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オリンピックボランティアを体験した東大生が語る良い点・悪い点

2021.09.11

※これは個人の経験をまとめたものなので、オリンピックボランティア全体を評価するものではありません。

はじめましてこんにちは。ライターの陽気なカモメです。

よろしくおねがいします。

いきなりですが皆さん、オリンピックボランティアって何をするか知っていますか?ニュースなどで話題になっていたのでその存在は知っていても、実際に何をしているかはよく分からないという方が多いのではないでしょうか。

実は私は、このボランティアの一員として、東京オリンピックの大会運営に関わっていました。そこで今回の記事では、実際に体験した当事者の目線から、この大会ボランティアの流れ、良い点、悪い点について色々と書いていきたいと思います。

私の体験について話す前に、まずオリンピックボランティアの基本知識から。実はオリンピックボランティアには2つの種類があります。フィールドキャストとシティキャストです。

フィールドキャストは、実際の大会運営に関わる、いわゆる「大会ボランティア」のことを言います。通訳や移動サポート、テクノロジーや表彰など、様々な分野に分かれ、大会のお手伝いをします。そして、シティキャストは、開催都市に来る観光客へのサポートを担当する、「都市ボランティア」のことを指します。今回の大会では、コロナの影響により観光客対応の需要がなくなったため、都市ボランティアの方々には通常のシフトは反映されず、メールで送られてくるさまざまな場所での仕事(空港や駅)に応募し、抽選の形でボランティアを行うという形式になりました。中には何回も応募したが、すべて「落選」したという都市ボランティアの方もいました。一方私は、大会ボランティア、すなわちフィールドキャストの方を務めました。

オリンピックボランティアの流れ

オリンピックボランティアになるまでは、申し込み、数回にわたる研修、そして実際の大会でのボランティアという手順を踏まなければなりません。実際に今から、私の体験を通じてその流れを追っていきたいと思います。

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ボランティアの申し込み

 大会ボランティアの始めの一歩である申し込みは、公式オリンピックのサイトから、6ページもある応募フォームへの記入によって行われます。志望理由や言語スキルなど、必須の項目が多かったので、時間がかかった記憶があります。申し込み人数が多いと聞いていたので丁寧に記入しました。

申し込みなど、様々な場面で使われるマイページが少々使いづらかったです。メールアドレスを変えた際は、メールアドレスの変更手続きを2回以上しましたが、全く反映されず、使うことのできない以前のメアドで対応することになり不便でした。

いやこんな笑顔じゃなかったわ

研修

「ボランティアに決定しました。宜しくお願いします。」という趣旨のメールが送られてきて、ボランティアに参加することが決定しました。同時に研修日時希望も送信されていたので、とりあえず希望する日時を記入し、多少不安感に苛まれる中、2019年3月、有楽町で行われた研修第1回目に参加しました。

有楽町会場の中

まずは第一印象、若い人がいない……!

この時から「学生のボランティアの人気がない」とか「ブラックボランティア」とか言われていましたが、まさかこんな若者がいないなんて思わなかったです。ここではチームに分かれて、新聞紙で作るタワーの高さを競うというよく分からないゲームをしました(共同力を培うらしいです???)。同じチームの中のおばあ様は、なんと1964東京オリンピックにも参加していたそうです。また中国から来た留学生など、様々なバックグラウンドを持つ人々がいらしていました。でもやっぱり若い人が少ない!なんだか怖くなってしまいました。また、帰り際に、ユニフォームのサイズ確認コーナーがあって、なんかオリンピックて感じだなと少し思いました。

2回目の研修は、代々木にある国立オリンピック記念青少年総合センターで行われました。確か2019年の秋だったはずです。今回は逆に「え、意外と学生いるやん」という感動に浸るくらい若い人がいました。そこまで多かったわけでもないし、私のチームに学生はいなかったけど、同じ境遇の人がいてなんだか安心しました。ここでは、オリンピックの歴史などを学んで、オリンピック精神を培おうみたいなことをしました。 

全体として、研修の担当の方々は、熱意があってすごく生き生きとしていてよかったのですが、私はその研修の意図、例えば紙でタワーを作るというようなアクティビティの趣旨がつかめなくて、あまり盛り上がりませんでした

疑惑の新国立競技場の建設時

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配属先決定

確か2020年3月の前半、いきなりメールが届き、配属先が決定。第一希望ではなかったけど、ワクワクし始めます。ちなみに私の所属はメディア(広報に関わる仕事)でした。でも同時に、コロナウイルスの感染拡大が話題になり始めた時期、そして大学の合格発表の時期でもあったことから、とてもモヤモヤした気持ちもありました。最高に精神が不安定だったと思います。

