「東大生、マウント取るより下ネタ言おうぜ」東大生ポエトリーラッパー・ムギタローさんを取材したら、めちゃくちゃ前向きになれた話

2020.05.15

あやか

こんにちは!ライターのあやかです。

外出自粛のムードが続く中、皆さんどうお過ごしですか?

私はといえば、外に出なさすぎて部屋とトイレを往復するだけの毎日。自然と気分が落ち込んできます。

・・そんなある日、Twitterを見ているとこんな動画が目にとまりました。

この「ムギタロー 」さんによる新型コロナ解説動画、説明が分かりやすいことでめちゃくちゃバズっています。

なんと、あのGACKTさんにもインスタでシェアされている!!(GACKTさんは非公開アカウントなので投稿は掲載できませんが・・)

代わりにムギタロー さんの反応ツイッター

しかも、Twitterからも分かる通り、ムギタローさんは東大生で、ポエトリーラッパー!?

気になって、ムギタローさんについて調べてみると、「この真っ暗な空の下」という曲を見つけました。

この曲の歌詞が、またいいんです。

この真っ暗な空の下
先の見えない世の中
こんな日あったって別にいいじゃねーか
悩んだっていいよ
寂しくたっていいさ
悩みのないやつなんて
つまんねーだろーが
生きているのが辛くて
1人でいるのが寂しい
そんな風に思う事はきっと
間違ってないよ
こんなもんさ人生
泣きたい時は泣いて
笑いたい時に笑えばいいのさ

https://eggs.mu/song/4fa5e6c47e9796deaf00cc65c4de7f1f7d2650501de4f7b39e9c8029570a6756/


心に寄り添うような歌詞。めっちゃいい・・!!

家にこもってばかりで気持ちが沈んでいた私は、この曲を聞いて何だか元気付けられるような感じがしました。

・・さらに調べてみると、Youtuberや漫画クリエイターとしての肩書きも

一体、ムギタローさんってどんな人なの??

気になって仕方がなくなり、早速ムギタローさんに取材依頼したところ・・快く取材OKしてくださいました!

新型コロナの影響で、対面でのインタビューは難しかったため、オンラインでのインタビューになってしまいましたが、現役東大院生ポエトリーラッパー・ムギタローさんへのインタビュー、早速スタートです。よろしくお願いします!

学生証

1.お名前:あやこさん

2.所属:工学部機械工学科3年

「ポエトリーラップを、もっと多くの人に」

ー早速ですが、なぜポエトリーラッパーを始められたのですか?

東大の留学のプログラムでポーランドに行ったことがあったんですよ。

画面越しで話してくれたムギタローさん

僕、その時学部生だったのに、博士課程の学生しかいないところに入れられてたんです。

その人たちの母語が英語じゃないこともあり、忙しそうな人たちの中に学部生が放り込まれた感じがしました。

めちゃくちゃ孤独で、ちょっと鬱というか、気分が落ち込んでました。

留学プログラムで孤独になり、落ち込んでしまったムギタローさん

その時に、不可思議wonderboyさんの曲を聞いたんです。それで、不可思議wonderboyさんの「Pellicule」って曲が、「なんていい曲なんだ」と思って、めっちゃ感動したんです。なんならその時泣いたんですよ(笑)

とてもいい曲です。

それで、「不可思議wonderboyさんのライブに行きたいな」と思ったんです。アーティストに対してそういう風に思ったのって、それが初めてだったんですよね。

でも、不可思議wonderboyさんは、その時もうすでに事故で亡くなってしまっていました。

だけど、不可思議wonderboyさんと同じくらい、ポエトリーラップというジャンルで「いいな」と思える人がいなかったんですよね。「これはこのポエトリーラップという音楽がマイナーなせいだな」と思って。

ポエトリーラップをメジャーにすれば、もっといろんな人がポエトリーラップに興味を持つかなと思ったので、「帰国して僕が始めるか」って事になりました。

ーいきなり自分でやろうと思えたのがすごいですね。

安物のマイクで、なんなら東大の誰もいない教室で歌ったのが始まりでした。

ー初めからうまくいったんですか?

再生回数はそんなにいかなくて、20とか、10とかでした。いいねの数は1とかそんなもんでしたね。

「意味ねえな」とか思うじゃないですか。

じゃあ違うことで一回バズって、それをきっかけにラップを多くの人に見てもらうしかないなと思い、ポエトリーラップ以外にも面白動画などを投稿することにしました。

どんなにいいものを作っても、見てもらわないと意味がないと思ったので。

ムギタローさんのYoutubeチャンネル

ー最初の方はどうやって曲の作り方を覚えていかれたのですか?

