こんにちは、今まで五月祭の模擬店を舐めていました。苔です。
いきなりですがクイズです。下の3つの料理がどの国の料理か線で結んでみましょう。
……全然わからないですよね〜〜〜!!!!地図上の位置も宗教も首都も気候も色々勉強した割に、食べ物って全然わからないですよね〜〜〜!!!!
その国の人がいつも食べているものを食べるってめちゃくちゃ素敵な文化交流ですし、単純に食べたことがない味があるって何だか損じゃないですか?味も、食感も、匂いも予測がつかない食べ物があるなんて、それだけでドキドキしませんか?そんな胸の高鳴り、味わいたくないですか?
しかもそれぞれの食べ物は各国の代表選手。日本で言うところの唐揚げポジション。食べない理由がッ………ないッ…….!!!
ということで何だか食べたくなってきた皆さん、なんと、全部五月祭で食べられます。
十数カ国の留学生模擬店が軒を連ねる五月祭、実質世界旅行。
今回はそのうちの三ヶ国の留学生模擬店の出店者にお話を伺ってきました。
そこには、口に入れるまで分からない、そんな未知の世界との真の交流が待っていました。
世界一高い山エベレストで有名なネパール。お話をしてくれたのはこの方。
──よろしくお願いします。今回の出店について詳しく教えてください。
私たち「ネパール人留学生協会」はネパール料理の模擬店を出店します。ネパール人留学生交流会は現在21人で基本的に人伝てで加入していく形ですね。
模擬店では、ネパール人のソウルフードである「モモ」を売る予定です。
──果物以外にモモという食べ物があることを今知りました。
餃子をイメージしてくれれば大丈夫です。鶏ひき肉、キャベツ、玉ねぎ、長ネギ、スパイスを混ぜて作った餡を小麦粉の皮で包んでソースをつけて食べます。ソースはすりごま、トマト、ターメリック、玉ねぎ、ガーリックなどのスパイスから作ります。
──完全に餃子ですね。
見た目は完全に蒸し餃子なんですが、味は全然違います。ネパール独特のスパイスがその決め手になっているんですが、こう、なんというか………日本の餃子とは全く美味しさの質が異なっているんですよね。
味は…日本料理に近いものがないので食べないとわかりません(断言)。
──どうしてそんな謎に包まれたモモを売ることにしたんですか?
モモはネパールだと週1以上で食べる一般的な料理なので、自分の国の文化をありのままに見てもらうには一番良いかと思いました。
五月祭では色んな学科が研究室ならではの出し物をしていますが、同じようにネパール人がネパールならではの料理を五月祭で売ることに意味があると考えています。
モモは東京でもほとんど食べられない料理なので、せっかくの機会にぜひその味を体験してほしいですね。
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次は
世界で一番首都の名前が長いことでおなじみの島国です。筆者も小学生の頃友達の前で自慢げに「スリジャヤワルダナプラコッテ!」と連呼しては自己肯定感を高めていました。小学校の友達、あの時はゴメン。
お話ししてくれたのはこの方。
──よろしくお願いします。今回の出店について詳しく教えてください。
私たち「Sri Lankan Students’ Association」は五月祭でスリランカの国民的フードである「ホッパー」と「デビルチキン」と「ティー」をセットで、500円で販売します。
──なるほど分からん。
ココナッツミルクと小麦粉でできた液体状の生地を鍋に薄く伸ばして焼く、器のような形をした非常に薄い食べ物です。そのため周辺の部分は薄いぶんパリパリに、生地が溜まって少し厚い底の部分はフワフワな2つの食感を味わうことができます。
ココナッツミルクの優しい甘さが口にじんわり広がります。この上に「デビルチキン」を載せて一緒に食べます。
玉ねぎと鶏肉に、胡椒・チリパウダーなどのスパイスとトマトソースを合わせて焼いたものです。本来は「デビル」という名の通りかなり辛いのですが、今回は日本人向けに少しマイルドにしています。