虚無

 オンライン研修

コロナの影響で、対面での研修は中止になりました。そのかわり、オンライン上での研修が代替として行われました

定期的に忘れかけたときに、E-learning(オンライン研修)のお知らせが送られてくるということで、オリンピックは常に意識していたけど、コロナがなかなか収まらず、ぎりぎりまで「本当に開催すんの?」と疑問を持ち続けていました。でも一応必要最低限のオンライン研修に参加して、副作用と闘いながらワクチンも打ったりしました。

ちなみに直前に対面研修があったけど、これも副作用の影響で参加できませんでした。たぶんここでは、大会の詳細についての講習が行われたと思いますが、参加しなくても特に問題はありませんでした。ちなみにE-learningでは、英語の講習や、オリンピックの講習、私だとメディア関連の講習などがあって、とにかく量が多かったです。なので正直に言うと、全部は見切れていないですごめんなさい。でも周りには、全然見てない、もはや存在すら忘れていたなんて人もいたので(それはやばい)、ワンちゃん私はいい方だったかもしれないです。でもこれはワンちゃんの話です。One Chanceです。

これはワンちゃん(伝われ)

 E-learningなので、いつでもどこでもオリンピックのための研修ができるのはよかったですが、量が多くて、ここまで見る必要があるのかとも思いましたし、一方で対面での実践的な研修の機会はなかったので、「いきなり本番で実際のボランティアをしても大丈夫なのか?」と、不安な面もありました。

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ユニフォーム/アクレディテーションカードの受け取り

2021年初夏、大学の中間課題の提出が迫る中、ユニフォーム受け取りのお知らせが来ました。ここでは、ユニフォーム受け取りだけでなく、アクレディテーションカードというボランティア専用の大きい身分証みたいなカードの受取確認もありました。これはすごく重要なもので、カードの下の色分けで、会場内の入れる区域も分かれます。このカードがないとボランティアの会場すら入れません。

ちなみに、ユニフォームはすべてアシックスが提供しているもので、Tシャツ3枚、上着1枚、半ズボンに切り離せるズボン2枚、靴下2足、靴1足、帽子1個、マスク2枚、バッグ1枚、お持ち帰り用バッグ1枚、プラスチック水筒1本、ノートなど小物と、量が半端なかったです。「荷物が多い」とは事前に知らされていましたが、まさかここまで多いとは知らなかったので、帰り道は大変でした。受け渡し会場の場所は分かりづらかったのですが、ユニフォームの受け渡し、カードの受け渡しまですべてが効率的だったので、流れがスムーズでした

会場に行くまで

事前にオリンピックボランティアのLINE WORKSに入り、シフトの再確認を行いました。テスト期間とまるかぶりでしたが、とりあえずボランティア初日を迎えることに。

恥ずかしかったのが、家からユニフォームを着てその格好のまま会場に向かわなければいけなかったことです。ツイッターで下調べしたところ、経費削減のためにボランティア用のロッカーがない=着替えるところがないという衝撃の事実を知り、またオリンピック委員会からも途中で着替えるなと念押しされたので、仕方なく家からユニフォームを着ていくことに。穴があったらぜひとも入らせていただきたいレベルで、もし受験期だとして、東大に入りたい?穴に入りたい?って言われたら後者を選択するくらい恥ずかしかったです。みんなめっちゃ見るやん。特に新宿駅の乗り換えが地獄でした。

また、ツイッターで、「ボランティアの服を着ていたら、近くの人から悪口を言われた」「コロナをうつすなと言われた」というユニフォーム被害があったという内容のツイートが見られたので、もはや怖かったです。会場の最寄りの駅まで近づくとユニフォームを着た人たちがたくさんいたので安心できました。あと、開会式が終わった後はオリンピックムードが漂っていると勝手に想像してノリで何とかなりました。やっぱノリって大事だなと強く思いました。

ノリの佃煮

私は乗り換えに大失敗し、20分くらい早く着く予定だったのが30分遅刻するという失態を犯し会場の最寄り駅に着きました。でもここからが問題で、駅から会場までがとにかく遠い

まじでどこやねん

この炎天下の中、普段なら直進できる道が、オリンピック車両専用になって通行禁止になって人生最高の迂回をしないと会場にたどり着けないので、汗だくになりながら、おまわりさんに聞きながら、やっとのことで会場につきました。標識など、もっとわかりやすくすればいいのに、と思いました。

