【もし人間の感情を操作できたら?】テクノロジーの当たり前をぶっ壊す東大制作展に潜入してきました!

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よみがえる8mmフィルム

皆さん、今映像って何で撮りますか?

 

ビデオカメラ?

スマートフォン?

 

その場で撮って、その場で観て、その場で拡散するのが当たり前のこの時代。

そんな記録と記憶の当たり前に疑問を投げかける作品もあります。

 

そこで登場するのがこの8mmフィルム

8mmフィルムの映写機。自前だそう。

8mmフィルムって言うのは、主に1960 年代・70 年代にホームムービー用として使われた、アマチュア向けの家庭用フィルムでして。

 

──今でいうビデオカメラやスマホムービーの役割を担っていたものなんですね。

 

そうなんです、かつては日常に使うアナログな映像メディアだったんです。でも、VHSとかデジタル機材の登場でもう使われなくなってしまいました。

そう語るのは、よこえれいなさん

1980年代ぐらいに機材の生産も終わって、2000年代でフィルムの生産もなくなって。

厳密に言うと、カラーのリバーサルフィルムがなくなったので、一般的にカラーで映写するような8mmフィルムの映像を作ることができないんです。

しかし、カラーで映像が投影されている?なぜ???

──え、でもさっきからカラーで写ってますよね?

 

はい。私はどうにかしてカラーで作ろうと思って、本来なら生産されていないカラーフィルムを今回作りました

 

──えええ、作ろうと思って、再現できるものなんですか?

 

映像を8mm幅に印刷して、8mm幅にカッティングして1本につなげる、という作業をやりました。そうすると、カラーの映像を再現できるんですね。

よこえさんが持っているのが再現したカラーフィルム

でもこれ、完璧に再現してるわけじゃなくて。

インクジェットプリンターで落としているインクのドットが出るので、本来の8mmフィルムではでないようなドット柄が出るんです。面白いですよね。

 

──そこもまた味わいなんですね。当日はどのような展示を行うことになるんでしょうか?

 

展示としては2つのプロジェクションを行う予定です。1つは、今お見せしたインクジェットプリンターで印刷したフィルムで映写します。

そしてもう1つは、自分のスマホ内の映像をその場でアップロードしてもらって、こういうドット柄の映像にそのまま出来るという体験展示になります。

これは、フィルムを裁断する機材だそう

そのアップロードした映像がフィルムに印刷されるので、持って帰ることもできます。

 

──幻の8mmカラーフィルムを見れるのみならず、お土産もあるなんて!!!この作品には、どのようなコンセプトがあるんでしょうか?

 

物質化されていないスマホの中の映像を物質化したらどうなるか、物質化できるとなった時に何を物質化したいと考えるのか。私はそういうところに興味があって。

今回の全体のコンセプトとの関連でいえば、デジタルの当たり前を壊すことになりますね。

 

──デジタルの当たり前を壊す???

 

今、スマホでその場で映像を撮って、その場で観れて、その場で拡散できることが当たり前だと思うんです。でも、これはテクノロジーがあるからできることであって。

プライベートな映像の元祖である8mmフィルムと、今の私たちの当たり前の画像のあり方を少しずらしてみて、自分のプライベートの記憶や記録のあり方をちょっと立ち止まって考えてもらえればいいなって思っています。

 

冒頭で紹介した作品が、未来のテクノロジーを考えて当たり前を壊す作品だとすれば、この8mmフィルムの作品は過去のテクノロジーとの比較から我々の当たり前を壊す作品となるのでしょうか。

映像メディアの発展で私たちが得たもの、失ったもの。

そして、映像メディアの発展はこの先私たちの当たり前をどう変えていくのでしょうか?

 

続いて、もう1作品ご紹介できればと思います。

人の感覚を記憶する

『Unveil Memory』について話してくださるのは橋本さん。

笑顔で取材に応じてくださいました。

『Unveil Memory』では、簡単に言うと、VR上で「モノ」を壊す体験をするんです。

 

──VR上でモノを壊す?

