「留年して人生をポジティブに変えた二人の東大生に迫る〜留年は本当に不幸か?」のサムネイル画像

留年して人生をポジティブに変えた二人の東大生に迫る〜留年は本当に不幸か?

2018.08.31

こんにちは、いっちーです。

突然ですが、大学生の留年についてどういうイメージをお持ちでしょうか。

大学サボりすぎ?学費がもったいない?1年間無駄にしている?

・・・とまあ、色々悪いイメージには事欠かないですが、本当に留年には何もいいことが無いのでしょうか?

答えを確かめるため「留年をターニングポイントに生き方をガラリと変えた人」2人に取材してきました!

彼らはもちろん留年をしたくてしたわけではなく、留年が決まった時は相当悔しさと辛さを味わったそうですが、その経験をバネに新しい舞台に飛び込んで、現在もエネルギッシュに活躍している姿が見えてきました。

留年経験者も未経験者も、ぜひ最後までご覧ください!

不意に訪れた留年

2人とも仲良し
学生証
  1. お名前:もっちゃん(左)
  2. 所属:東京大学経済学部4年生
  3. 留数:1
学生証
  1. お名前:ひろむ(右)
  2. 所属:東京大学前期教養理科2類
  3. 留数:1+休学1(現在も休学中)
編集部
編集部

今日は来ていただいてありがとうございます。早速ですが、今は何をされているんですか?

もっちゃん
もっちゃん

はい、「もっちゃんねる」というチャンネルでYouTuberをやってます!

ひろむ
ひろむ

デザイナーをやってます。留年したのは去年なんですが、もう一年休学することにしたので今年も大学には行ってません。

編集部
編集部

早速キャラが濃い、、、そもそも、なんで留年しちゃったんですか?

もっちゃん
もっちゃん

単位が足りなかったんですが、そもそも単純に勉強が好きじゃなかったかなあ〜というより、勉強以外に色々やりたいことが多くて。

編集部
編集部

例えば?

もっちゃん
もっちゃん

バイトとか、サークルとか、あと睡眠とか。

編集部
編集部

あれ、普通にクズでは???

もっちゃん
もっちゃん

でもなんだかんだ行って(ギリギリだけど)卒業はできそうだったんですよ。足りなかったのがあと2単位で、その2単位も楽単って聞いてたから大丈夫だろうって思ってて。でもテスト受け終わった後に実はその授業に出席点が必要だったことが発覚して・・・

編集部
編集部

なんと、、

ひろむ
ひろむ

僕の場合は試験の時間を間違えて。日にちはちゃんと覚えていたんですけど。4限にあると思ってたら2限で、起きたら僕が受けるはずだった試験は終わっていました。それが必修だったので、そのまま留年確定って感じで。

留年が確定した瞬間
編集部
編集部

2人とも情弱パターン…あの、傷を抉るつもりは全然無いんですが、留年した時の心境とかって教えてもらってもいいですか?

ひろむ
ひろむ

ゆーて留年した瞬間は全然ショックじゃなかったんですよ。元々「大学をストレートで卒業するなんてつまらないんじゃないか」って薄々疑問に思っていたのもあって、留年が決まった瞬間は「これは神様が留年しろって言ってるってことなんだな、あーね」って自然に受け入れることができました。正直、自分事なのにちょっと面白いって思っちゃいましたし。

編集部
編集部

めっちゃポジティブ。笑

ひろむ
ひろむ

でもその後が辛くて。

[広告]

留年=人生の選択肢が狭まった瞬間?

ひろむ
ひろむ

まず僕2年生の後期に留年したので、友達がみんな駒場にいないんですよね。本郷に行っちゃって。その寂しさがジワジワ来たのと、親に怒られて仕送り止められたりTwitterで知り合いに悪口書かれたりとか色々ありまして。

もっちゃん
もっちゃん

「色々ありまして」でまとめられるのタフすぎる笑

ひろむ
ひろむ

それはまあ良いんですよ、留年した僕が悪いですし。一番応えたのは、ふと「留年って、未来の選択肢が狭まった瞬間なんだな」ってことに気づいた時ですね。

僕含めて、東大生って進振りに象徴されているように結構自分の進路の可能性を広く保つことを意識する人が多い気がするんですよね。ただ(就活とかしたことないから分からないんですけど)やっぱり業界によっては留年したら取ってくれないところとかはありそうで、そういう意味で「人生の可能性のうち何かは今確実に消えたな」って気づいてしまってかなりの虚しさを味わいました。

編集部
編集部

そこから立ち直ったんですね。デザイナーをやろうと思い始めたのはそれがきっかけですか?

ひろむ
ひろむ

そうですね。しばらくは落ち込んでたんですけど、Twitterでの件とかもあったから「留年してない人に負けたくないな」って反骨心が湧いて来て。正確には「学校に通いながらインターンしてるような人には負けたくねえ」になると思うんですけど。

編集部
編集部

というと?

