このタイトルを見て、
国際交流……興味なくはないけど、でも英語得意じゃないし……と思ったあなた!
コクサイコウリュウ…?ナニソレオイシイノ……?と思ったあなた!
国際交流に関心はあるけどコロナの影響があああ!!!と思ったあなた!
皆さんのために、東大一気軽な国際交流(筆者調べ)を立ち上げた学生を取材して参りましたよ!!
国際交流に1mmでも関心がある方に耳よりの情報です!
本日はよろしくお願いします!
お願いします!
気軽に参加できる国際交流のイベントをつくっていると聞きましたが…!?
はい、GERNE(ゲルネ)という団体を3人のメンバー(取材当時)で運営していて、Zoomを使って、海外の大学生と日本の大学生がオンラインで交流するイベントを開催しています。基本的には、5人程度のブレイクアウトルームを2〜3回組んで、グループごとに会話を楽しんでもらう形式となります。
ここまで聞くとよくある形式の国際交流なのかなと思うのですが、他団体とどこが違うのでしょうか?
僕も他の国際交流系の団体に所属していたことがあったんですけど、他の団体は団体に所属しているメンバーが交流活動をしているという感じのところが多いんです。
GERNEでは、メンバー外から参加者を募集しています。団体外の方に向けて機会を提供することに注力しているのが他との違いだと思っています。
たしかに、国際交流系の団体って、その中で活動しているイメージがあります。GERNEだと、団体内外でたくさんの人を巻き込んで活動されているんですね。
そうですね。障壁なくいろいろな人に国際交流の機会を提供していければいいなあって思ってますね。
団体には入らなくてもイベントに参加できるとなると、国際交流に関心無くはないけど、国際交流ガチ勢の団体とかに所属するほどではないなあって人(ex: 筆者)にはよさそうですね!
ちなみに、「気軽」要素は他にもあります。まず、トークテーマを気軽なものにしてます。大学生活だとか、旅行だとかですね。
そういう気軽なテーマを設定することで、無理なく国際交流に参加しやすいようにっていうことを意識してます。
とはいえ、テーマの扱いは「一応こちらから提示することには提示しますよ」程度ですね。
大体多くのブレイクアウトームで、テーマの話から会話が始まっていたんですけど、そっから派生した話をしたりだとか、全然関係ない話に飛んでったりとかもあったようです(笑)
「雑談」って感じでいいですね(笑)
あとは、大学の垣根が一切ないってことも、「気軽」要素ですね。特に日本側の学生に関しても、東大だけって設定してるわけではなくて、日本中どこの大学でもOKっていう風にしています。
大学生諸君、朗報です!!大学生であれば所属問わず参加できるらしいですよ!!!
逆に、参加は大学生に限らせてもらっているのも工夫点の一つです。大学生どうしの交流ってしてることで、より気軽に参加しやすくなるのかなと思います。
気軽に参加できるよう、いろんな工夫を散りばめているんですね。
会を実施していく中で、新たに制度をいじったりすることもあります。例えば、日本語の練習をしたいっていう海外の人も一定数いるんです。それで、2021年11月にやった直近のイベントでは、日本語で話すグループを設けたりしました。
いろいろ試行錯誤しながら運営しているんですね。
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いろいろと考えながら会をつくっていると感じたのですが、参加者には実際こういうところが評価されている、みたいなのってありますか?
今までイベントを5回開いてきたんですけど、複数回参加してくださる方もいて、その方に感想を聞いてみたことがあったんです。
おお。複数回参加ってだけでも嬉しいですよね。
そこで言われたのは、イベントで会った人とその後もずっと交流が続いていて、言語交換をしているっていう。この話を聞いた時はますます嬉しかったですね。
注:言語交換…違う言語のネイティブスピーカー同士がそれぞれの言語を他方が学び合うのを助け合うこと。(「言語交換-Wikipedia」2022.04.01最終閲覧 より引用)
参加者同士での交流ってけっこう続いているんですか?
正確には把握できていないんですけど、何人かから連絡を取り合い続けてるって聞いてます。
イベントの後に、希望する人には自己紹介リストみたいなのを記入してもらって、参加者に配布してるんですね。イベントが終わった後でも連絡をとりやすい状況づくりは、心がけてます。
それいいですね。この人と話して楽しかったからもっと話したいって時にとても便利!
加えて直近の回では、日本人参加者有志に、関心がある日本文化についてプレゼンしてもらう時間を設けました。これは、プレゼンした側の日本人にも、聞いてた外国人の方にも好評でした。
例えばそのプレゼンのテーマとしては、小津安二郎っていう日本の映画監督の話とか、海外から見た日本のちょっと変なところについてとか、花火の歴史とかがありましたね。
ニッチなところを突いてきますね(笑) 面白そう。
僕たちも聞いてて楽しかったです。
話は変わりますが、どのようにGERNEの立ち上げに至ったのでしょうか?
