東京大学教養学部第一学年における必修講義の一つ。理系はALESS, 文系はALESAをそれぞれ履修する。実験や論文調査等の研究活動を行い、それに基づいて英語で論文を執筆する。毎年一定数の人間が他の必修科目との両立に苦しめられており、前期教養において最も重い科目の一つと言えるだろう——
さて。
締め切りブッチ常習犯の筆者です(この原稿も取材後1ヶ月経ってからようやく書き始めたっていうのは内緒の話)。1年次はALESSにそれほど苦しんだ感じはありませんが、最終授業の発表スライドが完成しなくて当日朝4時まで作業していた記憶はあります(おい)。原稿を覚えるのが辛かった…。みんなALESSつらみとかALESAむりとか呟きながらも何やかんやでクリアしてくるんですよね。東大生め…。
はい。どうでも良い前置きはさておき、今回(というかこれが初原稿!)は「実際ALESS / ALESA の負担って重くない…?!」「授業を評価(!)してみるとどうなる?」などなどについて、ALESS/ALESAの創設に関わったメンバーに突撃インタビューしてきましたよ。
最初はお一人の先生にお話を伺う予定だったのが、(話がどんどん大きくなって)英語部会の主任・副主任の先生方を含め3名もの先生方にお話をお聞きすることができました。冷や汗がヤヴァイ。
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ALESSやALESAの授業が誕生したきっかけや背景をお聞きしたいと思います。
私はALESSやALESAの授業を担当する第一期の教員として採用されました。ですのでそういった記憶からお話しするんですけれども。
まず2008年に理系の学生を対象としたALESSが始まったのですが、それ以前に critical writing program という研究プロジェクトがあって。そこで先生方が、「東京大学の学生はとても読解が上手くできるけれども、それ以外の発信の力を、このグローバルの時代にはつけていかなければならないだろう」ということで、ただの writing ではなくて、批判的に物事を文章として落とし込む力をつけなければならないとの意思を持った先生方が集まって、プログラムを始めました。その成果として、ALESS / ALESAというものが始まったんですね。
元々は研究プロジェクトがきっかけで始まった授業だったんですね!
critical writing programを始めるにあたって、まずどうして英語で書かなければならないのかとなった時に、どちらかというと理科生、理系の学生の方が、海外の研究者に向けて、日本が得意とする自然科学の基礎研究を発信していく必要があるということで、本郷の諸学部の先生方の賛同を得ることができたという経緯があるそうです。ですので、そういった賛同を得られたところで、高田康成先生(2015年定年退任、現:東京大学名誉教授)が中心になってお金を集めて、ALESSという授業が生まれました。ALESSができてから数年間は、ALESSしかなかったんですね。文系の学生にはそういう授業がなくて、数年経ったところでどうして文科生の我々にはwritingの授業がないんだと_そういった熱望の声と、カリキュラム的な問題などが色々あって、ALESAの方もできるようになりました。
最初はALESS だけだったんだ…!
目的としては、発信力を鍛えるというところが大きいと思います。やっぱりそれまでの授業っていうのは、読解にどうしても力が入っていました。それに対して最近では4技能などが強調されていますけれども、それよりもずっと前からですね、やはり読解と発信力を合わせた総合的な英語力ということを意識してALESS/ALESAが生まれました。板津先生に聞きたいんですけれど、授業をネイティブの先生方にお願いするっていうのは、何かご事情はご存知ですか?
何というか、ものすごく高田先生的な発想だと思うんですけれども…。じゃあ英語の writing を誰に教えてもらうかとなった時に、英語で英語の授業をやってもらうのがいいんじゃないかということになって。ネイティブという言葉がすごく面白い言葉なんですけど、元々は所謂欧米の大学で勉強してきた欧米の方々のイメージを抱いていたと思うんですが、英語にも色んな英語があるので。色んな英語に対応できるように、色んな人たちを雇いましょうということになって、今は、勿論欧米圏で英語を母語とする人も多いですけれども、それ以外の方も採用されて教えています。
そうですね。勿論欧米系の先生も多いですけれども、東南アジアや日本を母国にしている先生だとか、本当に世界中から色んな英語に接してこられた先生がアクティブに教えている状況になっています。
欧米系だけでなく、多様な英語に触れることができる機会にもなっているんですね!
