チャンネル登録者数急増中!YouTuberになるために大学院を中退したヨビノリさん

2019.03.15
りたさん

こんにちは!YouTubeで「予備校のノリで学ぶ大学の数学・物理」というチャンネルをよく見ているいとうです。

皆さんはこのチャンネルをご存知でしょうか??

主に授業動画が投稿されているのですが、この「予備校のノリ」を交えているのがとても面白いんですよね。

最近では人気急上昇中で、AbemaTVで放送されていたホリエモンとタレントの4人が東大受験に挑戦する企画である、『ドラゴン堀江』のサポート役としても活動していました。

今回、そのYouTuberさんに会える機会があるということで、インタビューしてきました!

彼のYouTube投稿にかける思い、そして授業を支える豊富な教養や研究経験を身につけてきた経歴をご紹介します。

学生証
  1. お名前:たくみ
  2. 職業:YouTuber
  3. チャンネル名:予備校のノリで学ぶ大学の数学・物理

高クオリティの授業動画を投稿するたくみさん

–––たくみさんの動画を投稿したきっかけを教えてください!

「きっかけとしては大学に入って、大学の授業がつまらないと思ったことでした。予備校の授業に慣れていたというのもあって、物足りなさを感じてしまったんですね。

もちろんこれは仕方がないことで、大学の教員は研究が主目的なので、教える事に集中している予備校講師と比べてしまうと教育のクオリティ自体はどうしても低くなってしまうんですね」

「そこで、むしろ予備校の講師が大学の内容を教えてくれたらいいのに、、、と思っていました。

じゃあ自分で実現しちゃおうということで、大学生時代自分自身が予備校講師をやっていた経験を活かして授業をやるという感じでやってます」

——なるほど、自分で授業をしてしまおうって感じなんですね。でも普通、YouTuberになるのに抵抗があると思うのですが。。僕もYouTuberなりたいわ〜とか冗談で言いますけど、本気でやろうってなかなかリスクありそうな気もします…笑

「確かに、なかなか勇気は入りますよね笑。安定した職業とはまだまだ言い難いですし。

ただ、もともと僕は研究者を目指していたのですが、研究者も(残念ながら)安定とは言い難い職業なんですね。
なのである意味荒波に飲まれる覚悟はできていたというか、これ言うとみんなに驚かれるんですが自分の中ではYouTuberも研究者も近い道でした」

——相当の覚悟で始めたことが伺えますが、実際動画投稿を始めてから辛いと思ったことはないですか?
例えば最初のうちは登録者数が少なかったりして、モチベーションが続かなかったりするのかなあと思ったりもするのですが。

「いや、それが実は一回も思ったことはなくて、YouTuberを始めてからずっとうまくいってるなあという感覚なんですよね。

というのも、YouTubeのチャンネルを始めるときに、最初に現実的な目標を設定しようってなりまして。

例えばヒカキンさんとかはチャンネル登録者数が500万人とかいるわけですが、それを目指してもしょうがないじゃないですか。そもそもターゲット層のパイが違いすぎるので」

——なるほど。

「日本の理系大学生ってだけでかなり絞られますし、その中でも物理と数学を専攻しているのは2割くらいで、もっと言うとそのうち真面目に勉強する人がその中の1割くらいで・・・

って考えるとどんなに人気が出てもチャンネル登録者数は5000人が良いところだろうって思ってました。それぐらいいけば御の字でしょう。そうしたら割と初期の段階でその目標を達成できまして」

——フェルミ推定っぽいことをやったんですね。

「まぁそうですね、そんな大層なものではないですが笑

でも実際蓋を開けてみたら1万人以上登録してくれていて、正直自分でも驚きました」

—今では10万人突破するくらいの、凄まじい伸びですよね

「本当にありがたい限りです、、笑」

※編集部注:2019年3月13日現在、チャンネル登録者数は10万人を突破して131,088人になっています。

——多くの人にチャンネル登録してもらっているたくみさんですが、動画投稿にも相当工夫されてますよね。
実際僕が見ていてもそう思いますし、チャンネル登録のきっかけも授業のクオリティでした。

あのクオリティで動画作成をするにはかなり忙しい日々を送ってるんじゃないでしょうか?

「動画の撮影・編集自体はそこまで負担にはなっていないですね。毎日動画投稿しているわけではないのと、授業動画は週一回まとめて撮っているので。もちろん撮影日は一日中スタジオに缶詰めになっていますが、、笑

その分授業準備や動画の質を高めるためのインプット、また家庭教師の仕事も行なっているのでそこに空いてる時間を使っています」

——最近は他のYouTuberさんとの交流など、色々なイベントにも出席しているイメージがありました。

「そうですね、そういう機会が増えてきて、ありがたい限りです。

この前は半分趣味だけどお笑いのイベントに呼んでもらったりとかもありました。

芸人さんとの知り合いが増えて大喜利ライブに出させてもらったり、動画撮影以外の時間で色々なことができてるから楽しいですね」

——お笑い好きなんですね!たくみさんの動画内にたくさんボケ、笑いがあるのも頷けますね。このスキル、欲しい人がいっぱいいると思うのですが、どのように身につけたのですか?

