こんにちは。突然ですが、9/20, 21は何の日かご存知ですか?
−−そう、五月祭です。え?9月なのに五月祭?うるさあい。五月って言ったら五月なの。
五月祭は、例年その名の通り5月に本郷キャンパスで開催される、東京大学の学祭の一つです。それはそれは賑わう一大イベント…なのですが、withコロナの今年は開催が大幅に延期されてしまいました。
そして何を隠そう、今年の五月祭はオンライン開催なのです。
さて、例年の五月祭では、4月に入学したばかりの新入生がクラス単位で飲食物を販売する屋台を出店し、クラスの絆を深めるという文化があります。
しかし今年は事情が特殊。東大では入学前のガイダンス・各種オリエンテーション等が中止され、Sセメスターの授業は完全オンライン化されました。
同じクラスと言えど一緒に授業を受けたことは一度もない。人によっては、顔さえ知らない。
そんな中、数々の苦難を乗り越え、五月祭でオンライン企画を行う新入生たちがいました。
今回は、そんな3クラスの企画を取材してきました。五月祭に来場することを検討しているけれど、どの企画を見に行けばいいかわからない……そんなあなた、必見です。
文科一・二類25組では、「2525TV」と題し、YouTuber風動画の配信やラジオ放送、オンラインでのクイズ大会、ゲーム大会、パフォーマンス大会、格付けチェック、受験相談会などの企画を行います。
企画の正責任者のM川さん、副責任者の井上JAPANさんと、世界の山ちゃんさん、奈良の祥ちゃんさんにお話を伺いました。
早速ですが、企画内容について教えてください。
私たちは、YouTuber風の動画を中心に、色々な動画を撮影して配信するほか、当日は生配信の企画も行います。
YouTuber風というと…?
例えば、砂浜に人を埋めてどれだけ速く出て来られるかを競争して、罰ゲームとして負けた人にメントスコーラを浴びせたり。
(本当にYouTuberさながらだ…)
あとは部屋を借りて白衣を着て理科実験の動画を撮ったり。勉強系の検証もいくつか。この前は、我々文系が3日間理系科目を勉強したら東大理系の入試問題もそれなりに解けるんじゃないかという説を検証しましたね。
めちゃくちゃ面白そうです。見たいです。
配信にはYouTubeを使うんですか?
そうです。収録・編集済みの動画を、限定公開のYouTube Liveで配信します。五月祭公式サイトのリンクを踏むと見られる形式です。
僕はリアルタイム企画を担当しているので、当日本郷キャンパスから、YouTube Liveを使って生配信します。
なるほど。盛りだくさんですね。
SNSで発信されている撮影風景を見ても、クラスの仲の良さがひしひしと伝わってきます。
感染拡大には十分気を配りつつ、対面での撮影も度々行っているようですが、五月祭に関係なくクラス単位で会っていたんでしょうか?
いや、五月祭の撮影のために会うことがメインでしたね。
少人数単位で会うことはありましたが、輪を大きくできたのは五月祭のおかげです。
五月祭の企画で初めて会った人も結構いましたね。
おお。五月祭のおかげでクラスの仲が深まったんですね。
実際に会うことができているとなると、連携が難しくて準備が大変ってことはなさそうですね。
そうですね、連携の面では問題ありません。でも準備は大変です。やりたいことを全部やろうとして、手を伸ばしすぎて。
全部終わるかわからないですもん。僕なんて今日徹夜で編集してたし。(※取材日は五月祭4日前)
徹夜で編集しながら、鍵盤ハーモニカ弾きながら、『今日から俺は!!』のダンスと歌詞覚えながら…だもんね。
訳がわからないけどヤバそうなことだけはわかります。お疲れ様です。
その間に、委員会との調整なんかはM川さんと井上JAPANがやってくれてます。僕たちが準備できるのは2人のおかげです。
僕たちは自由にやりたいことをやらせてもらってる感じで。
役割分担がはっきりしてるんですね。盛りだくさんの企画をうまく進められる秘訣かも。
役割分担について言えば、クラスがいくつかのグループに分かれているんです。奈良の祥ちゃんはYouTuber風動画を作るグループの責任者で、そのメンバーから動画のネタを出してもらったり。世界の山ちゃんは生配信でやる格付けチェックとゲーム大会の責任者をやってたり。
あとは、クイズ大会、パフォーマンス大会、受験相談会、ラジオにそれぞれ責任者がいます。
なるほど。改めて、企画が盛りだくさんですね…。来場者の方には、五月祭公式サイトで公開されているタイムテーブルを参考にお目当ての企画に来ていただく形でしょうか?