著作権フリートラックをネットから拾って来ることが出来る、って言うことも知らなかったので、しょぼいフリーソフトで、音が一個くらいしかないトラックを自分で作りました。

「大切なこと」っていう曲です。歌詞はほとんどそのままですが、この前その曲をリメイクしてMVをあげました。

これを、使い勝手を何も知らないフリーソフトで作ったので、最初の作品はすっごいしょぼいクオリティーのものでした。

ームギタローさんはどうやって歌詞を書かれてるんですか?

歌詞を作る時、だいたいぼんやりと言いたいことはあるんです。

「自分をアピールしたい」っていうよりは、「曲の中で相手に寄り添って相手を元気付けたいな」ってモチベーションでやっています。

君は大丈夫だよって言いたい時は、そういう励ます感じのトラックをまず探します。音楽は作ってないんです。それから、音楽にあった言葉をなんとなく出していって、曲にするという感じです。

ムギタロー さんが普段使っているマイク


マウンティングするより、肩を組んでふざけ合おう

ームギタローさんは歌詞にどんな思いを込められているのですか?

僕は、自分自身が助けてもらえたような曲を作っていきたいなと思っているんです。

生きにくいなあと思うんですよ、今の日本って。マウンティング合戦してるような気がします。東大とか特にそうです。こんなに飯は食える世界なのに・・。

今は医療も整ってるから、どっちかっていうと、心に寄り添えるようなものが必要なんじゃないかなと思っています。

お互いマウンティングし合うっていう事は高め合うっていう意味ではいいけど、こんな世界なんだから、肩組んで「う◯こう◯こー」って言ってふざけ合っていても全然構わないと思うんです。

そういう事ができる世の中だと思うので、「そんなに思い詰めすぎないで、ありのままでいていいんじゃないか?」という思いを歌詞に込めています。

ームギタローさんの曲は、まさに東大生に聞いてほしい曲ですね。


2019年、1stアルバム発売へ

ームギタローさんは、「はじまりは小さな一歩から」という1stアルバムを出されていますよね。

僕は、「Low High Who?」というレーベルに所属していることになっているのですが、ここは、不可思議wonderboyさんが昔所属していたところです。

Low High Who?のkurosukeさんというプロデューサーの方が、僕の「この真っ暗な空の下」という曲を聴いて僕に声をかけてきて、よかったら何かやりませんかと言ってくれました。

令和最初の日、5月1日に、不可思議wonderboyさんの火の鳥っていう曲のリミックス版が公開される予定だったのですが、そのMVに僕が出ることになったんです。

ムギタローさんがMVのモデルに。

Low High Who?としては、インターネット上にはポエトリーラップをやり始めてる人っていっぱいいるので、不死鳥のように「このポエトリーラップという音楽は彼が死んでも他の人に伝わって、そういう人たちに受け継がれて火の鳥のように残り続ける」っていうメッセージをイメージして投稿したそうです。

僕はその後にアルバムデビューし、今に至ります。

ーラップのイベント等にも参加されてるんですか?

ライブとかだったら不可思議wonderboyの追悼イベントの「ポエトリーフェス」っていうのがありまして、Low High Who?の主催でやってるものなのですが、去年の七夕の日に開催されたものに参加し、大御所のポエトリーラップ系の人たちの中に入ってパフォーマンスしました。


人を楽しませたい

ームギタローさんはポエトリーラップ以外にも、面白い動画や、漫画等を投稿されていますね。

小学校の頃ずっと漫画描いてる奴っていたじゃないですか。僕は子供の時からそういう感じでした。あと、何か面白いゲームを自作してみんなでやったりとかしていました。

人を元気付ける一環としてポエトリーラップをやってますが、そもそも僕な好きな事って、誰かが笑ったりするようなものとか、誰かが元気になったりするようなものを作る事なんですよね。

だから、漫画に関してはポエトリーラップを始める前から描いていました。東大生をネタにした漫画とかは、かなり前に何となく描いていたやつです。

ムギタロー さんの漫画
「東大生活」

留学生とバカゲーとかやったり、ニコニコ動画で実況動画をやったりしてましたけど、そういうものに関しては、ポエトリーラップを広めるために知名度を挙げたいと思って始めたのもあるけど、「人を楽しませたい」っていうのも始めた理由の一つです。

「留学生とバカゲー」に登場するオーストリア人留学生・リアンさんと。

ー人を楽しませるコンテンツを生み出す上で、心掛けられていることがあったら教えてください。

僕が基本的に楽しませるために作るものは、「バカすぎわろた」か「しょうもなすぎわろた」っていう感じの、めちゃくちゃしょうもないものにしようと思ってます。

例えば、リツイートされた分だけポッキーくわえるという企画をやった事があります。数年前まで、「〇ツイート来たら〇〇します」っていうのがまだ本当にやる人がいなかった時代があったんですよね。

