【東大生がガチで「読書感想文」を書きます】書評誌「ひろば」会員が語る書評の魅力

2021.03.29

トゥールン!文学クイズです!

Q1

ヴェルヌの『海底二万里』は『海底二万マイル』と訳されることもありますが、「二万里」と「二万マイル」の誤差は何kmでしょうか?!

Q2

『オズの魔法使い』は金銀複本位制をめぐる論争を寓話化したものだという説があります!あの「ブリキの木こり」は何を表したものでしょうか?!

Q3

1973年に創部、全国で唯一、学部生が学部生に本を紹介するという目的で雑誌を発行しているにも関わらずその知名度がめっちゃ低くて私が悲しんでいる団体はどこでしょうか?!

どうもこんにちは。書評誌「ひろば」前編集長です。

みなさん、クイズの答えは分かりましたかね?

それでは、Q3.の答えから発表しましょう。

そう!答えは当団体、書評誌「ひろば」です。

コロナ前までは季刊で冊子を発行していて、しかも書籍部と食堂に置いていたんです……けれどそれを知る東大生は数少ないでしょう、はい。

見たことないですか……はい……

うーん、何が足りないんだろう……きっと書評を読むのにも書くのにも魅力を感じている人が少ないからに違いない!

ということで、今回は「ひろば」の活動を絡めつつ、書評の魅力をお伝えしていきたいと思います!

(Q1とQ2の答えは本文の最後に載せようかと思います、ゴメンナサイネ)。

団体の活動理念

いきなり何やコイツ?って思われても悲しいので、まずは当団体の理念をご紹介しましょう。自己紹介から、ってやつですね。「ひろば」の資料を探して、理念理念……あった!

『ひろば』は東大生協の支援を受け発行される書評誌であり、書評委員会に属する学生が文芸作品や新書等を誌面上で評論することで読書を奨励し、また知的好奇心を刺激することを目的とする。

「ひろば」資料より
……

文章カタっ!!!Σ( ゚Д゚)

こんな自己紹介されたら衝撃のファーストインプレッション間違いなし。もうちょい柔らかく行きましょう。

「ひろば」は面白い本、興味深い作品を評論を通じて発信し、みんなが推しに出会いやすくなる世界を創出する、そんなことを目的に活動しています。

書評の魅力とは?

読書感想文。苦い夏休みの思い出です。さっさと7月の間に読み終えて、8月の第一週で書き上げれば良いものをグダグダ最後まで引きずってしまう……そもそも何のために書いているんだろう、なんて思い始める……

かく言う私にも読書感想文を書く上で苦い思いをした経験があります。『大どろぼう完全計画』とかいう面白そうな本を課題図書リストから発見して、これは簡単に書けるなと思っていたら……

『犬どろぼう完全計画』(文溪堂)

……思ってたんと違う!!!ヽ(・ω・)/ズコー

もう何を書けばいいのかさっぱりでした(2011年度青少年読書感想文全国コンクール課題図書)。

筆者がイメージしていた内容

そんな健全な少年少女のトラウマたる読書感想文。その意義が分からずじまいのまま私も大人になりかけていました……

がしかし!『ひろば』に載せる原稿を書いていた私に衝撃が走ります!!それはあるファンタジー/ホラー小説を論評しようとしていた時のことでした……

この描写…絶対この目的で入れてるに違いない!!!

”学校蝙蝠”のようなオリジナル語彙が無秩序に散りばめられた冒頭。一見意味不明なその描写ですが、そこには日常と異界を無理やり結びつける作品世界の在り様が端的に表現されているのではないか、少なくとも私にはそう感じられました。

”世の中に絶対はない”とはよく言ったものですが、文章に誠実に向き合うことで確信めいた理解が得られることも事実です。東大入試も、共通テストも、高校の時の模試も、中学の期末テストも、百点満点の解答は存在しないかもしれません。しかし、99%の人が同意せざるを得ない「筆者が意図していたであろうこと」が存在するのは間違いないはずです(さもないと文章で伝達すること自体の信頼性が揺らぎかねませんよね)。

しかし漫然と読み進めていると、そうした本質を読み落としてしまいがちなもの。それを見つけられるようにするのが国語という科目の意図であり、ひいては読書感想文の意義だったのではないか!そう私は思っています(。-`ω-)

そして、書評というのはその「筆者が意図していたであろうこと」に近づく一番の手段なのではないかと私は考えています。人に紹介する訳ですから作品を構造的に理解しようとする、それによって自分が見過ごしいていた事が見えてくる。そこに書評の一つの魅力があるのではないでしょうか。

団体の活動内容

理念は分かった。魅力もまあ百歩譲って理解した。

じゃあキミは普段何をしているの?

