【あなたの想いを伝えるために】東大生が学ぶデザインって?

2017.11.23
すぎとも

東大生デザイン

「あまり縁がないな」と思った画面の前のみなさん。

……待って、もう少し読んでいって!

実は東大生でも、いや、東大生こそ、デザインを学ぶべきなんです。

え?と思われたあなた。どうぞ最後までおつきあいを。

なぜ東大生と「デザイン」なのか

それは、「デザイン」が世界を変えるからです。

世界を変えるよ!!

ごめんなさい。ちょっと大きく出すぎました。

でも、「デザイン」は社会をよくするためのツールとしてこの先どんどん重要になるとぼくは考えています。

それでは、ちゃんと順を追ってお話ししていきますね。

「デザインデザインっていうけど…」

まず、みなさん「デザインなんて東大生にはあまり関係ない」と思っていることでしょう。おしゃれで、ハイセンスで、どこか“遠い人”がやるものだと思ってませんか?

こんな感じだと思われがち

これからお話しする「デザイン」はただオシャレなものを指すのではありません。もうちょっと身近なもの。

ぼくの考える「デザイン」とは、情報を受け取る相手のことを考えて形に落とし込むことなんです。

もう少し具体的に言えば、どんな人が読むのか考え、自分の考えがちゃんと伝わるように、画像で補足したり、言い回しに気をつけたり、文字の大きさや太さ・色を変えたり…と工夫すること。

例えば授業内のプレゼン。文字サイズが小さすぎると後ろの人はよく見えないので、やや大きめに。一番伝えたい部分には色を変えたり、下線を引いたり。

ほら、見やすくなったでしょ。

こんなふうに、デザインは考えていること・伝えたいことを最適な形で伝えるためにとっても大事なツールなんです

みなさんも、試験用に見やすくわかりやすいノートを作ったり、サークルの新歓期にビラ作ったりしますよね。あれもデザイン。

そう、多くの人は意識せずともデザインに関わっているのです!

で、なんで東大生が学ぶべきなの?

では、なぜ東大生がデザインを学ぶべきなのでしょうか。

デザインは、考えていることをわかりやすく、意図に即して伝えるためのツールです。

つまり、難解な内容でもデザインの力を借りれば、より多くの人に伝えることができるのです!

東大生のぼくたちには、革新的なアイデアを世間に発信し、社会をよりよくしていくことが求められています。ただ、難しい研究の成果や新たな法制度は、正しく理解してもらえないことが多いもの。せっかく中身が良くても、そのことが伝わらなければもったいないですよね。

そんな時にこそ、デザインがみなさんの力になります。

難しい問題に取り組む東大生ほどデザインを学ぶ意義は大きい!と思うのです。

ここまで読んで、「え、じゃあ、デザインできるようになった方がいいんじゃん!」と思ってくれた方、ありがとうございます。いい反応。

でもどこで勉強できるの?結局はセンスとフィーリングじゃないの?」と思った人。

……デザインの授業、東大にもあるんです。

駒場にデザインを学べる授業があるらしい

長々語っているうちにだいぶ申し遅れてしまいました。

杉友駿介と申します。

ぼくは今年の夏学期に駒場で行われた「グラフィックデザイン概論」という講義でTA(ティーチングアシスタント)をしていました。

TAと言うと院生だと思われがちなのですが、実は文科三類の2年生です。(ちなみに、来年も2年生。)

普段はデザイナーとしてロゴとかパンフとか作ってます。いろんな人の想いを聞いて形にすること…やみつきです!

デザインを勉強するってどういうこと?

おっとっと。先ほどのお話に少し戻らせてもらいますね。

みなさん、デザインは「センスとフィーリングで行うもの」だと思ってはいないでしょうか?

…違います。

デザインは知識と思考と実践によるものです。

例えば、フードイベントのチラシを作るとしましょう。

そのチラシのベースカラーをどの色にするかで、印象って大きく異なってきますよね。

赤とか黄色とかを使うと、あっという間にあら美味しそう!

どっちが美味しそうに見えるかな?

