こんにちは、UmeeT編集部のすりーむーんです。
突然ですが、アイドルのライブに行ったことはありますか?
僕はありません。これまでアイドルにハマったことはなく、「欅坂46」も漢字で書けないです。(え、櫻坂46に改名してるんですか……!?)僕に限らず、多くの東大生はあまりアイドルに関心がないのではという印象があります。
自分も特にアイドルに興味がないので、今後の人生で関わることはないだろう……。
とか思っていたのですが、先日UmeeT宛に、とあるアイドルの運営の方からこんなお誘いが届きました。
「今度ライブがあるんです!!東大生のみなさん!!来てみませんか!?」
なんでも、下北沢のライブハウスで行われるアイドルライブに来てもらって、ぜひ感想を聞きたいとのこと。下北沢か、サブカルの街だ……。
とはいえ、こちとら冴えない東大男子(21歳のB3)です。未経験のアイドルライブにひょいと飛び込んで、楽しめるものなんですかね??ああいうのは歴戦の猛者しか行けない場所なのでは??
まあでもせっかくの機会ですし、招待していただけるとのことなので行ってみましょう。
まだ見ぬ世界への不安と多少のワクワクを抱きつつ、なかば怖いもの見たさで、下北沢のライブハウスに足を運んでみることとしました。
先にネタバレですが、初体験のアイドルライブは……
最高でした。
なんと今回、ライブ終わりのアイドルの皆さん(『BLUEGOATS』さん)にインタビューもさせていただいたので、ぜひ最後まで読んでください!!
今回僕が参加させていただいたのは、アイドルグループ『BLUEGOATS』さんの3周年記念ワンマンライブです。
BLUEGOATS(ブルーゴーツ)。2021年11月結成。愛称は『アオヤギ』。「あなたと私でBLUEGOATS」をコンセプトに活動する女性アイドル。
(公式サイトより)
3周年記念という、メモリアルなライブに招待していただきました。ありがとうございます。事前にBLUEGOATSさんのことは軽く調べたものの、まだメンバーの顔と名前くらいしか知りません。ファンにしばかれるんじゃ…?
不安に思いながらも、会場の下北沢WAVERへと向かいます。下北沢のライブハウスなんて『ぼっち・ざ・ろっく!』でしか見たことないな。
ちなみに今回は僕の大学の友達にも同行してもらっています。1人だと心細かったので……。
この辺かな……わっ、絶対ここだ!すごい並んでる!
ここで担当のスタッフの方と合流して、今回は特別に一足早く中へ入れてもらえることに。
ライブハウスって、ほんとに地下にあるんですね。狭い階段を下ります。ドキドキ……
中に入ってみるとこんな感じ。想像よりも狭いし、ステージと客席がすごく近い!
今はライブ前の特典会を行なっているそうです。特別なチケットを買うと先に入場できて前の方の席を取れるうえ、メンバーと記念撮影ができるらしい。特等席ってことですね。
せっかくなので、ファンの方から話を伺いたいところですが……。初めての空間での緊張もあって、人見知りな僕は話しかけられずにいました。すると……
おっ!久しぶり〜元気してた?
あ、どうもっす〜
ちょっと取材に付き合ってくれない?この子らライブ初めてで、いろいろ聞きたいんだってさ
いいっすよ〜
軽っ!やった!
さすが、特別チケットを買うほどの熱心なファンの方とは顔見知りなんですね。その後もスタッフの方たちと仲良く話すファンの姿を結構見かけました。歴戦の猛者は違うなあ……。
スタッフの方のありがたい心遣いのおかげで、ファンのAさんにインタビューをすることができました。
自分はライブ初めてなんですけど、Aさんは何回くらい来てるんですか?
えっと……50回くらいですかね。
そんなに!ほぼ全部のライブってことですか?
まあそうですね。2年ちょいくらい来てるかな。
愛がすごい……!!自分はライブ自体が初めてなんですが、いつもどういった感じになるんですか?
ああもう、すごい盛り上がりますよ!
