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食べて、飲んで。身近な食品の裏側に迫る!!

2019.05.16

こんにちは、UmeeT編集部2年の住田です。

みなさん、食べるの好きですか?

チョコレートやヨーグルトなど美味しいものはたくさんありますが、東大には、そんな食べ物の様々な秘密を探るために、日々研究をしている学科があることをご存知ですか?それが農学部生命化学・工学専修(通称農2)です!

UmeeTでも過去にご紹介した人気企画、「利き酒」の運営を行っている「農2」が五月祭で新企画を行います!

その名も、「〜農2の美味しい講義〜食産業の最前線」

この企画は、農2の専門である食品科学の入門として、私たちが口にしたことがあるような有名な食品についての不思議を、実験を通して分かりやすく説明していただけるというものです。

株式会社明治味の素株式会社など、みなさんが知っているような有名企業の方に製品についての講演をしていただきます。

新企画を主催したのはこのお二人。

過去の五月祭でも、農2の企画として日本酒の利き酒や、ビール販売などを運営されていたそうです。

学生証
  1. お名前:浦野直樹さん(企画責任者)
  2. 所属:大学院農学生命科学研究科 応用生命工学専攻 醗酵学研究室
  3. 現在の研究内容:微生物を黄色や緑に光るようにする研究
学生証
  1. お名前:瀧口沙希さん(同じく企画責任者)
  2. 所属:大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 食品生物構造学研究室
  3. 現在の研究内容:蜂蜜やビーポーレン(ミツバチが集めた花粉の粒)に含まれる成分分析や食品の品質評価

今回は、このお二人に新企画のこだわりや、食品科学の面白さについてインタビューしました。

──まず、この新企画を考案したきっかけを教えてください!

浦野 大きな目的としては、進振り前に農2の魅力を知り、選択肢の一つとしてもらいたいということがあります。多くの駒場生の方にも農2の企画を楽しんでいただきたいというのも大きな目的の一つです。2日間でのべ3600人ほどが来場する農2の五月祭企画「日本酒利き酒」や有名な農2のビール園は、どちらも未成年である多くの駒場生が参加できないという問題があるので、今回は誰でも飲食することが可能な食品を用いて実験を行うことにしました。

──それでは今回の企画はお酒なしで、多くの駒場生を呼び込もうということですね!

浦野瀧口  そういうことです!企画の面白さを知ってもらうためには、実験を実際に見ていただくのが一番だと思いますので、早速当日の実験を体験していただきます。

──どんな実験か楽しみです!

実験内容

私達が体験させていただいたのは以下の4つの実験。

1.明治 Bean to Bar チョコレートの体験

2.大塚製薬工場 経口補水液って何?

3.ハウス食品 フルーチェはなぜ固まるの?

4.森永乳業 知っているようで知らないビフィズス菌

五月祭ではこの他にもう2社、味の素ヤクルトの実験が行われます!

(※当日は乳製品など、食品衛生上の関係で本記事の実験とは内容が異なる場合があります。)

まずは、明治のチョコの食べ比べ。

THEChocolateを全種類食べた事があるチョコ好きの編集部メンバーは大興奮!

瀧口 この実験では、明治のTHE Chocolate2種類の食べ比べをします。香りやミルクの味、苦さ、果物の風味など色々な点を考えながら自分でテイスティングを行います。

──他の6種に比べたらこの2種は食べやすい2種類ですね。この二つは似ているようで味が微妙に違うんです。紫色の方は香りやミルクなどがバランスよく配合されていて、フルーティーさもあってまろやかで優しい味わいです。誰もに愛される万能チョコという感じですね。それに対して、赤色の方はミルクの味もしっかりしていて、かつ甘すぎず苦すぎない程よいビター感が味わえる一品ですね!

浦野 そうですね、そのようにテイスティングをしていただければと思います(苦笑)

講演の中では、TheChocolateのそれぞれにどのようなカカオが使われているのかや、チョコレートの作成工程などについても教えていただけます。 当日はチョコだけではなくカカオの実が食べられるんです!

