どうも男子校の化身です。
17卒の就職活動もついにラストスパートの時期に突入した。
昨年よりも期間が短く変更されたこともあってか、初めて就活をする自分にはとても短く感じられた。
3月から正式に就活が解禁され、ドタバタしているうちにもう4か月が経とうとしている。
本格的に就活をしたこの4か月を振り返ると、思うことは多々ある。
その中で最も強く感じるのが「内定童貞こじらせ」である。
内定童貞とは何か?
「内定を1つも持たない者」のことを「性行為をしたことがない者」に喩えた蔑称。
はたまた就職が生んだ”闇”の別称。
要はかなりやべえっしょー。
童貞という言葉から分かるように、非常にネガティブでこじらす危険性の高いデンジャラスなレッテルなのである。
男子校をこじらせた僕(詳しくはこちら)が次にこじらせたのは内定童貞だった…!!!
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「就職は恋愛だ」
さも就職を知り尽くしたかのような輩が得意顔をして使う喩えだ。
彼らはこう言う。
「企業は意中の相手だと思え。まずは相手のことを深く知って、相手に知ってもらいたい自分の魅力をアピールしろ。面接は告白の場だ!」
笑わせてくれる。
今、就活を終えてみて思うが
<<<全くその通りだぜ!!!!>>>
言い得て妙ではないか。これぞ先人の残した知恵である。
これからある一人の東大生が、内定童貞をいかにこじらせ、辛く悲しい就職活動を送ったのかを恋愛に喩えて語りながら、注意すべきポイントを押さえていこうと思う。
同じ過ちを繰り返す人がこれから現れないようになることを心から祈る。
リ○ナビ、マ○ナビといった出会い系サイトが解禁され、”企業ちゃん”との出会いが始まる。
内定童貞はまだ見ぬ春を求めて、合同説明会という名のコンパに向かう。
心はルンルン、世の中にはこんなにいっぱい企業ちゃんがいたのかと目を見開く。
しかし、内定童貞こじらせは既にこの時点から始まっていた。
ストライクゾーンが狭すぎる!!!
石原さとみ、佐々木希、篠崎愛以外は受け付けない。
北川景子、堀北真希、長澤まさみ…確かに可愛いとは思うけど、めちゃくちゃタイプというわけじゃないんだよな〜
お前は何様だよ!という話である。
「お前は所詮企業ちゃんから選ばれる側の人間。向こうからしたらお前なんて相手にもされてないからな」と説教を垂れてやりたい。
コンパで出会った子はとりあえず全員チェックせよ!
たとえ興味がなくても一度は話をしてみて、連絡先は交換しておくべし!
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エントリーシートというラブレターを気になる企業ちゃんに送り始める。
根拠のない自信を携えた内定童貞は数少ないタイプの企業ちゃんを相手にアプローチを行う。
学歴という顔面偏差値を武器に、東大生は日本随一のイケメンとして、企業ちゃんの顔セレをクリアしていく。
ただ顔に甘んじてラブレターの手を抜くと、企業ちゃんは敏感にそれを察知して「ご希望に添えない形になってしまいました」と定型文の断り文句を返してくる。
後から後悔してももう遅い。
一度振られてしまったら、もうリベンジの機会は訪れない。
同時期、ネットや友人から企業ちゃんのあることないことの噂が流れ始める。
「実はもう○○と付き合った人がいるらしいよ」
「○○は付き合うまではいい顔してるけど、付き合い始めるとすごいワガママになるらしいよ。それで別れちゃう人も多いんだって」
ついつい好きな企業ちゃんの噂は気になって見てしまう。
”この前、話を聞いてる時はそんな感じじゃなかったのにな”
”自分はまだラブレターの返事が来てないのに、もう来た人がいるのか”
こんなことばかりを考えて、どんどん気が動転していく。
そんな時頼りになるのが、企業ちゃんと過去に付き合ったことのある先輩の体験談だ。
根掘り葉堀り先輩からどのようなラブレターを送り、デートプランを組み、最後に付き合うまで持って行ったのかということを聞く。
付き合い始めてからの様子も聞いておくと、彼女になった後のことも考えられるので参考になる。
意中の企業ちゃんと付き合ったことのある先輩の話はリアリティーに溢れ、興奮すること間違いなしである。
・多くの企業ちゃんが面食いであることは確かだ。だからと言って、手を抜いたラブレターを送ると「所詮顔だけの奴」と思われてしまうので注意せよ!
・噂に流されるな!先輩や友人から聞いた企業ちゃんの情報だけを信じろ!