全体として、ユニフォームを着ていかなければならないこと、そして、駅から会場までの道のりの伝達が不十分であったことが、悪かったと思います。セミの鳴き声を一生分聞けたのは良かったかも。はい。

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入場の際の諸手続き

会場に着いたらまず、このご時世なので消毒と体温チェックを行います。そして、アクレディテーションカードをかざし、顔認識をパスしたら、自衛隊の方々による手荷物検査があります。とても丁寧に行われ、まるで空港のような現場に心底緊張。そのあと、「チェックイン」というコーナーで出席確認兼チェックインを行います。そこでお水や汗拭きシートをもらいます。ミール券という大事なご飯の引換券も受け取りました。

会場の説明

私は遅刻をしたので、ボランティアガチ勢、すなわちボランティアリーダーといわれる方がお迎えに来てくださり、初日ということで、会場紹介から始まりました。私はバドミントン競技のメディア担当だったので、会場が屋内だったのですが、めっちゃ涼しかったです。実際に中では世界各国の代表選手の方々が練習をしており、練習なのにめちゃくちゃかっこよくて、これが世界なのかと思いました。世界ってすごいな。

色々な人が集まる会場

会場には、選手だけでなく、世界各国から来たボランティアの人、報道陣、タイムキーパー(オメガという有名なスイスの時計会社から派遣されたオリンピックの運営を行う方々)が、英語で会話していて、なんかすごく感動しちゃいました。そのあとは、メディアコーナーの掃除をしたのですが、1,2時間やることがなく、正直手持無沙汰でした。

その後も特にやることはなく、早めに切り上げられて、帰り際にミール券を使うためにご飯を食べて帰りました。ご飯を食べるコーナーは休憩コーナーと合体しており、机といすがたくさん並べられているスペースです。中には靴を脱いで寝転がる畳の場所もありました。ミール券と引き換えに、その日の食事とコカ・コーラ社の自販機から好きな飲み物一本が支給されます。ちなみにその自販機はコインを入れなくても、ボタン押すだけで飲み物が出てくるので、個人的に家に置きたい代物でした。

会場全体としてよかったことの1つ目として、上記のような、グローバルな雰囲気が挙げられます。1つの会場に、世界何十か国の人々が集まり、様々な言語で会話をするという経験は今までになかったし、個人的には「もっと英語の勉強を頑張ろう」というモチベーションももらえた、貴重な経験であったと思います。

2つ目は、舞台の裏側を見れるし実際に携われることです。大会直前までは、コロナパンデミックや問題発言などの影響で私も周りも熱気と活気がなかったので、あまり大会に期待はしていませんでした。しかし、実際に会場に入ってみると、選手や運営側の一生懸命さがヒシヒシと伝わってきて、心の底から盛り上がりました

お客さんのいない客席

3つ目に、メディアの方々の仕事ぶりを見れることが挙げられます。

報道陣の待機室

メディアの裏側なんて普段見ることができませんが、今回はたっぷり拝見することができました。すごく陽気なカメラマンさんもいて、面白かったです。試合が終わった後は直でこの上記の待機室に来て、写真を熱心に選んで送っていました。オリンピック専用のタクシーの電話がつながらないらしく(闇)、受け付けはタクシーの話でもちきりでした。

最後は、新しい仲間ができることです。初日はいませんでしたが、2日目から同じような大学生のボランティアが何名かやってきたので、色々な話をすることができました。特に仲良くなった子とは、一緒に会場まで行ったり、好きなアイドルの話をしたりしました。ボランティアの中には、中国、イギリス、ブラジルなどからいらっしゃった方もおり、年齢、国を超えた輪が広がった感じがしてワクワクしました。ボランティアだけでなく、運営の人たちともコミュニケーションが取れました。特にそばに立っていた、スイスのフランス語圏から来たオメガのおじさんに、いきなり「ございます」の意味を聞かれて、英語で教えたことが感慨深かったです(涙)。今度スイスに来なよといわれました。行きます。中には私のリスニング能力が低いせいで、バスルームを聞き取れず、立腹なさってる方もいらっしゃいました(本当にごめんなさい)。しかし、いろんな人と会話ができて、楽しかったです!

