10月7日から10月16日まで下北沢で開催されていた下北沢カレーフェスティバル。
年に一度のこのカレーの祭典、いつもは渋谷に流れがちな東大生も多く参加したのではないでしょうか。
このカレーフェスティバル、実はアプリを開発しているIT企業が運営しているとご存じでしたか?
「もっとたくさんの人に下北沢を訪れてほしい」
そんな願いのもと、下北沢カレーフェスティバルを運営する「I L♡OVE 下北沢」のプレジデントである西山さんにお話を伺ってきました。
下北沢カレーフェスを実行しているのはアイラブシモキタザワという謎の(?)団体。
カレーフェスでビラをもらったり、アプリをダウンロードしたりした方は見覚えがあるかもしれません。
実はこのI LOVE 下北沢、会社名ではなくプロジェクト名なのだそう。
このプロジェクトを経営しているのは株式会社パイプドビッツ、赤坂に本社を構えるIT企業です。
そんな立派な企業がなぜ下北沢の町おこしをやって、カレーTシャツを着てカレーを配っているのでしょうか?
西山さん(以下、西)「うちはオンラインベースを提供している会社なのですが、オンラインで物を買うことができるために町に足を運ぶ機会が減るだとか、ITを普及させたが故に人とのつながりが減ってしまったことに当社グループの代表が一種の責任感のようなものを覚えていたんです。
そこで、今度はITを使って地域をつなぎなおしたいという思いからこのプロジェクトが始まりました。
また、”情報資産の銀行”がうちの会社のコンセプトで、地域情報を蓄積することでいろんな価値が提供できるのではないか、というところもスタートになっています」
ITを使って地域をつなぎなおす、めちゃくちゃかっこいいですね。
わたし自身もアイラブ下北沢のアプリを使って、カレーフェスでめぐるお店を決めました。
IT技術の産物によって下北沢に訪れたわけですから、この取り組みは成功しているわけですね。
西「それが、そうでもないんです。イベントをやると人は来てくれるんですが、それ以外だとアプリを活用してもらえない。
とりあえず下北沢に来たけれど、どこのお店に入ればいいかわからなくて、結局チェーン店に入るみたいな。もっと下北沢のお店を知ってもらうために何ができるか、これが課題です。
個人経営のお店が多いからか、大々的なプロモーションがしづらいんですね。
だから例えば東大生が企画を持ち込んでくれればフェスもできるわけです」
本当ですか!!?
これは……アツい!!!
東大生、ガンガン企画を持ち込みましょう!夢が広がりまくります。
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毎年10月に10日間、カレーの街シモキタで開催される1年に1度のカレーのお祭り、それが下北沢カレーフェスティバルです。カレーマップを見ながら、いろいろなお店のカレーを食べてまわり、お気に入りのカレーを見つけてください。(公式HPより)
下北沢カレーフェス、そもそもいつ始まり、いったいどれだけの人が訪れているイベントなのでしょうか?
西「もともとは2011年に開催された、下北沢カレー王座決定戦というイベントが始まりです。そのイベントで予想外にお客さんが来て、カレーって需要があるんだなって確認できました。もともと下北沢にはカレー屋さんが多いですし。それで翌年からカレーフェスティバルが始まり、今年で5年目になります。
去年はのべ12万人の方が来てくれました」
12万人!ちょっとした都市並みじゃないですか!
それにしても、どうして下北沢にはカレー屋さんが多いんでしょうね。
西「これはオフレコにしてほしいんですが、実は……」
はい。
要約すると、下北にいるらしいスパイスの神様が、人々の夢枕に立っておいしいカレーの作り方を教えてくれるらしいです。おそるべきスパイスの神様。てかスパイスの神様ってなんですか?
一つのスペースに出店が集まる他の「肉フェス」や「カレーフェス」と違って、下北沢のカレーフェスはお店に足を運ぶ形式なのが独特ですよね。
西「そうですね。下北のカレーフェスは店舗型なので、お店の本来の味を損なうことなく楽しんでもらえるんです。またそのお店に来たことがない人にも、お店の雰囲気を味わってもらえる」
確かに、カレーを食べに訪れたお店で、雰囲気がすごくよくて、また遊びに来たいなぁと思えるところをいくつか見つけられたことも、わたしの下北カレーフェスの収穫です。
西「あとはやっぱり、カレーフェス限定のカレーを食べてほしい。もともとカレー屋さんが多い下北沢ですが、カレーフェス期間だけカレーを提供していたり、いつもとは違うカレーを出していたりするお店さんが本当に多いので、この10日間しか食べられない味を楽しんでほしいです」
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最終的に、シモキタをどういう風にしたいという目標はありますか?
西「現状維持といいますか、時代に合わせて変化しつつも、今の下北沢と全く違う町にはなってほしくはないです。
もちろんもっと人に来てもらわなければならないし、今のままでは課題が残るのですが、今の状態をよりよくできればなぁと思います。
お店を出したことのなかった人がお店を出すときに、シモキタを選んでくれるような、そんな街にしたいですね。
下北沢は本当に素敵なお店がたくさんあるので、東大生の皆さんにも、打ち上げなどでガンガン来てほしいです」
東大生、シモキタにガンガンいこうぜ!!!
西山さん、ありがとうございました!
西山さんにお話を伺い、カレーをたらふく食べた後、いろいろあって編集部は下北沢カレーフェスのボランティアをすることに。
2時間マップを駅前で配布し、数えきれない人たちに拒絶されながらも、フェスに来たお客さんとお話したり、カレーマンの後ろについてシモキタの街を一周したり、それまであまり馴染みのなかったシモキタの街と少し親しくなれた気がしました。