総務省1年目の林田直樹と申します。
前回、「可能性は無限大!地域の潜在力を生かした日本を作りたい!」という題で寄稿させていただきました。
今回は、新入社員として思うこと、今後の抱負についてまとめます。
4月に入省したばかりで、まだ右も左も分からないというのが事実。
何もわからないからこそ、全てが新鮮で、日々勉強の毎日です。
心がけていることは、どんなささいなことでも、全てが学びだと思うようにすること。
新人が与えられる仕事としては、当然ながら基礎的な仕事が多いです。
例えば、資料準備ということで、コピーやスキャンをすることも多いでしょう。
単純作業ということで何も考えず、ひたすらボタンを押して、ボーっとしていると、学びはさして得られません。
しかし、誰が書いたどのような資料が、どういう背景のもと、どういう経緯で必要とされているのかということを考えると、非常に学びが大きいです。
・今、日本/海外ではこのようなことが起きているのか
・最新の議論はこうなっているのか
・この分野の第一人者ってこの人なんだ
・この書き方・レイアウトは参考になるな
等、ざっくりと掴む良いチャンスです!
与えられた仕事を、あらゆる角度から分析し、どれだけ学びがあるだろうか、どれだけ工夫できるだろうかという視点を持ち、仕事を楽しむことが重要なのではないかと思っています。
入省して、驚いたことの1つが、職員同士のつながりの強さ。面倒見の良さ。
たとえ話している方と年齢が離れている方の話題だったとしても、「~年入省で、~県に赴任していらっしゃった~さんね。お世話になったよ。」という返事が即座に返ってきます。
総務省では、各々が各々のタイミングで国と地方を行ったり来たりする、異動の多い職場。
同じ場で働く時間が短いからこそ、タテとヨコのつながりが強くなるのだと思います。
実際、出身県同士の集まりや、地方赴任県同士の集まりなどがあります。
また、新入社員は、入省してから地方赴任するまでの4か月間、先輩方とランチをするという文化があります。
美味しい食事をいただきながら、仕事の話からプライベートの話まで、先輩方とざっくばらんにお話しするのは非常に楽しく、なんとも素敵な文化だと思います。
各々、地方から海外まで、様々な場所で経験を積んでいるので、
「~県ではこういう話があったよ」「~国ではこういう話があったよ」
というバラエティに富んだ面白い話が聞けるのは、大きな特徴かもしれません。
鹿児島で生まれ育ち、上京した身なので、様々な価値観に触れ、世の中は広いということを日々実感する毎日です。
学生が受ける「試験」で求められるのは、「個人の力」。
社会人として大事なのは、仕事の「成果物」の「質」。
だとするならば、1人で無理するよりも、周りの方々と協力した方が圧倒的に効率的。
未完成でもいいから早めの段階で提出して方向性を聞くこと、上司とコミュニケーションをこまめに取ることが重要です。
ここで、最も印象に残った仕事をご紹介。
それは、課長補佐にいただいた「所属3課室の年間スケジュールを紙1枚で作る」という仕事。
言い渡されたとき、検討がつかず、思わずポカンとしてしまいました・・・笑
この仕事では
①どのような仕事がいつ存在するのかということ
②それらの優先順位を定めること
の2点について、周りの方々に質問することが必要不可欠。
しかしながら、お相手の元へ伺うということは、忙しい中、時間を割いてもらうということ。
当初は、気合いが入りすぎて、お相手の都合を考えずに質問・提出したいという気持ちが勝っていました。
上司が朝到着して、椅子に座った瞬間に提出して、苦笑されたこともあります(笑)
数え切れない数々の失敗(笑)を経て、現在は、「課の雰囲気・流れを掴み、短い時間で分かりやすく伝える」ということを意識して、日々奮闘しています。
ちなみに年間スケジュールは、課全体で使用していただけることとなり、宝物のように大事にしまっています。
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国は地域の集まり、そして地域は人の集まり。
霞が関のデスクで座っているだけでは、国全体を把握すること、行政課題を見つけ出すということは中々難しいです。
総務省の魅力の1つが刺激的な現場経験。
キャリアパスは、原則、国と地方を行き来すること。
皆さん大変驚かれるかもしれませんが、入省4か月後には、霞が関から地方に1人で飛び込み、1年から2年ほど働くこととなります。
「人生一度きりなら、日本各地をもっと知りたい!いろんな人と出会いたい!」という自分にとっては、ぴったり(笑)
単に働くだけではなく、実際に住み、風土やそこに住む方々の想いに触れることで、本省に戻ってからもその方たちの顔を思い浮かべながら、現場の実態を踏まえた政策立案をしたいと考えています。
実際、様々な場に出かける中で、「これからの日本を引っ張っていってほしい」と声をかけられることが多いです。
そう言ってくれる方々のためにも、頑張りたいと思います。
行政課題というものは、様々な分野が複雑に絡み合っています。
もちろん各々の分野を追究することも大事。
しかし一方で、分野横断的な視点もまた重要だと思っています。
常に全体に気を配りながら日本の行く末を考えたい、時代の変化に柔軟に対応できる人になりたいと思いが強いです。
何に対しても興味を持つ性格も起因しているかもしれません。
貪欲に何ごとも吸収しようとすることで、新たな組み合わせ、新たなアイデアを生み出せたらと思っています。
前述したように、総務省では国と地方を行き来します。
最初こそ、係員として赴任しますが、2回目以降、若くして責任ある職務に就くことになります。
例えば、2回目の地方赴任は20代で管理職。
年上の部下がいる中でリーダーシップを発揮し、そして信頼関係を築きながら、その地域での課題解決していく必要があります。
そのためには、論理的な正しさのみならず、歴史的背景も踏まえつつ、感情面も含めて関係者を巻き込んでいくことが必要となります。これは、相当覚悟がいること、そしてやりがいがあることなのだと思います。
これらの数々の経験を経られた先輩方は、論理的な思考力、すなわち「理」の力はもちろん、相手の気持ちに立って考えられる「情」の力を身に付けていらっしゃる方々であり、まさに自分の理想の社会人像でした。
自分も先輩方のようになりたい!と強く思い、門を叩いた次第です。
私はまだまだ未熟者ですが、「情」と「理」に優れた人になれるよう、1日1日邁進していきたいと思います。