ちなみに、ボランティアの人はアイスが食べホーダイなのです。先ほど挙げた休憩コーナーにはアイスボックスが設置されており、スーパーカップとかが食べ放題でした。でもあんまり食べ過ぎるとおなか壊すので気を付けましょう。

しかし悪かったこともいくつかありました。

まずは、運営がグダグダだったことです。試合が始まったら確かに仕事はあるけど、試合が始まる前は特にやることがなく、ボランティアリーダー(私たち一般ボランティアよりも前から準備してきたた方々で、もはや泊りで働いてる)も自分たちで仕事を済ませてしまう感じだったので、私たち一般ボランティアはただぼーっと突っ立っているだけでした。ちなみにひどいところだと、(シティキャストのお話ですが)空港で突っ立って手を振るだけのボランティアもあるそうです(1回も、手を振るとかの仕事すらなく1日を終える人もいるんだとか)。

次に食事についてです。初日に初めて食べた時の衝撃はいまだに忘れられません。飯が出るだけ光栄だと思わなければならないのですが、やはり濃い。おかずは共通で、冷蔵庫から直で食べます。また主食はパンかおにぎりの2択でした。

しょっぱくて冷たい食事(感謝するべきだけど、、)

また、個人的にこの共通の食事は、ベジタリアンとか宗教的に食べれない人がいたらどうなるのだろうと思ってしまいました。実際に、LINE WORKSのボランティア全体ラインの中でも議論されてて、「食事がベジタリアン向けではない」「大会理念のDiversity inclusionと相いれない」という批判が起こっていました。一方で「食事が出るだけ感謝しろ」「それが気になるんだったら自分で持ってくればいい」「これ以上批判すんな」などの反対意見もありました。びっくりしたのが、あるボランティアリーダーの人が「そんな批判するんだったらボランティアやめればいいのに」みたいなことを言っていたことです。ちなみにこの後、全体ライン自体が消されてしまいました。(闇が深い)

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バドミントン

私が担当したこちらの会場はいくつかのスポーツの開催場所だったのですが、最初はバドミントン競技が行われました。

大会が実際に始まると、怒涛の試合ラッシュが続きます。1番試合数の多い予選の日にシフトが入っていたので、試合そして試合。メディア対応の私ですが、なんと間近で試合を見続けることができるコーナーに配属されました。仕事も多くなかったため、ほぼ試合観戦状態になっていました。決勝戦まで見ることができました。でも最後までのシフトは23:30までで、終電を逃すか逃さないかの瀬戸際なので、表彰式までは見れませんでした。

女子シングルスの決勝戦の写真を撮るくらいの暇さ

1回も中に入れないボランティアさんも大勢いらっしゃるので、私はとても超めっちゃスーパーラッキーだったと思います。もちろん仕事もしましたよ!主な仕事は試合中のフォトグラファーを立ち入りを制限することでした。英語でいろいろなことを聞かれるので、トイレの場所やトリビューンという記者席の場所を教えました。あとは、記者席の消毒や立ち入りチェック、掃除など、もろもろの雑用をこなす毎日でした。私は全6日間参加しましたが、この参加日数は選ぶことができます。なので、15日参加する人もいれば、4日の参加という人もいました。

気になった点もありました。それは、感染対策の最後の詰めが甘いことです。もちろん私たちボランティアで座席の消毒などを行っています。しかし、大会が始まる前と比べると、はるかに多い人数のスタッフや報道陣、選手、そしてVIPのお客さんが来たので、感染者数が増加しているという現状を踏まえると「密」の状態であったと私は感じました。

一方、選手を間近に見ることができたのはとてもよかったです。例えば、有名なバドミントンの選手を近距離で見ることができました。日本の方だと、桃田選手やフクヒロペアの健闘を直接見ることができました。すごくすごく上手でした(当たり前だろ)。あと監督が怖かったです。オーラが違いました。怖い。隣に立っているだけでも恐ろしかったです。選手の方たちって、何でしょうか、試合のあとでも、何事もなかったかのような、涼しげな顔なんですよね。汗も光っていて存在自体も光っていてっていう感じ。なんか深刻なオタクみたいな表現ですが、本当にかっこいいし、オーラが半端じゃなかったです。

近代五種

さて、バドミントン競技が終わった次は、近代五種が始まります。そもそも皆さん、近代五種について知っていますか?私も正直よく分かっていなかったので、ちょっと下調べしたのですが、

選手が1日でフェンシング、競泳、馬術、レーザーラン(射撃とランニング)の5つの競技に挑む複合競技。ヨーロッパでは「キングオブスポーツ」と呼ばれている。(NHK)

という盛りだくさんのすごい競技だったんです!