ALESS / ALESA の履修を通して、学生にどのような力をつけてほしいとお考えですか?
端的にいってしまえば、ALESS / ALESA は学術的な議論をするための言語的な作法を学ぶということだと思うんです。
理系の場合であれば、実験をするにあたってまず仮説が必要で、その仮説は先行研究を元に穴を見つけて、そこから仮説を立て、実験の方法を考えて実際に実験をして結果を出して考察するという、それが順繰りに回っていて。世界中の研究者たちがそうやって知を集めて、知の蓄積の中でやっている。そういった生態系を授業の中で学んでもらうということが第一の目標かなと思います。
その中で、 writing の授業ですから、どのように論を立てるのかということで、IMRADという、Introduction, Method, Result, Discussion の流れを一通り学ぶというのがあります。
知の蓄積の中の生態系という美しい日本語を聞けて満足(そこじゃねえ)。ていうかIMRADっていうんだ…かっこよ(おい)。
また、英語の授業として二つ特徴があると思うんですけれども、一つが、writing の中での細かい文法は気にしないで、どちらかというと論の展開にかなり重点を置いているということ。
それを踏まえてもう一つの特徴としては、peer-review ということをすごく大事にしていて、これは仲間同士で文章を書いて見せ合いっこして、お互いの文章を高めていくという作業です。科学者として大事だし。社会に出ると、自分一人で文章を書いて、その一人の文章がそのまま発信・公開されることは、実際にはすごく少なくて。たとえ自分一人で書いた論文でも、他の人が目を通してくださったりとか、職場でも誰かが叩き台の文章を書いて、それをみんなでコメントを出し合って書き上げていくといったような作業があります。そういう面では、ALESS / ALESA の peer-review の文化も、色んなところで使えるスキルかなと思います。
うんうん。他の人からの意見を聞くことで、自分では気づけない発見があるかも!peer-reviewありがたい…。
補足すると、駒場ライターズスタジオ( KWS ) という 、各学生さんに一対一で writing のサポートを提供する場があるんですけれども。そこで行なっているのも、板津先生のお話にもあったように、正しい文法を重視して書こうというレベルの指導ではなくて、論理構成やイントロダクションと本論のつながりを見ていくだとかそういうレベルの指導ですよね。その部分もALESS, ALESA の特徴とマッチしているかなと思います。
あと、アカデミックな基礎的な論文を書いていくというプログラムにはなっているんですけれども、複数の問題を論理的に説明していくという能力は、アカデミズムの外の世界でも役立ちます。例えば就職されて報告書を書いて、人に何かを明晰に伝えることになってくる、そういう時のためのスキル・考え・枠組み・思考だと思います。多様な局面での英語での発信力に影響を与えてくるところになると思っています。
さっきからずっと思ってたけど、先生方の御言葉運びが美しすぎて耳が幸せですね…はい、聞きます。
学問の基礎的な体系の習得という側面もありながら、peer-reviewなどを通じて社会に出ても役に立つような思考の枠組みを涵養できるような機会ということですね!
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…ぶっちゃけ現段階で、ALESS, ALESA はどの程度評価できるものだとお考えですか…?
