授業をさぼりまくって、一週間ぶりくらいに大学に行った僕に対して、「こんにちは」と明るく挨拶をしてくれる存在。
2限を受けたあと、3限をさぼって帰路につく僕に対して、「お疲れ様です」と優しく挨拶してくれる存在。
『校門前の過保護』こと、警備員さんです。(いつもありがとうございます)
今回は知られざる東京大学の警備員さんの実態に迫ります!
[広告]
そもそも警備員さんがどこからいらっしゃるのかわからなかったので聞いてみました。
僕「どこからいらっしゃるんですか?」
警「安田講堂の地下ですよ」
僕「・・・!!?」
警備員さんは安田講堂の下を拠点としているようです。
秘密基地みたいでカッコいいですね!
そこの左手の階段を下ると…
いつもはLAWSONに一直線なので気づきませんでしたが、その逆に目を向けると…
もしや…
発見しました!
警備室の中には青い警備服に身を包んだ人の好さそうなおじさんたちが数名いました。
東大の警備員として働かれている南喜久男さんに話を伺いました。
6:30 開門(夜勤明けの方)
7:00 出勤
7:25 朝礼(夜勤中の報告や今日の出来事の連絡)
7:50 巡回・立哨・警備室(3つに散る)
(途中休憩や仮眠あり)
20:00 閉門
20:00~6:30 夜勤パトロール
夜勤の方は4時間仮眠室で仮眠をとる時間を設けられているそうです。
安田講堂警備室の警備員さん全員が手分けして、キャンパスの安全を守ってくださっています。
24時間体制で警備員さんはキャンパスにいて、働いてくださっているのですね!
[広告]
警備員さんの仕事を一言でいうとどのようなものでしょうか?
「職員・学生さんを守り、勉強できる環境を作ることです!」
いきなり本質的な答えをいただいてしまいました。(僕が聞いたのですが)
この大きな目的のために細かな仕事が沢山あるということです。
警備員さんの1日の仕事を伺ったところで、3つの仕事が出てきましたが…
「巡回・立哨(門の前に立って警戒・監視を行うこと)・警備室の3つの仕事をローテーションで行っています。」
なるほど、校門の前に立っているのは、「立哨」という仕事だったのか。いつも警備員さんの顔にまで注意を払っていなかったので、交代していたなんて気付きませんでした。
具体的に1つずつ話を聞いていきたいと思います。
「巡回の主な目的は不審者の排除です。我々は見たらすぐに分かりますから、見つけた場合は入っちゃダメですよと言って、出て行ってもらいます。」
見たらすぐに分かる!?
東大生の中にもたまに不審者みたいな人がいる気がしますが、間違えて不審者扱いをしてしまったことはないのでしょうか?
「ないです!東大は誰でも自由にキャンパスに入れるので、訪問客や学生など色々な人がいますが、見分けがつきます。」
さすがいつも東大生を見守って下さっているだけあります。
巡回はどのように行われているのでしょうか?
「本郷キャンパスを本郷南・本郷・本郷北と3つのエリアに分けて、分担して見回っています。さらに弥生の農学地区と浅野キャンパスの浅野地区があります。車や自転車を使って、移動します。」
こんなふうにエリアが分割されていたとは…
あれ?病院エリアが入っていないような…
「病院エリアは別の管轄です。ちなみに校舎の警備もうちとは別で、校舎ごとに鍵の開け閉めなど警備を行う人がいます。よく見ると服装が違うでしょ?」
全然気づいていませんでした。警備の仕事といっても、中と外で完全に分けられているようです。
「こんなでっかい建物沢山あって管理出来ないですよ(笑)工学二号館とか入ったらどこか分からなくなります。」
「人が一番出入りするところなので、明るく元気に挨拶するように心がけています。」
僕は文学部なので、いつも正門の警備員さんにお世話になっています。挨拶はするようにしていましたが、顔はまったく思いだせません…
あまり意識したことはありませんでしたが、警備室のある門はいくつあるのでしょうか?
