【進学選択を徹底解説】経済学から読み解く進振りの生き残り方【前編】

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進学選択なんてこわくない

ここからは、実際に進学選択の例を用いて、受入保留アルゴリズムのメカニズムを検証していきたいと思います!

本当に「安定かつ最適な」夢みたいなマッチングは成立するのでしょうか?

数学というツールを使って説明してもいいのですが、この場でそんな兵器を持ち出すというのはあまりに興醒めというもの。

「数学は兵器」

よって、学生と学科の二つの集合の要素間マッチングを、

  1. 従来型の志望順で行った場合
  2. DAアルゴリズムを用いて行った場合

について簡単な例を使って比較することで、受入保留アルゴリズムのマッチングで「安定」「最適」がなぜ成り立つのかについて確認していきましょう!

そこには、駒場教養学部生が喉から手が出るほど欲している、進学選択で生き残るための真理が、確かにあるのです……

今、学生は、志望順序を以下の表のように登録していたとします。

  第1志望 第2志望 第3志望
学生ア 経済学科(E) 経営学科(M) 金融学科(F)
  イ (M) (E) (F)
  ウ (F) (M) (E)
  エ (E) (M) (F)
  オ (M) (F) (E)
  カ (E) (F) (M)

注:E= 経済学科, M=経営学科, F= 金融学科

学生の、志望学科での順位、また各学科の定数は、以下のようになります。各学科で評価方法が異なり、順位は上下します。

  経済学科(E) 経営学科(M) 金融学科(F)
定数 2 2 2
1位
2位
3位
4位
5位
6位

学生は全員、成績の壁に阻まれて留年するよりかは、進学した方がいいと考えています。

当然ですね。留年の理由が海外留学ならかっこいいんですけど。まあ、時々「留年とかどうでもいい! 俺は今を生きるっ!!!」という猛者もいますがね。

普通は留年したくない

だから、選択肢は表の三つの学科のみだった場合、行きたくない学科であっても志望登録するモチベーションがあります

①従来型の場合

従来の内定方式では、第1志望から順に、優先順位を定めて、学生の進学先を決めていました。なので、次のように内定が決まります。黄色のセルは内定、灰色のセルは内定失敗を表します。

◯第1志望

  第1志望 第2志望 第3志望
学生ア 経済学科(E) 経営学科(M) 金融学科(F)
  イ (M) (E) (F)
  ウ (F) (M) (E)
  エ (E) (M) (F)
  オ (M) (F) (E)
  カ (E) (F) (M)

 

  経済学科(E) 経営学科(M) 金融学科(F)
定数 2 2 2
1位
2位
3位
4位
5位
6位

 

◯第2志望

  第1志望 第2志望 第3志望
学生ア 経済学科(E) 経営学科(M) 金融学科(F)
  イ (M) (E) (F)
  ウ (F) (M) (E)
  エ (E) (M) (F)
  オ (M) (F) (E)
  カ (E) (F) (M)

 

  経済学科(E) 経営学科(M) 金融学科(F)
定数 2 2 2
1位
2位
3位
4位
5位
6位

 

◯第3志望

  第1志望 第2志望 第3志望
学生ア 経済学科(E) 経営学科(M) 金融学科(F)
  イ (M) (E) (F)
  ウ (F) (M) (E)
  エ (E) (M) (F)
  オ (M) (F) (E)
  カ (E) (F) (M)

 

  経済学科(E) 経営学科(M) 金融学科(F)
定数 2 2 2
1位
2位
3位
4位
5位
6位

見れば、第2志望での内定で、学生エは先に第1志望で内定の決まっていた二人よりも成績評価が高いにもかかわらず、すでに定数が埋まっていたため、エ – 経営学科のペアリングはブロックされちゃってるんです。

これでは、少年エと、もし成績に順当に内定していれば経営学科に進学できなかった少年イとの友情に、亀裂が生じかねないのです(バレたらだけど)。

ここで休憩がてらに、データからじゃ測れない、彼らのバックストーリーを想像してみましょうか・・・

次ページ:少年エの夢と少年イの嘘

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UTEA

UTEA(The University of Tokyo Economics Association)は、高校生や進学選択前の駒場生に経済学の面白さを知ってもらう機会を提供する東京大学公認の学生団体です。現在、東京大学経済学部3, 4年生が中心となって運営に携わっています。 経済学に関心を持つ学生を増やすことで、東京大学経済学部をよりアカデミックな魅力溢れる場にすることを目指すとともに、社会における経済学のプレゼンス向上にも貢献すべく活動しています。

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