【世界を「創る」】僕が熱中する人工世界という芸術形態について

2017.08.13
中野智宏 a.k.a. Tormis Narno

序 自己紹介&人工世界・人工言語とは

自己紹介

Kardæ! Lóë Tomohíro Näkäno / Tormís Nárno. Ónohe nātu on værion në. (こんにちは! 僕は中野 智宏/トルミス・ナーノです。初めまして)

以上は僕の創った人工言語「アルティジハーク語」による挨拶でした。

初めまして、文科Ⅲ類2年の中野智宏です。

「人工言語? 言語を創る? なんのことやら」というあなた、そして、「マジ? 東大にも人工言語やってる人いるの?」と思ったそちらのあなた、この記事を読んでいきませんか。

ここでは、僕が熱中している、人工世界というこんにちではまだ珍しい作品形態について、その一部である人工言語の話も含めてしていこうと思います。

(画像は一応本人ですがイメージです。実際はパソコンとiPadも使って創作しています。)

人工言語・人工世界の定義

人工世界 conworld (constructed + world) / world-building という単語に、あまり一般に認められた定義はありません。僕はここで「人工言語や地理など、細かい作り込みがなされている架空の世界」と定義します。

一方で、人工言語 conlang (constructed + language) は、特に海外で比較的一般的に使われるようになってきた単語です。人工言語とは特定の人または団体によって創造された言語を指し、僕自身は人工世界の一部として捉えています。

また、人工言語はエスペラント語のような国際補助語、シンダール語・クウェンヤ語(『指輪物語』)やクリンゴン語(『スター・トレック』)のような芸術言語などの下位区分を持ちます。

さて、人工言語や人工世界はどのような歴史を持っているのでしょうか。

人工言語だけでいうと、11-12世紀の神聖ローマ帝国の修道女 ヒルデガルド・フォン・ビンゲンまで遡ります。

彼女は lingua ignota ——「未知の言語」として、「神」「天使」などを表す架空の単語を作り出しました。その用途はもっぱら宗教的なもので、神秘性を高めるものだったと言われています。

「人工世界」と呼びうるようなものを生み出した有名な作家といえば、J.R.R.トールキン(『ホビットの冒険』『指輪物語』)やC.S.ルイス(『ナルニア国ものがたり』)などでしょう。

実はそんなに新しい発想ではないんですね。このうち、トールキンはエルフたちのためにシンダール語・クウェンヤ語を創り、現在世界各地に熱狂的なファンをもっています。

また、『スター・トレック』のクリンゴン語、最近では『アバター』のナヴィ語、『ゲーム・オヴ・スローンズ』のドスラク語・高ヴァリリア語など、様々な作品を通じて、人工言語はメジャーになってきています。

ここでいう人工世界においては、設定の細かさとア・プリオリ性(ラテン語 a priori; 「先天的な」の意で、既存のものに依らず、一からなされていること)が重要になります。

少なくともここでは、人口世界は単なるハイ・ファンタジー(異世界ファンタジー)とは区別して扱います。

次ページ:人工世界を創り始めた理由

この記事を書いた人
中野智宏 a.k.a. Tormis Narno
はじめまして! 中野智宏 a.k.a. Tormis Narnoです。UmeeTのライターをやっています。よろしければ私の書いた記事を読んでいってください!
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