公開されているタイムテーブルに加えて、その隙間の時間にラジオを放送します。だから、一日中付けっ放しにしていたら常に何かしらはやっているような。
まるで本物のテレビだ…すごい。私も是非見たいです。
25組の仲の良さを感じつつ、楽しんで行ってもらえたらと思います!
皆さん、今日はありがとうございました!
取材中に強く感じたのは、やはりクラスの仲の良さでした。オンライン授業が続きなかなか人間関係を築きにくい中、ここまで団結することができているのには驚きです。
企画力もYouTuber顔負けで、当日が楽しみになりました。
五月祭公式サイト企画紹介ページ:https://gogatsusai.jp/93/visitor/kikaku/722
Twitter @2525tvkouhoubu:https://twitter.com/2525tvkouhoubu
Instagram @2525tvkouhoubu:https://www.instagram.com/2525tvkouhoubu/
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理科二・三類15組では、「トウダイトーーク!」と題し、①勉強・受験関連のお悩みを中心とした相談会と、②受験体験記・入試の実況中継などの文書の配布を行います。
企画の正責任者・みかんさん、副責任者のpenguinさんにお話を伺いました。
早速ですが、企画の概要と参加方法を教えてください。
まず、相談会はZoomで行います。勉強や大学受験関連の相談に、私たちがリアルタイムで回答する形式です。
相談を受ける学生は何人くらいいるんですか?
24人います。
おお。現役東大生が24人も集まったら頼りになること間違いなしですね!
相談を受ける学生は、理系科目・文系科目などジャンルに分かれて専門を作っているので、その分深い相談ができるのではと思います。相談内容を伺い、担当の学生と一緒にブレイクアウトルームに割り当てる形です。
さらに、予約制度を導入する予定です。LINEやメールから連絡して予約していただければ時間を指定できるほか、事前に質問内容を教えていただければ、こちらで準備しておくことができるので、ぜひ利用していただきたいです。
それは便利な制度ですね!
LINEアカウントとメールアドレスは章末に記載してあります。是非利用してみてください。
もちろん、予約せず当日にZoomの部屋に来ていただくのでも大丈夫です。
また、相談に限らず、雑談もOKという形にしています。
だから、ただおしゃべりしたいという人も歓迎です!
気軽に東大生と喋れる場なんですね。
今度は、受験関連の文書の配布について聞かせてください。
クラスのメンバーの合格体験記や、自分たちが入試を受けに行って感じたことを実況中継のようにまとめたものを作成し、SNSや五月祭公式サイトを通じてURLを公表します。
なるほど。それは何人分くらい集まる予定なんですか?
今のところクラス全員(33名)に呼びかけています。
ええ!すごい。多様な体験が読めるのはかなりためになりそうです。それに理二三のクラスだから、理三の方もいますしね…?
心強いですね(笑)
今回の五月祭はまだ一度も対面授業がない中での開催ということがネックだと思います。クラスでは対面で準備をしたりもしているのですか?
クラス全体で会ったことは一度もありません。たまにZoomを使って、人狼をしたりとか、それこそ五月祭の話し合いをしたりとかするくらいですね。むしろ、企画をやる中で仲良くなれたらいいなと思っています。
一度も会ったことがない状況でこれだけ大規模なものを企画できるのは尊敬します…企画の話し合いは全てZoomで行っているんですか?
そうですね。Zoomで話し合って、連絡にはSlackを使っています。
なるほど。こういった異例の五月祭で企画をするにあたって、大変だったことはありますか?