彼は結構最前列で、「オイ!オイ!」ってやってる激しいタイプなんですよ〜
そうですね、割とはしゃがせてもらってます。
(大人しそうな見た目なのに……!)ライブの楽しみ方のポイントってありますか?ほんとに初心者なので、アドバイスがあればいただきたいです。
自分の楽しみたいように楽しめば大丈夫ですよ。盛り上がりたければ盛り上がる、静かに見たいなら静かに見るっていうのはメンバーも推奨してることなので。
あ、静かに見てても良いんですね。ちょっと安心しました。
あとは何かこう、アイドルライブに特有のルールってありますか?知らずに地雷を踏んで怒られたりするのが怖いです。とにかく怒られるのが怖くてビビっています。
そんな特別なルールはないので大丈夫ですよ!自由に楽しんじゃってください。
それなら良かった!だいぶ不安が取り除けた気がします。
強いて言うなら、ちゃんと身だしなみを清潔にして来ることですね。当たり前のことですけど、推しに不快な思いをさせてはいけないので。
ジェントルファンだ……。(※ジェントルマンなファンのこと。今考えた)
一緒にライブ楽しみましょう!
押忍!
ファンの人って、勝手にもっとイカつい人をイメージしていました。優しい方もいるんだね。
周りの他のファンたちを見ても、女性の方もそこそこいたり、ごっつそうな見た目でもにこやかに同志と語り合っている方が多くて、思っているよりも治安が良かったです。
地下ライブと聞いて、もっと張り詰めた雰囲気をイメージしてしまっていたよ……。
そろそろライブが始まります。
果たしてどんな世界が僕を待ち受けているのでしょうか……。
未知への扉が、今、開きます。
\わ〜〜!/
BLUEGOATSの皆さんの登場に、会場は一気に大盛り上がり。
ハイ!ハイ!
会場のボルテージが上がるにつれて、自分もテンションが上がってきます。まあまあ、私は普段からそんなにはしゃぐタイプではないので、ゆっくり楽しませてもらおうかな〜。
それにしても、ほんとに距離が近いですね!!最前列の人とか、メンバーとグータッチしたりしてるな。すご〜
あ、メンバーの1人のチャンチーさんが目の前に来ました。うわ、近っ!
アイドルの人たちってすごいよな〜なんてぼんやり考えながら、ステージの上のチャンチーさんを見ていたところ、
ぱっ、と僕と目を合わせてくれて、、、
僕に向かって……
「ニコッ😊」
(最高の笑顔)
↓
↓
↓
♡
\ズキューン/
\\うおおおーーーー!!!!//
\\わあーーーーー!!!!//
\\ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!//
\\サイコーーー!!!!//
あっという間にBLUEGOATSの虜になってしまいました。結局めちゃくちゃはしゃいじゃった。
まず言いたいのは、熱量がすごい!!
BLUEGOATSの皆さんの全力がぶつかってくる。それにファンは全力の声援で応える。会場全体にエネルギーが溢れてました。
ステージの上のメンバー全員、すごくカッコよかったし、輝いてた。
そして、メンバー全員がファンのことをちゃんと見てくれている。
当初の僕のイメージは、アイドルって手の届かないところにいる存在で、ファンからアイドルへの一方通行な関係性だと思っていました。
だから「アイドルにそこまで本気になれるんかねぇ」と思っていたんですが、BLUEGOATSの皆さんはちゃんと見てくれる。それがめちゃくちゃ嬉しかった。そりゃズキューンの一つや二つ、なりますよ。
その後も、ステージから降りてきてみんなで一緒に歌ったり、
隣に立った見知らぬファンの方と、みんなで肩を組んで歌ったり。
知らない人と肩を組むのは初めてでしたが、ファンの方みんなあったかかったので大丈夫でした。(心も表面温度もあったかかった。)
僕の前の人がジャンプしたとき、着地時に僕の足先を踏んじゃってたんですが、その後すぐに「ごめんなさい今足踏んじゃったと思うんですけど大丈夫ですか!?」って言ってくれて、優しい〜〜!!!ってなりました。
アイドルとファンの間に壁はなく、この瞬間同じ空間を共有する仲間として、全力でハジけてかけがえのない時間を過ごす。
めっちゃ良いじゃん!!
ライブ、想像していたより何倍も良かったです。
本当にお世辞抜きで、来て良かったなって思いました。感動しちゃった。
ライブの後にはグッズ・チェキ券の販売があり、その後チェキの撮影会も行われました。出た、チェキ!アイドルライブっぽい!!
なんと今回スタッフさんのご厚意でチェキ券をいただいたので、僕もチェキ撮影会に参加することに。もちろん、これも人生初です。ありがとうございます……!