お次は、所ジョージさんが出演されているCMでおなじみの、大塚製薬工場が製造・発売している経口補水液OS-1についての実験です。

OS-1と、グループ会社の大塚製薬のポカリスエットを飲み比べてみました。

──飲み比べをしてみると、甘さや塩気など全然違いますね。

浦野 そうなんです。皆さんスポーツをする時などにポカリスエットはよく飲まれるものの1つだと思いますが、それと比較すると経口補水液OS-1は馴染みのないものだと思います。OS-1はポカリスエットに比べて、脱水状態の改善や病者用の飲み物という特性が強いため味にも大きな違いが現れているんです。

──OS-1はポカリスエットよりも薬品的な側面が強いんですね!

瀧口  その通りです。そのため病者などが対象であるこのOS-1は用途に合わせて摂取しやすいようにドリンクタイプだけでなく、ゼリーやパウダーのものも作られているんです。当日は3つのタイプのOS-1をお土産として来場者にプレゼントします!

3つ目は森永乳業のビフィズス菌についての実験。

こちらの実験では、聞いたことはあるけどよく分からないビフィズス菌について菌の働きを知ることができます!

浦野 ビフィズス菌が入っているヨーグルトと入っていないヨーグルトを食べ比べてみましょう。

──ビフィズス菌が入っていないものの方が少し酸味が強いですね。

瀧口 そうですね。その味の差はビフィズス菌の有無に大きく影響されています。ビフィズス菌そのものではなく、その性質に秘密があるんです。また菌の働きを保つため、パッケージにも秘密があるんです。

(※当日はビヒダスヨーグルトの引換券がお土産でもらえます!)

最後は、ハウス食品のフルーチェを使った実験。

ちょっと考えてみてください。フルーチェってなんで固まるんでしょうか?

そんな冷静に考えると意外とわからない疑問を、普通は牛乳を使って作るフルーチェを、牛乳、成分調整牛乳、豆乳の3種類を使うことで、どのような変化が現れるのかを見ます。

実際にやってみました!

──豆乳を使うと、全然固まらないんですが…….

瀧口 そうなんです。牛乳を使わないと上手にフルーチェを作ることができないのには確かな理由があるんです。このように、味の差や食品の固さ、匂いなどを研究して、それぞれの食品に適した食べ方を見つけ出しているのが、私達が学んでいる食品科学や農芸化学という分野なんです。

農2の魅力

浦野 今回の五月祭企画では、企業の方の講演内容のレベルを1・2年生の知識であっても満足していただけるようにしていただいています。食品科学に少しでも興味のある駒場生には是非来ていただきたいです。私たちが普段口にしている食品は、会社での研究を経て作られているのだということを身近に感じてもらう良い機会になると思います。

瀧口  農2では、自分の好きな食品や健康食品など色々な食品について研究をすることが可能です。また他の学科にはない、企業の方との強いつながりがあります。実際に、授業の中で企業の方と関わることもありますし、研究室の支援をしてくださっている企業もいくつかあります。

浦野  最後に、「食品科学とは何か」という問いに対する私の答えを伝えさせてください。私なりの答えはチラシ1番上にある、ナイフ、フォークとDNAの螺旋のロゴに現れています。

 ロゴの螺旋はDNAで生物の仕組みを示しているんですね。それに結ばれるようにして描かれたナイフとフォークがあります。ナイフもフォークも食べ物を切り分け、口に運ぶためにあります。

食品科学も同じです。生物の仕組みを理解し私たちの方へ近づける、素晴らしい学問です。

五月祭では是非法文一号館へ!

この記事を読んで、農2の企画に興味を持たれた方!

5/18,19の2日間、本郷キャンパス法文一号館(西)2F 文216教室で待っています。

実験で使った食品やそのサンプルが手に入るだけではなく、各回の講演が少人数であるため、質問があれば企業の方に直接伺うことも可能だそうです!

企画の事前予約はこちら!事前予約は人数に限りがあるので行きたい人は早めに予約を!事前予約フォームはこちら

(事前予約は17日23:59分まで受け付けています。講演は全て無料なので、興味がある方は是非応募してみてください。)

この記事を書いた人
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@Rei_ru0228i
岐阜県出身。ランニング好きです!
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