襖の張り替えがサークル活動!? 東大の「襖クラブ」が超職人気質!




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襖クラブとの出会い

さて、ここからは実際に襖を張り替えてもらったさささんと、アシスタントを務めてくれたしほさんにインタビューをしていく。

なお、ただでさえぶっ飛んだコンセプトのサークル、事前情報が何もないと流石に混乱してしまう気もするためここで襖クラブの概要を公式HPから一部引用したい。

東大襖クラブ(ふすまクラブ)は、一般家庭の襖と障子を張り替えるサークルです。 賃貸マンションや老人ホーム、旅館や料亭からの仕事も承っています。 主に一都三県(東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県)で活動していますが、 遠方でも交通費さえ頂ければ伺います。

インタビュー開始

編集部
なんでこのサークルに入ろうと思ったんですか?
ささ
ちゃらんぽらんな理由ですよ笑。なんとなく面白い、変わったサークルはないかなって探していて。例えば最初は座禅部とかも興味あったんですよね。
しほ
私は友達に誘われて。推薦で入ったすごい賢い子がいるんですけど、その子に「襖は日本にしかない空間の区切り方で、日本人の特性がそこに表れているんだ」って言われて、そんな襖について真剣に考えたことなんてなかったしかっこいいなあって思って。単純なので感化されちゃいました笑
編集部
推薦で入ったすごい賢い子。気になる。
ささ
実際襖って日本にしか無い建具なんですよね。

ただ、今言ったみたいに最初は襖に対する情熱とかも特にあったわけじゃないから「襖は日本人の心に合ってる」って言われても正直ぴんと来てなかったんですよね。育った家も襖のない家だったし。

 

で、襖のいいところってなんなんだろうって考えたり調べたんだけど、実は襖ってかなりすごいやつなんですよ。きちんと立てられている襖は防寒性あるし、調湿効果って言って湿気を吸ってくれる役割も果たしている。それに意外かもしれないけど防音効果も高いんだよね。

ささ
そして襖はつけたり外したりが比較的自由にできるから、大部屋を一つの部屋として使うか細かく部屋を区切って使うかが臨機応変に変えられる。あとは昔の襖って枠は端材を使っていたり襖紙は紙の切れ端みたいなのをペタペタ貼ってたりしていたから、基本的にエコなもので利便性が高い。そういうところが日本人らしい考え方なのかもしれないですね。

編集部
襖クラブ自体はいつからあるサークル何ですか?
ささ
創業は1954年で、今年64年目です。

編集部
え、64年!?!?めちゃくちゃ歴史あるんですね・・・
ささ
戦後からあるからね笑。最初は生活費の足しにするために襖を張り替えるところから始まったんですよね。今も実際にお客さんの元で仕事したりするからバイト感覚でやってる部員も多いです。

編集部
あ、じゃあお金ももらえるんですか?
ささ
いただいています笑 友達とかには他のバイトはしないで襖クラブだけって人もいます。
しほ

活動内容がバイトになるサークルって他にないですよね。私も入った時は結構びっくりしました。

でも最初の1年は修行期間なので、お仕事はさせてもらえないんですよ笑

私はようやく修行期間が終わったので、やっと現場に行けるー!って感じで嬉しいです。

「活動内容がバイトになるサークル」「修行期間」事実は小説よりも奇なりというのはまさにこのことかもしれない。

ゆるそうに見えるけど、実は超職人気質

編集部
修行期間っていうのがあるんですね。初めて知りました。
しほ
そうですね、しかも私が入った年は7月に入部テストみたいなのもあって、それに受からないと入部すらできなかったんですよ。
編集部

おお、めちゃくちゃ厳しいですね、、

ささ
今年は入部希望者が結構多くて、全員は面倒見れない感じになっちゃいそうだったんですよね。そういう年は技術を習得したかのチェックも兼ねて、夏すぎるまでは仮入部扱い、秋の試験をパスしてから本入部という形を取らせてもらっています。

入部テストがあるところなんて海堂高校ぐらいしか知らなかったぞ・・・

しほ
試験前はめちゃくちゃ練習しましたね。先輩の前で襖を実際に貼らなきゃいけないのでかなり緊張するんですよ。。

編集部
やっぱり技術に対しては本気なんですか?

ささ
そうですね、お客さんの前で仕事をすることになるのでそこは普通のサークルとは違うところですね。最低限襖張りに習熟していないとこちらとしても責任を取れないですし。そういう意識は持って欲しいっていうのは普段から部員に伝えるようにしていて。

あ、でもオンオフの切り替えはしっかりしてるから雰囲気自体はゆるいですよ!襖の前以外では上下関係も全然厳しくないですし。

受け継がれる技術

編集部
ついさっきも襖の張り替えを目の前で見せてもらったばかりなんですが、みんなどうやって襖の張り替え方を学ぶんですか?

