途中入部
と聞いて、皆さんは、どんなことを思い浮かべるだろうか?
スタートラインの時点で、他の部員より遅れをとることになる
つまりハードルが高い
そう、途中入部は誰もが敬遠しがちなこと
しかし、途中入部を果たした転部先で、エースの座を手に入れた
東大生ツワモノアスリートがいる。
その名も、岡崎恭直。
サッカーからアメフトへ
転向を果たし、
今や東京大学運動会アメフト部WARRIORSのエース選手として活躍中だ。
…凄そうだけど、そんなスーパーヒーローみたいな選手に限って
きっと、いわゆる「脳筋」で自分だけでなく人にも厳しいだけで中身はつまんないんでしょ?!
と思ってしまったそこのあなた。
勉強にもぬかりなく今のところフル単、
ストイックながらも最後には悩める人への思いやり溢れるメッセージまで送ってくれた
そんな岡崎選手のことを、是非とも知ってほしい。
記事の最後までどうかお付き合い頂きたい。
Q1 ア式を辞め、アメフト部に転部することを決意したいきさつは?
1年生の最初から入部したア式蹴球部(サッカー部)では、レギュラーになれるレベルではなく、怪我も続いていました。部活に貢献できる訳でもなく引っ張られる立場として続けていくメリットは無いと思い、
2年の4月に休部、翌月には退部を決意しました。
休部期間中、高校同期でアメフト部(WARRIORS)に入っていた人から、アメフトに向いているのではないかと言われ、アメフトと言う競技について調べてみました。ワンプレーごとに試合が止まるので、長距離よりも短距離の方が得意な自分には向いているのではないかと思ったんです。
様々なポジションがあり、それぞれのポジションで役割や必要とされていることが違うので
全員が活躍できる競技性も魅力的でした。
長年続けていたサッカーが好きだったのでア式を退部するのは辛かったですが、アメフト部は途中入部でも歓迎してくれ、全部員が選手以外の役割も持ちチームに貢献できる雰囲気が良かったですね。
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Q2 初心者でしかも途中入部ながら今や試合で活躍中ですが、入部後周りに追いつくために意識したことは?
最初は何もかも分からず、アメフトについて一から勉強しました。部活の全員で練習をするところだけでは周りとの差が埋まらないので、動画を見て徹底的に研究する時間を人よりも多く取りました。
ポジションは、最も体のぶつかり合いが激しいが、瞬発力が求められるDL(Defense Line…ディフェンスの切り込み隊長。ディフェンスの最前線で奮闘する、通常4人からなるユニット。爆発的なスピードとパワーで、敵に襲い掛かる。)なら、足の速さ(50mは 6.1秒!)を生かせると思いDLを選びました。
体格も必要なポジションなので、入部してから現在に至るまで30kg体重を増やしました。その他、風呂上りに30分ストレッチをし、食事にも気を使って、人よりも効率的に上達するにはどうすれば良いかを考え続けました。
Q3 勉強面でも抜かりないとのことですが、部活と勉強をどのように両立させているのですか?
大学は勉強するところなので、親にも学費を払ってもらっている以上、それを見失うことはありません。「部活があるから勉強できない」は言い訳にならないと思っています。
各学期、18~20コマあった授業も全て出席し単位も取り切りました。両立するのに時間が不足することは無いので何かを犠牲にしている感覚はありません。
Q4 「両立するのに時間が不足することは無い」とのことですが、両立できずに悩んでいる人は多くいるのもまた事実です…どのように両立されているのか、岡崎選手の時間の使い方を少し紹介して頂けますか?
例えば3年の夏学期のある曜日は、1限の最初8:30~4限まで授業に出て、17時~21時迄部活をしていました。
週に4回筋トレをするのですが、このように忙しい日は昼休みに筋トレをこなしたりしていました。勉強は土日の朝や空きコマにしていました。隙間時間を色んな事にうまく活用しています。
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Q5 部のアピールポイントを教えて頂けますか?
先輩と後輩の仲が良く、雰囲気が良い所、チームのために頑張りたいと思える組織である所です。
そして部のヘッドコーチが日本代表のヘッドコーチをしていた人であったり、Dome(プロテインやアンダーアーマー商品を扱う、スポーツで社会を豊かにすることを掲げた会社)に支援して頂いているため、メジャーリーガーも来ているようなジムでトレーニングが出来たりと最高の環境が整っていることも魅力の一つです。
Q6 岡崎選手が、今、WARRIORSにいる理由を教えて頂けますか?
正直に言って、ア式を辞めたことがこれまでの人生で最大の挫折で、
スポーツで負けたまま終わりたくなかったのでこの部活に入りました。
しかし、今部活をやっているのはそんな入部当初から抱いた想いよりも、
周りの仲間の為に頑張りたいという想いです。
これだけ全力でやれるのは今しかない。仲間も好きで、今はなぜ(アメフト部で)頑張るかと問われると仲間のためと言い切れます。
Q7 最後に、現在、サークル・部活選びの真只中の新入生へメッセ―ジを頂けますか?
自分がどうなりたいかを思い描き、好きな事を見つけてそれに打ち込んでほしいです。その選択肢の中に運動会や Warriorsもあります。
かといって、やはり、なりたい自分の理想像になかなか近づけないことや、失敗してしまう時もあるものです。自分も練習をやっていて、こんなことをやっていて意味があるのだろうか、と悩むこともあります。
しかし、好きなことを見つけて打ち込めれば、何者にも代え難い経験を得られます。それはもちろん運動会に限った話ではありません。楽器などを頑張っている人も凄いな、と思います。
とにかく、大学生活を無為に過ごすのは勿体ないので重い腰を上げて欲しいです。成功が成長の指標で+1だとすると、失敗はプラスになることはないかもしれませんがマイナスもそんなに無いもの、つまり±0なのです。
そこで、やりたいことがあっても上手くいかなくて何者にもなれない自分を責めたくなるかもしれません。しかし、そこで自分を責めないで、また頑張り続けてほしいです。自分もそう思うようにしています。
どこまでもストイックで
向上心溢れる本物のアスリート。
しかし、自分に自信が持てず悩める人へもエールを送る優しさを見せたのが印象的だった。
東京大学運動会アメフト部WARRIORS#99は今日もフェイスガードの下で闘志と情熱を燃やす。