足で勝てないあいつをぶっ潰してやりたいキミへ~頭脳のスポーツ、オリエンテーリング~

2016.04.01
Ymascis

 
陸上トラックを走って勝てない相手に勝つためにはどうしたらいいだろうか。怪我させる、毒を盛る… 姑息な手段しか思いつかん。
そこで勝つための武器となるのが頭脳だと聞いたら東大生の皆さんはわくわくしないだろうか。そんなスポーツが存在する。オリエンテーリングというスポーツだ。

オリエンテーリングって?


オリエンテーリング、小学校のレクリエーションなどでやったことがある人もいるかもしれない。
簡単に言えば、森や里山、草原、砂漠(!)などの大自然を駆け巡るスポーツだ。
ルールは簡単で、スタートからゴールまで地図上で指定されたチェックポイントを順に回ってゴールまでのタイムを競うというだけ。チェックポイントを順に周りさえすればまっすぐ進もうが迂回しようが自由。道を使う必要はないし、そもそも道なんて存在しないこともざらにある。
この競技の最大の魅力はチェックポイント間のルートは自分で地図を読み、瞬時に最速と思えるものを組み立てる必要があるという点である。


使う道具は地図コンパス(方位磁針)、それから通過証明のための電子カードのみ。
チェックポイントにはオレンジと白の目印(フラッグ)と通過記録を付けるための電子機器が置かれている。

左が通過記録用カード、右が競技用コンパス(方位磁針)
目印となるフラッグと通過記録を付ける選手

醍醐味①~ルートはまっすぐとは限らない、最速のものを選ぶべし!~

上で述べたようにオリエンテーリングで勝つためにはルート選択が一つのカギを握る。

例としてこの地図を見てほしい。2番から3番へ向かうとき、まっすぐ進む(登って下りることになる)か下の黒の破線で描かれた道を使う(登らずに巻くことができる)か二択で分かれる。

醍醐味②~決めたルートは確実かつシンプルに実行すべし!~

①で語ったルート選択能力も重要だが、オリエンテーリングの本質は正確かつシンプル、迷いのないルート実行である。どんなに素晴らしいルートを思いついても、結局それを正しく実行できなかったら(≒迷子になってしまったら)台無しだ。

ちょっと長いが、上の動画を見てほしい。①で例に挙げた2番から3番を実際に走った時の動画だ。(揺れるので画面酔いする人は注意、あとハアハアうるさい)
2番のフラッグに着いてから走者は最初真っすぐを選択しようとしたが、数歩進んで登りのきつさを感じ、迂回ルートを選択した。終盤藪に絡まって減速したが、概ね思った通りに3番のフラッグにたどり着いた、というところで動画は終わっている。
好タイムを出すためのルート実行とは、決めたルートを辿ることと完全に一致するわけではない。たとえ同じルートを辿っていても、速い人と遅い人ではタイムに大きな差が現れる。この差を生み出すのは藪や倒木の処理能力、現在地把握能力(少しでも現在地に不安を感じたらそれが減速に直結してしまう)、そしてルートプランのシンプルさである。

例えば、このA地点からB地点に行きたいという時、みなさんはどうするだろうか。おそらく病院の前の分岐を左に、次のT字路を右に、最後交差点を直進するだろう。その実行にコンビニだとか郵便局だとか八百屋だとか、そういった余計な情報は必要ない。
 
これがルートプランのシンプルさというもので、次のチェックポイントへのルートの中で現在地把握に必要な情報のみを選択し、立ち止まる回数やスピードが落ちる回数を減らすことがタイム差となってあらわれる。
オリエンテーリング用地図というのは恐ろしく精巧に作られており、地形や道はもちろん植生、岩、崖を始めとするありとあらゆる情報が詰め込まれている。その中から必要な情報だけを拾い上げるというのは難しく、上級者であっても情報を捨てすぎて現在地を見失ってしまうことがある。だからこそチャレンジングな競技なのだ。

醍醐味③~全てをコントロールし、思い通りにフラッグに辿りついたときの快感~

オリエンテーリングは孤独で、めちゃめちゃしんどいスポーツだ。自力でナビゲーションせず人についていくようなことが生じないように、基本的に時間差で一人ずつスタートしてゆく。そのため森の中では一人の時間が長い。
そして、は常にフル回転している。当然道が整備されていない森の中を走るため足の置場は常に気にしなければならない。同時に走りながら地図を読み、あたりを見回して現地と対応させ、違和感を覚えたらすぐに現在地を検討しなければならない。
そんな中でしんどい登りを駆けあがって、藪を切って、思った通りの場所にオレンジと白のフラッグが見えたときの快感は何にも替えがたい。こればっかりはやってみないとわからない。


思い通りに行ったときは地図の情報が完全に現地と一致し、地図の上を思うままに走る感覚を得ることができる。

おまけ~その土地ごとの地形がおもしろい~

日本全国、地形のでき方はさまざまだ。多種多様な地図を眺めているだけで楽しい。以下に地図の例を挙げておく。

伊豆大島の砂漠。溶岩によりできた細かい地形が面白い。(版権:ES関東C)
東京都青梅市の里山。等高線間隔が狭く急峻である。
栃木県日光市の里山。同じ里山といえど地形はまるで異なる。
東京大学本郷キャンパスの地図。オリエンテーリングは公園やキャンパスで行う種目もあり、迷路のように入り組んだ建物の間を縫って走るのが魅力だ。

東京大学オリエンテーリングクラブについて

純粋にオリエンテーリングの紹介記事にしようと思ったのだが、一応僕が所属する東京大学オリエンテーリングクラブ(通称東大OLK)の説明もしておこう。東大OLKはオリエンテーリングを行う東大内で唯一の団体だ。サークルなので参加頻度は人によりまちまちである。
大会で良い成績を残すために日々を練習に捧げる人もいれば、週末たまにふらっと遊びに来る人もいる。どんな楽しみ方でもOKだ。


オリエンテーリングというスポーツ、東大生に適性があるのかは分からないが、現在学生選手権の団体戦3連覇中である。(ちなみにこの7年間一度しか優勝を逃していない)ほとんどの人が大学から始めるスポーツのため、活躍できるチャンスはいくらでもある。初めて一年目二年目でジュニアの世界選手権に出場する選手も毎年のように輩出している。
さんざん難しいスポーツであるというアピールをしてしまったが、最初のうちは上級生やコーチが手取り足取り教えるので安心してほしい。アウトドアが好きな人、走るのが好きな人、森の中を疾走してみたい人、地図が好きな人、新しいことを始めたい人、すべての人におすすめしたい。興味を持ったらいつでも連絡してほしい。
四月の週末には体験会も毎週やってます。
 

おわりに

溢れんばかりのオリエンテーリング愛をぶつけてしまったため分かりにくい部分も多かったかと思うが、伝わっただろうか。僕は東大に入って何もやりたいことがなく、途方に暮れていた新歓期にこの競技と出会ってみるみるうちに引き込まれてしまった。
大学生活に関してもルートは決められておらず、自分で考えて選択しなければならない。自分が信じるルートを自信を持って歩んでいってほしい。そしてその選択肢の中にオリエンテーリングがあれば光栄だ。
 
東大OLKの活動に興味を持ってくださった方は、以下のページから新歓情報を見ることができます。ぜひご参考下さい。
(HP)http://new.olk.jp/
(Twitter)https://twitter.com/olk2016

この記事を書いた人
Ymascis
はじめまして! Ymascisです。UmeeTのライターをやっています。よろしければ私の書いた記事を読んでいってください!
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