オンライン開催が決まって、みんながどういう企画をやりたいのか、そもそもオンラインになっても企画をやりたいのかが把握しづらいという難しさはありました。
それでも企画をやることに決めたのは?
企画継続か撤退か、クラスで投票をとったら意外に継続派が多かったんです。何かやりたいことが定まっている訳ではないけど、とりあえずやりたいみたいな。(笑)
なるほど。
最初は動画とかを作ろうという話もあったんですが、実際に会えないとなると準備が難しいな、ということで、こういう形になりました。
色々と難しい中でここまで作り上げたお二人とクラスのみなさんには頭が下がります。
お二人とも、今日はありがとうございました!
オンラインの手段を駆使した予約制度があったり、Zoomのブレイクアウトセッションを利用して、周りの人に聞かれることなく受験相談ができたりするのは、オンラインならではの魅力ですね。
喋りたいだけの人でも歓迎ということですし、キャンパスに通えず東大生の知り合いが増えない1年生の筆者も雑談しにいってみようと思います。
五月祭公式サイト企画紹介ページ:https://gogatsusai.jp/93/visitor/kikaku/758
Twitter @todaitalk:https://mobile.twitter.com/todaitalk
Instagram @utokyo2315:https://www.instagram.com/utokyo2315
メールアドレス:utokyo2315※gmail.com(※を@に変更してください)
理系ロシア語選択クラス(通称「理ロシ」)は、3クラスで合同し、「理ロシブログ」と題したブログを書いて公開します。
企画の正責任者・谷口侑さん、企画発案者・折井森音さんにお話を伺いました。
早速ですが、企画内容について教えてください。
私たちは、理系ロシア語選択3クラスでPandoというサイトをお借りして、学生が各々自由なテーマでブログを書いて公開します。
ほう。
実は、Pandoは僕が所属するサークルでも使われているんです。学生が自由に意見を発信することができるという点がこの企画にぴったりだと思ったので理ロシブログで使わせていただくことにしました。
そんな舞台裏があったんですね…!
もしできればですが、この五月祭が終わってからも理ロシとして何か発信できればと思っています。来年以降また新しく新入生が入ってきたら、この理ロシブログを毎年続けていってくれたらなぁ、とも個人的には考えています。
夢がありますね。
ブログのテーマは完全に自由なんですか?
そうですね。社会常識的にまずいものでなければ完全に自由です。
最初に折井くんがブログを提案してくれた時にくれた言葉が、「だいたい知りたそうな最大公約数的なものだけでなく、『こんなの誰が読むんだ』というような、あえて読者層を意識しないマニアックなものが一部の読者にとってはすごく刺さる」というものだったんです。
名言ですね。
今回テーマを自由としたのは、みんなに尖ってほしいという意図からです。
テレビなどで見られる東大生って典型的な東大生像になってしまっている気がするんです。
わかります。
それはそれで面白いんですが、東大に入ってみて、みんなが思ってた以上に尖ってるな、と思ったんです。尖っているというのは、関わりづらいようなものではなくて、「こんなところが秀でているんだな」と感じるような。個性と言ったら月並みですが。
それを学外の人にもっと知ってもらいたいと思って、テーマを自由にしました。どんなモンスターが出来上がるのか、自分でも楽しみです。
ネットを探せば、東大生が書いたブログっていっぱいあるじゃないですか。でもそのほとんどが受験生活のこととか、大学の授業のこととかその程度なことが多いんです。
確かに、そんな印象がありますね。
東大生がどんなことを考えているのか、どんなことに情熱を抱いているのか、というところまで踏み込んだものってほとんどなくて。
だから、同じ東大生のブログでも、尖っている姿をそのまま読者に伝えられるものをお届けしたいなと思ったんです。
わあ、私も興味が湧いてきました。具体的にはどんな記事が書かれているんでしょう?
こちらが理ロシブログになります。既にいくつか記事が公開されていますが、なかなか面白くなっているのではと思います。
おお。受験関連の話題はもちろん、「ゲームのすゝめ」、「OELVNについて」、「ろしあごであそぼ」、「涙について」などなど、確かに個性が爆発しています。
グラフ理論について語った記事も…グラフ理論ってなんだろう難しそう…
五月祭当日までにもっと記事が増える予定です。
俄然気になってきました。絶対読みます。
さて、ブログを考案したのは折井さんということですが、どんな動機があったんでしょうか?