「基本的には、人前に出て話すスキルを身に着けたのは予備校時代だったと思います。

アルバイトとして予備校講師を1年生のころからずっとやってまして。

大学生の後半のほうは上位層の受験生に教えるって感じだったんですが、1年目とかは中学生を教えていまして。
これ言うとあれなのですが、中学生って授業がわかりやすい先生よりも話が面白い人が人気になってしまうんですね。授業力はほぼ関係ないというか。

なんとか授業を聞いてもらえるように毎週ネタを考えていったりして、自然にボケが身についたと言う感じですかね。。まあ基本はファボゼロなんですが笑」

——確かに、面白みのある授業じゃないと眠たくなってきますし、ボケを作るのは効果的ですよね。動画内でもたくみさんは「ファボゼロのボケ」と自分に突っ込んでますがあの由来はなんですか?

※編集部注:ファボゼロ→お気に入り数が0と言う意味。ボケが滑っていることを形容する。

「あれはカメラの前に立ってふと思いついたやつでして。

空っぽの教室でカメラに向かって授業をやるのって想像以上にやりにくいんですよね。まずボケても一切反応が帰ってきません。

カメラの前でボケたときの沈黙に耐えられませんでした。

それで自分で突っ込みしたのが始まりで。「ファボゼロのボケ」というフレーズをそれで使ったら意外と気に入ってもらえて、これからも使おうって感じになって今に至ります」

——たまたま出来たネタって感じだったのですね笑。
予備ノリさんの動画はボケ以外の所でもハイクオリティだと思うのですが、動画作成に当たってどのような工夫をしていますか?

「高校の時に映像授業を見ていて面白かったから、その高校時代の映像授業のような面白い授業を目標としてやっていまして。

動画授業は自分が満足行くまで撮り直せるのでクオリティを高めやすいという強みだとはあるとは思うのですが、逆につらい部分もあって撮り直しにキリがなくなってしまうんですね。

僕はできる限り撮り直しが出ないように、一応自分の授業には結構時間をかけていて。
ノートに板書メモをかいてから、ホワイトボードに黒板のつもりで実際書いてみて、その後黒板にも下書きをして、それから黒板をきれいにして、授業をはじめています。

あとは、カメラをずっと見るのではなくて、生徒がいる集団授業のように目を色々なところに散らすことは意識しています」

——収録が長い動画だと大変ですよね??

板書ミスしてしまうと最初から撮り直ししてますね。一回ミスすると、自分が流れを忘れてしまうので。。」

——カンペとかは用意しないんですか?

「そうですね、何か見ながらとかノートとかもほとんど読まないようにしています。

信用を失うかもしれないですし、見ずにやることで本当に計算することになるから見ている人と同じ目線に立てるというメリットがありまして」

——予備校講師としての経験の長さからやはり指導の技術が高いですね!僕も塾講師のバイトをしているのですが、何かアドバイスとかいただけませんか?

「ボケは全然真似して良いですよ!まあファボゼロのボケですが、、笑

あと、世間話で中学生の心を掴みたかったらYouTuberの話をするのが良いかもです、びっくりするぐらい若い層にYouTuberの文化って浸透してるんですよ」

——ありがとうございます、参考にさせていただきたいと思います・・・!

進学校ではなかった高校時代からの生い立ち

——ところで、たくみさんは研究者になりたかったとおっしゃっていましたよね。なかなか研究者になろうと思うことはないと思うのですが、昔はどんな子だったのですか?

「中学の時までは将棋とかやってて、正直勉強にはあまり興味ありませんでした。高校も一番自分の家に近かった高校に通ったので全然進学校とかではなかったですし。

勉強に興味を持ったきっかけは、高校の一番最初の時の学力テストですかね。

そこでいきなり一番をとりまして笑。そうするとまあ、勉強できるキャラになるじゃないですか。キャラって人を後押しするのでぼちぼち勉強もやりはじめましたね。

でも特にその時は研究したいとかもなかったので、スポーツの専門学校に行こうと思ってました。高校の時バスケやってたりもしたので。

高2の最後の面談のときに専門学校行きたいと言ったら、先生にめちゃくちゃびっくりされて、それで大学に進学するかーってなりました。

そこから本格的に勉強を始めたら、夏ごろの全国模試2番(!)になって。「俺はもしや、勉強できる人間なんじゃないか?」ってなったんですよね笑。

その時までは勉強に興味なかったんですが、やり始めてからはすごい楽しくなりました。
研究者になろうと思ったのは、高校の最後ぐらいですかな。そのときには本当にはまっていて」

——う~ん、天才という感じが伝わってきますね笑
研究者を目指す人でそういう人って結構珍しいんじゃないですか?