立ち上げメンバーは同じドイツ語TLPクラスの出身なんですけど、2020年の3月、TLPのドイツ語研修が無くなってしまって。もちろんすごい悲しかったんですけど、そうしてるうちに、「こういう悲しみって、自分だけじゃなくて世界のどこの学生もたぶん感じてるんだろうな」って思うようになってきました。
注:TLP…トライリンガル・プログラム。東大前期教養学部において、英語の成績優秀者が第二外国語(二外)の学習を重点的に行うカリキュラムのこと。TLP生は、他生徒と同様の二外の授業に加え、TLP生用の二外の授業を履修する。また、TLP生対象の海外研修も例年行われる。
おお、周囲にまで視点を広げるのがかっこいい。
加えて、Zoomが授業とかでも使えるようになって、理論上これまで以上に簡単に大規模に国際交流ができるようになったっていう事実もあるなって感じていて。
オンラインのすごさは、私たちの世代が一番よくわかってる説ありますもんね。
自分と同じように「留学無くなった…」って悲しんでいる人がいる一方で、Zoomによってより大規模に簡単に国際交流ができるようになったっていう事実。この2つを踏まえて、コロナ禍の学生に手軽な国際交流の機会を提供できるような活動ができたらいいなって思って、この団体ができたって感じです。
安田さんが発案して、残り2人の立ち上げメンバーを誘ったという形ですか?
その通りです。
僕にとってドイツ語研修は初の海外経験だったのですごい楽しみにしてたんですけど、コロナによって無くなってしまったってことですごい悲しくて…。そういう時に安田くんの提案があって、またとない機会だなと思って、一緒に立ち上げようって決めました。
(え、さらっと言ったけど海外経験なしでTLPってすごくないか…?)
ちなみに初期メンバーの3人は、もともと仲がよかったんですか?
そう…ですね……?
(爆笑)
えっと、めっちゃ仲いいってわけではないんですけど、同じTLPのクラスで、顔合わせたら「やあ」「やあ」みたいなことを言うくらいではあったと思ってます(笑)
TLPクラスのライングループに、「こういう活動したいんですけど一緒にやる人いませんか?」って聞いて、それで宇井を含む2人が賛同してくれたって感じです。
非TLP生の私にはいまいちイメージがつかないのですが、そもそもTLPのクラスってどういうシステムなんですか?
TLPのドイツ語は各クラスに点在していて、週3〜4コマあるTLPドイツ語生向けの授業で皆集まるっていう感じでした。ドイツ語TLPはちょっと人数が多かったので、文一・文二・理一のクラスと、文三・理二・理三のクラスに分かれていました。
1クラスに10人前後はいましたね。
なるほど、それで理一出身の宇井さんと文一出身の安田さんが同じTLPのクラスなんですね。
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話は変わるのですが、イベントってどのくらいの規模で実施しているんですか?
具体的な参加人数はわからないんですけど、今まででは参加者50名くらいが最低で、一番多い時には100名弱ってくらい、って感じでした。
100名ってすごいですね!その人数を、運営の3人(当時)で回してるってことですか?
そういう形になります。
当日の運営は、ブレイクアウトルームをつくる人、司会をする人がいれば、最低限のことは回るんです。あとはそれに加えて、細々とした参加者からの要望だったりとかZoomに入れないとか、そういったトラブルの対応に1人置いて、それで3人で回していました。
大変そうですね、すごい…。他に大変なことや苦労していることってありますか?
外部の団体にコンタクトをとるのって、わりと負担が大きいんですよね。
テンプレみたいなのはつくるんですけど、それでも宛先や文面の細かいところは目的に応じて1個1個表現変えないといけないんで、けっこうめんどくさいって思うことはあります。
ちなみにどのくらいの団体にコンタクトをとっているんですか?
うーん…100近いんじゃないですかねえ…。
例えばヨーロッパだとか、アジアだとか、各地域ごとに何十団体ずつ送っているので。OKを出してくれる確率がけっこう低いので、しっかり参加者を集めるためには、できる限り多くの団体にアプローチしたいなっていうのがあります。
宇井さんは何かありますか、大変なことや苦労されていること。
僕個人ではないんですけど、団体全体として、日本人の参加者にもっと参加してほしいなっていうのをずっと考えてます。
日本の国際関係の団体とかにメールを送っても、海外の団体と比べると、なかなか返事が返ってこなかったりとか、私たちでは合わないかもしれませんみたいな答えが多かったりして…。
案外、日本人の動員の方が大変なんですね…。
もしかしたら東大だからみたいな感じになってるかもしれないんですけど、僕らとしては多くの日本人学生に参加してほしいですし、日本人との交流を望んでいる海外の人もけっこう多いので、ぜひ来てほしいなあって。
それでは逆に、運営をしていて、達成感や悦びを得られることはありますか?
