東大留年図鑑という企画を始めようと思います!!!
…いや、分かりますよ。
「いきなり何言ってんだこいつ、頭沸いてんのか?なんでも図鑑にしたらいいと思うなよ」っていうあなたの感想はもっともです。ちゃんと説明します。
日本の大学は基本的に、入るのは難しくても出るのは簡単。留年なんてよっぽどのことがない限りしません。
ましてや日本で一番難しい入試を突破した東大生が留年なんてしないはず。
…はずなんですが、東大で留年している人は現にいます。
じゃあ、東大で留年する人ってどんな人なんだろう?
自分のステータスを勉強以外のことに全振りしちゃった人?単にまったく勉強しなかったダメな人?
前者であればきっとすごい信念を持った人だし、後者も5月病真っ盛りの新入生の反面教師になってくれるはず。
でも、留年してる人に「なんで留年したの?」なんてなかなか聞けないですよね。そもそも学校に来ないし。
だから、UmeeTが聞いちゃおうと。彼らの生態を図鑑にしちゃおうと。
ということで、記念すべき初回は
「東大で3回留年して、退学を余儀なくされ、再び東大を受験するも撃沈。今年から某地方大学の一年生になる23歳」
という留年界のレジェンドと、人はなぜ留年するのか考えてきました。
顔・名前出しNGにつき写真はお見せできませんが、レジェンド、なかなか爽やかな好青年です!
異色すぎる経歴から、この世の闇の化身みたいな人が来ると思ってたので、拍子抜けしました。
それでは、お話を聞いていきましょう!
まず、単刀直入にお聞きします。なんで3回も留年しちゃったんですか?
「単純に授業に行かず、勉強しなかったからですね」
いきなり真理にたどり着いた…。世界の留年の9割はおそらく同じ理由でしょう。
でも、3回は多すぎないですか?
「それは喉元が2mmだからですかね」
ん?喉の長さと留年、何の関係があるんだ…?
順を追って聞いていきましょう。
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高校生の時って成績はどうだったんですか?
「成績はかなりいい方でしたよ。同じ高校から東大に現役合格したのは僕含め2人だけだったり」
高校時代はまじめだったのに、大学ではどうしちゃったんでしょうか?
「むしろ高校のとき成績が良かった分、勉強をなめてしまったところはあります。ゆーてなんとかなると思って、全然勉強しませんでした。履修の手引きはもらってすぐにどっか行きましたし」
それ、もはや何の授業を取ればいいのかのか分からなくなりますよね。
「問題ないですよ。授業には全く行ってなかったので」
問題しかない気がしますが…。授業をさぼって何してたんですか?
「当時はAKB48にドはまりしていたので、握手券費用を稼ぐためにひたすらバイトしてました。そもそも、東大を選んだのも東京にAKBがいるからって理由が大きくて。アイドルが生活の軸で、あとはバイトとサークルみたいな」
本来、勉強が入る位置にアイドルが入っちゃったんですね。それでもテスト直前にシケプリ(試験対策プリントの略)見たりしてなんとかしません?
「シケプリには一切興味がなかったですね」
試験対策って興味の有無の問題ですかね…?
「なんとかなるって信じてたので(笑)。テストは受けに行ったんですけど、マジで何もわからなくて笑いました」
(いや、なんで笑ってるんだ、この人…。)
当然のことながら成績はボロボロで、2011年は留年してしまいます。
1年生2回目の2012年、さすがに心を入れ替えますよね?
「いや、2012年はますますAKBにのめりこんでしまいました。握手券目当てで、1シングルにつき数十枚CD買ってましたし」
めっちゃお金かかりそう…。その費用を捻出するためにバイトも増えていく「オタクスパイラル」に陥ってますね…。
「しかも東大アイドル同好会というサークルを作って、仲間がいっぱいできたこともあって、オタクに拍車がかかる一方でした。結局2012年は1学期で2単位とかしか取れませんでしたね。もちろん、また留年しました」
絶対サークル作ってる場合じゃないでしょ…。(参考までに言うと、普通の人は1学期で30単位くらい取ります。)
普通、1回留年したら懲りません?
「喉元過ぎれば熱さを忘れるってことわざあるじゃないですか?僕、たぶん喉元が2mmしかないんですよね。つらいとか悲しいとかいう感情が一瞬で通過しちゃうんですよ」
そういうことか、喉元2ミリメートル…。
「秒速5センチメートル」みたいですね。アニメ化は一生されないけど。
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1年生3回目の2013年。
さすがに見かねた両親に駒場学生相談所に通うことを勧められます。
「ここの相談員の方にはめちゃくちゃお世話になりました!単位の取り方とかを親身になって教えてくれて。相談所に通ってなかったら、たぶん2年生になれなかったと思います」
そんな施設があることさえ知らなかった、単位の取り方とか教えてくれるんだ…。何かに悩んでる東大生の方はぜひ行ってみてください!
「相談に来る人は友人関係に悩んでる人とかが多かったので、僕は少し異質な存在でしたね。相談員の方にとっても、いい経験になったと思います」
なんでちょっと上からなの!?
相談員の方の助けもあり、ようやく単位の取り方をマスターしたレジェンド(遅いけど)。
2013年はアイドル同好会の規模もどんどん拡大して、駒場祭で企画を主催するなど絶好調な1年だったようです。
そして、2014年からは晴れて2年生になることができました(遅いけど)。
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