地方から東京大学物語。




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迫る受験・・・!

 

そんなこんなで幾種の伝統行事を体験し、3年生も終わりに差し掛かります。

待っているのは、受験です。

はっきり言って、東大を受けることになるとは考えていませんでした。中学まで”のほほん”と過ごしてきた僕にとっては、受験を目前に控えた3年生になっても、東大は認識的に「夢のまた夢」の場所のままでした。

ただ、地方とはいえ進学校で、ほどほど真面目に勉強してきた僕は、いつのまにか学内の学力順位でもほどほどの位置にいました。

そのほどほどの位置だと、とりあえず東大を目指すことはできたらしく、先生が「東大はどう?」と勧めてきたのです。

「夢のまた夢」だと思ってた場所が「とりあえず目指せる」場所だと言われると、目指したくなってしまうじゃないですか!!

こうして甘言に乗せられた僕は、東大を受験することにしました。

 

東大を目指した理由の一つに、単純に「東京に出てみたい」というのがありました。良いか悪いかともかくとして、とりあえず東京がどういう場所なのか見てみたい、雰囲気を味わってみたい。地方の人の多くは、このような気持ちを抱くこともあるでしょう。やはり東京は、政治、経済、文化、どれをとってみても日本の中心。そこに行けばなんでもあります。

東京に行ってみたいなー、という漠然とした思いを胸に、神通川の川縁で勉強に励みました。

 

いざ入試!

 

そして2月24日、二次入試を翌日に控えた僕は、その東京の地に降り立ちました。

しかもその場所、なんと渋谷

東京大学には複数キャンパスがあるのですが、その内一つは渋谷から二駅の駒場キャンパスで、文系はそこで入試を受けるのです。(理系は赤門のある本郷キャンパスで受けます。)

 

「ディズニーランドより人おるやん!!」

 

人類ってこんなにいるんだ・・・。

 

東京の中でも有数のごみごみした街、渋谷に迷い込んだ富山の高校生は、その人のうねりに身を任せながら、入試を翌日に控えているにも関わらず、興奮のあまりついつい街を遊歩してしまいました。

「広告大きい!」

「ZIPで見たことあるところだー!!」

ホテルに着いた後も興奮冷めやらぬ僕は、「渋谷に来たからには!」と、渋谷の王子様にして東大出身でもある小沢健二の曲を聴き込み、東京の風を浴びながらひたすらエモくなっていました。東大生オザケン好き多いと思うんですがどうでしょうか。

 

 

こうして翌日に向け英気(?)を溜めました。

 

そして万全の体制で臨んだ入試。

無事入試を終えた僕は富山へと帰りました。

 

入試を終えて・・・

 

そして3月10日。

入試の結果が出る日です。

入試結果発表。

結果。

 

不合格。

 

そうです。落ちてしまったのです。

 

残念でした。ただ、絶望的なショックは受けませんでした。

というのも、東大は僕の中で認識的に依然として「夢のまた夢」のままであり、「そうだよなー、こんな奴が受かるわけないよなー」という意識が少なからず自分の中にあったからです。

地方の進学校は首都圏の進学校に比べて国立大学志向が強いです。僕の高校もそうでした。

というわけで、私立に行くよりは一浪してでも国立に行きたいという思いが強かった僕は、私立も受けておらず、受験も半ば浪人を意識しながらのものでした。浪人させてくれた親には感謝しています。

他の東大生の声にも

国公立大学を目指す人が大半だった。(岡山県)

東京のひとは滑り止めをようけ受けてはるなぁと思った。(京都府/洛星高等学校)

というものがありました。

 

それに、浪人したらさすがに受かるだろうという楽観的な考えもありました。というのも、地方の公立高校は、当然高校のみで高校の範囲を終わらせなくてはいけないため、どうしても中高一貫校と比べて勉強の進みが遅くなってしまいます。結果として、受験それ自体の対策ができる期間は、教科によりますが3年の3学期に入ってから、というような感じでした。

実際に、

授業の進度がまるで違うし、受験に対する意識や周りの環境が圧倒的に首都圏の高校の方が良いと感じた。(茨城県)

首都圏の進学校は先取り学習をしていたのに対し、うちはなかった(広島県/広島大学付属高校)

進度が違うと感じた。例えば僕の高校では世界史の範囲が終わったのは12月終わりごろだったが、もっと早くに終わっているところはよく耳にする。ただ、これは都市-地方の差というよりも私立-公立の違い、あるいは進学校-それ以外の差かもしれない。(香川県)

という声もあります。

また、

自分の高校では3年間文理混合のクラスであり、志望レベルによるクラスわけもありませんでした。また、社会(世界史A・日本史A・地理A・倫理・政治経済)、理科(物理・化学・生物・地学の基礎)、数学IIIが文理問わず全て必修だったため、ある程度受験を見据えたカリキュラムを取り入れている首都圏の中高一貫校とは大きく異なるなと思いました。(愛知県/旭丘高校)

という声もありました。僕の学校は文理で分かれていましたが、地方の一部の学校では分かれないところもあるようです。

 