「正門・赤門・龍岡門・弥生門・農正門の5つです。」
農正門は弥生キャンパスの門ですが、それにしても意外と多くの門があることが分かります。
立哨では挨拶以外にはどのような仕事があるのか、お仕事の邪魔にならない程度に実際赤門の警備室にいらっしゃった方にお話しを伺いました。
「まず始めに門周辺に異常がないか確認します。特に赤門は重要文化財だから。それから中で人が倒れてたりしたら大変だから、警備室の横にあるトイレの確認もします。」
一通り確認が終わった後は、立っているだけなのでしょうか?
「もちろん不審者が入ってこないか目を光らせてはいます。ただ主な仕事は訪問客の人にキャンパス内の校舎の位置を教えてあげるくらいかな。」
僕も一度校舎が分からず、警備員さんに道を聞いたことがあったのを思いだしました。本郷キャンパスは本当に広いので知らない校舎の1つや2つ、在学生ですらざらにあります。
話を聞いている最中にも韓国からの訪問客らしきカップルから安田講堂の位置を尋ねられていました。
どこの位置を聞かれることが多いのでしょうか?
ランキングにしていただきました!(聞かれた時の場所にもよるとは思いますが)
【案内するキャンパスの名所ランキング】
他には弥生式土器発掘ゆかりの地(浅野喜キャンパスにあるらしい)や三四郎池も聞かれることがあるそうです。
ハチ公像の存在とか恥ずかしながら、僕は初めて知りました…
「救急対応のための待機がメインですが、モニター類のチェック、報告書類の整理など様々な仕事があります。」
取材させていただいた安田講堂地下の警備室が3つ目の仕事の場所。
救急対応とは、キャンパス内で交通事故が発生したり、グラウンドなどで怪我人が出たりしたときに救急車を呼ぶこと。年間で70件ほどあるのだとか。
救急車や消防車を目的地に1秒でも早く誘導するため、キャンパス内の地図を頭に入れることが東大警備員の最初の一歩だということです。
3つの主な仕事がわかったので、その他の知られざる業務について伺っていきます。
門の前や巡回はよく目にするので馴染みが深いですが、その他の仕事となるとまったく知らないことが沢山あります。
他に、次のような仕事を上げていただきました。
こんなに細かい仕事までされていたとは…
そういえばキャンパス内で石畳がめくれていたり、枝が落ちてたりするのを見かけたことってなかったです。
当たり前のこととして考えたこともなかったですが、この当たり前にも警備員さんの努力があったのです。
もしキャンパスで何かあった場合は、警備員さんまでお知らせするようご協力お願いします。
[広告]
1年365日、欠かさず東大生を間近で見守ってくださっている警備員さんは東大生についてどんな印象を抱いているのでしょうか?
挨拶する奴が少ない、コミュニケーションのいろはが成っていないなど、辛口な評価が飛び出てくるのを承知で尋ねてみました。
「私は東大が好きでここに入りました。東大生には良い印象しかないです!
よく挨拶もしてくれますし、拾得や遺失で訪れる学生さんと話すこともありますがよく喋ってくれます。
東大生の学生さんをもっともっと勉強させるんだという気持ちで頑張っています!」
うわ…なんか申し訳ない気持ちが込み上げてきた…
言えないよ…週1日しか大学行ってませんとか口が裂けても言えないよ…
明日からせめて警備員さんに挨拶するためだけでも大学に行こうかしら。
キャンパスの安全・安心という僕たちにとっての”当たり前”は、警備員さんという1人1人の名前が付いた人間が作りだしてくれているものです。今日は南さんにお話しを聞かせていただきましたが、この他の警備員さんにももちろん名前があります。警備員さんと一括りにするのではなく、顔を見て、目を見て、名前も意識して、挨拶できるようになればいいですね!
「今日も1日お疲れ様です!!!」