ひろむ
ひろむ

就活見据えて1,2年の時からベンチャーでインターンとかしてスキル身につけたりする人って多いじゃないですか。でもそれって学校に通いながらやるわけだからなんだかんだ言って中途半端になっちゃうんじゃないの?って思ったわけです。「じゃあ俺は留年して時間もあるし、1年間本気で自分のスキルを磨いてどこまで行けるかやってやろうじゃないか」って決意しました。目標は1年間で外資コンサルの初年給を超えることって設定して。

もっちゃん
もっちゃん

かっこいい、、、

ひろむ
ひろむ

いやいや、「中途半端」なんて偉そうに言ってますけど、僕にその選択肢がなかっただけなんで僻みみたいなものです。

編集部
編集部

デザイナーっていう職業を選んだ理由は?

ひろむ
ひろむ

元々サークルとかでデザインっぽいことはしてて好きだったのもありますし、後生活費を稼ぐためにはバイトとかじゃなくてフリーランスで活動しないとどうしても稼ぐ額に限度があるなって思って。仕送りを止められてるので、、

今年の五月祭の医学部企画のビラもひろむさんが手がけたもの。
ひろむ
ひろむ

それで知り合いのつてで始めたんですけど、家庭教師のチラシからAVのサムネまでありとあらゆるデザインをやりました。何百枚もただひたすらモザイクをかけまくる経験は忘れられないですね

編集部
編集部

すごい経験だ…

最近手がけた仕事の一つ。
編集部
編集部

もっちゃんさんは留年した時どうでした?

留年をきっかけにしてYouTuberに

もっちゃん
もっちゃん

私は留年したのが卒業直前だったこともあって、かなり現実的なことで悩みました笑。袴もう予約しちゃったけどどうしよう?とか親にどう伝えよう?とか。

ひろむ
ひろむ

親問題めっちゃ分かります。そういえば去年ぐらいに「留年したらYouTuberになる」って宣言してませんでしたっけ?

もっちゃん
もっちゃん

あれは流石に半分冗談だけどね笑

でも留年に背中を押してもらった部分は確実にあって。。。

就活で映像業界受けてたっていうのもあるんだけど映像作ることに元々興味があったし、YouTuberの動画も結構見てて好きだったりしたんですが、でもやっぱり何というかレールに乗っかっていたい自分もいて。

YouTubeとかやるってなったら顔も出すわけだしリスクは確実にあるわけでなかなか踏み出せなかったんですが、留年したことによってある意味レールを外れたし、これを機にもう好きなこと、自分のやりたいことをやろう!って思えたんですね。

「ZOZOスーツを着れば映画のワンシーンっぽい写真が撮れるのでは?」企画のワンシーン。
編集部
編集部

めちゃくちゃはっちゃけてる笑、もっちゃんねるは今や大人気ですよね!

もっちゃん
もっちゃん

ありがとうございます、やるからにはもちろん全力です!お陰様で、チャンネル作って10日で登録者数が1万人を超えまして、、、最初は1ヶ月で1000人いけばいいかなぐらいに思っていたので自分でも驚いてます笑

[広告]

デザイナーとして

編集部
編集部

ひろむさんは今年も休学しているとのことですが、それは何を思っての選択ですか?

ひろむ
ひろむ

この一年もデザインに捧げようと思っています。1年やって来て、当初の目標額は稼げたしある程度できることも増えたと思うけどこのまま普通の学生に戻るのはやっぱり悔しいなって。

ゆーてこのままだとストレートで卒業して社会人になった人に給料の面でも抜かれると思うし、一年間デザインかじっただけだと結局中途半端で終わっちゃうんじゃないかなって懸念があるのでもっと突き抜けたいなと思ってるんですよね。

編集部
編集部

今後の展望は?

ひろむ
ひろむ

来年は復学します、これでもちゃんと大学は卒業するつもりなので。デザインそのものでどこまで勝負するかは未定ですが、多分デザインで突き抜けられればどの領域でもその力は発揮できると思っています。

あとデザインと並行してwebエンジニアもやっているので、今年はその二つを組み合わせて自分ができることをもっともっと増やしていきます。

芸術のセンスだったり単純なデザインの技術だけの勝負ってなるとそれこそずっと専門学校でやってきたような人には勝てないですが、クライアントがデザインを通してどんな課題を解決したいと思っているのかを判断して、それに寄り添う形で仕事をするってことができれば自分独自の強みを出せると思っているので。

YouTuberとして

編集部
編集部

もっちゃんさんのYouTuberとしての目標とは?