青を多めに使うと画面の温度が低く見えます。冷めたご飯は…あまり美味しくなさそうですよね。

使う色ひとつとっても「なんとなく赤〜」とか「私、青好きだから〜」ではなく、「ブランドの宣伝なので、紫で高級感を演出!」という風に選んでいきます。このような知識をつければ、もっといい表現ができるようになります!

つまり、何が言いたいかというと、
デザインは、学べばできるようになります。

センスやフィーリングは、まあポケモンの個体値みたいなもの。「個体値(=センス・フィーリング)とか知らないけど、知識をしっかりつけてレベル上げればとりあえず戦えるじゃん!」みたいな話です。笑

グラフィックデザイン概論

そして、東大生のためのデザインを学ぶ講義。それがグラフィックデザイン概論なのです。この授業は「東大生が学ぶデザイン」を実現するべく、デザイナーの保田容之介さん が開講している講義です。2014年から開かれていたのですが、みなさんご存知だったでしょうか?

具体的に、この講義は座学ワークショップの2軸で構成されています。

まずは座学。
フォントの選び方、色の使い方、要素の配置、デザインの対象者について考えること…などデザインにおいて必須の知識を一学期で網羅的に学ぶことができます。

デザインの知識をつけるには、本を読むのも効果的。もしかしたらそれだけでぐーんと「デザインの力」をつける人もいるかもしれませんね。

でもこの講義がもっとすごいところは、各要素において「ユーザーに対してどんなアプローチをとるか選択し、どう形に落とし込むのか」という部分についてプロのデザイナーから直接聞けることです。

ぼくも仕事の時は本にお世話になっています。

続いて、ワークショップ。

知識があっても、実際に作れないとなかなか「デザインやってます」とは言いづらいですよね。という事で、グラデザでは実際に手を動かして作る時間も設けています!

と言ってもやみくもに作るのではなく、目的に対して最適なアプローチを選択し、制作をするのがグラデザ流。

作ったものに対して、保田さんやほか受講生からレビューがあるのもこの授業の特徴。自分の考えたことがちゃんと伝わっているか、もっといい方法がないか…この時間があることでもっともっと深められます!

ぼくがこの授業を作る上で一番重視していたのは、このレビューの時間です。

やっぱデザインって、相手あってのものなので。

…とはいうものの、他の人の制作に意見するのってなかなかハードル高いですよね。

相手が怒っちゃうかもしれないし、言ってることがあってるかわからない…

というわけで、そのハードルを下げるべく、授業ではグループワークを取り入れたりゲームを取り入れたりして、みんなが話し合える空気感づくりに取り組みました!

その甲斐あってか、「アットホームで楽しかった」という感想が多かったです。

そんなこんなで最終回。発表された課題は力作揃い。授業をしっかり受けると、このレベルのものが作れるようになります!たぶん!

提出された最終課題のひとつ。お題は「東京大学の紹介パンフレット」でした。

来年度の授業についても準備を進めているので、一年生の方はぜひ来年の授業受けてくださいね!

ちなみに、この授業。実は初回講義の際は定員の5倍を超える人にお集まりいただきました。

ん?最初に「デザインは“遠い人”がやるものって思われがち」って言いましたけど……

東大生、意外とデザインに興味あるじゃん!

たぶん、みんなデザインに触れる機会がなかっただけだと思うの。

そうなると、東大にもっとデザインを学び、実践する場があれば、そしてゆくゆくは、デザインの文化が広く根付いていけば社会がより良くなるのでは?

それでも年40人。これだけだと足りないですね。

どうにかして色んな人がデザインに興味を持つきっかけを作りたいもの。

何かできることはないですかね…?

グラフィックデザイン概論の「これから」

「東大生×デザイン」をもっとひろげる

これまで「グラフィックデザイン概論」は年に40人ずつを受講生として受け入れ、東大生に対しデザインの手法と、デザインをするとはどういうことなのかという考え方について発信してきました。

しかし、毎年変わるメンバーで3か月ずつ講義をしていくだけでは、東大にデザインの文化が根付くことはないでしょう。

ぼくたちは、将来デザインの大切さはもっと広く知られて、「読み書き計算」と同じくらい基本的なリテラシーとして根付いていってほしいと願っています。東大での講義はその出発点。

日本のアカデミアの頂点である東大の学生がデザインを学ぶ。社会で活かす。そうして、「伝えるためのデザイン」がだんだんと“当たり前”になっていく。そういう流れを生むためには、東大生に限らず、もっと多くの人に「東大生×デザイン」の活動を知ってもらいたい。

駒場の一角から東大へ、社会へ。

講義だけにとどまらないグラフィックデザイン概論の第一歩は、駒場祭でぼくたちのこれまでといまを、みなさんにお見せすることです。

駒場祭で「東大生×デザインのいま」を見せます!