意地悪な面接官が聞いてきそうな質問ですが、至極まっとうな話です。普段私たちは何をしているのか。謎多き(別に隠している訳ではないのだけれど……)その生態に迫ります。

週一回の編集会議(任意)!季刊誌の発行!一泊二日の合宿(任意)!以上!

え…それだけ…?大体任意じゃん…?(; ・`д・´)

そうなんです。活動の大半が任意参加、しかも生協様から援助を受け冊子を発行しているため会費も0円。所属しているデメリットが皆無、気が向いたときにフラっと原稿を寄越す、そんな優雅な学生生活がもうあなたの目の前に。それが「ひろば」なのです。

書籍部にて『ひろば』が書評した本と共に陳列されている様子

…もう少し真面目に書きましょう。週一回の編集会議で各自オススメの本などを紹介しつつ雑談して『ひろば』に掲載したいテーマを決めていき、4か月に一回程度の割合でそのテーマに沿った書評を執筆、それら書評を集約して1冊の雑誌として印刷・配布する。それが通年でのメインの活動です!

そこに補助的な活動として部員の交流を深める合宿や、後継者を失い風化しつつある伝統行事「読書百時間」(百時間ひたすら本を読みまくる)、年1回の出版社インタビューが加わり、充実の1年間間違いなし(∩´∀`)∩

とはいえ、さほど負担がかかる訳でもないので兼サーや学業との両立も超簡単。是非「ひろば」をみなさんの大学生活の1ページに加えていただければ幸いです!!!

『ひろば』がどんなものか気になっている方は、TwitterやブログからPDFを閲覧してみてください!またなんと!教科書を購入すると先着でひろば新歓号がついてくる予定ですので、ご確認くださいね。

今後の新歓予定

4/1 12時~14時 サークルオリエンテーション

4/4 10時40分~12時20分 UT-BASE

4/5 20時~22時 UTmap

4/11 10時40分~12時20分 UT-BASE

現状「ひろば」が参加予定の新歓イベントは上記のようになっています!また、こうした大規模新歓とは別に、独自に座談会やビブリオバトルなども開催できればいいな( ´∀` )と思っているのでTwitter(@hiroba_UT)もフォローして情報を追っていただければ嬉しいです。入る気ねぇよ!という方も、書評を随時発信していくので暇つぶしがてら見ていただければ!!!

最後に

もう皆さんお忘れじゃないでしょうか!?冒頭のクイズを振り返りましてこの記事を閉じさせていただきたいと思います!

Q1は海底二万マイルについての話でした!1里は約4kmなので2万里は大体8万km、1マイル(=1海里)は約1.85kmなので3.7km。よって差は大体4.3万kmということになります。地球の外周が4万kmなので誤差がヤバいですね。

*諸説あり

Q2はオズの魔法使いについての話でした!なんとなく察せるかもしれませんが、ブリキの木こりは産業労働者を指すらしいですね……(川端,2013)なんか現実的で悲しい!!!

こんなことを書くと「ひろば」に参加するにはめっちゃ予備知識が必要なんじゃないの…?と疑われそうですが、全然そんなことはありませんのでご安心を。私も受験勉強で文学史から逃げた人間なので()

むしろ、何となく本が好きかな、という方がブックフレンドを作るのに最適な場になっていると思うので是非一度見に来てください~。

それでは!最後までご覧いただきありがとうございましたm(._.)m

Twitter:https://twitter.com/hiroba_UT

ブログ:https://hirobaut.blogspot.com/

〈参考文献・関連書籍〉

ジュール・ヴェルヌ[著]朝日奈美知子[訳]『海底二万里』、岩波書店

常川幸太郎[著]『夜市』、角川書店

バーバラ・オコーナー[著]三辺律子[訳]『犬どろぼう完全計画』、文溪堂

フランク・ボーム[著]幾島幸子[訳]『オズの魔法使い』、岩波少年文庫


川畑壽. (2013). 『オズの魔法使い』 と米国の通貨政策. 亜細亜大学経濟學紀要, 37(1/2), 1-21.

この記事を書いた人
東京大学書評誌「ひろば」
本を読むのが好き。人に紹介するのも好き。紹介されるのも好き。だけど積ん読しちゃう時も...
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