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「日本酒は飲む芸術品」現役東大女子・伊澤優花が語る日本酒ビジネス物語

2016.03.12

はじめに

UmeeTの記事を読んでると、もう「現役東大生が〇〇してる!」って言われてもちょっとやそっとじゃ驚かなくなってきますよね。

現役東大女子が日本酒業界を革新しようとしています!!!

どうですか? びっくりしましたか?

なんとも思わない人はUmeeTに脳内毒されてますよ!(いい意味で)

気になる彼女の名は伊澤優花。

現在経済学部の4年生です(休学中)。

取材の前に「伊澤優花」とググってみたところ、既に多くのメディアに取り上げられており、山のようにヒットしました。

…あれ、これ僕が取材する意味ある???

タイトルだけ書いて、あとリンク貼るだけで良くね???

取材場所である喫茶店に入り、まずは自分の不安を打ち明けました。

僕「伊澤さんは既にメディアの露出も結構あって、ご自身でもコラムを書かれているんで、被らないようにするのにどうしたらいいかと悩んでいて…」

伊「そうなんですよね。だいたい取材って同じことを聞いてくるから、私も質問になれてしまっていて

僕「…ですよね~」

やばいですね、これは。ありきたりな質問なんて出来たもんじゃありません。僕なりに今までにない独自な切り口でメスを入れていきたいと思います。

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伊澤さんってどんな人?

<プロフィール>
・利き酒師および国際利き酒師(酒ソムリエ)資格習得
・酒造技術幹部養成講座・基礎課程修了
・学生日本酒協会代表(2013年には農林水産大臣賞受賞)(https://www.facebook.com/Student.Sake.Association?fref=ts
・ダイヤモンドオンラインにて日本酒コラム連載(http://dimo.jp/archives/columns/sakecolumn
・ウェブメディア “SAKE美人”にて最年少SAKE佳人としてライター(http://sakebijin.com/author/kajin03/
・ミス日本酒2013ファイナリスト
・はせがわ酒店主催「日本酒でおもてなし!」表参道ヒルズにて、勝山として外国人向け日本酒セミナー担当。
・仙台伊澤家 勝山酒造 輸出担当およびマーケティング補佐(http://www.katsu-yama.com
・フリーで若者向けの日本酒企画、酒類輸出事業の顧問複数
・酒蔵に特化した人材採用・育成エージェント”SAKETERN(さけたーん)”の運営(http://www.saketern.com
・酒蔵と海外の売り手のコミュニケーションを円滑にするプラットフォーム”SACKET” の運営 (準備中)

そうそうたる肩書が並びます…想像していた以上に日本酒のスペシャリストです。

一体どうしてこんなことになったのでしょうか?

東大に入って日本酒への愛に気付き、今に至るまでの物語から聞いていきましょう。

中高は暗黒時代でした

小学生の頃、手芸が得意で口も達者だった伊澤さんは、親戚一同や周囲から期待のまなざしを向けられることが多かったそうです。しかし、そんな周囲の期待とは裏腹に「自分はそんな凄い人間じゃない!」という気持ちがあり、そのギャップに悩まされました。

実際小学校のころはほとんど勉強した記憶はありません。宿題もせずにピカピカのどろだんごを作って遊んだり(近所の子が教わりにくるほどの腕前だったとか!)、手芸をしたり、好きなことを赴くままにしていただけでした。

私立中学に進学すると、「このままでは自分が実はそんなに頭の良い人間ではないことがバレてしまう!」という危機感が芽生えました。周囲の期待に応えるため、猛勉強の日々が始まります。完璧主義だったこともあり、毎日朝3時間勉強すると決めると、一度もそれを怠ることはありませんでした。

その結果、テストはいつも学年1位!

しかし、1位を取り続ける苦悩が伊澤さんを襲いました。

「1位はキープするか落ちるかしかない」

ここまで周囲の声援に応えて走り続けてきた伊澤さんでしたが、ずっとこれが続くのかと考えたとき、足は止まってしまっていました。体調を崩すようになり、それに伴って心も荒んでいきました。学校にも通えない日々が続きます。

質問に饒舌に答える伊澤さん。中高不登校の時があったとは到底思えません。

当時を振り返って「あの時は暗黒時代だった」と伊澤さんは言います。

そんなとき心の支えとなったのが、思い浮かべた将来の輝かしい自分でした。

大学に入ってからやりたいことをリストアップしました。

そして中学の卒業文集に「将来自分は大物になる!」という夢を綴りました。

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なぜ東大へ?

中学時代を不登校気味に過ごした余韻はそう簡単に拭い去ることが出来ず、高校に入ってからも同じような状況が続きます。

1人ぼっちだった伊澤さんは、親が酒蔵の経営者であることもあり、ビジネスに興味を持ち、日経やMJ(マーケティングジャーナル)などの経済紙を読み漁りました。そこで海外のエコノミストや経営者、企業家に対して衝撃を受けます。

「アブノーマルなこともやりつつ、自分の好きなことを突き詰めて色々やっている。王道ルートは行っていないけど、やることはちゃんとやって、社会に認められてる人がいる。」

伊澤さんには、彼らがとても輝いて見えました。その時伊澤さんの中でピースが1つ埋まりました。

 “私は自分でビジネスがしたい!”

依然学校には馴染めないままでしたが、高校の担任の教師の言葉が伊澤さんを後押ししてくれました。

「授業よりも先にどんどん勉強するのはいいことだ。お前のことは俺がなんとかする。お前みたいに自分で進んで勉強するやつは東大にでも行けばいいよ。」

これをきっかけに伊澤さんは東大を目指すことを心に決めました。

今、改めてなぜ東大に入ろうと思ったのかを尋ねるとこのように答えてくれました。

「とりあえず地元から出たかった。当時は反骨精神いっぱいで、とにかく見返してやりたかった。」

不登校の問題などもあり、始めは期待のまなざしを向けてくれていた親も、徐々に問題児として伊澤さんを扱うようになっていました。

周囲を見返してやりたい、好き勝手した分東大に入るくらいしないと示しがつかない、そんな気持ちが沸き起こったのです。

そして、自らの意思で勉強に取り組み始めた伊澤さんは思いました。

”自分よりも頭のいい人たちの中で揉まれたい”

自分が周囲の中で一番でいることが気持ちよく、そこに甘んじてしまう人は多いです。

しかし、伊澤さんは井の中の蛙にとどまらず、大海を知ろうとする”ど根性カエル”だったのです。

では実際に東大に入学してみてどうだったのでしょうか?

次ページに続きます。

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男子校の化身
山の上の男子校で修行してました。
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