「新しい日本の当たり前を作りたい」新卒でNPOの代表になった男が教育を変える!




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学習支援の「限界」

 

──では逆に、学習支援をする中で課題に感じたことはありますか?

 

最も課題に感じたのは、成長を届けられなかった子どもたちがいたことですね。

その要因としては、LFAの支援に来た時にはすでに課題が深刻化していたり、学習支援だけでは補いきれない生活面や発達面での課題を抱えていたり、ということがあります。

ボランティア教師やLFAの職員の中でも「もっと早く出会っていれば……」、「学習以外の支援も包括的に提供できれば……」といった声が上がっていました。

 

──なるほど…勉強に取り組む以前の問題ってことですね。

 

その通りです。こういった「学習支援の限界」を乗り越えるために2016年度から新しく「子どもの家」の取り組みを始めました。

 

新しい日本の「当たり前」を作りたい

 

──子どもの家…?ワイワイ楽しそうなイメージがわきますが、どんな事業なんでしょうか?

 

日本財団が全国100カ所に設置を目指す「子どもの貧困対策プロジェクト」のモデルとなる第1号拠点として始まった事業で、学童保育のような仕組みで主に小学校1~3年の児童を対象としています。

学習以外にも読み聞かせや遊び、食事の提供などを行っており、安心安全な空間で包括的な支援を行っています

 

読み聞かせの様子

 

学習支援の教室にも中学3年生で分数の計算ができない子どもたちがいます

しかし、子どもたちは”分数の計算ができない”というところだけに問題を抱えているのではなく、普段の生活から、さらにさかのぼって小学1年生頃の生活環境から困難を抱えていて、それが重なって今に繋がっています。

そういった子どもたちをより早期に発見し、将来自立できるように支援していくのが子どもの家事業です。

 

──なるほど!学習支援で感じた課題を新たな事業につなげているんですね。子どもの家事業からはどんな学びがあったんでしょうか?

 

子どもの家では、行政・学校との連携によって困難な子どもたちの早期発見とより丁寧な個別支援が可能だということが分かりました。

一方で、成長過程での問題の積み重ねが学力・学習の困難という一つの形になって表れるということは、より低年齢の子どもたちと接する中で改めて突き付けられた課題です。

 

──新たに行った子どもの家事業からも、さらに課題が明確になったんですね。今後LFAはどのように進んでいくんでしょうか?

 

まず、現場では、これまでの学びを活かして、学習にとどまらない包括的な支援を届けていきたいと考えています。加えて、支援システムのモデル作りにも取り組みます。

具体的には、困難な子どもをすべて包摂する支援システムである「子ども支援の生態系モデル」を構想し、既に自治体の協力も得て導入を計画中です。

将来的にはこれを、日本の当たり前にしていきたいと思っています。

 

「子ども支援の生態系モデル」のイメージ図

 

──「子ども支援の生態系モデル」…!まさに子どもの貧困対策の最先端を行く事業ですね。でも、実際にそんなことができるんでしょうか?

 

LFAには今まで、そして今後の活動で得る知見やネットワークがたくさんあり、それを生かしていきたいと考えています

知見については今までいくつかお話ししてきましたね。ネットワークとは端的に言うとLFAのボランティアを経験した大学生のことです。LFAの学習支援プログラムを経験した卒業生はのべ2000人以上います

彼ら・彼女らと一緒に動くことができれば、問題解決に向けて大きな動きを起こせると思っています

昨年度の卒業生。企業、官庁、教員など、進路は様々。

とはいえ実際に行う上では困難がありますが、それを乗り越えてやる価値のあることだと思います

 

東大生には、「好きに生きてほしい」

 

──最後に、東大生にメッセージをお願いします!

 

ちょっと説教っぽくなっちゃうんですがあえて言わせてもらうと、東大生には「学問的な知識基盤の獲得」と「実際の現場の肌感覚の獲得」の、どちらも必要だと思っています。

東大生の大多数って結局、「社会の上澄み」で、貧困、格差はもちろん、いろんな社会問題をあまり目にすることなく生きてきていると思うんですよね。

そういった社会問題がなぜ起こっているのか、もちろん、学問として知ることも大事です。しかしそれとあわせて、現場に出て、課題を抱えている当事者と出会い、その中で感覚で課題について知ることも大事だと思っています。

 

あともう一つは、「好きに生きてほしい」ということ。東大生は序列化された、型にはまった価値観の中で生きている人が多いような気がしています。

それも一つの生き方ですし、自分自身が納得してそれを選んでいるなら良いと思うのですが、もしもそうでないなら、もっと自分の心の声に従って生きてもいいんじゃないかって思いますね。

 

新卒でNPO代表になるくらい、心の声に従って生きているやつもいるんですから(笑)

──ありがとうございました!

 

いかがでしたでしょうか?

初めは一ボランティアとして参加した李さんが、地元での原体験やLFAの現場での経験から感じた課題意識を軸として新卒で代表になってしまったストーリーは圧巻でしたね。

また、LFAでは学生が単に子どもに勉強を教えるだけでなく、本物の社会問題に向き合う経験を通して「社会問題の当事者」になることができるという仕組みが印象的でした!

学習支援の限界を乗り越えるための新たな取り組みも、是非成功させていってほしいですね。

ボランティアプログラムの説明会開催中!

 

李さんも学生時代に参加したボランティアプログラムは随時参加者を募集中です!
(※冬期は12/20まで!)

募集情報は、こちらからご覧ください。

参加者大募集中!!!

NPO法人Learning for Allについて詳しく知りたい方は、こちらのHPをご覧ください。



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