だから、「本当にポッキーを口にくわえていったら面白いかな」って思っただけなんですけど(笑)

あと、僕、お笑いの養成所に一昨年まで通っていたんです。ピン芸人でR1目指してました(笑)。難しかったし、Youtuberの方が楽しかったので、養成所はやめたのですが、そういうところで学んだお笑いの基本みたいなものは使う様にしていますね。


できそうなのは自分だけだと思った

ー最近、ムギタローさんは新型コロナウイルスの情報をまとめた動画を上げられました。どうして新型コロナウイルスに関する動画を上げようと思われたのですか?

ちょっとTwitterにも書きましたが、あまりにも情報が錯綜していたからです。

周りの人、例えば東大の人も、人によってまちまちな理解で、統一的に理解してる人がいなかったんです。その上、デマの方が広まりやすいじゃないですか。

「情報を、ちゃんとした根拠に基づいてわかりやすく発信できる人がいればいいのに」って思ったのですが、条件に当てはまるのは、周りに俺ぐらいしか知らないなと思いました。

一部の高学歴Youtuberとかならできるでしょうけど、実行してる人はいなかったので、自分でやればいいかなと思って投稿しました。

ーGACKTさんや福岡市長さんによっても、ムギタローさんの動画がシェアされていました。(福岡市長・高島宗一郎氏がムギタローさんの動画をシェアしたブログはこちら

びっくりしましたね。

ーそういった反響を受けてみて、いかがでしたか?

情報をまとめて分かりやすく説明するっていう事にすごい需要があるんだな、と思ったので、活動の一環として、そういう事をやって行こうって今思っているところですね。

今、完全に情報社会になってるじゃないですか。

どんな情報でも探せばあるのですが、逆に、多すぎて正しい情報を選択できなくなっちゃってるんだと思います。

僕が自分なりに調べているので間違いがないとは言い切れませんが、ある程度まとめた情報でみんなが現状を理解しやすくなったら、いろんな誤解とかも減るかなあと思ってやっています。


ポエトリーラップで紅白に出たい

ームギタロー さんがこれからやってみたいことはありますか?

ポエトリーラップでメジャーデビューしたいです。

僕が出られたら一番いいんですが、ポエトリーラップが、紅白とかに出るくらいに有名になってほしいっていう思いがあります。これは僕がこれまでずっと言ってきた事ですね。

ムギタローさんの夢はポエトリーラップで紅白に出る事。

例えばFUNKY MONKEY BABYSってラップですけど、かなりJ-popに寄せたラップなんですよ。

バズりやすいというか、大衆にウケやすいように作られてますけど、FUNKY MONKEY BABYSの音楽は根本的にはヒップホップなんです。

FUNKY MONKEY BABYSがラップを大衆化したのと同じように、ポエトリーラップでも、中高生にも受けるような、もうちょっとポップなものを作って、ポエトリーラップを世の中に浸透させていくきっかけにしていきたいなと思ってますね。

あと、音MADという、誰かの発言を音に乗せていくというジャンルの動画があって、結構人気があるんです。松岡修造さんの動画や、最近だと、「密です」っていう都知事の発言をごちゃごちゃ編集して音楽にのせた動画が人気です。

松岡修造さんの動画だと、受験を応援するものが有名ですが、本当にそれで励まされている人達がいるんですよね。

発言を音楽にのせてメッセージを伝える、「音MAD」という今日本に既にある文化は、やっている事自体は、ポエトリーラップと全く同じなんですよ。

だから、絶対ポエトリーラップは流行ると僕は思うんですよね。



(編集部注:音MADは、現在の著作権の観点では問題も指摘されています)

時間とメンタル以外何も失わないなら、思いつくやつ全部飛び込んでみる

東大生に向けてメッセージ等ありますか?

マウンティングしてないで肩組んで下ネタ言ってた方が楽しいですよってことですかね(笑)

あと、なんでもやってみたほうがいいなと思います。

それは東大生に向けてというか、この記事を見てくれている人に向けて言いたいですね。

例えば、何やったらいいか分かんないって人いるじゃないですか。「自分が何したいのか知りたい」、みたいな。

自分がこの先何をやったらいいか分からないって悩む人、確かに多い気がします。
というか、私もそうでした。

でも実際その人にとって、「自分がやりたいことを見つける」っていうのが、今その人がやりたいことだと思うんです。

見つからないのは探してないからというか、「見つける」っていうのが今やることなので、とにかくいろいろやってみればいいんじゃないか、ってすごく思います。

「クリケットの選手になる夢を叶えた人」って、絶対クリケットを知る機会がなかったらクリケット選手になるのは無理だし、クリケットやった事なかったらまずなりたいと思わないと思うんです。だから、なんでも一回やってみたらいいと思うんですよね。