 

VR上で武器を使って「モノ」を壊す体験をするんですけど、壊したい物体を見ると、重心の位置を動かすことで武器が形を変えてくれるんです

例えば、遠くの「モノ」を狙ったら、銃の形に変わります。

これは銃モード

──おおおおお!!!

 

銃の他に、銃や鎌、剣にも変形します。

これは剣モード

これが扇モード

それで、ただ壊すだけじゃなくて。「モノ」を壊すとその情報が見れるようになっているんです。

例えば、「この物体は椅子で、どんな素材で出来ていて」みたいな情報が出てきます。

 

──なんか近未来的ですね!

 

ちょっと遠い未来の話になっちゃうんだけど、IoT(Internet of Things)の技術が進化して、「モノ」の中の情報を見れるようになったらどんな生活になるんだろうって考えたいんですよね。

椅子を見るだけで、「何時間前に誰々が座りました」みたいな情報、「モノの記憶」がわかると、どうなるんだろうって。

 

将来、我々の当たり前がぶっ壊れるような技術が生み出されるかもしれない。

 

モノと交信できるようになったら。

モノの記憶を共有できるようになったら。

 

世界の見え方はどのように変わるのでしょうか。

 

今回の記事で紹介する作品は以上になりますが、まだまだ作品はあるそう。

 

ロボットと恋をしたり?

音が見える世界に飛び込んだり??

卵と交流したり???

 

ぜひぜひ、破壊的で非日常的で創造的な空間を体験してきてください。

制作展に行こう!

最後に、もう1人のプロデューサーである大橋さんに、情報学環・学祭情報学府について尋ねてみました。

──制作展を開催する情報学環・学際情報学府というのは、そもそもどのような組織なのでしょうか?

 

ざっくり言うと、分野横断的にアカデミックな動きを広げていこうという集団です。

専門分野が枝葉的に分かれた研究するんじゃなくて、隣同士のちょっと遠そうな分野と一緒に研究することで新たな知見が得られるんじゃないかなっていうアイデアで出来たのが情報学環・学際情報学府なんです。

 

──文系・理系とか、そういう区分に捕らわれないんですね。

 

そうですね。この制作展を主宰する先端表現情報学コースでは研究を表現の一部として捉え、研究発表や論文とは別軸の表現をすることで、アカデミックな領域にもアートな領域にも良い影響を与えると考えています。

──その中で制作展はどのような位置付けなんでしょうか?

 

もともと制作展自体は学生有志で出来たんですが、先生のご配慮で授業になったのが今の制作展。

参加学生のバックグラウンドは、文系もいて、理系もいて、芸大もいて、本当に分野横断的で。そんな彼らがテクノロジーとアートをつなぐ表現の場と使っているんです。

 

──7月の制作展は「Extra」と伺ったんですが、どう意味があるんでしょうか?

 

実は制作展の本番は11月なんです。制作展Extraはその11月に向けての助走的な練習発表。来場者からのフィードバックを得て、11月に向けて作品を完成させていきます。

なので、7月のExtraも来て欲しいですが、11月の本番にも是非来て欲しいんですよね。

 

──1年がかりで完成させていくんですね!本日は取材ありがとうございました!!!

 

 

ここまで制作展の魅力を色々述べてきましたが、百聞は一見に如かず。

あとは実際に足を運んで、自らの目で見て考えることをお勧めします。

 

文系のあなたも、理系のあなたも、芸術系のあなたも。

自分の見ている当たり前を壊して、今まで想像もしなかったテクノロジーの未来を覗いてみませんか?

詳細

※11月15日からの制作展に関する情報はこちらからどうぞ。Twitterの情報は@iiiexhibitionから。

【名称】東京大学制作展Extra2018(HP

【日時】2018年7月6日(金)〜7月9日(月)

【時間】11:00〜19:00

【場所】東京大学情報学環オープンスタジオ

ややアクセスがわかりにくいので注意!入り口は教育学部の右です。

それでは、また!

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長谷部に似てる、それだけ。

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