全くの個人的な感想なんですけれども…。ALESSの授業が始まって13年が経ちました。なので、2008年にALESSを受講した学生が今何をしているのかということを考えると、まさにPh.D を取り終えて、ようやく研究者として活躍をし始めたところかなという感じがします。そういう意味ではものすごく長期的な視野に立ったプロジェクトだと思うんですね。1年生の時に理系の writing を教えて、皆さんもよくご存知のように2年生以降は英語の必修の授業ってないじゃないですか。本当に1年生の時のその時のインパクトを今測ることができるのかはよく分からないですけれど、そのあたり(評価の調査)は面白いところかなと思います。
確かに英語の授業って1年生でやたら多いのに2年生以降ぱったりなくなるんだよな()
writing って、筋肉を作るみたいなところがあると思うんですね。なので、1回英語の論文を書いたからそれでできるようになったという風には言い難くて。筋肉を作るように、積み重ねが重要なので、問題は彼らが今後どのような形で writing を積み重ねていくかということだと思うんですけれど…。第一歩として ALESS があって。しかも、それまでそんなに長い文章書いたことがなかったのに、1000-1500語くらいの理系の文章を書いてみたという経験が、実績として本人の中にあって。それがいずれ、「そんなに難しいことじゃない」「ちょっと頑張ればできるものなんだ」という自信となっているのであれば、ある程度評価できることなのかなと思います。
writing = 筋トレ、為せば成る…!! 先生から言ってくださると響くなぁ。何事も継続が大切なんですね、、(三日坊主の顔)
評価に関してはよく言われるんですけれど、テスト対策などの授業ではないので。もっと長期的に、板津先生が仰ったようにまさに筋肉を鍛えるようなものですよね。学生さんがこのクラスをきっかけにして、どういう風にご自分で発信力を鍛えていくか、そういうことが問題になってくると思います。なかなか数字でこういう評価ができますという物はないですが…。
少なくとも僕の周りの先生方の話を聞くと、特に理系の先生方から、ALESS / ALESA の授業が始まってから学生の英語の表現力が向上したんじゃないかという大変ありがたい声が聞こえてきます。特に院生さんを指導されている先生からよく聞きますね。こう言った個人的なレベルにはなってしまいますが、成果は出てきていると思います。
評価してください!っていう無茶ぶりな質問にも真摯に答えていただきありがとうございます…!
あと、他の大学からの見学希望とかもあるんですよね。文系・理系に分けた英語の writing programはそれほど全国に例がなくてKWS ( Komaba Writers Studio ) と連動していたり、writing program に付随した実験研究室もあったりしますし…。色々な大学の方が関心を持たれていると言えますね。
他の大学ではなかなかない授業だからな…もしかして、東大以外でもALESS / ALESA が受けられるようになるかも?!
他の大学を含め外部から非常に注目していただいて、評価いただいています。石原先生の方からあったように、こういうシステム自体が初めてなので、こういう形でwritingを教えること自体を評価していただいていると思います。具体的に授業を行ったから良くなったかというのは客観的な評価は難しいんですけれども、理系の先生方にはある程度の効果が出ていると言っていただいていると思います。
理系の先生方って、学生の論文や発表の原稿を見て愕然とするんですね。
うわぁ…目に浮かぶ(笑)。
実は日本語でもそうで。ふと考えてみると、そういう文章を書く授業って高校からも大学からも全然無くて。
わかりみが深すぎる〜、初めてのライティングの授業を英語で受けることになるという…汗
ALESSの授業ができた頃は、これって日本語の先生の仕事じゃないですか?と思うところもあって(笑)。和文英訳としての英作文ではなくて、論理構造からちゃんと立てていくという、センテンスではなくて、アカデミックなドキュメントを書く訓練は、今までの高校・大学のカリキュラムを含めて無かったことだと思うんです。それは理系の研究者とは言わなくても、世界で生きていくための必須能力!そういうことに正面から取り組むんだってことは我々自身も評価していますし、周りからもある程度のご評価をいただいていると思っています。
ありがとうございます。確かに英語の授業ではありますけれども、論理的な文章を書くということで。今までの授業でもなかなか無い経験で、それをしかも英語でやるということで画期的でありつつ、学生にとってはやっぱり負担が大きいというか(笑)、かなりチャレンジングな授業だとは思うんですけど…
関連して、必ずしも全員が英語が得意なわけではないということを踏まえ、ALESS / ALESA を全員に必修授業として課すのはかなり負担が大きいという意見もありまして…。これについてはどのように思われますか?
まず、負担が重いっていうのはALESSの1年目からあった感想で。
デスヨネ()
1年目は東大新聞とかでかなり大きく記事書かれちゃうくらい…結構大問題だったんです。
で、その負担の重さというのは確かに、私たちも大事な問題として捉えていたんですね。負担を軽くするためには何をしたら良いんだろうと。学びの中身に関しては妥協したくない。そこの二つのバランスを取るのにすごく苦労をしてきていたし、これからも苦労していくところかもしれません。
先生たちもこの問題について、真剣に捉えてくださっているんですね!