「そうですね。高校のころは勉強だけがすべてじゃない環境で生きてきたから、みんな勉強好きだっていう環境を東大に入ってから体験したんですが、やっぱり周りは小さい時からそういう環境に身を置いていたという人が多くて。

「勉強だけが全てじゃない」という環境を知っているからこそ教育者として向いているかもしれないですね。研究者の場合は逆に自分が成長するかどうかだから、周りが勉強好きのほうがいいと思いますけど」

——研究者を志してからの大学時代はどんな感じでしたか?

「実は、サークルはテニサーに入ったけど1週間で辞めまして。

大学に入ったら楽しいのかなと思っていたのですが、新歓合宿の雰囲気が合わなくて。その時の一発ギャグは一番ウケた自信があるって今でも思っていますが笑

ちょっと前まで高校生だった自分には環境に慣れなかったんだと思います。
サンプル数1のガバガバ推論ですが、サークルは自分には合わないなって判断して行かないことにしました。

でも学科の友達とは仲良くしていて。よく青春捨てたとか思われてますが、全然そんなことはないですよ笑

普通に楽しい大学生活を送らせてもらいました。

バイトは週2回予備校講師をやってた以外は割と暇だったから、勉強もそこそこにしてました。経済とか歴史とか、物理とか数学じゃない勉強も大学入ってからやってて。やっぱり教養を身に付けたくなるじゃないですか。

あと、研究者を目指す界隈みたいなのに触れるとわかるんですが、その子らって大学1年生のころから範囲とか気にせずガンガン研究をしているみたいな人もいて、それに触発されて進んだ勉強とかもしてはいました。

今となってはオールジャンルの勉強をやってきたことが良かったなって思いますね」

——たくみさん、授業動画のバラエティさからも教養の深さを感じますしね。

ところで大学院の博士を最近中退されたと聞いたんですが、中退はYouTubeがきっかけですか?

「博士に進学するタイミングで研究制度の関係でバイトができなくなってしまって、予備校を辞めざるを得なくなったんですね。

で、もちろん研究は楽しかったんですが、それ一本ってなると想像以上につらくて。多分研究とバイトのバランスが良い具合に取れていたからこそどっちも楽しめていたんだと思いますね。

そこで、このまま研究者を目指すよりもいっそ自分は教育系も好きだから予備校講師になる道もあるんじゃないかと思って。

最初は博士課程を卒業してから予備校講師を目指そうと思っていたんですが、多分博士課程の期間中一切人に教えていないというブランクがあるとその先絶対うまくいかないなってなりまして。

そこで授業能力を衰えさせないためっていうのと最初に言った大学の物理・数学を予備校のクオリティで教える授業がしたいという理由からYouTubeを撮り始めたら、どんどんのめり込んでいきました。

研究者になるよりは今のこの活動を続けたいと思うようになって、学位を取る意味がなくなったから、中退することを選びました

——研究者の名残として今も知識を取り入れたりはしていますか?

「教育だけじゃなくて最新の研究を読み込んだりしていますね。

大学院生ほど研究はしてないけど、誰かからヘルプを頼まれたときに協力できるくらいの知識は取り入れるようにしています。

リアルな研究の現場に近い教育者でありたいとはずっと思っていて。

というのも、研究者と教育者って対立っぽいのがあると思うんですよね。教育者のほうが研究者からすると負け組という風に思われてしまっているというか。

自分がそのどちらにも近い存在でいることで、なんとかこの現状を打破できないかと妄想しています」

——今も研究論文を読まれたりしているということは、将来的に博士号をとる可能性もなきにしもあらずという感じでしょうか?

「将来的に広告収入だけで生活できるぐらいの余裕が出てくればとるかもしれないですね。今はなんとも言えませんが」

——それでは最後に、たくみさんの今掲げている目標を教えてください!

「全国の理系大学生、俺についてこい!」

ということで、全国の理系大学生全員がチャンネル登録してくれることが目標とのことです!!

真面目な動画だけじゃないよ


僕はたくみさんの動画をよく見ているんですが、本当にわかりやすいです!

YouTubeの動画はとても工夫されていますし、大学時代学んだ教養や研究の経験が生かされています。

たくみさんの才能もひしひしと感じますよね。

実際僕もよく動画を見ていて、助かったことも何回かあります。

慶應義塾大学の入試の前日にたくみさんの「ウォリス積分」に関する動画を見ていたのですが、実際それが背景に隠れていた問題が出て、スラスラ解けました。

たまたま感はありますが感謝ですね。

今、単位で困っているそこのあなた、今すぐチャンネル登録を!笑

この記事を書いた人
りたさん
はじめまして! りたさんです。UmeeTのライターをやっています。よろしければ私の書いた記事を読んでいってください!
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