ライブを終えた後だと、BLUEGOATSのみなさんがめっちゃ輝いて見えます。
自分も列に並び、順番を待ちます。ファンのみんな、ライブの興奮冷めやらぬ状態で浮ついてて、とても良い空間でした。
自分の番が来てチェキ券をスタッフの方に渡し、チェキ1枚orスマホ撮影3枚を選びます。スマホでお願いし、ステージにいるメンバー(ほんま・かいなさん)の元へ行くと…
ありがとう〜〜!はじめてだよね?
そうです!今回はじめてで〜……
……え!すごい!え、すごくないですか??
はじめてじゃなかったら大変ですよ!?
ちゃんと一人一人のことを覚えてるってことか……
嬉し〜〜!!
列に並んでいる間、どんな感想を言おうかな〜と真剣に考えていたんですが、いざメンバーの目の前に立つと、脳内メモが綺麗さっぱりふっとびました。チェキ撮影の1分間、何を話したか覚えてません。
めっちゃ緊張したのもあって、
今日はどこで知って来てくれたの?
あ、えっと(取材で来たって言うのはちょっとな…)、、
……え、縁がありまして
何それ笑 ありがとう笑
という謎の会話をしてしまったことだけはハッキリ覚えてます。恥ずかしい。
それでも話をしている間はずっとニコニコしちゃって、めっちゃ楽しかったことは覚えてます。無理に話してる感じが全然しなくって、さすがプロだなって思いました。ニコニコしすぎたので表情筋が筋肉痛です。
というわけで、本当に楽しいライブでした。ライブがこんなに良いものだとは。。。
後日、同行してくれた友達からライブの感想が送られてきました。以下、友達の感想です。みんなで一緒に読みましょう。
・アイコンタクトがとても嬉しかった。たくさんの観客でひしめく中、一人一人の顔を見て視線を送ろうと頑張っているところが感じられた。すごい。また目を合わせてくれないかな~と思いながら声を出したり手を振ったりした。とても楽しい。
本当にそうです!!目が合うとすんごい嬉しい。
・曲と曲の間にメンバーが一人で語るMCパートがあって、彼女らは本気でアイドルとして成長していくことを望んでいて、その道は過酷なものだけど、めげずに走り続けているんだと言うことが伝わってきた。応援したくなる。その過程を見守ってあげたいという気持ちもよくわかる。
3周年記念ということもあり、アイドルへの強い思いが感じられるMCで、すごく熱かったです……。
・観客の間でコミュニティができていることが素敵だと思った。ライブの後の打ち上げの飲み屋の相談をしたのが聞こえてきたり。ファン同士でアイドルが好きな気持ちを共有して繋がるのは尊いことだと思う。多分ファンのDiscordグループとかあるんだろうな。
「おっ、〇〇さんじゃん!久しぶり〜!」みたいな会話も聞こえてきて、ライブハウスがファンの方たちの集う場所になってるのが素敵だなあって思いました。
・チェキ撮影会で、皆さん僕を見て「初めまして」と言ってくれた。ファン一人ひとりを覚えて、初めて来てくれた人には挨拶をする。個人と個人の関わりという側面を感じられたのが驚き。アイドルとファンという極度に勾配のある関係をなんとなくイメージしていた(実際にそういう部分は多々ある)が、それを感じさせないコミュニケーションを実現していくところが、とても好印象。好き。
僕と全く同じこと言ってる!
「個人と個人の関わり」というのは本当に自分も強く感じられた部分で、絶対的なアイドルというよりも、どちらかというと友達に近いような感覚を感じられたのがすごく素敵でした。これはアイドルグループ全般に言えることというより、BLUEGOATSさんだからこそ感じられることなのかもしれないです。
・決まりなんてない! しきたりなんてない! 空間の「好きだ!」「騒げ!」という波に乗るだけで僕たちはみんな友達だ。そんな素敵な空間。
BLUEGOATSの皆さん、素敵なライブを本当にありがとうございました……!!
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そして今回、なんとライブ終わりのBLUEGOATSの皆さんにインタビューをさせてもらえました!!お疲れのところ、ありがとうございます……!
自分はライブに加えてこのインタビューが控えていたため、緊張しすぎて前日全く寝れませんでしたが、アイドル活動のこと、ライブに込める熱い思いについてお聞きするとともに、悩める東大生へのエールもいただいてきました!
──(筆者)本日はよろしくお願いいたします!
よろしくお願いします!
──今日のライブ、最高でした……!もうすっかりファンになってしまいました。自分はアイドルのライブ自体が初めてだったので、アイドルのイメージが変わったというか。ものすごく新鮮な体験で、超楽しかったです。
この子たち、FRUITS ZIPPERも知らないレベルらしいんですよ。
え゛っ!?
