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「いや、イスラム教徒と暮らすことはどうしてもできない」13カ国の学生と1週間暮らした中で見えてきた、「マジモン」の国際交流とは

2017.04.23

どれだけあるんだよ、国際系学生団体

国際交流、興味ありませんか?」「国際系の学生団体入りませんか?」

あなたは何回、こんな感じの新歓キャッチにあいましたか?

「もういいよ、聞き飽きたよ」「東大、意識高い団体多すぎ」

そんな声が聞こえてきそうです。

国際系を自負する東大中心の学生団体が勢ぞろいした合同新歓の参加団体数は28。

27もの競合他社に囲まれて、ひっそり頑張っている団体の1つが、

私の所属するグローバル・ネクストリーダーズフォーラム、略してGNLFという団体です。

(じーえぬえるえふ、滑舌難しいんですよね…)

知名度も低い、

団体名の滑舌は難しい、

イベントの人集めもお金集めも順風満帆ではない。

そんなGNLFが誇れるものはただ1つ。「マジモンの国際交流ができる」ことです。

私たちが手がけるのは世界13カ国から学生を日本に集め、1週間寝食をともにして行う国際学生会議。

そこでの出会い…だけでなく、本当に激しい摩擦、衝突が「マジモンの国際交流」、本物の国際体験だと自負しています。

2017年会議の集合写真。この裏で数々の衝突・摩擦が…。

私にとって、初めてのGNLF国際学生会議になったのが、この春休みに横浜・東京で、

13カ国(南アフリカ、エジプト、チュニジア、ハンガリー、ブルガリア、キルギス、パキスタン、中国、シンガポール、オーストラリア、メキシコ、ブラジル、日本)から計39人を集め開いた第6回会議でした。

これが2017年会議の参加国。

これだけ色々な国を集めるとどうなるか。

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「マジモンの国際交流」体験談

「いや、イスラム教徒と暮らすことはどうしてもできない」

会議2日目の夜、イスラム教徒(敬虔なのではなく、豚を食べない程度)のアクラム(エジプト男子)と、ジョージ(ブルガリア男子)がともにいる班で、私がディスカッションのファシリテーターをすることになりました。

話題が難民になったとき、私が「結局人種や宗教がどうだと言ったって、経済的な理由から難民を排除するんでしょ」と言ったら、ジョージが

「いや、イスラム教徒と暮らすことはどうしてもできない、それ以上の理由はない」

とピシャリ。

場の空気が凍りつき、ジョージは付け加えるように「お前はいいやつだけど」とアクラムに言いましたが、

アクラムは「エジプトではシリアからの難民が優秀な経営者としてエジプト人の雇用を増やしているから、難民が受け入れられてる」と応戦。

(シリアとエジプト文化圏近いけど、と私は思いましたが。)

ジョージもさすがに、つい言ってしまってまずかったと思ったらしく、その後は宗教関連の発言は引っ込めていましたが、納得はしていない様子でした。

ジョージの口ぶりは、イスラム教を蔑視しているというよりも、異文化・異宗教が同じ国のうちに同居することがどうしても信じられないという感じで、多文化主義を誇るオーストラリア、狭い国土に多様な民族・宗教が共存するのが当たり前なシンガポールの学生たちと対照的な世界の見方です。

参加者はみんな裕福な大学生で、結構似通った価値観や世界観を持っているなと思う時間がそれまで多かっただけに、衝撃的な経験でした。

ディスカッション風景は写真映えするけれども。

1国対1国、1大学対1地域、の交流では決して生まれない摩擦。

イスラム教は当たり前だと思って育ったアクラム、

実際に難民危機の受け入れ側当事者ジョージ、

遠く離れた日本で、特定の宗教によることなく難民危機を傍観する私。

その3者が揃うとこんな火花が散るのか。
うわべだけじゃない、国際交流のリアルの真っ只中にいると思うと胸が熱くなりました。

頭のてっぺんにチューして和解!?

衝突、摩擦の類は国際問題をめぐって、だけではありません。
例えば、1週間一緒に生活していると、集団行動に対する認識の差にいつも悩まされます。

そもそも、出身国によってあきらかに歩く速さが違いすぎるのです。

初日にメキシコ女子2人を駅からホテルに誘導するとき、ふと後ろを振り向いたら2人ともはるか後ろを歩いてる。

シンガポールの子達とお昼に行くと、割と小走り気味じゃないとついていけない。

こんな調子なので、班別観光の際、「友達が多い班に移りたい」と自分の一個上のエイドリアン(ハンガリー男子)にごねられた時は「まじか」と思いながらも、めんどくさいので「いいよ」と言ったら、

「君を嫌いになったわけじゃないんだ」と言われ、「和解のハグをしよう」と、ハグしてきてなおかつ頭のてっぺんにチュー。

Japanese shy girlの私は異文化すぎる、と驚愕。

イケメンでも、運営にとって問題児は問題児です。

左側の彼がエイドリアン。初日からGNLF1年女子の中で神格化したイケメン。

 

これについて、GNLFの同期内では、男子が幼稚なのは万国共通っていうだけ、という説もでました。

ちなみに、この話をシャロン(シンガポール女子、同室だった天使)にしたら、

シンガポールでは高校卒業後全男子に2年の兵役を課すことで大学・会社の同期は必ず2つ上、精神的に男女が同い年になるようにし、

女子が恋に落ちやすくして少子高齢化を防ぐ

という、いわば”一石二鳥な国策”を真面目にやっていると言っていて、さらにびっくり。

一方、班別観光で同班だったシンガポールの姉御肌女子スーリーは「日本運営が遅刻やルール違反に甘すぎて疲れる」とこぼしていて、ルールずくめの日本運営に文句タラタラなヨーロッパ勢とは逆の価値観。(文句も言わずルールを破る南米勢、アフリカ勢、な。)

集団での振る舞い方の文化差はいつも想像を超えました。

※〇〇勢、っていうのはそういう傾向がある、というだけで、実際は個々の学生のキャラの濃さが全面に出てました…

他にも、バングラデシュをEast Pakistanと表記するパキスタンからのアミット、ナイナ(2人は婚約中)に、

カップ半分ぐらいに砂糖を入れたスタバを飲みながら「誘拐婚の方が、結婚しないよりましかも、っていう考え方もあるのよ」というキルギスの恋バナ大好き女子チナラ。

日本と盛んに交流があるとは言えない国からやってきた刺客とがっつり向き合えるのもGNLFの魅力です。

各国が文化を持ち寄り、伝統衣装を着る、文化交流の夜のひとこま。

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