負担を減らすための一つの策としてKWSがまず生まれて。学生が自分たちで抱え込まなくて良いように、誰かに相談できる場所を作ろうということで。それから先ほど石原先生が仰ったように、ALESSの実験器具を自分で負担しなくても良いように、一人で悩まなくて良いようにということで ALESS Labができてサポートしています。翌年からは学生の論文集を作り始めて。授業の中では本物の論文を見せたいということで難しい論文を見せていますけれど、そうすると学生の中でテンパっちゃって。先輩はこういうものを書いているんですよ、これくらいのものを期待しているんですよという目安を示す狙いがあります。
確かに、他の方の書いた論文集はすごく参考になったな…。論文を書くこと自体初めてだし、そもそも読んだことがないって人が多数派な気がする…。
もう一つ負担を減らすための取り組みとして捉えているのが、2015年にできたFLOW。これまでALESS / ALESA で「writing だけではなくて speaking もやろう」ということですごく盛り込んでいたものを切り離すことで、speaking は speaking の時間としてちゃんと作っていることも負担を減らす試みの一つだと思います。
なるほど…確かに一つの授業としての負担は減ったかも。ただ、新しく授業が増えたってことで総量としては負担はどうなんだろうとも感じるけど…
あと、すごく大事なことだと思っているのが…、教員のfaculty development (FD)っていうのを聞いたことがありますか?授業の内容や方法など、質の向上のために仲間同士で議論をすることを言うんですけど。そのFDが盛んだということも ALESS / ALESA の特徴だと思います。色々な国の色々な大学から来た先生方が、こんな良いアイデアがあるよと持ち寄ってくれるんです。ものすごいアツい議論になるんですけれど。それはまさに、東大の学生が優秀で、鍛えようと思えばちゃんと応えてくれるという能力を持っているので、どんどんプッシュしたくなっちゃうということなんですね。
熱血指導の圧が強い!!
FDにおいて一つの大事なところは、特に海外からきている先生方に日本の大学の特徴を知ってもらうことなんです。例えば欧米の大学であれば1学期に4コマくらいしか授業がなくて、結構な量の課題を出すのが普通なんですけれど、東大の場合は前期課程で15-20コマを取るじゃないですか。その中でできることが何かということをみんなで探っていく、その意識の共有がFDの中で生まれてきます。
感情に訴えるような言い方になってしまいますが、先生方は ALESS / ALESA への愛情がものすごい深いんですよね(笑)。なのでものすごい熱血になりがちで。そこをいかにコントロールして学生の負担を減らしつつ、教育的な効果を担保するか、そのバランスを追求することが一番大事なところです。今までもしてきたし、これからも色々な形で対応していくんだと思います。
海外の先生方とは、授業のコマ数や一つ一つの授業で出る課題の重さに関して認識にギャップがあるのかも。先生方の愛情深さも相まって学生が追われがちではあるけど、過熱しすぎないようにFDで調整してくださっているんですね。
昨年ALESS / ALESA の責任者をやっていたものですから、この問題は本当に学生さんから切実なものとして聞こえてきました。コロナの影響で対面でできない分、課題で評価しなければいけないので、授業の課題量が増えていくということがあって。そうすると学生さんの負担が通常よりも相対的に増えてきてしまう。流石にALESS / ALESA の方でもしっかり話し合って、課題量をどう調整していくのかをFDの中で議論しました。昨年に関して統計をとってみると大体75%くらいの先生が10-30%くらい、通常よりも課題量を減らされたということでした。先生方はアツい方が多いので、妥協しないで良い教育をしたいと思われている先生が多いと思います。課題量を減らしながらも効果をあげるコンテンツを準備しようということで、随分知恵を絞って努力されている姿が印象的でした。
オンラインだと課題が余計に増えて大変そうです…。多くの先生方が課題量を普段より減らしてくださったとのことで、FDの効果は確実に出ていますね。
学生さんから見て、負担っていうのは何が重いんですかね…? という言い方は変なんですけれども…。少なくとも、課題をやるのにどうしても時間がかかるとか、求めている内容が高度すぎてついていけないとか、色んな負担がありますよね。ともかく量が多くて大変だという意見もあるだろうし、自分でやり方が全然分からないことを突然求められてどうして良いか分からなくて大変だということもあると思うんですけれども。どんな感覚で、どういう点で学生さんは負担を感じているんでしょうか?