〜※補足:参考として、知り合いの東大生45人に認知度調査を行った結果を載せておきます。興味ある方は拡大してみてください!〜
(対象とするアイドルグループについては、こちらの記事を参考にしました)
──結構東大生って閉鎖的なところがあるので……
え、じゃあなにが趣味なんですか……?
──自分はドラえもんが好きなので、ドラえもんの同好会を立ち上げたり……あと今日サポートでついて来てくれた後輩の彼は地理部に所属してて、街歩きをしたり、駒場祭で立体日本地図を展示したりしてます。
へ〜!え、どこが一番高いんですか?
いやそりゃ富士山ですよ。
あそっか(笑)そうだわ……
──早速ですが、今日のライブで、ファンの方との距離がとても近いなっていうのをまず感じました。特にチェキ撮影会のときに、ファンの方一人ひとりに丁寧に接している姿がすごく印象的で……。ファンの方とコミュニケーションを取るときに、心がけていることってありますか?
私はまず、1人1人同じようには話してないです。ファンの人の中でも、ほぼ喋らない方とか、結構お喋りしてくれる方とかがいるんで、それによって自分がどれくらい話すかを決めたり。ライブ中には、全員の顔を見る気持ちでやってるんで、「今日こういう良い顔してたよね」とか、「ここにいたよね」とか。
本当に、1人1人がいることで私たちが成り立ってることを伝えたいって思ったり、「自分がここにいていいんだ」と思って貰えたら嬉しいなと思って対応したりしています。
──ライブに同行していた友達も、チェキのときに「あそこにいたよね!」って言われて嬉しかった、ってすごく喜んでました。すごい神対応ですね……!ステージの上からって、ファンの顔は結構見えるんですか?
会場によりますね。ただ今日はステージの高さがいつもより低かったので、少し見にくかったかな。
会場が暗めだったからね〜。後ろの方が見えなかったのは悲しかった。
──ステージの上から順番に目を合わせていっているのが、すごく伝わりました。実際自分も目が合って、めちゃめちゃ嬉しかったです……。
嬉しい(笑)。
──ライブ中にファンの方たちを見るときって、どんな感じなんですか?
私たちは自分たちで歌詞や振り付けを考えていることもあって、一曲一曲にいろんな想いがあって、それでこの人は「この曲好き」って言ってくれてたな、とかそれぞれあるんです。だから、なんだろう。「今好きだよね!」みたいな。
人それぞれ、あなたは今のこの曲好きだよね〜!みたいな感じで、目が合うと思いますね。
この曲好きって言ってたな、っていう人のこととか、見ちゃうよね(笑)。
──ちゃんと覚えてるんですね……!自分だったら絶対無理だな……。一人ひとりをちゃんと認知してくれているというのは、ファンからしたらすごく嬉しいことなんだなって今日自分も思いました。
──加えて、ライブ中に何を考えているのかな、ということも気になりました。特に僕はチャンチーさんがステージ上ですごく輝いてるように見えて。
私は結構、自分が思ってることが全部表情とかに出ちゃう人間で。ライブのときも本当に自分のまま出せることが目標というか。
ファンの人の前でも、自分に正直な気持ちでいたいっていう気持ちがあって。だからライブ中は本当に無心。何も考えずにただ音に自分の身を任せたり、本当に曲に素直に。皆の前で素直にいる。
──そのまんまの自分でステージに立つのって、怖くないんですか?自分だったらものすごく怖いだろうなと思って……。
ああ、私は多分昔からずっと人前に出る仕事とかダンスとかをやってたり、そういうのが結構好きなんで、あんまり怖さは感じたことはないです。
私も、怖いっていう時もあるんですけど、どうしようもないので、ステージに立ってる自分を想像して、「自分はかっこいいんだ」と思って出てます。