ささ
基本的に全て先輩からの伝承ですね。入部したての頃に講習会があってそれで基本的なやり方を教えた後は、部室に練習用の襖があるのでそこで練習してもらうっていう感じになります。あとは現場に仕事しに行くときは基本的に今日みたいにツーマンセルで動くんですが、その現場での実践を通して身につけてもらう部分も多くて。

練習用の襖たち。

部室には襖紙も。

ささ
あとうちは結構理系が多いのと引退って概念がないから層はかなり厚いんですよ。上の世代になると踏んだ場数も多いから、後輩に伝えられることもかなりあって。自分は「卒業前までに技術をちゃんと伝えないと」って思ってるので時々厳しくなってしまうこともありますね。

しほ
正直最初さささんのこと怖いと思ってました・・・笑
ささ
何回かあったんですけど、一番悔しいのが職人さんに「学生だから技術なんてたかが知れてる」って言われてしまうことで。実際修行期間一年で現場に出るって本当の職人さんだったらあり得ない*ことなので、そう思われてしまうのは仕方ない部分もあるんです。ただ最初は下手な分、先輩がきちんと教えてきっちり経験を積むことで4,5年目になれば遜色ない働きができると信じているので。

*最初の3年間は襖を触らせてもらえないのが普通だという。

編集部
かっこいい・・・

しほ
私もこれから頑張らないといけないですね。

編集部
応援しています!!

襖を張り替えるということ

編集部
年間どれぐらい仕事を受注してるんですか?

ささ
1年で120件ですね。一般家庭からの注文が多いけど、お寺さんなどの施設からも注文を承っています。ちなみに障子の張り替えもやってるんですがこれは全国最安値でやってます笑

かなり大規模な障子の張り替え作業。

編集部
宣伝挟んできましたね笑

ささ
チャンスはやっぱり生かさないといけないじゃないですか笑

あ、でも値段には本当に自信があって、障子に関しては全国で二番目に安い業者さんの6割ぐらいに価格でやってるんですよ。

編集部
それはすごいですね。家の障子が破れちゃった時とか相談させてください。。。さささん自身は今までどれぐらい担当されてきたんですか?

ささ
メインでやったのは70件ぐらいですかね。

そういえば、この前自分のおじいちゃんの部屋の襖を張り替えたんですよ。で、ちょっと暗い話になっちゃうんだけどその部屋が後々臨終する部屋になる時の可能性が高いってことに気づいて。そう考えると少しのミスも許されないなっていうのを改めて感じましたね。

一回一回の襖の張り替えは僕らにとっては数ある案件のうちの一つなんだけど、お客さんからしたら滅多にやらないイベントだからうちに依頼してくれた以上期待に応えないとだめっていうのは常日頃から考えるようにしています。

襖の張り替え

編集部
今後の展望とかを聞いてもいいですか?

ささ
かなり大きな目標になっちゃうんですけど、みんなが襖に抱くイメージを変えたいなって思ってて。

ていうのもどうしても襖って「古めかしい、ダサい」みたいなイメージが定着してしまってるんですね。実際世間では無地の襖がほとんどで、それだとダサいと思われても仕方がない。。。

ただ、今日やったみたいに意外と襖ってデザインの自由度が高いんですよ。色付きの襖紙があるからそれで色んな柄が作れるし、モダンな襖もそれで実現できる。

しほ
私も正直襖はあんまりかっこ良くないなあって思ったので、さっき見て目から鱗でした笑

編集部
僕もびっくりしました。全然雰囲気変わりますね

実際に襖クラブが手がけた襖。

ささ
だからこういうのをもっと広めていけたらなあって思ってます。UmeeTの読者の方から注文が入ったらめちゃくちゃ嬉しいですね笑

編集部
最後に一言お願いします!

しほ
襖クラブは大変だけど楽しくてやりがいのあるサークルなので、例えば手に職が欲しい方とかで興味ある方いたらぜひ!

ささ
僕の目標はそうですね、みんなにもっと襖の面白さを知ってもらいたいのと襖クラブにちょっと興味を持ってくれたら嬉しいな。あとは家に襖がない人でも、友達の家に襖があったらぜひ教えてください!お仕事欲しいです!

 

  • 襖クラブURL: http://fusumaclub.webcrow.jp/
  • Twitterアカウント: @fusumaclub
  • mailアドレス: fusuma.club@gmail.com

 



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