスポーツというものは、「体で覚える」ことが難しい。子供よりも硬くなった頭と体で、無茶が許される範囲は確実に狭くなっている。昔やっていた人だって、もどかしい思いをするかもしれない。
だから、大人は考える。
自分で考えて試行錯誤を繰り返す。その先に自分の感覚と仮説、結果がピタリとハマる瞬間が訪れる。この無数の小さな、しかし輝かしい瞬間が、4年間積み上げられていく。
ターンすら危うい状態から、氷を押して飛び上がり、自分にしかできない曲の表現ができるようになる。演技中は誰の邪魔も入らない。きみは氷の上で自由になるのだ。
そろそろこいつくどいと思い始めただろうか。
ご安心を、入部後はさらにゆるゆるまたは激アツな日々が諸君を待っている。選ぶのはあなただ。
最後に新歓についてお知らせしよう。滑走料貸し靴代無料、現役部員の優しい指導つきのウルトラお得なパックである。他大との合同新歓日もあるのでぜひ一度来てみてはいかが?スケートの魅力、アツさを直接感じることができる貴重な体験になるだろう。もちろん経験者も大歓迎だ。
*新歓日程: 4/8,13(学習院合同),14(外大合同),19(お茶女合同),23
*場所:高田馬場シチズンアイススケートリンク
*持ち物:手袋、長めの靴下、運動できる服装、好奇心
詳しくは諸手続き及びサーオリで配布されるビラにて!
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それでは新歓練習でまたお会いしよう。
※ちなみにこの筆者、暇すぎるのか去年も新歓記事を書いてUmeeT新歓コンテストにノミネートされている(ありがとうございました)。ここでは割愛したフィギュアスケートの魅力についてもいろいろと語っているので、筆者のように暇な人はポテチ片手に見てみると暇つぶしくらいにはなるだろう。カロリー?
新歓練習に来ればラクして消費できるから大丈夫。