いよいよ面接というデートが始まる。
「本音」と「建前」が交錯するデート。
まさに男と女の駆け引きが始まる。
「私のどこが好きですか?」とお決まりの質問をしてくる。
※この『建前』、『本音』、『心の声』フリップは実際に面接で使用する予定であり、編集長に依頼して書いていただいたものです。ただ「スケッチブックを用意してきたので出していいですか」と尋ねたところ、真顔で「ダメです」と即答されてしまったため、実際には使われることはありませんでした。
変に自分を良く見せようとして、空回りというのはままある失敗だ。
入念に家で考えていったデートシュミレーションを思い出しながら、笑顔を心がけて思いを伝える。
デートは1度では終わらず、2度3度と繰り返される。
デートの度に「好き」だと言っているのに、「じゃあまた今度ね」と言って受け流される。
いつまで返事を先延ばしするつもりなの?
デートの帰り道、内定童貞は電車のつり革を握りしめて思う。
「ずっと前から君のこと好きだって言ってるよね。いつになったら返事してくれるつもり?これでもう3回目のデートなんだけど。これ以上先延ばしにされると、僕以外にも男がいるんじゃないのとか疑っちゃう。いい加減にしろよ!」
話すことはいつも一緒。
君は一体何を見ているの?
上手くいかないデートが続き、試行錯誤を続ける日々。
僕はイケメンのはずなのに、何がいけないんだ!
…言わなくてもわかるさ、中身だろ。
僕は結局顔だけの空っぽ人間なんだ。
ついに一番好きだった子にも振られ、自信をなくす。
「ごめん、もう会えない。でも君ならもっといい子が見つかるよ!応援してる!」
こんな情けをかけたお祈りメールを送られて、平気でいられるはずもない。
ちょっと気になっていた子に振られるのとはわけが違う。
1日2日は呆然とした日々を過ごした。
泣くこともできず、自分を責め続ける。
あの時ああしていれば…
あそこであの一言が言えていれば…
たらればの後悔に飲み込まれる。
こうしていよいよ内定童貞を本格的にこじらせることになる。
手当たり次第に企業ちゃんに「付き合って、付き合って」と声をかけ始める。
もうなりふりは構っていられない。
その中で手応えがあり「じゃあ付き合おっか」と言ってくれる子が現れる。
願ってもない申し出のはずである。しかし内定童貞は葛藤に苛まれる。
確かに付き合いたい!
でも初めては本当に好きな人がいい!
でも付き合いたい!
うわああああああああああああ
こうして内定童貞はもう一度自分を見つめ直すことになる。
悔いの残らない全力の恋をしよう!
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周りの内定童貞たちが次々に卒業していく。
半端ない焦りを抱えながらも、企業ちゃん選びで自分が大事にしていることは何なのだろうともう一度考えなおす。
今まで自分は顔(=やりたいこと)ばかりを見ていたのではないか。
肝心の中身(=向いてること)に目を向けられていなかったのではないか。
胸のサイズ(=年収)に気をとられていなかったか。
これからずっと付き合っていく相手選びにも関わらず、付き合いたいという気持ちが先行して考えが浅はかだったことに気づいた。
それからようやく光が見えた気がした。
自分の中で納得のいく顔の企業ちゃんを探し、中身に気を配った。
正直中身は企業ちゃんとの相性もあるので、自分ではわからない部分もあった。
でもその企業ちゃんと一緒にいると素の自分で居られる。
話しているとなんだか楽しい気持ちになる。
少女漫画のようだった。
「これが好きっていう気持ちなんだ…!」
最後まで顔がタイプだった企業ちゃんと悩んだが、結局この企業ちゃんに決めた。
(悩む必要もなく、顔がタイプだった企業ちゃんには振られてしまったのだけれど)
そうして内定童貞は何回にも及んだデートの末、ついに卒業することが出来たのだった。
顔だけで判断してはいけない!
中身もしっかり見よ!
相性の合う子とは自然にしていれば上手くいくものだ。
内定童貞をこじらせてしまう東大生は意外と多いと思う。周りの人間が優秀なだけに、自分も見栄を張ろうとしたり、流されてしまったりと苦労することがある。就活は本当に大変で、いくら自分が優秀であろうと、強く入社したいと望もうと相性が合わないと判断されてしまえばそれでおしまいだ。受験と違って、落ちたとしても点数が発表されるわけでもないし、自分がなぜ落ちたのかもわからない。東大なのに就活が上手くいかないとなると、自分という人間がひどくつまらない存在に思えてくる。
そんな時、この『内定童貞こじらせ』の話を思い出して、自分がこじらせてしまっていないかを振り返ってみて欲しい。
・・・と偉そうに言ってきましたが、改めて読み返してみるとアドバイスポイントが就活生なら誰でも知ってる当たり前のことばかりで、そんなことだから内定童貞こじらせなんだよって感じですね。
おしまい