危うさと強さと繊細さと。コバリサさんに、会ってきました。

2015.12.08
Kansiho
学生証
  1. お名前:コバヤシリサさん
  2. 所属:工学部都市工学科4年
  3. 進路:東大の院へ

コバリサさんといえば、2014年の東大ミスコンファイナリスト。

凛とした印象の、ショートが素敵なこの方です。

ミスコン時のお写真。 出典:misscolle.com

ミスコンらしからぬモードな雰囲気と媚びない魅力で多くの人を魅了し、多くの東大生にとって「気になるひと」になった彼女。

私もそんな彼女が気になる学生の一人。

ということで、取材を口実に、独特の雰囲気と存在感の理由を解明すべく、お会いしてきました。

コバリサさんの所属する都市工学科の演習室にて。

— 失礼なのかもしれませんが、コバリサさんって、ミスコンの依頼が来ても断りそうなイメージがあって。”みんなが好きなもの”より、”多くの人には好かれないけど、自分が好きなもの”を大切にする人な気がしていて。だからどういう気持ちでミスコンに出たのか前々から興味がありました。そこから伺っても良いですか。

私、けっこう社会ずれしてると自覚していて

— え?社会ずれ、ですか。そんな風には見え…(いや、どうだろう。笑)

「普通だったら中高時代とかに、集団で行動することによって、自分を適度に抑制したりする術を学ぶと思うんですけど。私は全然それをしてこなかったというか……」

— それで、なぜミスコンに?

「とことん客観的に評価される機会を持つことによって、矯正されるものもあるかなと思ったんです」

— なんとも極端なショック療法ですね。そんな思いでミスコン出る人、今後現れないでしょうね……。中高時代矯正しなかった、って仰いますけど、割とお嬢様系の女子高に通われてたと伺ってます。私も女子高いたから思うんですけど、女子高にいるとけっこう協調圧と言いますか、そういうものありませんか?

「そうですね、女子独特のグループ行動が苦手で(笑)

授業サボって、屋上から街を眺めたり、河川敷で一人で寝てたり。そんな高校生活。

学校は好きだったけどね。校舎が素敵なんです」

— 自由ですね(笑)  お散歩好きなんですね。

「散歩は良くしてましたね。風景の中に自分が溶け込んでいくのが好きで。風景の中の自分ってどう見えてるんだろう、溶け込んでるかなって考えたり

— あんまりそういうことは考えた事ないですね。街に自分は似合うか、とか。どういう感じなんでしょう、その感覚。

「下北沢ならヒールは似合わないな、渋谷は早足で歩きたいな…とかね」

— よくそういった街の写真アップされてますよね、インスタとかで。すごいセンスあるなあ、って思って見てます。羨ましいです。芸術センス。

「いやいや。同じ様な事、まさに高校時代に思ってましたよ私。入っていた軽音部で、美大や芸大に行くような友人が多くて。絵描くの好きだし、写真撮るの好きだし、芸術とか絵への憧れはなんとなく持っているけれど、そういう子達に比べると、没入しきれないことを自覚していて劣等感がありました」

–そうなんですか。私からしたら十分没入されているように見えますが。

「アンバランスなんですよ。めちゃ没入するか、冷めた目で俯瞰しちゃうかの二つしかなくて、危うい。作品を作り上げる所まで行かなくて、それがコンプレックス」

— ご自身では、なぜそういう傾向が生まれたんだと分析されてますか。

「転校が多かったからじゃないかな。転校多いと、メタ的になると思っていて。

たとえば大阪に引っ越した時は、”いじり”みたいな独特の会話システムがあって、”いじられたら美味しい”っていう共通理解を私が持ってなかったから、何か言われても”あれ、今ひどいこと言われぞ? ”みたいな感じにワンテンポ遅れちゃって、 環境の違いに戸惑うことが多くて」

–(関西に引っ越した事がある取材メンバー: 「関西でのその感じも、引っ越し多いと異なる環境にいる自分、みたいな感じで俯瞰しちゃう感じもすごい分かります」)

— アンバランスだ・作品を作り上げられる所までいけないコンプレックスがあった、とおっしゃっていましたが、自分にぴったりくる、と思えるものは大学で見つかったのでしょうか

「たとえば、入っていたbiscUiT(東大女子マガジンを発行するサークル)では、主に企画を組んだり、情報の取捨選択、なにをメッセージにして、どの情報をどう載せるか、という事をやっていたんですね。
“私、いいとこ取りしてるだけだな。作ってないな。”ってちょっと自信を持ちきれないところがありました。でも、”キュレーター”って言葉を知って、私がやってることはきちんと仕事なんだって思えて、救われたかな。

いろいろやって、自分はキュレーターやプレス向きってのがわかってきたので、将来は情報を人に示す方法を突き詰める方向にいってもいいな、と思っています」

コバリサさん、先日もデザイン展のキュレーターを務め、徹夜が続いたそうです。所属されている都市工学科の卒業設計も、かなりの徹夜モノだと聞いた事があります。

ハードな方が生きている感じがするんだよね」と金髪をかきあげながらいたずらっぽく語る彼女。なんだか少年と話しているような気持ちにもなります。

耐えきれず、取材メンバーの一人が、「コバリサさんって、Mですよね」と聞いたところ、「間違いなくドMですね」と即座に笑いながら返してくれました。「楽をしたかったら、この学科選ばないですよ(笑)」と。

「あとは(ドMなのは)キリスト教系の学校だったことが関わっているかもしれません。”汝、敵に尽くせよ” の精神」

— 右の頰を叩かれたら、左の頰を差し出せ、というやつですね。

「そう。私が先に頰を差し出したら、きっと何かが返ってくるはず、という姿勢が染み付いてるんです」

危ういと思ったらしなやかだったり、繊細だと思ったら強かったり、突き放すのかと思ったら、暖かかったり。

メタ的に眺めているなと思ったら今度は溶け込むように近づいている、独特の「物事との距離の置き方」。

ここからコバリサさんの持つ独特の存在感、つかみどころのなさが生まれているのではないでしょうか。今後の彼女からも目が離せません。

徹夜明けにもかかわらず、快く取材に応じてくださったコバリサさん。本当にありがとうございました。

この記事を書いた人
Kansiho
東大文学部思想文化学科(投稿当時)
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