惨めな少女が数学を手に権力に抗い、輝く「シンデレラ」となるまで。【ギャル盛りの美人研究者・久保友香氏インタビュー】




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数学ばかりに興味の向いた女子校生活

女子校出身の取材陣

こうして算数を得意科目として中学受験を乗り切り、小学生時代を終えた久保さん。中高は女子校に入りました。

現在の久保さんは、「女子校で過ごしたせいかもしれませんが、男性に嫌われるのは全然平気だけど、女性に嫌われるのはすごくいや。」と語るほど、男女それぞれに違った感情を持ち、「女子」をある意味特別視しているようです。

しかし、当時は女子にも、女子のコミュニケーションにも、全く悩んでいませんでした特に興味を持ったり、気にすることも無く、数学ばかりやっていたと言います。

これは今になって振り返ってみると、「自分が行っていた女子校に女子らしい女子が居なかったから」、特に悩む必要がなかったのかもしれないと考えられるとのこと。

その中でも、「無意識には「うまくやること」を考え、特に問題もなく学生生活を送ってきたことで、それが現在「女子」というコミュニケーションに興味を持つことに通じているかもしれない」と彼女は言います。女子校にいた経験があったからこそ、彼女の学校になかった「女子」への興味が出てくると思えるようです。

確かに、何か自らにとって問題となるほどの「女子らしさ」と接することがなければ、特に気にすることもなく自然体で周りの女子と関わってこれますし、逆に彼女の学校から出ればと多く存在する「女子」は特殊な現象として目に映りますよね。

そんな特殊な現象に対して、素朴にも疑問を抱き、それを解いてきたことが今につながっているようです。

仮に「なぜ女子は一緒にトイレにいくのか?」といった現象があれば否定をせず、謎を解きたいからついていく。

「根本的には男女の差はない。生物学的な知識が薄いこともあり、あえて差はないという仮定をおく。」といった工学的な視点から分析しているとのこと。

数学をやるか、女子をモデリングするか。そんな中高時代だったみたいです。

 

コンプレックスと戦った大学時代

ー大学時代はどうだったのでしょうか。サークルなどは?

慶應だったので、学校に行くと社交場という感じだったので初めて人間に興味を持ちました(笑)。

サークルはゴルフサークル。結構コンプレックス。周りは慶應の付属校から来た人ばかり。

華やかで、ファッションも、大学入る時点で整っててものすごく憧れました。自分一人だけ野暮ったくて。頑張ろう頑張ろうとは思っていた。

でも、なぜか頑張りきれなかった。母はおしゃれが大好きな人なので、応援してくれあのに、応えられなかった。そのあたりから私には女性が心底そういう気持ちになることが疑問であり、そこがずっと謎であったと

ー(身なりを気にしたくなることそのものを疑問提起するとは、完全に生活者調査をする人の視点だ…笑)

 

メディア環境学研究への昇華

ー大学時代の専攻は何だったのでしょう?

数学科にいきたかったけど、まわりにヤバイと言われた結果、機械系に進むことにした。

で、実験をしてたんですけど、金属切削をやってたら、機械が怖くて、のけぞっちゃって、安定しなかった。自分だけギザギザで終わらなくて

ガラスばりの部屋のなかで自分だけマトモに実験を進められない。頑張ってもできないのは自分だけで、プライドは傷ついていた

ー(きっとデジャヴ感のある体験だったんだろうな…)

 

そして、機械そのものというよりはエネルギーの分野にいて、その時に、丸善でエネルギーの本を見ていたら「これからはハードパワーからソフトパワーの時代だ」というのをみて。それを書いていた月尾嘉男先生のもとに行きたいと思って、東大に行くことにした。

ー(「日本文化」の中に世界に普及すべきものを見つけたいのはそのためか!独特の曖昧さがソフトパワーにつながるんだな。)

新領域の二期生であった。そこがメディア環境学をやってるとこだった。先生は建築、機械、情報というひと。

思い返してみたら、両親が共に元テレビ局勤務。どちらかと言うと勉強よりもテレビまんがから学ぶものが多いという教育方針。テレビっ子だった。おじいちゃんもおばあちゃんも、考えてみたらメディアだった。

メディア環境学は自分に無理がないと思った

食卓の話もほとんど芸能の話で。結果的にいきついた現在は歌舞伎の話で持ち切り。大衆文化が好きだった。

そういうのを取り上げたいと思ったけど、私ができる方法としては数字しか持ってない

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Y.Kubo,H.Shindo,K.Hirota,”,The Orikao Method: 3D Scene Reconstruction from Japanese Beauty Portraits”,SIGGRAPH 2010, Los Angeles, California, July 25 – 29, 2010.

それで大学院でやってたのは、日本の曖昧な概念を数値化するということ。そこで侘び寂びやおもてなしを数値化してみたが、うまくいかない。

そこで試行錯誤を繰り返した結果、浮世絵や絵巻など日本のデフォルメパターンにたどり着いた。

ーその変遷を追っていくと、ギャルのプリクラでの盛りパターンに突き当たるわけですね。


ギャルの「盛り」文化を洞察して、これからのアイデンティティのあり方を見通し、新たな未来を切り拓いている久保友香・特任研究員。

その研究的な原点は、コンプレックスを受け入れ自分の進む道を見つけた大学院時代に、自らの育った環境である「女子」及び「日本文化」を数学的に読み解き始めたことにありました。

自分が人間、特に女子を理解できないがゆえにコンプレックスをもち、それを克服するために、数学という異色の武器にこだわり続けながら戦ってきたのだろうと思います。

曖昧なものを分かりたい。特別な輝きを手に入れたい。それが彼女の一貫した推進力のようです。

その柔らかい表情は、物心ついた頃から抱えてきたコンプレックスに対して、数学という武器を手にして全力で努力をすることで乗り越えてきたからこそ、見せることの出来る、「シンデレラ」というアイデンティティなのかもしれません。IMG_2070-2 (1)

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