「それで失敗したら・・・」とかよく言いますけど、メンタルにダメージを負う事以外のダメージって無いんですよね、ほとんどのことって。

お金借りて起業して、建物まで建てたりしたら、失敗するのは結構怖いと思いますが、大抵のことって、今は無料で体験できる事多いし、SNSもあるしネットもあるし。

ほとんど、やってみて犠牲になるのはメンタルと時間だけです。失敗してもメンタルが傷つくのと、時間がちょっと無駄になるだけ。

それで済むんだったら、とにかく色々やってみて、思いつくやつ全部飛び込んでいくのがいいんじゃないですかね。

ムギタローさん、なかなかメンタル強いです。

僕、最初東大でサークル7個入ってたんですよ。その中から自分の好きなやつだけ残していきました。

留学もいっぱい行きましたし、お笑いの養成所も行ったし、小説書いてたこともありますし、漫画書いてたこともありますし、あと大学院で研究もしていますし。

ちなみに漫画は真面目に書いて出版社の賞に応募して、落ちたことまであります。

なんでもやってみればいいんじゃないですかね。これまででマイナスになったのはそれらに費やした時間と、お笑い養成所の(減額された)学費くらいで、ほとんどお金がかからずにできたことです。

だから、「色々やってみればやりたいことなんてわかる気がするけどな」っていうのは、皆さんに伝えたいことです。

留学についてですが、今まで、海外には大学生のうちに20カ国くらい行きました。

大学一年生の時にフィリピン留学に突然行きたくなったのでネットから申し込んで一人で行きました。初海外でした。

僕がいた工学部の学科には、留学プログラムがいっぱいあるんですよ。あと、授業の最後に海外に連れてってくれる授業もたくさんあります。僕はそういうのにいろいろ行ってみたいなと思っていた事も、この学科を選んだ理由の一つでした。

それで、無料のプログラムに片っ端から申し込んで行ったら、どれも意外と競争率が高くなくて、かなりいろいろ行っちゃいましたね。

院生になってからは、研究発表、国際学会とかでガンガン海外に行くので、そういうのを全部足すと、20カ国くらいになります。

あと、お笑い養成所についてですが、お笑い養成所に入る前にオーディションがあって、オーディションで特待生になると授業料を免除されるんです。

僕は、受けてみようと思った5分後には申し込んでいました。

僕の理論として、時間とメンタル以外何も失わないパターンだったら、とりあえず突っ込んでみるんですよね(笑)

パッと見て、オーディションには別に交通費しかかからないなと思ったのでとりあえず申し込んで、前日にネタ考えて、くそ滑りました。

くそ滑って、馬鹿にされて、「君、東大なのに何やってんの」とか言われても、メンタルが傷つくだけでした(笑)

ー強いですね。

はい。それでオーディションがどんなものか情報を得たから、一年後にもう一度そこを受け直したんですよ。

一回受けた時に、「こういうのが評価されるんだな」ってわかるじゃ無いですか。こういう感じなんだなっていうのが分かったので、一回準備した上で次の年受け直したんです。前の年よりはいい評価を受けて、「授業料ちょっと安くするよ」って言われて、養成所に入りました。

これはオーディションに行ってみないとわからなかった事だと思います。だから、とりあえずやってみるのがいいんじゃないかと思うんです。

ー「何でもとりあえずやってみる」・・。とても心に刺さりました!ありがとうございました!


インタビューを終えて

なんだか、インタビュー中ずっとムギタローさんの言葉にパワーをもらっていた気がしました。

「失うものがメンタルと時間だけなら飛び込んでみる」と言うムギタローさんは、並並ならぬチャレンジ精神の持ち主でした。私も見習いたいなと思います!

そうだ、私もオンライン英会話とか始めようかな・・・と、早速モチベが高まっています。

ポエトリーラップで紅白出演を夢見るムギタローさんは、これからも月に一回新曲を出されるそうです。

私がムギタロー さんを知ったきっかけは新型コロナの解説動画でしたが、私もムギタローさんのファンとしてムギタローさんのポエトリーラップをこれから応援していきたいです!

最後に、突然のオンラインインタビューを快く引き受けてくださったムギタローさん、そしてこの記事を最後まで読んでくださったみなさん、ありがとうございました!!


ムギタローさんのTwitterはこちら

ムギタローさんのYoutubeチャンネルはこちら

ムギタローさんのオフィシャルサイトはこちら

この記事を書いた人
あやか
K-POPと洋楽が好きです!
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