そうですね、主に2つあります。
1つ目は、イベントが終わった後に、特に外国の方とかがマイクのミュートをオフにしてThank youって言ってくれたり、Zoomのチャットにも「Thank you」「Thank you」「ありがとう」ってバーッていっぱい出てきたりして、そういうのを見たり聞いたりすると本当に感動します。
それは素敵。
2つ目は、事後アンケートで感想とか書いてもらうんですけど、その時もけっこうたくさんの英語・日本語のお褒めの言葉をいただいたりして、それを見るとやってよかったなって思ったりします
あの、実をいうとイベントの事後アンケートめんどくさいなっていつも思ってたんですけど、今の話を聞いて真面目に書こうと思いました(笑)
今後の展望を教えてください。
基本的に、今までのようなイベントは続ける予定です。
けど、プラスアルファでちょっと考えていることがありまして。
おぉぉ?!(期待のまなざし)
その一つとして、日本の学生と、世界のいろんな課題を抱えている地域の学生を繋げるっていうイベントをしようと思っていまして。
まだ確定はしてないんですけど、具体的に検討しているのが、レバノンにいるシリア難民の学生の方だったりとか、タイとミャンマーの国境付近の難民キャンプにいるミャンマーの学生の方だったりとかと、日本人学生を繋げるっていう。
おぉぉ…!今までのイベントとはまた少し雰囲気が変わるというか、学習的な意味合いが入ってくるのかなと思ったのですが。
そうでもないですよ。もちろん学習に繋がればいいなとは思うんですけど、基本的にはやっぱり「気軽な国際交流」かなって。
「気軽な国際交流」っていうコンセプトはある程度保ちつつ、「気軽な」とはいっても、やはり向こうの学生の状況というものはあるので、気軽な話題の中でも、僕たちが考えていないような、想像もできないような状況の話が入ってきたりすると思うんです。
お互いの生活を話し合ったりとか、そういう自然な話の中で、自然に出てくる相手の背景とか社会情勢みたいなものを体験できるような感じになるのかなってイメージしています。
この企画は、どういうきっかけで始めようと思われたんですか?
僕がある日ふと思いつきまして(笑)
世界の「この地域の人がこういう風に困ってる」ってニュースはあると思うんですけど、そこにいる人と実際に話す機会ってほぼ無いじゃないですか。特にコロナ禍だったらなおさら。
でも、もしそうやって交流する機会があったら、我々日本人学生も学ぶことが多くて価値ある経験になるのではないかと。
さらに、学んでいくうちによりその問題に関心を持ったり、その話を他人にしたりして、結果的にその問題に対して行動をとる人数が増えるんじゃないかなって思うんです。
一方で向こうの学生にとっても、自分たちの問題とか思いとかを、他地域の学生に直接に伝えられるわけで、それは彼らにとっても価値あることなのではと思います。
すごく参加したくなってきたので、早く開催してください(笑)
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こういう人に来てほしいっていうのはありますか?
日本側については、大学生でも国際交流に関心がある人は多いと思うんですよね。そういう方に、もっと僕たちの活動を知ってほしいなって思ってます。
特に今まで海外との交流にそこまで関わってこなかった人にとっても、オンライン参加ということで、参加ハードルは低くなってると思うし、しゃべりやすいようなテーマを設定するようにもしています。もちろん、英語である程度コミュニケーションがとれることは大前提なんですけど、そこまで「海外海外」っていう感じじゃなくても参加できるイベントをつくっているつもりです。
海外側はどうでしょう?
特に設定はしてないんですけど、日本との交流に関して、心の隅ででも興味を持っている人に参加してほしいなって思います。実際、参加者を見てるとそういう人が多いかなって思います。
世界中の人と喋れるし友達になれる機会です。ぜひ気軽に参加してほしいです!!
イベントが終わっても、知り合った人と連絡を取り合うことができます。実際、僕もイベントで出会ったドイツ人と言語交換してますし。そういう機会を求めてる人には良い場なんじゃないかなあと思ってます。
国際交流にちょっとでも興味があれば、楽しめそうですね!
きっと「国際交流」と一口に言っても様々なものがあるんですよね。その中でGERNEの皆さんは、「気軽さ」を体現するために、様々な工夫のもと運営しているんだなというのが伝わってきました!
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