ウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」をご存知ですか?
テレビやWEBなどで名前を目にすることがあったのですが、
プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、絵師、数学者、建築家、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナー、編集者など、デジタル社会の様々な分野のスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。
アート、サイエンス、テクノロジー、クリエイティビティの境界を越えて、集団的創造をコンセプトに活動している。
とのこと。いろいろと気になります……。
今回は現取締役でチームラボのブレーンと噂の、堺大輔さんを突撃させていただきました。
取材を始める前に、そもそもチームラボはなにをやっているのでしょうか……?それが少しわかるような作品を一部紹介します。
LEDを三次元に配置してできているデジタルな花火。
スマートフォンと連動して、鑑賞者がスマートフォンで好きな花火を選んで打ち上げられます。
チームラボが展示制作を担当したミラノ万博 日本館「HARMONY」
水田をモチーフにしていて、高さの異なるスクリーンで埋め尽くし、人の位置に会わせて映像が変わります。
稲穂を分け入れるかのような感覚で、日本の自然を体験することができます。
チームラボ、めちゃかっこいい作品ばかりですよね。
(堺さん)他にもアプリ開発などやっています、とにかくデジタルとクリエイティブを融合させたもので、没入体験を作りたいと思っています。
ただ画面の中の映像を作るのではなくて、空間全体をデザインしてその場でしか体験できないことを作るのを目指していて、そしてそれを世界中の人に体験してほしいんです。
オフィスもめっちゃかっこいい空間ですね。
チームラボでは、さまざまな専門家と議論を重ねながらモノ作りをしていくため、それに適したオフィス空間のデザインもしています。また、他の会社のオフィスのデザインとかもさせていただいています。
ちなみに仕切りは無くしていて、会議とかもオープンな状態でやっているので、簡単に割り込めます。物理的な距離が近く、いつでもコミュニケーションを取れることが重要だと思ってます。
↑チームラボのミーティングスペース
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そう言えば、ウルトラテクノロジストってなんですか?
ウルトラテクノロジストっていうのは、単にエンジニアとかデザイナーのことを言ってるのではなくて、
人間しか作れないものを作り続ける事ができる人たちのことです。
もう少しいうと、
誰もやったことがないことを作ってみては考えて、っていうのをくりかえせる人です。
なるほど。チームラボはそれができる集団というわけですね。具体的にはどのようなバックグラウンドの人がいるのですか?
分野で言えば、プログラマやデザイナはもちろん、数学者もいるし、建築家もいます。
それぞれがかなり異なった得意分野を持っています。
だから、チームラボにはディレクター的なものはいないんです。
すべてを理解してdirect(=指示)することは不可能だから。
さらりと、めっちゃやばいこと言ってますよね。どういう組織構成になっているのですか?
チームラボでは、カタリストという役割があります。英語で触媒という意味です。
触媒?カタリストとは一体?
チームラボはプロジェクトベースで動いていて、大抵はデザイナーもエンジニアもいます。
そしてカタリストはそれぞれのプロジェクトに一人以上入るんですが、無理に指示を出すのではなく、メンバーの力を最大化するように触媒みたいな役割を果たします。
カタリストがすべてを知っているわけでもないし、上から指示を出すという形ではないので、そこに階層関係はありません。
それはこの机にも現れていて、一人くらいしか同時に書き込めないホワイトボードとは違ってみんなで囲んで同時に書き込みながら話し合いができるんですよ。
すごいフラットな組織なんですね。
よくそう言われますが、実はヒエラルキーはたくさんあります。
多くの会社みたいな、係長、課長、部長みたいな軸はないけれど、たくさんの軸があります。
あの分野のことだったらあの人が一番、とかいうように分野でタグ付けされていて、そこにヒエラルキーがあるんですよね。超多元的な感じといえばわかりやすいでしょうか。
なるほど、実力主義っていうことですかね?
そういう部分もあります。
どこかの企業がチームラボを買収しようとしても、マネジメントできないと思います。
一見フラットに見えて、超複雑。そしてディレクターはいない。
一歩間違えれば自由さのあまり暴走してしまうであろう組織。これを器用に動かしている堺さん、やばすぎます。
(オフィスの壁が黄色なのは、テンションが上がるから、だそうです)
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