ともかく、ということもあって、さすがにもう一年勉強をやらせてもらえれば受かるだろうと考えていたため、浪人に抵抗がありませんでした。(実際はそんな甘いものじゃないと思います。確かに1年頑張れば成績は伸びるけれど、それと確実に合格できるかはまた別問題だと、1年やってきて感じています。)

 

ただ、富山県には河合塾、駿台、東進といった有名予備校が一つもありません。

正確には東進の衛星予備校(動画で授業受けるやつです)はありますが、講師に直接教えてもらえるものはありませんでした。

基本的に予備校生の選択肢は、河合塾のテキストを使う河合塾提携の富山予備校と富山育英予備校の二つです。(正確には他にいくつかあるようですが大きくありません。実際に僕は高校の先生から、この二つのうちどちらかを選ぶような形で予備校を提案されました。)どちらも富山駅のすぐ近くにあります。

 

僕はその地元のに通うことになり、非常に良くしていただいたのですが、有名予備校の指導を求めて東京に出て行った高校の同級生がいることを考えると、やはり首都圏と地方の教育格差を感じずにはいられません。

予備校という民間のものになると、営利を考えざるを得ないため首都圏を重要視することになり、どうしても高校以上に地域格差ができてしまうのだと思います。

実際、富山駅の比較的近くに住んでいた僕はまだ恵まれていた方で、富山駅(大体県の中心に位置する)の方にある予備校には、西も東も県全域から生徒が集まっており、ほとんど県境の方から通っていた人もいました。通学に2時間近くかかっていた人もいました。

 

県内全土の生徒が、富山県のほぼ中心に位置する駅の近くの予備校に通います。

 

冬の時期になると遠くから高速バスで通っていた人などは降雪で予備校に来れなくなり、数日間家で勉強していたということもあったようです。

 

ただ、1年間勉強した僕は、なんとか晴れて東京大学に合格することができました。

こうして僕は富山から東京へと旅立ったのです。

 

東京に住むことになった富山県民

 

楽しみにしていた東京。

待ちに待った都会での暮らし。

は、すぐにうんざりするものになったのです。

 

人が多すぎる〜〜〜!!!!

 

受験のとき、「ディズニーより人おる!!!」とか言って興奮していた気持ちはどこへやら。途端に人混みは苦痛以外のなにものでもなくなりました。

これは地方出身の東大生(正直、東大生かどうかは関係ないと思いますが。)は皆思うことのようで、「東京に来て最も感じることはなんですか」という質問に対して、

人が多い、電車の人口密度が朝と夕方おかしい(大分県)

人がとにかく多く、渋谷などの大きな都市が汚い(大阪府/西大和学園)

人が多すぎる(静岡県/磐田南高校)

物や人が多く、五月蠅く、煩わしい。(長野県/長野高校)

と、とにかく人の多さに関する回答が多数寄せられました。

ただこれは東京や神奈川の人からも同様の回答があったので、地方かどうかに関わらず、人類みな、人混み嫌なんだと思います。東京、異常です。

 

なんの祭りですか?

 

他にも、

緑が少ない!お金をかけずに時間を過ごす方法が少ない。(京都府)

という声や

どこ行くにも電車(岡山県)

といった声がありました。

確かに緑は少ないですね。少ないというより、一局に固めている感じがします。皇居、赤坂、代々木公園とか。

電車の文化は富山にはなかったので、なかなか慣れませんでした。人が多いのもあって、いまだに電車苦手です。すぐに歩いたり、自転車に乗ったりして移動してしまいます。

首都圏の大学生との生活の違いについて、

未だに、(満員)電車よりも自転車での移動が好きなところ。(岡山県)

との回答もあったので、自転車移動は地方出身あるあるなのかもしれないですね。

 

また、あまりに環境が違うので、僕は最初の数ヶ月はなるべく富山に環境が近い場所を欲していました。

そこで僕が目をつけたのは「スーパー」

スーパーの店内の雰囲気はどこでも変わらないので、めちゃくちゃ落ち着きました。買うもの決まってるのに長居したりもしました。これは共感してもらえるんでしょうか・・・。

あと、地方の友達と話していると、大型ショッピングセンターが恋しいという人は多いです。

イオンは市民の憩いの場です・・・!

東京の中心には個店ばかりで、買い物が疲れます・・・。

 

最後に

 

ただこんな僕も、これで東京1年目を乗り越え、随分と東京にも慣れました。

他の地方出身のみなさんも慣れましたでしょうか。

逆に今年度から東京生活をスタートされる方は頑張ってください。

 

東京の人口のうち、半分は地方出身とも言われます。

東京の街にはたくさんの地方の風が流れているのです。

色々言いましたが、東京は好きです。

ただ、東京においても故郷のことは忘れることなく、アイデンティティとして大事にしていきたいと思う今日この頃です。

 

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ここまで記事を読んでくださったみなさん、ありがとうございました。



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ABOUTこの記事をかいた人

チロルです。 小学校の時に、少年が全国に散らばったチロルチョコを集めに旅に出る、という漫画を描きました。

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