確かに、一口に負担と言っても種類があるからな…。先生側としても、学生が具体的にどういう点で悩んでるのかってわかりにくいのかも。
私は2年生なので、オンライン1年目のALESA を受けていて。私はAセメだったんですけど、先ほど石原先生が仰っていたように課題量は減らされていたのかなと思います。私が個人的に苦しんだポイントでいうと英語への苦手意識があったので、課題に取り掛かるハードルが高くてかつ量が多いから負担になってしまいました。でも私はそこまで苦しんだ方ではないと思います。周りは量の多さで苦しんでいる人が多くて、特に担当される先生によって負担が違うのかなと思いました。そういうところは学生が不満を抱くところになっているのかも…?
英語に苦手意識があるとやっぱりキツい!
先ほども言ったようにFDとかでディスカッションをしてなるべくアツくなりすぎないようにはしているんですけれども(苦笑)。先生によってはアツいんですかね?どうなんでしょう。
特に今のお話を聞いていて思ったことがあります。授業の最後に学生さんにアンケートを取って授業に関する問題点や印象などを聞くんですけれど、その時に先生方が驚くのは、1週間の授業の準備に学生さんが4-6時間とか、膨大な時間をかけているということ。先生方と学生さんで少しコミュニケーションを取って、学生さんが課題をやるのにどのくらい時間がかかるのかを伝えることが、これからのALESS / ALESA の課題になっていくべきところかなと思います。ただ、東大の学生さんはある意味完璧主義者の方が多いかもしれないので、先生方が求めている以上の細かい部分を詰めて課題をやるなど、それ自体はすごく素晴らしいことなんですけれども、先生と学生さんの間でその辺の認識のズレがあるのかなと昨年の授業アンケートを拝見しながら感じていました。
みなさん、ALESS / ALESA の準備に相当時間を割いているようですね…! 細かいところまで拘る完璧主義の学生が多いからというのも頷けます….。
先生方の個人の差の部分は当初から話題になっていました。先生ごとに学生がどのくらい課題に時間を費やしているのかを比較して議論はしていました。
(そういう議論もあったのか…! )
私の個人的な話なんですけれども、現在4年生なので対面でALESS を受けていた身としては、やはり先生によって違うなと感じていました。私の先生は負担を軽くしようと努力してくださる方で、先生が1節ごとに課題を分けて毎週締め切りを設定してくださったのが良かったなと思います。締め切りまでの期間が長いと溜めちゃうもので…。
*ALESS / ALESA の授業では原則として、先生によらず節ごとに切り分けて書くことになっている
溜めちゃうんだ(笑)
あとは、他の授業もあったりするので…。後でいいや〜ってどんどん後回しになっちゃうと本当に大変なことに(経験談)…。課題に取り掛かるまでのハードルがあるとは思うので。
これも追加で、Sセメ受講とAセメ受講の違いもあると思っていて。自分はAセメだったんですけど、友人がSセメでALESAつらい…って言っていたのを聞いていたので、授業の負担的には、入学していきなりALESS / ALESA の授業があると、他の必修授業とも両立しなければならないのは大変だなと思います(大学の授業自体が初めてだからね…)。自分がSセメに授業があったら厳しかったかなぁと…。
心理的なものもそうだと思いますが、Sセメにあると初ゼミと被るとはよく言われていますね。日本語でも論理的なものを書かされて英語でも書かされるという。私はAセメだったのでそれはなかったんですけど、そういう部分の負担はありますね。
初ゼミの方が後からできたんですけどね(笑)。
かいしんのいちげき!
別の理系の学生さんからは、Aセメだと実験と重なって大変だという話を聞いたんですけど。
そうなんですよ…! それもそれでやっぱり大変でした(おい)。実験の予習とかもしなきゃいけなくて。
実験のレポートもやっぱり時間かかりますよね。
私は対面だったので分からない部分はどうやってやるかを友達に教えてもらえたんですけど、今は会える頻度が減っているので聞きにくいかもしれませんね。
やっぱりどのくらいのものが求められていてどのくらい頑張らないといけないのかという感触が掴めていないうちに色々な授業がくると大変ですよね。
追加なんですけれども、私の先生が負担を軽くしてくださったもう一つの観点がテーマ設定だと思っていて。特に実験系だとテーマ設定によって難易度がだいぶ変わると思うんです。テーマによっては実験自体が大変だったりなかなか結果が出なかったり、結果の分析が難しいものもあるでしょうし。文系でもテーマによっては文献がなかなか見つからないということもあると思います。
私の先生は、いわゆる実験をすること自体が大変なので、原則全員がオンラインの調査を行うことにするという方針だったんです。実験をしたい人はしても良いとは言われましたが、履修者全員がオンラインのアンケートを選びました。実験を行うことに付随するタスク(仮説を設定したり実際に手を動かしたり)が省かれて、writingの方に集中できたことが良かったなと思います。
ALESS Labは使わなかった感じですか?