私の会場が室内であるため、この5つの競技中担当できるのは、1日目に開催される、フェンシングのみでした。

種目が変わると、会場の構造や仕事も大きく変わるので、適応が大変でしたし、競技担当の方々がグダグダだったのか、立ち入り制限区域にメディアの人々が出入りしてしまうなど、事前の説明不足が原因で、戸惑っていました

がらりと変わった会場の様子

フェンシングは総当たり戦で、9つのコートで一斉に試合が開始され、連続で試合をし続けます。様々な国の代表が一斉に試合をするので、会場は英語だけでなく、ロシア語、ドイツ語、韓国語、イタリア語、ヒンドゥー語、中国語、フランス語など、数え切れない種類の言語の応援であふれかえっていて、本当に面白かったです。また、私にとって人生初フェンシングだったので、新鮮な体験でした。

全部で6日の日程を終え、私のオリンピックボランティアは終了しました

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オリンピックバイトの存在

当初、ボランティアの倍率がすごいとか、盛大にはやし立てていましたが、実際裏では給料付き(時給1600円)ボランティアの募集を直前になって始めるという訳の分からない構図があり、わたしはとてもびっくりしました。じゃああのボランティア倍率高いとかいう記事はガセだったんですかっという率直な考え。確かにその給料もらう人たちは、服装も違うし、やっていることも違うかもしれないけれども、一体どういうことなのか、1日活動補償費1000円でボランティアをする私達との違いを説明してほしかったです。「これだったら、ボランティアじゃなくてバイトしてたわ」という人も結構いました。

それでもボランティアに参加した理由

私がそもそも、この大会ボランティアに参加した理由は3つあります。

まず1つ目は、興味があったからという単純な理由です。オリンピックって見るだけで、実際に裏側を見て、その運営に関わって、選手の頑張りを支えられる機会ってこのオリンピックボランティアしかない。しかもオリンピックが、この前東京で行われたのって1964年で、はるか昔のお話。そしてやっと2020年にまた東京で開催。もしこのスパンで東京で開催されるのだったら、次は私が70歳後半の時。今しかないし、しかも興味があるということで、応募しました。

2つ目はオリンピックボランティアという経歴です。どこかの面接で「何をしてきましたか?」って聞かれたときに、「オリンピックでボランティアしました」と答えたいという気持ちがありました。

そして、3つ目。いろんな国のいろんな人と英語でコミュニケーションしたいという理由です。当時は英語を実際に使いたいという素晴らしいモチベーションに人生を支えられていた時期であったので、やる気に満ち溢れていました(若さのいきり)。

完成した新国立競技場

エンブレム、新国立競技場の問題や、森元会長の女性蔑視発言など、コロナ以前に問題のある大会でした。しかもこのコロナウイルスが世界中に広まり、大ごとになるという、思いもしなかったことが起こり、開催されるか、されないかという疑問さえ生じました。

この中で多くの人々がボランティアを辞退するというニュースもありました。また、直前にはオリンピックバイトの存在まで現れました。ではなぜ私はボランティアを辞退しなかったのか?

個人的にこの時期でボランティアをやめるのはよくないかと思ったから。

確かに大会組織の方は問題があったし、それには絶対に賛同はできない。また、コロナ禍での大会ということで開催されないという可能性もあった。だが、大会に出る選手たちの4、5年間の努力、大会を用意してきた本当にまじめな人々の頑張りを考えると、この大会直前の時期で辞退するのはさすがに迷惑が掛かってしまうし無責任なのではないかと思いました。また、初期のころの参加理由もまだ私の心の中に深く残っていたので、参加継続を決意した、そのような次第です。

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全体を通しての感想

またボランティアやりますか?と聞かれたら即答で「やります!」と答えます。そのくらい良い思い出になった大会ボランティアでした。始まるまで、大会の委員会は紆余曲折し、私の意志自体も揺らいだ時期もありました。コロナパンデミックで延期もしました。開始後も仕事がなさ過ぎて「なんで私がここに必要なの」とか「こんなに大人数募集した意味あるの」など様々な疑問や不満を持ってしまったのも確かです。しかし、些細な質問に英語で答えるだけでも、「THANK YOU」と言われるだけでも、なんだかとっても嬉しかったし、終わった後いつも腰と足首が痛くなるのでさえも、達成感でした。少しでも自分はこの大会に貢献したのかなと思います。上記のような「悪いこと」もあったけど、結果的には「良いこと」の方が多かったです。思い出もいっぱい作れて、2021年の夏はおかげさまで激熱でした。(熱盛!!)最高に楽しかったです!

最後に、このオリンピック・パラリンピックを支えてくださる、すべての方々、選手の方々、そして、コロナと闘う医療従事者の方々に、感謝です。本当にありがとうございました。

優勝して泣き崩れる筆者
この記事を書いた人
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陽気なカモメ
とりあえず陽気です。
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