私がこんな噂を聞いたのは、自分自身の大学試験の前、英語を得点源にしようと、毎日単語テストやら長文演習やらと格闘していた時だった。
「外国語の試験は、英語以外で受けると簡単らしい」
…え?ずるくない???
たまたまマイナーな言語を習得する機会があったからって、私たちが必死にもぎとっている英語の試験の貴重な1点を、さらりとかっさらわれてしまうなんて。
私にもフランス語とか別の言語を勉強する機会さえあれば!受験戦争を楽に突破できたのに…!!!!!
受験前で鬱屈としていた私は、そんなことを口走っていたりもしたのだが・・・
結局独学で新しく外国語を習得することは諦め、英語受験で大学に入った私。
これで外国語の習得とは完全に縁が切れる、と思いきや、大学に入るとすぐに、第二外国語の習得機会が訪れる。
大学生の皆様おなじみの、初修外国語の時間である。
これが結構本格的で、1年間の授業時間だけで理系が68.25時間、文系だと113.25時間。
高校の授業で言えば、1限から6限までずううううううっっとフランス語の授業!という鬼のような時間割が、
理系なら14日間、文系なら23日間続くと考えてもらえばいいだろうか。
復習の時間を1セメスター・1コマ(学期)あたり10時間と仮定すると、トータルで理系は98.25時間、文系は163.25時間にものぼる。
進級要件に関しても、語学は他の教科より厳しくなっている。
ちなみに勉強しないともう一年遊べるドン!(といいつつ留年します)
いやよく考えてみ?
受験戦争をのり超えてきた東大生が、こんなに長い期間、実際にフランス語を1年間みっちり勉強して、ある程度は上達しないとおかしくないか????
え、私?ちゃんと筆記試験「優」とったもん。(注:「優」大学の成績で8割以上取ったことを示す。東大は相対評価を導入しているため、学生同士「優」を奪い合う構図が至る所で散見される)
…やっぱり、第二外国語楽勝だわ。
そう思える余裕が出てきたある日、ふと受験生時代の自分が蘇ってきた。
もし実際にフランス語を独学で勉強していたら。
英語の点数をあげよう、とやっきになることもなく、余裕しゃくしゃくの受験ライフが送れたのか…?
いざ、昔血迷った自分と決別するために。
去年の外国語の試験を自ら解く決断をしたのだ。
大学の担当課に申し込んで1週間。
ようやく問題が届きました。
よし解こう、と問題を開いて
解けない。
解けないとかいうレベルではなく、
文字として認識できない。
本当に去年フランス語受けていたっけ…?というレベル。
いやでもさ!
私、大学2年生なんですよ。フランス語の学習からは、1年間のブランクがあるわけで。(謎の開き直り)
もし去年受けていたら余裕で、合格ラインに届いたかもしれないじゃないか!
…でもそう虚勢を張ってみても、今の実力は白紙の答案を見れば明らかだし、時間を巻き戻すことはできっこない。
だから私は、後輩たちに思いを託すことにした。
「外国語の試験、解いてくれない?」
期末試験明けで勉強から解放されたばかりの1年生たちを捕まえ、どうにか答案を集められた、のだが。
肝心なことを忘れていた。
私、まる付け出来ないんだった。
というか、外国語読めないんだった。
外国語の試験が実施されるのは基本的にドイツ語、フランス語、中国語の3言語。
一応一通り学習したはずのフランス語さえ1題も解けないのに、他の言語についてなんて何か講評さえ言えるはずもない。
そうじゃん。
誰が採点するねん。
考えてみれば当たり前の、この課題に悩んでいた私に、救いの手を差し伸べてくれた奇跡の集団がいた。
「インタークラス」の皆様である。
彼らは既習外国語で英語以外を選択する、いわば東大生の中の「言語のスペシャリスト」が集う場所といっても過言ではない。
今回の企画への協力を快諾いただき、無事【第二外国語で東大二次試験を受けてみよう】企画は日の目をみることとなった。
ルールは簡単。
※手軽に実力をはかるため、英語の問題と一部差し換えの可能な、大問ⅣとⅤに限定しました。
さて彼らは、私の無念(?)を無事に晴らすようなすんばらしい点数をとってくれるのだろうか…?
果たして結果は如何に…!?
※
ちなみに「僕も私も、東大の問題を解いてみたい!」というあなた!
最後に該当の問題部分を掲載してあります!!!
ぜひ解いて、実力試しをしてみてくださいね。
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