こんにちは。今日も語学弱者のいとうです。
今年の上半期はヘブライ語の意味不明な課題と、ALESA(※1)の課題(たいてい英語で課題を言われるから間違えるんよなぁ〜)、そしてスぺ語の期末と語学弱者にはきつい日々でした。笑
※1 ALESA…東大の英語のライティングの授業で、英語1500wordほどの論文を書きます。
それにしても、東大生、語学強者が多すぎな気がします。普通に一生懸命勉強して強い人とか、帰国子女とか多いですね。笑
この人たちとの格差を日々感じつつ生きている筆者なのですが、今回はそんな筆者と正反対の、きっと駒場で一番言語に詳しいであろう梶田くんに取材をさせていただきました!
––––一番好きな言語で自己紹介してもらっていいですか??
「 あ~もちろんです。じゃあノルウェー語ですかね。
※?!<&%FC$%#**※$%&(流暢なノルウェー語を喋ってくれたものの、筆者には全く聞き取れず。)」
名前以外聞き取れなかった筆者に、梶田くんが助け舟を出してくれました。たった今話してくれたことが書いてある名刺を見ながら、内容を説明してもらいました。
(以下のことについて)興味を持ってくれたらいつでも質問してくださいね。
-ノルウェー語
-言語学オリンピック
-私自身のことについて
あなたにお会いすることができてうれしいです!
「この名刺は言語系の人たちと会うときとか、推薦の人達と会うときとか、conversation start として一番いいかなと思って使っているんです。会う人ひとりひとりが少しでも言語に興味を持ってくれたらうれしいな、という気持ちで渡しています」
––––このモチベーションがすごいですね。最初に言語学をやろうと思ったきっかけとかってあるんですか?
「最初は言語学というがっちりしたものではなく、最初は語学から入ったんですけど、それを一番最初にやり始めたのは、小学4年生のときで、ロシア語に触れた時ですかね。
母親の本棚にロシア語の本があって、それがすごく奇妙に見えたというか、キリル文字がすごく僕の好奇心をそそったんですよね。
中学受験で一時中断しましたが、中学2年生ぐらいのころからドイツ語とかフランス語とかやるようになって、それをやるうちに最初ドイツ語に3か月くらいかけてそのあとフランス語は2か月くらいかかったんですけど。」
––––(学習スピード速くないか・・・?)
「だんだん色んな言語を手を広げていくにつれて、もう簡単な言語だと2週間ぐらいでパパッとやるも可能になってきて」
––––(!?)
「そんな感じでだんだんその諸言語に対する視野を広げていったというのが、すごく僕にとっては成功体験になりました。それでだんだんだんだん言語学にも興味が出てきたという感じですね」
––––どうやって勉強したらそんな短期間で上達できるんですか…?
「実際に海外に行くのが一番の近道だとは思うんですが、なんせお金がかかるので。。
日本でひたすら外国のテレビを見たり、外国語の本を見たり……目と耳を追ってずっと言語に触れるというのが語学の王道である気がしますね」
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––––梶田くんは確か言語学オリンピック(※2)にも出場された経験があるんですよね。
そういえば僕の友達が「言語学オリンピックに取り組んでいた高校生が推薦入試に合格した」って話からオリンピックの存在を知ったって言ってました。
※2 言語学オリンピック…世界の様々な言語を使った問題で競うオリンピック。言語の構造を明らかにする、パズル的要素のある問題が出題されている。
「ほんとですか?言語学オリンピックの知名度が上がると思うとうれしいです」
––––言語学オリンピックって、規則性から答えを出す問題があると聞いたことがあるんですけど、実際どう言語学を使って解くものなんですかね?
「言語学のポリシーというのは前提知識がなくても解けるような問題という風になっているので、一応言語学というものを一切知らなくても解けるようには時間をかければできるようになってるんですけど、
言語学好きからするとこういう言語学の知識があると簡単にとけるんだぞというのが面白いと感じられるものにはなっているんですね。
広い言語を知っていないと、こういう変化が起きるんだぞと言うのを一回ぱっと全く知らない状態で見ると言うよりはずっと見やすいんですよ」
––––お気に入りの問題とかありますか?
「2017年の3番のキンブンド語だったかな。これなんかは初見でもすごい解きやすい問題なんですけど」
そのほかの問題はこちらから
––––僕にとっては正直ちんぷんかんぷんでお手上げ状態なんですが、実際に解くときにはどういうところに注目するんですか?
「まず共通点がどこかを和訳をみてひたすらフリクションペンで色付きペンで色つけて行って、作業ゲー感覚でやって。共通点とかを見つけて、そこから推測に移るんですけど。
アフリカの名詞が何個のクラスにわかれてるんだ、という前提の概念がないとこの本当の文法構造にたどりつくというのは結構難しいんですよね。それに従って動詞というのが変わっていくんだなあというのがわかっていくと面白いんですけどね」
––––広く言語を知っていないといけないんですね。
「そうですね、言語学オリンピックを受けるに際してもう何十言語というか百言語くらいは見ましたね。言語学オリンピックってパプアニューギニアの言語がよくでるんですよ」
––––(マイナーだなあ……)
「というのは、パプアニューギニアには500程の言語があって、出題者としては出しやすいし、文法もパズルみたいになっていて面白いというのがあって。パプアニューギニアの言語を高3の春休みに頭に入れていたという。受験勉強もしつつ。 笑
言語学者がやるのはただ言語を学ぶだけではなくて、未知の言語にフィールドワークしにいって、未知の言語に対して文法構造を明らかにするというのが一番言語学者の泥臭い仕事なんですね。
なので言語学に興味のある人は、是非中高の間に言語学オリンピックに取り組んでほしいですね!」