そもそも僕は、コロナで五月祭がオンライン化したことをある種のチャンスだと捉えていました。
と言いますと?
僕は地方出身生なのでよく分かるのですが、五月祭って長期休みの中ではなく普通の週末に行われるので、地方勢は行けないんですよね。
確かに!ゴリゴリの東京出身の私には盲点でした。
普段は関東圏の高校生しか訪れることのできない五月祭がオンラインになったことで、地方勢も参加できるようになりました。
今年はコロナでオープンキャンパスがオンラインになってしまったこともあり、高校生に東大生の”生”の姿を見られる機会を提供できたらと思いました。
オンライン五月祭には実はそんな強みもあったんですね。
そこで、配信型の企画だけだと、高校生にしても東大生にしても、当日に予定がある人は参加できないというデメリットがあります。だから、ブログという事前に準備できる形で残しておけば、両者にとって時間の融通がきくのではないかと思いました。
学祭でブログって異質だなと思っていたんですが、そういうことだったんですね。
ところで、私はそもそも理ロシの構造がよく分かっていないのですが、理系ロシア語選択の3クラスが合同で五月祭に出店するというのは例年のことなんでしょうか?
そうですね。少なくとも過去5年は合同で出店していたはずです。
なるほど。でも普段同じ授業を受けている訳ではないんですよね…?
そうですね。理一4組と5組はたまに同じこともありますが、基本的には必修の授業はクラスごとで別で受けています。
それなのに3クラス間で団結できるのはすごいですね。人数も多いですよね?
はい。理一4組と5組が27人ずつ、理二・三4組が15人なので、全部で69人ですね。そのうち40人強が今回の理ロシブログに参加しています。
おお…!それだけの人数の間で意思疎通ができるのは尊敬します。
実は理ロシ全体の交流のために、上級生の方が3クラス合同のSlackのワークスペースを作ってくださったんです。そこでテスト勉強のことから趣味についてまで、クラスを越えた交流を行っています。
なるほど。オンラインでもそうして3クラスの団結が保たれているんですね。
では、会ったことがないとはいえ、今回参加するメンバーのことはある程度わかっているのでしょうか?
うーん、正直僕としては、どちらかというとまだ知らない人が多いのかなという気がしています。
会って話したことがある人は数人しかいない中で、一緒に企画をやっていくという感じですね。
やっぱりそういう感じになってしまいますよね…
とは言え、僕はそんな中でも絆みたいなものを感じているんです。
おっ。(笑)
僕は一人暮らしで4月から東京にいるんですが、オンライン授業など不安なことも多い中で、クラスの人が色々なアドバイスをしてくれて、コロナというものにみんなで立ち向かっているような連帯感を感じています。
こんな境遇だからこそ生まれる連帯感があるんですね。
そんな団結力もありつつ、個人としても思い思いの方向に尖っている理ロシの皆さんのブログ、楽しみに読ませてもらおうと思います。お二人とも、今日はありがとうございました!
複数の新入生クラスが合同で企画を行うのは、今回の五月祭ではここ理ロシブログだけです。顔すらわからない人もいる中でこれだけの大人数がまとまれるのは、このwithコロナの時代だからこそ、またオンラインだからこそなのかなと感じました。
五月祭当日は都合がつかない方も、東大生が普段どんなことを考えているのか、是非覗いてみてはいかがでしょう?
理ロシブログ:https://pando.life/riroshy
五月祭公式サイト企画紹介ページ:https://gogatsusai.jp/93/visitor/kikaku/788
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いかがでしたか?
学祭をオンライン開催するという前代未聞の挑戦ですが、一部をとってみてもこんなに様々な形態があり、オンラインならではの魅力が詰まった新鮮で楽しいものになりそうです。
今週末は是非、そんな五月祭に足を運んで−−いや、カーソルを運んでみませんか。
五月祭公式サイトはこちらから。