「こえ〜〜」って思うんですけど、やっぱ出たらカッコつけちゃうんですよね。出た瞬間からもう、カッコつけてるんで、そうしてるとだんだん本当にスーパースターのような気分になってきて、怖いとかマジでなくなってくる。バンジージャンプの直前みたいな、飛ぶ前が一番怖いけど、飛んじゃったら楽なんだよね。だからとりあえず出ちゃう。
でもあれかも、集中できないときには自分が憧れてるアーティストさんの曲とか聴いて、自信を保ったりはします。マリンちゃんが言ってたように、ステージに立ってる時間を、かっこよく過ごしたい。
──ありのままの自分でステージに立つためには、自分の個性みたいなものをはっきりさせておく必要があるのかな、なんて思うのですが、個性ってどうやって見つけているんですか?例えば、グループの中での自分の役割みたいなものって考えていたりするんでしょうか。
可愛い担当だ〜。(ソンソナさんを指差す)
私たちのグループって他と比べてそんなにキャピキャピしてるグループじゃないんですけど、その中でもソナは王道のアイドルみたいな。
私は王道アイドル系が好きなんですけど、でもその分、この3人がすごくかっこいいのは、私自身も惹かれる部分で。お互いがお互いの個性を強調しあってるのがすごく好きなんです。
でも多分、自分の良さはみんなまだ探してる途中な気がしますね。まだまだ探り探り。「これだ!」って思いながらやってる時もあるけど、何かもっと自分のいいとこってあるんじゃないか、とは思います。
結構ファンの人に「ここが良かった」って言われて気づくこともあるんですよ、「そこなんだ!」みたいな。普通に生きててもそういうことあるじゃないですか、周りの人から言われて、「自分の良いとこって、そこなんだ」みたいな。
──人前に立つ仕事だと、自分はこれが得意だからこれで行くぞっていう風に固めてて、それで前に出てるのかなっていう風に感じてたんですけど、今もまだ探ってる途中っていうことなんですね……。意外です。
私たちもこの3年間、最近になるまで個性とかめっちゃ探してて、いろいろ書き出して作業的に考えたりしてたんです。でも今はそういうことは全くしてなくて。
「個性」って言葉で言うと強いものに見えるけど、そんなものは本当は必要じゃなくて、自分になにか一つ、信じられるものがあれば。些細なことがいっぱい詰まって自分になってるということに、この3年で気付かされたから、そんなに考えなくて良いのかなって思います。
自分の個性ってなんだろうって考えるよりも、すごい小さいことでもいいから、自分が楽しいことをやりたいようにやっていれば良いと思います。個性ってなんだろうって考えてる時点で、生きづらいスパイラルに入っちゃってるのかなって。私たちもずっとそれで苦しかったけど、今はただ楽しいです。それこそさっきの話でもあったように、自分の知らないうちに他の人が良さに気づいて、教えてくれたりすることもあるから。
流れに身を任せて、一旦過ごしてみるのも大事かなって。私も個性とかめっちゃ悩んでた時期があって、皆に公開で悩んでたんですけど、正直私、今も個性ないんですよ。4人でいると、3人が、その、変な意味じゃないよ。個性あるから、その中の1人だから個性なくても「個性ある4人だよね」って言われるだけで。
え、でもそれは多分全員思ってる。私は何も無くて、3人はあるなって。
ええ! 私はみんな変だなって思っちゃう。
(笑)
まあ、ここ2人(マリン・かいな)は多分そんなに思ってないですけど。
うん。みんな変だなって私は思ってます。
自分に個性がないって思ってても、こうやって言って貰えたりはするけど、でも実際個性ないとかは周りから言われるんですよね。こう思ってくれる人もいるけど、普通に「つまんないやつだよね」とか「普通だよね」っていう声もあるし。
色んな声があって、悩んでも結局苦しいだけだから、一旦時間が解決してくれると思って。進まなくてもいいし、そのままでいてほしいなって思います。
──歌詞も自分たちで書いていらっしゃるとのことですが、歌詞にはどんな思いを込めているんでしょうか?