一見普通の見た目に見えますが、スパイスの辛さとトマトの酸味やホッパーの甘さが複雑に絡み合い、きっと食べたことのない味だと思います。
そのため味は上手く言葉で説明できませんが、美味しいことだけは確かです。
また今回はスパイスも私たちが丁寧に一つ一つ選んだものですので、こだわり抜いた美味しさを提供できることと思います。
言わずと知れたセイロンティーです。今回はアイスセイロンティーとアイスコーヒーのどちらかを選べるようになっています。特にセイロンティーはスリランカから直接輸入したものですので、質の高い紅茶を楽しんでいただけると思います。
──10000パーセントうまそう…………………………。
出店するにあたって、今回のこだわりはどんなところでしょうか。
まず、こんなに複雑な料理ですが模擬店で調理したものを出すので、ホカホカのホッパーとデビルチキンを食べていただけます。
味に関しても、日本人の舌に合わせたり、自分たちで一つずつスパイスを選ぶなどこだわりと工夫を積み重ねて作っているので、きっと満足していただけると思います。
──最後に、今回の出店に懸ける想いを教えて下さい。
やはり一番の目的は、日本人の方と交流できるという点です。模擬店料理を通じて日本人とお話しすることは、私たちの貴重で心温まる瞬間です。
また日本人の皆さんに、スリランカの文化に触れ、実際に国で一番人気な食べ物を味わってもらうことで、スリランカと日本との文化交流ができればいいなと思っています。
あと東京大学にはこんなにスリランカ出身の学生がいるんだということを知ってもらう機会でもあるのかなと思います。
めったに食べられないスリランカ料理をこの機会に召し上がってもらい、スリランカ文化に親しみを持っていただけたら、これ以上の喜びはないですね。
最後はパキスタン。この前友達に「パキスタンの形って右を向いたティラノサウルスに似てない?」と言ったら眼科の受診を勧められました。
お話ししてくれたのはこちらの方々。
──よろしくお願いします。今回の出店について詳しく教えてください。
今回「Salam Pakistan」では、サモサとパコラを販売する模擬店を出します。
──料理の名前めっちゃ可愛いですね。
サモサもパコラも、日本では馴染みの薄い食べ物ですが、両方ともパキスタンの代表的な食べ物です。
ジャガイモや玉ねぎなどに香辛料を混ぜて具を作り、小麦粉でつくった薄い皮に包んで揚げたものがサモサ、衣をつけて揚げたものがパコラです。
両方とも軽食として、パキスタンで食べられています。
とくに雨季の時期には、家庭でパコラを作る風習があり、おやつの時間によくお茶と一緒に食べることが多いんですよ。
またパコラはラマダン(30日間ある、断食の時期)の期間中の食事で、最初に出てくる料理としても有名です。
──そんな郷土料理を日本人に食べてもらう上で、注意した点はありますか?
日本人はそれほど辛い味を好まないので、香辛料の味付けは本国でより控えめにしてあります。
でも料理の作り方自体は何も変えていないので、本場での味をそのままお届けできると思います。
──最後に、五月祭に出店する上での意気込みを教えてください!
私たちは毎年五月祭と駒場祭に出店しており、その年に東京大学に入学した留学生の会員は模擬店への参加が必須となっています。
パキスタンという国や、その文化を人々に知ってもらう機会は年に2回の文化祭しかないので、この機会に出来るだけ多くの方々に郷土料理を楽しんでもらうことって私たちの団体にとってすごく重要なんです。
作ったサモサやパコラを美味しい!と食べてくれる日本の方々を見るのは、とても嬉しいものですよ。
タピオカや牛串みたいな「いかにも五月祭」な食べ物も祭りっぽくていいですが、いろんな国の未知の食べ物を口いっぱいに頬張る五月祭……..考えただけでワクワクしませんか?
五月祭は、各国の学生が作る、クオリティが約束された食べ物が一堂に会する機会でもあるんです。
今回取材した3カ国以外にも、十数カ国の模擬店が出店する予定です。
いつも通り「定番」の模擬店だけで済ませようと思っていたそこのあなた、
各国の文化の旨みを堪能し、口の中だけでも世界旅行へ出かけてみませんか?