そうですね。ラボの存在は友達から聞いて、そんなのあるんだ(すごい)!って(笑)。他の人の実験テーマを聞いたときにみんな結構実験をしているなと思ってびっくりしました。
コロナになってからは、実験室がphysicalには開けなかったので、理系の方達もオンライン上でできる実験をしている形になります。
確かにある程度選択肢を狭めてテーマを提示する方が色々な点で楽だとは思うんですけど、同時になるべく学生さんたちが自由にやりたいことをできるようにするっていうことも大切にしたいという先生もいたり…あとは自分のやりたいことを大事にする学生もいるので。どうやってそこの折り合いをつけるかは永遠のテーマかな。
どっちを取るか、どう融合させるかは難しい問題ですよね。
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先ほど加藤先生が仰ったように珍しい授業で、珍しいだけではなく贅沢な授業だと思います。1クラス15人くらいしかいなくて、しかもさまざまな学問的な知識を持って、国際的な経験を踏んでいる方が1年生のうちから先生として指導してくださる。例えば将来的に海外の大学院に行きたいなと思っていたりとか、海外でポスドクやってみたいなと思っていたりとか、或いは海外の企業に就職したいと思っている人たちにとって、そういう夢がちょっと近づく、現実味を帯びるのではないかと感じます。研究者にならずに就職しても色んな場面で英語を使いますし、英語だけの問題でもなくて、馴染みのない文化の人と一緒に仕事をする場面になった時に、大学1年生で15週間かけて行われた授業を乗り切ったということは何かの自信につながるんじゃないかなと。ぜひそのように捉えて前向きに頑張ってほしいと思います。
板津先生の仰る通りで。先生方もコミュニケーションを取るのが好きな方が多いと思うので、どんどん先生方とコミュニケーションをとって(もちろん英語で!笑)、学生さんの方から積極的に先生方にアプローチしていただいて、どういうところが自分が抱えている問題なのかを伝えていただくと良いと思います。先生方もそれを歓迎されると思いますし、KWSとラボの話もありましたが、チューターの方とも一対一で話し合う場も設けていますのでどんどん利用していただいて、是非この授業をきっかけとしてコミュニケーションをとっていただきたいと思います。
最近、ALESA の支援サイト(https://ale2.c.u-tokyo.ac.jp/support/)も新たにリニューアルしまして、参考文献の引き方やリスニングの勉強法まで色々なビデオコンテンツや参考資料があるので、個別に英語力を鍛える面でも利用していただけると良いと思います。こちらのサイトからKWSの予約もできますので、是非是非。おすすめのサイトです。
私も言いたいことは同じです。確かに色々と新しい授業ですけれど、その分手は差し伸べていますので、積極的にその手を掴んで上手くやってほしいというか。高校の頃の勉強の仕方とは違って、色んなものを自分で求めて助けてもらって、協力して成し遂げることになります。
高校までの勉強って結構個人的な闘いで一人で頑張ってきたと思います。これからは、勉強だけでなくて研究や仕事もそうだと思うんですけど、一人で頑張るのではなくて…助けてもらうことは決して恥ずかしいことではないので、色んなところに手を伸ばしてやってもらいたいです。積極的に差し伸べている手を取って活用してほしいし、問題を解決するために色んな人に頼って協力しながらやっていくという技術も併せて学んでいただければと思います。
***編集後記
素敵なメッセージをいただけました…!ALESS / ALESA つらみ(一般論)から始まった企画でこんなに深い話を聞くことができるとは… 最後の加藤先生のお話は特に、「助けを求めることは恥ずかしいことじゃない」、「手を伸ばして積極的に活用していこう」、「個人プレイというよりむしろ、色々な人と助け合って大きなことを為す”技術”」など、ALESS / ALESA と人生って繋がってるんだな…しみじみ。(?)と感じられるようなお話でした。
現在1年生のみんな、そして将来入学する未来の1年生たち、頑張ろうな!!!