歌ごとに結構違うんですけど、私がよく考えているのは、人間にはいろんな面があるってことを全員で理解したいな、ということです。
例えば学校の先生って、ずっとただの先生としてしか見ていなかったけど、先生にも友達とか、親とか、大事な恋人とかがいて……っていうのが全く見えないじゃないですか。
私は先生のことがめっちゃ嫌いだったんですけど、1人だけ好きな先生がいて、その先生とたまたま帰り道が一緒になったときに先生になった理由とかを聞いて、「あ、この人も人間なんだ」って初めて思ったことがあったんです。
先生にも両親とか、会いたくても会えない人がいるかもしれないし、私たちに見せてない弱い一面があるのかもしれないって。だからそれをわかってあげたいなという気持ちがあります。あなたの見せていない一面を、ちゃんと私はわかってるよっていう。わかってもらうと嬉しいじゃないですか。そこを歌詞で伝えたいなと思っています。
まだ誰も知らない 君のための君が
正しい世界中に 嫌われた時は
わざわざ手を取って 慰めはしないよ
わざとらしいくらい 笑ってあげる
BLUEGOATS『ステイブルー』より。
──なんというか、僕もまだ皆さんのことを知ってからそんなに経っていないんですけど、一般的にアイドルってもっとキラキラした良い面ばかり見せてるようなイメージがあって、それと比べると、BLUEGOATSの皆さんはありのままの姿を見せてくれているという印象を受けました。
そうですね。歌詞は主に私とマリンで書いてて全然違うんですど、マリンは本当にストレート、小細工なしというか。心!直球勝負!みたいな。
私は全然勉強ができないんで、難しい言葉はあんまり使わない方が私らしいし、ちゃんと人に伝わる歌詞になるかなって思って書いています。私は結構、負の感情っていうんですかね。例えば、「いじめてきたあいつをぶっ飛ばす!」みたいな。ネガティブな自分をネガティブなまま終わらせるんじゃなくて、「ステージの上でだけはちゃんと強い自分でいいよ」って私も思いたいし、ファンのみんなにもそう思ってもらいたいなっていう気持ちで書いてます。
──ライブ中のMCでも「今日は嫌なこと全部ここで発散していこう」って言ってて、みんな盛り上がってましたよね。そこがすごくあったかかったし、良いなって思いました。
共感してくれるのがすごい嬉しいです。
──少し質問が変わるんですが、人生が辛いときの乗り越え方ってあったりしますか?辛いなぁって思うときに、どうすればいいのかなって。
私は乗り越えてない、ですね。
──そのまま付き合っていく、という感じですか?
なんか、乗り越えられることってあんま無くないですか?わかんないですけど。「これ乗り越えた!」みたいなことって私はあんまり無くて。グラデーションで薄れていくだけっていうか。本当に全部がパッて解決されるわけじゃないし、支払いとかめっちゃ溜まってるんですけど、これ終わってもまた次の支払いが来るじゃないですか。支払いあるな、と思いながらずっと生きてる。
まあやっぱり辛いことはありますね。YouTubeの編集とかのデスクワークがあったりして、徹夜とか昼夜逆転とかもしたりするし。私たちは自分たちで歌詞とか振り付けを考えてるけど、考えたからって出るわけじゃないし。
でもみんな辛いことを乗り越えてないからこそ、良いライブになるというか。ライブでみんなで発散できるっていうのはあるかもしれないですね。
──そういった辛いことをがんばる原動力って、何なんでしょうか?
しめきり、ですかね。
──わ、かなり現実的ですね!(笑)
本当に現実的なんですよ(笑)。アイドルだからっていうのは別にない。
そんなに日常キラキラしてないし笑
レッスンがんばって〜♪ 今日良かったねぇ〜!♪ みたいな感じじゃなくて、普通にライブある日も、「ああ明日までに編集終わらせなきゃー」とか。正直毎日が本当にキラキラしてないので。それが逆に私たちのライブを作り上げてるのかもしれないです。
私も歌詞今日までなんで。(笑)
──貴重な時間を、ありがとうございます……。
やばい、やばいですよ。
──今日のライブでも、雲の上の存在というよりも、友達というか、一緒に考えてくれる存在というように感じたので、そこが一つの良さなんだと思います。
それでももちろん、出した後に感じてくれたことをファンの方が言ってくれると、がんばって良かったな、って思います。
それは原動力の一つだもんね。
──ファンの方の存在って、やっぱり大きいものなんですか?