もっちゃん
もっちゃん

とりあえずはチャンネル登録者数10万人です。そのために日々動画研究をしています笑

具体的には今人気のYouTuberさんの動画が再生される理由とかを考えてそれを取り入れたり、あとはYouTube内のSEO対策も結構やっています笑

編集部
編集部

どういう動画を撮ることが多いんですか?

もっちゃん
もっちゃん

そこは結構自由にというか、幅広く色んな動画を撮ってますね。一応テーマとしては『なんとなくやってみたいなーって思ってるけど普段はやらないようなこと』をYouTubeを通してやるってことが多いと思います。せっかく動画を撮るんだから自分がやりたいこと、楽しめることをやりたいなと思っているので。

バブリーダンスとかまさにそれです笑

編集部
編集部

これからはどんな進路を考えているんですか?

もっちゃん
もっちゃん

今内定先の会社で働かせてもらっているんですが、その仕事も楽しいので例えばすぐに専業YouTuberになる、みたいなことは考えていません

今も働きながら動画投稿できているので、しばらくは今の生活を続けることになると思います!もっと先のことは自分にも分かりませんが、、笑

[広告]

もし留年していなかったら・・・?

もっちゃん
もっちゃん

さっきも言ったように、YouTuberにはなってなかっただろうなあ。多分レールから外れる勇気を持てなかったと思います。

ひろむ
ひろむ

外資志望で就活してたか、理系らしく院行ってたか、ですかね。

もっちゃん
もっちゃん

就活してる姿が全然想像できない・・・笑

ひろむ
ひろむ

いや、こう見えてやるときはちゃんとやりますよ。説得力ないかもだけど。

編集部
編集部

二人とも予想もしない方向に人生が動き始めてる笑

もっちゃん
もっちゃん

まさかこうなるとは思ってなかったけどレール外れてみたら楽しいし、やっぱ心のどっかでレールを外れたいって思ってたら思いきって外れてもいいんじゃないかなって思います。

ひろむ
ひろむ

もちろん何もやりたいことがない状態で勢いだけで休学してもグダグダして終わっちゃう気もするけど・・

でもめちゃくちゃ時間があるわけで目標決めてそれに全力で取り組めば、何でも楽しいと思いますね。Twitterやりまくるとかブログ書きまくるとか何でも突き抜ければ。

もっちゃん
もっちゃん

でもひろむが親に縁切られたように、「東大まで行ったんだから安定した会社入ってほしい」って思う親は多いはずでそういう価値観はまだまだ根強いのかなって思いますね。もちろんどっちが良い悪いの話じゃないけど・・・

ただそれだけじゃないよっていうのは伝えたいですね。自分の場合はレール外れたことによって気持ちが自由になったというか、何でもできるって気持ちになれたというのがあるので。

編集部
編集部

留年してなかったら今の自分はないですもんね。

ひろむ
ひろむ

あ、あと最近思ってることがあって、留年した時「選択肢が狭まった」って思ったんですけど多分逆で、むしろ可能性が広がった気がします。

もっちゃん
もっちゃん

めっちゃ分かる!東大来たら選択肢が広がると思いきや、意外と周りからの影響受けて気づかないうちに視野が狭まっちゃったりして。ひろむくんがさっき「留年してなかったら外コン目指してた」って言ってたと思うんですけどやっぱりそれが正解って言う考えに染まってしまう部分は大きいなあって思います。

編集部
編集部

最後に、何か言いたいことがあればどうぞ!

もっちゃん
もっちゃん

チャンネル登録お願いします!笑


最後に、筆者の個人的な思いです。

この記事の主題は「レールに乗っかった人生なんかつまらないし、レールは外れたほうが良い」ではありません。

自分がやりたいこと、好きなことに全力で突き進んでいる人の眩しさ、力強さ、

そしてそうした人たちのエネルギーは”留年”というともすれば学生生活で最大級の逆境でさえも余裕で跳ね返す力を持っていること、

それを伝えたい、伝えられたらいいなと思ってこの記事を書きました。

情熱の向かうべき対象はインタビュー中でひろむさんが言ったように何でも良いと思います、というかそこの多様性がある(いわゆる「勉強・研究」に情熱を注ぐ人、スポーツに情熱を注ぐ人、カルチャー面やインターン・起業などに情熱を注ぐ人、などなど)ことが大学という組織全体の魅力・強さの一面かなと考えてもいるので。

UmeeTでは今後ともそういった多様性のある大学の姿を届けていきたいと思います!今後ともどうかよろしくお願いします。

※大学は教育・研究機関なんだからそれは大学の役割を履き違えてね?みたいな意見もあると思います、あくまで筆者の個人的な考えです。

この記事を書いた人
筆者のアバター画像
いっちー
はじめまして! いっちーです。UmeeTのライターをやっています。よろしければ私の書いた記事を読んでいってください!
記事一覧へ

こんな記事も読まれてます