ぼくたち「グラフィックデザイン概論」は、駒場祭でここまでの活動の足跡をお見せする企画を用意しています。

企画1:授業「グラフィックデザイン概論」の展示

展示では、受講生による制作物をメインとすることで東大とデザインの「いま」について見つめていきます。

具体的には、今年の夏学期のグラデザ受講生が制作した解説ボードで、あなたも明日から使えるデザイン知識を紹介します。

また、先ほども登場した授業の最終課題を制作時の工夫やコンセプトなどを添えて展示します。

他にも、ロゴを用いたウォールアートを展示します。このロゴは受講者と講師、TAで一緒に制作したもので、展示ではその成り立ちについてもご覧いただけます!

デザインに興味のある人や、興味をもつ人の入り口に。

等身大の制作から、デザインを始めるきっかけにしませんか?

場所: 東京大学駒場キャンパス 

 展示:21 KOMCEE West 地下1階 レクチャーホール

日時: 11/24(Fri)-25(Sat) 9:00-18:00・11/26(Sun) 9:00-15:00

展示企画のFacebookイベントページはこちら

企画2:パネルディスカッション「東大×デザインの可能性」

展示企画だけではなく、ぼくたちの思いを直接聞いてもらうために、講演会も準備しています。

この記事を通して語ってきた「東大×デザインの可能性」について、第一線で活躍するデザイナーの方とぼくたちで、みなさんに向けてお話しします。

そして今回、講演者として来て下さる方がめちゃくちゃビッグネームです。

ここまでぼくが描いた夢物語は、正直言って現実感ないですよね。

実際にデザインの世界の第一線で活躍している方々の話から、東大とデザインとの「みらい」を描いてみませんか?

しかも、ご本人の希望もあり、パネルディスカッションのあとには聴講者との交流会が開かれることになっております。

講演企画のFacebookのイベントページはこちら

講演者:

小林 章さん (ドイツ Monotype タイプディレクター)

日本語書体ヒラギノ明朝の欧文などを設計したのち、欧文書体のディレクターとして2001年よりドイツ在住。日本でも、ソニーが現在使用する欧文コーポレート書体など小林の仕事の使用例が多くみられる。小林が監修も務めて2017年に発表した日本語書体「たづがね角ゴシック」が今年の駒場祭テーマフォントに選ばれた。

永井 一史さん (株式会社HAKUHODO DESIGN 代表取締役社長)

日本を代表するクリエイティブディレクター。グッドデザイン賞審査委員長。サントリー伊右衛門や&TOKYOのブランディングを行う。

東京大学駒場キャンパスの21 KOMCEEのマークやサインもデザインした。

保田容之介(デザイナー・東京大学非常勤講師)

日本のデザイナー。グラフィックデザイン・映像・UI/UXなどを専門としている。

2014年より東京大学教養学部において全学自由研究ゼミナール グラフィックデザイン概論の講師を務める。

場所: 東京大学駒場キャンパス 

 講演会:21 KOMCEE West 地下1階 レクチャーホール

 交流会:21 KOMCEE West 地下1階 オープンスペースアリーナ

日時: 11/26(日) 10:00-11:00

 (開場は9:30。講演会終了後には登壇者も含めオープンスペースアリーナで12:00まで交流会を開催)

ぼくたちの「いま」と「これから」を、ぜひ見に来てください。

当日お目にかかることを楽しみにしています。ありがとうございました!!

この記事を書いた人
すぎとも
はじめまして! すぎともです。UmeeTのライターをやっています。よろしければ私の書いた記事を読んでいってください!
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