あの人たちがいなかったら、私ら、いる意味なくなっちゃうし。
自分たち以上に自分たちのことを語ってくれたり。こんなに見ててくれる方なんてそうそういないから。
──ファンの方にとってはBLUEGOATSの皆さんが自分を認めてくれる存在で、でもBLUEGOATSの皆さんにとっては、ファンの方が自分のことを見てくれる存在……という双方向の関係があるのが、すごく面白いし、素敵だなって思いました。
思った以上に一人ひとりの感想とかが違ったり、それこそレポートとかすっごい長く書いてくれる人がいたり。
やっぱり言葉をいただけるって嬉しい。
ファンのみんなというよりも、本当に一人ひとりを意識してる。
SNSをやってない人とかももちろんいるので、そういう人にもちゃんと届けられるように、歌詞とか曲とかで、ライブだけでも、ちゃんと見ているよっていうのが伝えられるようになれたらいいな……って思います。
──東大生の中でも、特に地方出身の人とか、大学に入って知り合いも少ない中で不安に思うときはあります。そういうときに、自分のことを見ていてくれる存在がいるっていうのはすごく心強いなって思います。東大生のみんなをBLUEGOATSに引きずり込みたいですね(笑)
みんなレポート書いてくれそうで楽しみだ(笑)
──東大生の中でも、なかなか一歩を踏み出せない人って結構多いと思うんです。
そうなんだ。東大入れるだけで、うちらからしたら何かもう神様みたいなさ。
何でもね。できそうだよね。
だから何でも、何でもやったらええやん。
──割となんとなく東大入ってる人も多いと思っていて。大学に来て自分の将来について考えたときに、周囲の優秀な学生と比べちゃったりすると、自分ならではの良い所を見つけていくのが難しいっていう人は結構多いように感じています。僕もその1人です。
──そういう人達にとってBLUEGOATSの皆さんは、輝く存在として引っ張ってくれるのかなっていう風に感じました。
でも私たちも一緒だと思う。その、私たちは東大生の方はやっぱりすごいなあと思ってるし、悩むこととか、正直なさそうっていうか。
私たちもきっとライブでは輝いてるように見えると思うんですけど、全然そんな悩みだらけで。だから、同じ。同じだと思う。
──悩める東大生たちに向けて、エールをいただけないでしょうか。
東大生にエール!?
すごいよ、逆にエールしてくれよ。
好きなことやってなかったら、私はこんなに輝けてないっていうのは思います。
あれだ、あれがいいですよ。死ぬ前に「ああ、あれやっときゃ良かったな」って思いそうなことを絶対やっておく。私はそれがアイドルだった。
かいな:このままだと死ぬ直前にたぶん「わ、アイドルやっときゃ良かった」みたいに思いそうだなと思って、それは嫌だなって。それで今やっています。
──それでアイドルを……。実際に踏み出せるのってすごいですね。
でも本当にやりたいことだったら、多分踏み出せると思うけど。
私もアイドルになんなきゃやばいと思って、このままじゃもう人生終わると思ったから。
あ、でもそうかも、私も中学3年生ぐらいの頃に、それこそ「自分はなんで生きてるんだろう」みたいな。別に今誇れるものもないし、やりたいことも無くて、なんで生きてんだろうってなったときに、憧れてたのがアイドルだったから。
マリンちゃんが言ってたように、やるしかなかったって言ったらあれだけど。ここで踏み出さなかったら、自分がどうやってこれから生きていけばいいのか分かんないな、ってなったのを覚えてる。
私はそのとき本当に、今死んでも別に何も思わないだろうな、自分って本当に孤独だなって思ったときに居てくれたのがももクロさんで。(※有名アイドル「ももいろクローバーZ」さんのこと。)
ももクロさんはそのときかなりファンがいたけど、それでもすごく隣にいてくれた存在で。ももクロさんって歌とかダンスより、本当に気持ちでガーッていってて、それに憧れて。自分もそんな人になりたい、自分もできるかもしれないって思ってアイドルになりました。
私も憧れからだったね。元々アイドル好きで、諦めきれなくて。
──それで自分もなりたい、と。そこで踏み出せるのは、すごいなっていう風に思います。
何か勇気が必要だったとかじゃなくて、みんなそうだと思うんですけど、本当にやりたいことだったら、勇気とか無しに、バンって。好きなことだったら多分マジで勝手に動くんで、何か悩んでる時点でそんなにやりたくない。熱意があれば。
多分気付いたら知らないうちにやりたいこととかやってるから。それがたまたま私たちはアイドルだっただけで。
──本当にやりたいことに自然と進んでいった結果、今があるっていう感じなんですね……。
自分がちゃんと信じていれば、なんでもできると思います。
──最後に、読者の方、主に東大生に向けてのメッセージをお願いしたいです。
ライブに来て欲しいよね。
今いる場所が自分の居場所じゃなくて良い、って私は最近みんなに思わせてもらっていて。最近は「あなたと私でBLUEGOATS」って言って、家族とか仕事とかで辛いことを抱えてるみんなの居場所にしたいし、私たちもライブを居場所にさせてもらってる。だからこそ、ライブに来て欲しいなって思います。
私たちのライブに来てくれる人で、もともとアイドル好きな方ってほぼいないんですよ。私たちのYouTubeとかがきっかけで来てくれる方がほとんどで。なので、安心して来てください。
──ライブに来る前の準備的なものは何かありますか?
何もいらないです。心だけで。あ、でも地下だと600円だけ持って来てもらえると。
……? ああ、ドリンク代か(笑)
そこだけ最初はわからないと思うので、よろしくお願いします(笑)。
私は9年間アイドルやってるんですけど。こんなアットホームなファンの方たちは、なかなかいないです。本当にファンの方たちがあったかいんで、それだけは絶対言っておいてほしいです。
──わかりました!!
──特にこんな人にライブに来てほしい、みたいなのってありますか?
え、東大生全員。(即答)
全員来てほしい。
来たい、ってちょっとでも思ったら絶対来てほしい。不安だなって思っててもぜひ来て頂きたい。来たい気持ちが少しでもあったら。
──初めてライブハウスに行くっていうハードルがどうしてもあって、自分も昨日めちゃくちゃ緊張してたんですけど。でも実際来てみたらめちゃくちゃ楽しかったので。もうほんと、みんなに来るように言っておきます。
ありがとうございます。待ってます!
──ライブでお疲れの中、本当にありがとうございました!
いえいえ、全然!ありがとうございました。
── 個人的にもこれから通うので。また来ます!
わあ嬉しい〜!待ってます!!
今回のインタビューで印象的だったのが、BLUEGOATSの皆さんが僕たちと同じように悩んでいて、締め切りに追われていたこと。原動力が「締め切りですね」って言われたときには、自分と同じすぎてビックリしました……。
偶像としてのアイドル(idol)ではなく、同じ辛さを抱える等身大の仲間としてステージに立ってくれているからこそ、輝いている姿を見て応援したくなるし、尊敬したくなる。BLUEGOATSの皆さんとファンの皆さんの両方にとってライブが最高の居場所になっていて、本当に「あなたと私でBLUEGOATS」になってるんだなって思いました。
そしてメンバー全員がアイドルに強い思いを持っていて、覚悟を決めてアイドルをしていることがカッコよかったです。なんかもう、このグループ、マジで最強ですね。貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました!!
ライブに参加させてもらった上に、アイドルにインタビューまでさせていただいて、刺激的すぎる1日でした。
初めてアイドルライブに行った感想としては、「アイドルって、すごい……!」に尽きます。正直ライブといっても、目の前で歌って踊ってるのを見るだけだよな、くらいにしか思っていなかったんですが、そんなもんじゃなかった。熱量がすごい。距離が近いからこそ、表情や身振り手振りを通してダイレクトに気持ちが伝わってきます。自分を見てくれるし、自分の応援を受け止めてくれるという体験がすごく新鮮でした。
よく「頑張ってる姿に元気をもらえる」って言葉を聞くじゃないですか。
正直自分は今まであんまりピンときてませんでした。頑張ってても、別に他人事にすぎないんじゃ?って。でも実際にライブを体験して初めてその言葉の意味がちゃんとわかって、本当に元気をもらえました。
「一生懸命がんばってるアイドルがいて、自分のことを見てくれている」という事実は、こんなにも想像以上に嬉しいものなんですね……。
僕はこの企画を行うまで、全くもってアイドルとは縁のない人生でしたが、いざライブに行ってみたらめちゃくちゃ楽しくて、お世辞抜きですごく感動してしまいました。ライブすごすぎた。自分の脳内フォルダに「アイドル」の項目が追加されて、心の中にBLUEGOATSの場所ができました。めっちゃカッコよかったな〜……。自分はライブの興奮冷めやらぬままに、早速次のライブのチケットを買ってしまったので、次はしっかり曲を覚えてライブに行こうと思います。今から楽しみです。
みなさんにも、アイドルライブ、特にBLUEGOATSのライブを体験してほしいです!!
特に東大生って、ふつうに過ごしてたら東大生同士の狭いコミュニティの中でしか交流できないことが多いと感じます。自分は理科一類の男子クラス出身なので、大学内では女子と話す機会すらめったにないです(インタビューがんばったことを褒めてほしい)。自分の世界がぐんと広がるので、ぜひライブに行ってみてほしいな。アイドルって、本当にみなさんが思ってるよりすごいですよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ではまた、ライブでお会いしましょう!
・BLUEGOATS公式X
https://x.com/info_bluegoats
・BLUEGOATSライブ日程
https://bluegoats.jp/live
・BLUEGOATS公式YouTubeチャンネル「アオヤギチャンネル」
https://www.youtube.com/@BLUEGOATS